2月の誕生花でもあるチューリップ。
お花屋さんや花壇で並んでいるチューリップは、とてもかわいらしいですよね。
そんなチューリップに注目してみると、同じチューリップというお花でも、様々な咲きかたをしていることに気が付くと思います。
今回はチューリップの咲きかたについてご紹介します。
「チューリップにはどんな咲きかたがあるのか気になる」という方はもちろん、「チューリップに違いがあるの?」と思った方もぜひチェックしてみてください。
また、あまり意識されることのない、チューリップの「香り」についても掲載しています。
チューリップの品種は何種類?
お花屋さんで並んでいるチューリップには、たくさんの種類がありますよね。
皆さんは、チューリップの品種数がどれくらいあるか知っていますか?
実はチューリップの品種数は、オランダ王立球根生産者協会に登録されているものだけでも6,500品種以上あります。
そして現代でも新しい品種が登場しています。
チューリップは、お花の中でも品種が多いのです。
そのため、親しみのあるチューリップですが、まだ私たちが見たことのない花姿をしたものもありそうだと思いませんか?
そう思うと、少しワクワクしてきますよね。
6,500品種以上もの品種があるチューリップは、主に咲きかた(花の形)と花が咲く時期によって、4分類15系統にまとめられています。
分類の仕方は、3分類分が咲きかたと開花時期によって決められており、そこに原種をまとめた1分類分を加えて構成されています。
同じチューリップというお花でも、花びらが波打っているものや、たくさんの花びらが付いているものまで様々な咲きかたがあるのです。
特にお花を見る時は、色の印象が強くなりがちですが、ぜひ咲きかたにも注目してみてくださいね。
ここからは、チューリップの咲きかたについてお伝えします。
一重咲き
一重咲きのチューリップは、一番親しみのある咲きかたではないでしょうか。
「ザ・チューリップ」と言っても過言ではないですよね。
お花屋さんで切り花として見かけるだけではなく、公園の花壇などでもよく目にすることがあるオーソドックスな咲きかたです。
花びらが重なり合うことなく、咲いている姿はシンプルで美しいですよね。
6枚花びらがあるように見えますが、実際は花びらは3枚で、花を支えたりする部分であるガクが3枚あり、全部で6枚で構成されています。
ちなみにこの一重咲きは、最も多く流通している咲きかたでもあります。
そのため一重咲きは、チューリップの咲きかたの中で、最も入手しやすいかもしれません。
主な品種は、イルデフランス・ストロングゴールド・ホワイトマーベルなどがあります
八重咲き
八重咲きは、一重咲きが突然変異したことがきっかけで、誕生した咲きかたです。
先ほど紹介した一重咲きよりも、八重咲きは花びらが多いチューリップになります。
花びらどうしが、重なり合うように咲いている八重咲きは、ふわっとした見た目になるので、豪華な印象になりますよね。
バラのようにも、見えるかもしれません。
八重咲きの品種の中には、40枚以上の花びらが付いているものもあるのだそうです。
想像しただけで、すごくボリュームがありそうですよね。
そんな八重咲きのチューリップは、たくさんの花びらがある分、お花が完全に開いてしまうと、少しだらしない雰囲気になってしまいます。
花びらが全体的にでろーんと、広がってしまうのです。
そのため、八重咲きのチューリップをお部屋で飾るという時は、涼しい場所を選ぶようにしましょう。
暖かいお部屋に飾ってしまうと、開花が早くなってしまうのです。
チューリップは、飾るお部屋の温度を調節することで、完全にお花が咲ききるまでの時間を伸ばすことができますよ。
主な品種は、アップスター・ブルーダイヤモンド・アンジェリケなどがあります。
フリンジ咲き
フリンジ咲きのチューリップは、フリルのようなかわいらしい見た目をしています。
花びらに注目してみると、花びらの縁に細かい切れ込みが入っていて、ギザギザ・ヒラヒラしていることが分かると思います。
ボリュームがある花姿のため、フリンジ咲きのチューリップを1輪飾るだけでもお部屋が華やかになりそうですね。
フリンジ咲きのチューリップは、比較的に新しい品種が多いです。
ちなみに、フリンジ咲きは花びらの重なりがほとんどない一重タイプだけではなく、たくさんの花びらを持った八重タイプもあります。
写真のチューリップは、八重タイプです。
主な品種は、ランバダ・ハウステンボス・ニューサンタなどがあります。
パーロット咲き(パロット咲き)
あまり頻繁に見ることのない、パーロット咲き。
花びらで、くるっと何かを包んでいるような、珍しい見た目をしていますよね。
この「パーロット」という名前は、特徴的な花姿から付けられています。
パーロットとは「オウム」という意味があります。
花びら1枚を見てみると、確かに「オウムの羽」といわれれば、ところどころ切れ込みが入り、巻いているような波打った様子が、そのようにも見えますよね。
パーロットのつづりは「parrot」です。
ちなみに、お花がパッと開くと動きがある見た目になるので、芸術的な印象になります。
お花が咲いた姿よりも、つぼんでいる姿を楽しむことの多いチューリップですが、パーロット咲きのチューリップをお部屋に飾った時は、ぜひ開花した後も注目してみてくださいね。
主な品種は、ロココ・フレミングパーロット・パーロットゴールドなどがあります。
ユリ咲き
咲きかたの名前にもなっているように、花姿が「ユリの花」に似ていますよね。
花びら1枚ずつを見てみると、花びらの先が細くなっています。
「花びらの先が尖っている」と言うと、分かりやすいかもしれません。
このユリ咲きは、飾っているうちに、外側に花びらが反り返っているように咲いていきます。
花びら1枚に注目してみても、外側に反っているようになっています。
ユリ咲きは初めに紹介した、一重咲きのチューリップよりもスタイリッシュで、大人っぽいイメージですよね。
お花の形が面白いので、ぜひお花屋さんで見た時は注目してみてください。
主な品種は、バレリーナ・プリティウーマン・バラードゴールドなどがあります。
クラウン咲き
「クラウン」とあるように、花姿をみると王冠がイメージできますよね。
花びらの先が、ねじれていることが特徴的です。
お花が開いてくると、花びらがくるっと丸まって行きます。
ユニークですよね。
こちらもフリンジ咲きと同じように、新しい品種のチューリップに多い咲きかたです。
主な品種は、イエロークラウン・ホワイトリバースター・ピンクリベロスターなどがあります。
チューリップはどんな香り?
切り花だけでなく、イラストなどでも用いられることのあるチューリップ。
子どもから大人まで知っているチューリップですが、その香りは想像できるでしょうか。
バラの香りを聞かれたら、「何となくイメージできる」という方もいらっしゃると思いますが、チューリップは「どんな香りなのか、いまいちイメージできない」という方が多いのではないでしょうか。
ここからは、そんなチューリップの香りについてご紹介したいと思います。
チューリップの香りは、よく「ジューシーで甘い香り」と表現されることが多いです。
または、「みずみずしいほのかな甘い香り」や「スパイシーな香り」と、言われることもあります。
実は、チューリップは品種によって香りが異なります。
そのため、様々な香りの表現がされるようです。
しかし、どんなチューリップでも良い香りがするわけではないのです。
実は、香りを楽しめるチューリップは、切り花として流通している品種の20%ほどなのだそうです。
花束やアレンジメントとして使われるチューリップに鼻を近づけても「良い香りを感じられない」ということもあるかもしれませんね。
ちなみに、チューリップは暖かいお部屋で飾っている方が、香りが強くなると言われています。
チューリップを飾っている場所の温度が高ければ高いほど香りを強く感じやすく、温度が低ければ低いほど、香りは弱く感じるようになるのだそうです。
「チューリップの香りを楽しみたい」という方は、室温の高い所に飾ってみると良いかもしれませんね。
しかし、温度の高い所にチューリップを飾っていると、比較的に早く開花してしまいます。
そのためチューリップに「長持ちして欲しいか」または、「香りを楽しみたいか」どちらを優先するかを考えることがおすすめです。
ただチューリップはもともと、お部屋全体に良い香りを充満させるほどのお花ではありません。
チューリップの香りを感じたいと思った時は、お花に顔を近づけるようにしてみてくださいね。
また、チューリップは7~8分咲きの時が、良い香りを感じやすいのだそうです。
そのため、購入してすぐのつぼんでいる状態よりも、少し自宅で飾ってからの方が香りを楽しめるかもしれませんね。
香りのいい品種
チューリップは、特に八重咲きやユリ咲きの品種に、良い香りが多いと言われています。
また、オレンジ色・黄色のチューリップは香りが強いものが多いとされています。
ここでは香りが良いとされている、チューリップの品種をご紹介します。
ぜひ、自宅で飾るチューリップを選ぶ時は「香り」にも注目してみてくださいね。
●バレリーナ
ユリ咲きのチューリップ。
鮮やかなオレンジ色と、フローラルないい香りが特徴です。
●モンテカルロ
八重咲きの黄色いチューリップ。
切り花よりも、鉢植えや花壇で見かけることの多い品種です。
甘く爽やかな香りがします。
●バラードゴールド
黄色いユリ咲きのチューリップ。
少し弱いですがフルーティーな香りを楽しむことができます。
チューリップの和名は香りから?
皆さんは、チューリップの和名をご存知ですか。
チューリップは、和名で「鬱金香」と言います。
この「鬱金香」は、「ウコンコウ」または「ウッコンコウ」と読みます。
由来はチューリップが、ウコンのような香りだったからと言われています。
ウコンは、お米を黄色く染める時などに使うターメリックと同じ意味です。
当時の人は、チューリップからスパイシーな香りを感じたのでしょうか。
香りが強いお花ではないのに、名前に「香」と入っているのはなんだか不思議な感じがしますよね。
色以外にも注目したいチューリップ
お花屋さんで並んでいるチューリップをみると、色に注目することが多いと思います。
しかし、チューリップは咲きかたや香りにも違いがあることを、お伝えできたのではないでしょうか。
同じ花色でも、花びらの様子によっては雰囲気や印象も変わってくると思います。
チューリップを誕生日や結婚記念日のプレゼントで渡そうと考えている方は、色以外も意識して選んでみるのもおすすめです。
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