誰が決めたの?誕生花の意味と由来
誕生花は、生まれた月日にちなんだ花です。1~12月まで異なる花が決められているだけでなく、1~31日まですべてに花があてはめられています。そんな誕生花を、いつ、誰が、どのようにして決めたのか、少しだけ気になるという方もいるかもしれません。実は、ちゃんとした意味や由来があるのです。
そこで今回は、誕生花の意味や由来、各月の誕生花についてご紹介します。自分や大切な人の誕生花を知るきっかけにしてみてください。
神が定めた運命の花。誕生花に込められた意味と由来
誕生花の由来は国や地域によってさまざまな説があり、中でも神秘的でうつくしい伝承として伝わっている由来がギリシア・ローマの人々の思想に隠されています。
ギリシア・ローマの人々は「自然界にはそれぞれを司る神がいる」と信じていました。その考えは、さらに「時間や月日といった『時』にも同じように神が存在する」という考えを生み出します。加えて、ギリシア・ローマの人々は「花や木々は神秘的な力を秘めており、神からのメッセージをその身に宿す」とも信じていたそう。こうした点から、「1月に咲く花にはその月の神からのメッセージが込められているのではないか」「何か意味があってこの日に生まれてきたのではないか」という発想を持つようになりました。
諸説ありますが、ギリシア・ローマの人々のこうした思想が、誕生花のきっかけのひとつと考えられています。その時代の人々にとって誕生花は自分を守ってくれる一番身近な守護神であり、幸福や愛、富をもたらしてくれる神の御使いだったのかもしれません。
上述したギリシア・ローマの人々の思想は、神話から読み取ることができます。
神話とは、古代より語り継がれている伝承文化。諸民族に伝わった神話や伝説、その時代の思想や宗教、文化的要素が組み込まれています。神話には太陽や月、空、海、大地などの自然を司るたくさんの神々が登場する他、豊穣の神や芸術の神、時の神など自然以外のものを司る神も多数登場します。多くの神が登場するのは、当時の人々が神の存在を感じていた何よりの証明になるのではないでしょうか。
誕生花を決めたのは誰なのか、正確なことは分かりません。しかし、少なくともギリシア・ローマの人々が神の定めに従い月日の花を決めたことは推して知るべしといえます。
あなたの誕生花はどんな花?各月の誕生花一覧
誕生日や記念日などにフラワーギフトを贈る際は、その月を象徴する花を選んでみてはいかがでしょうか。
・1月
スイートピー、スイセン、シンビジウム
・2月
チューリップ、マーガレット、サクラソウ
・3月
フリージア、ピンクガーベラ、ワスレナグサ(勿忘草)
・4月
アルストロメリア、カスミソウ、ラナンキュラス
・5月
ピンクバラ、スズラン、カーネーション
・6月
ユリ、アジサイ、グラジオラス
・7月
ひまわり、ツユクサ、ポピー
・8月
トルコキキョウ、アンスリウム
・9月
デンファレ、コスモス(秋桜)、リンドウ
・10月
オレンジバラ、オレンジガーベラ、キク
・11月
ガーベラ、ツバキ
・12月
赤バラ、シクラメン、カトレア
花の種類はたくさんあり、ワンシーズンだけでも膨大な花が咲きます。そのため、1~12月までの各月の誕生花も、たったひとつと決められているわけではありません。また、うるう年を含めた366日すべての誕生花もひとつではありません。誕生月と誕生日の花の中から、贈る相手に似合う花や、すてきな花言葉を持つ花などを選んでみてはいかがでしょうか。世界にひとつだけの特別なフラワーギフトになるはずです。
誕生花に思いを込めて……
誕生花の由来は、ギリシア・ローマの人々の思考に隠されていました。時代を超えて語り継がれる誕生花は、現代でも花言葉という形で温かな思いを代弁します。
ギリシア・ローマの人々が信じた神からのメッセージは、今なお神秘的なヴェールに包まれたまま。もしかしたらそれは、誕生花と同じ日に生まれた人にしか解読できない秘密のメッセージなのかもしれません。