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  3. ペットの誕生日祝いにお花はOK!? NGな種類・飾り方・おすすめプレゼントの基礎知識【獣医師監修】

ペットの誕生日祝い
にお花はOK!?
NGな種類・飾り方・
おすすめ
プレゼント
の基礎知識
【獣医師監修】

大切なペットの誕生日には、きれいなお花やプレゼントで祝ってあげたいものですね。でも少し待って! ワンちゃんやネコちゃんには、健康上のリスクから避けなければならないお花・植物が思いのほかたくさんあるんです。かけがえのない家族が辛い目にあってしまわないよう、お花選びは慎重に、ペットやオーナーさんにとって素敵な記念日となるプレゼントを準備しましょう。

今回は、獣医師の阿部美奈子さんに、ペットがいるご家庭で避けるべきお花を解説していただくとともに、おすすめの植物・飾り方・おすすめのギフトなどについてご紹介いただきました。

今回お話してくださった先生

阿部 美奈子 さん

阿部 美奈子 さん

マレーシア在住、獣医師。「ペットと人のハッピーライフを出会いからエンディングまで」を合言葉に、マレーシアと日本を行き来しながら「待合室診療」というこれまでにない診療を実施。自らが構築した動物医療グリーフケアを各地で展開中。2019年5月、ペットライフのトータルコンサルタント会社「合同会社Always」を設立。著書に『犬と私の交換日記(二見書房)』『猫と私の交換日記(二見書房、2022年12月22日発刊予定)』がある。

※以下内容は、阿部先生へのインタビューをもとに、編集チームが執筆したコンテンツです

そもそもペットの誕生日祝いにお花ってアリ?

ペットの誕生会の様子

ペットの誕生日にお花や植物を贈ることについて、選ぶお花、そしてオーナーさんが置き場所にしっかりと配慮ができればOKです。

お花を飾ることによってご家庭が明るいムードになり、オーナーさんが笑顔になることで、ワンちゃんやネコちゃんはそれを感じ取って嬉しくなるでしょう。

誕生日を祝ってもらっているとき、
うちの子ってどう感じているの?

ただし、ペットのお誕生日プレゼントとしてお花や植物を選ぶ際には、気をつけるべきポイントがたくさんあります。

ペットの誕生日祝いに避けるべきお花・植物

ペットに危険な花

アレルギーや健康上の観点から、ペットがいるご家庭では避けるべきお花・植物があります。

散歩コースなど屋外にお花や植物がある分には、ペットはさほど気に留めず、夢中になることは少ないでしょう。しかし、自分のテリトリーとなるお部屋に目新しいお花や植物があった場合、ペットは強い興味を示してニオイを嗅いだり、触ったり、さらには食べてしまったりするケースがあります。

万が一、自分が誕生日プレゼントとして贈ったお花が原因で大切なペットが体調を崩してしまったら、深い悲しみと後悔が生まれます。また、自分が贈ったお花によって、お友達のワンちゃんやネコちゃんが中毒症状を起こしてしまうアクシデントが起これば、贈った側と受け取った側の双方にとって取り返しのつかないことになります。

ご自身のペットやペットを飼っているお友達へお花を贈る前に、まずは避けるべき種類をしっかり把握しておきましょう。

● ワンちゃんやネコちゃんがいるご家庭にユリ科の植物は絶対ダメ!

ユリ科の植物は、どの部位をとってもワンちゃんやネコちゃんには有毒です。花びらのみならず、葉っぱや茎・花粉・根など、少量の誤食でもネコちゃんは強い中毒症状を起こし、命を落としてしまうケースがあります。ユリ科のお花を生けていた花瓶の水でさえ、ペットにとっては危険なのです。

ユリ科の植物は、フラワーギフトでも人気のユリやチューリップをはじめ多数ありますので、ネコちゃんのいるご家庭では細心の注意が必要です。

● 手が届く場所にあると誤食の危険があるお花・植物

球根植物

チューリップやスイセン・アマリリス・彼岸花といった球根植物は、ペットが誤食する危険をはらんでいます。特に大型犬は、好奇心や空腹から球根を誤食するリスクがあります。
ワンちゃんやネコちゃんが球根を食べると、中毒症状として嘔吐・下痢を引き起こしたり、肝臓や腎臓に炎症が起きたり、最悪の場合、命を落としてしまうこともあります。
ペットが球根を食べてすぐのタイミングであれば吐かせることができますが、誤食してから時間が経っていると、動物病院で点滴・輸液などをして毒素を排出する処置が必要です。

アジサイ

アジサイの葉の部分には、動物にとって有害な成分が含まれています。ペットがアジサイを誤食すると、嘔吐やめまい・意識障害などを引き起こします。

アイビー系の観葉植物

アイビー系の観葉植物(アイビー・ポトスなど)にも毒素が含まれており、ペットが誤食すると嘔吐や胃腸炎を引き起こすことがあります。

サボテン

サボテンにはトゲがあるので、ペットが触れて怪我をする恐れがあります。

かすみ草

かすみ草はペットがいじって遊んでいるうちにうっかり食べてしまうことがあり、誤食の量によっては中毒症状を引き起こすことがあります。

バラ

バラの花自体に強い毒性はないのですが、バラには大小さまざまなトゲがあるので、ペットにとって危険です。お花屋さんがトゲを切ってくれていたとしても、細かなトゲでペットが怪我をしないよう注意が必要です。定期的に換えないと花瓶の水が腐りやすく誤飲が心配という意味では、バラを含め花瓶に花を飾るときは必ずペットの手が届かない場所を選びましょう。

クリスマスシーズンのお花も危険が多い

ポインセチアやクリスマスローズ・シクラメンといったクリスマスシーズンに定番のお花も、ペットが誤食すると中毒を起こす恐れがあります。また、松ぼっくりはペットが好奇心からガリガリ噛んで、誤食するリスクがあります。毒はありませんが、ワンちゃんが松ぼっくりを大量に食べると胃炎やお腹を壊したり、腸に詰まると腸閉塞になったりする危険があります。

※今回は特に危険なお花を紹介しています。そのためここに掲載していない植物が、ペットにリスクがないわけではありません。

もし、これらのお花をペットへ贈ったり、お友達からもらったりした場合は、ペットが入らないお部屋や手が届かない高い場所へ飾るようにしましょう。

● 鉢植え植物の土にも注意が必要!

ワンちゃんやネコちゃんのいるご家庭では、鉢植え植物の土にも注意が必要です。その理由は、市販されている鉢植えの土には肥料や農薬・防虫剤が混ぜられていることがあるからです。

ペットが花や植物に興味を持ち、ニオイを嗅ぎながら土を掘ったり舐めたりすることで、体調不良を引き起こす可能性があります。そこで、鉢にネットやカバーを被せるなど、ペットが土に触ってしまわないようオーナーさんが工夫することで、鉢植え植物を安全に飾ることができます。

● 基本的に香りの強いお花・植物は避けて

ワンちゃんやネコちゃんは嗅覚が鋭いため、香りが強めのお花・植物がお部屋の中にあると気分が悪くなったり、自分のニオイが消される嫌悪感を持ったりします。この理由から、ペットへのフラワーギフトとして香りの強いお花は避けたほうが安心ですが、ペットが生活するスペースから離れた場所に飾る分には問題ありません。

ペットの誕生日祝いにおすすめのお花・飾り方は?

観葉植物とくつろぐネコちゃん

では、ペットの誕生日にお花や植物を贈りたい場合は、どのようなアイテムを選ぶと良いのでしょうか。

● 観葉植物

鉢にネットやカバーを被せて、ペットが鉢の中の土をいじることができないよう配慮できる環境であれば、ペットの誕生日のプレゼントとして観葉植物はおすすめです。パキラやベンジャミン・ガジュマル・ネムの木・シュロチク には害がないので、ペットと一緒に暮らしていても安心して飾ることができます。
動物は本来、自然豊かな環境で生活していました。お部屋に観葉植物を飾ることで森林浴の効果が得られ、ペットもリラックスしやすくなります。

パキラ
観葉植物の中でも人気のパキラ。
育てやすく、大きな葉がインテリアにぴったり!

こだわりの産地から観葉植物をお届け

● ペットの手が届かない場所や入れないお部屋に置けるアレンジメント

ワンちゃんやネコちゃんがいる環境でお花を飾る際は、必ずペットの手の届かない場所や、入ることのできないお部屋を選びましょう。小さめのアレンジメントであれば、オーナーさんのお部屋の高い位置に置くことができます。生活空間をあちこち自由に移動するネコちゃんや、高い位置まで手の伸ばすことができる大型犬のいるご家庭では、お花を飾る場所について細心の注意が必要です。

可愛いアレンジメントがいっぱい!

● 壁掛けできるタイプのフラワーアレンジメントや花束

ペットがいても安心な飾り方

天井から壁にかけるタイプのフラワーアレンジメントや花束もおすすめです。このほか、写真のように壁に飾ったガーランドへお花を吊るアレンジや、ドアの高い位置に飾ることができるリースは、ペットの手が届かないので良いでしょう。

生花・ドライフラワーのどちらでも大丈夫ですが、やはりニオイの強いお花は避けましょう。

● プリサーブドフラワー

プリサーブドフラワーは特殊加工が施された状態でクリアケースに入ったものが多いので、ペットがいるご家庭でも、お花の種類を問わず贈ったり飾ったりすることができます。水やりも不要ですので、ペットが花瓶に触って水をこぼす、花瓶の水を飲んでしまうといった心配もありません。お花自体の香りが少ない点も、ペットにプリザーブドフラワーを贈ることのメリットのひとつといえます。

ペットの誕生日、プレゼントを贈るなら何がおすすめ?

ペットへの誕生日ケーキ

ペットの誕生日に、おもちゃやペット用ケーキなどのプレゼントを贈りたいという方も多いでしょう。そこで、獣医師さんおすすめのアイテムをご紹介します。

● 無添加のケーキ

ペットへ贈る誕生日プレゼントの定番といえば、ワンちゃん・ネコちゃん専用のケーキです。専門のショッピングサイトで可愛いケーキを注文することができますし、最近ではペット用ケーキのレシピがあちこちで紹介されていますので、大切なペットへの想いを込めて手作りする方も多いでしょう。

市販の誕生日ケーキを購入する際にぜひチェックしたいのは、「無添加」であること。オーナーさんはケーキに使われている原材料を必ず確認し、着色料や添加物が入っていない商品を選びましょう。食物アレルギーがあるペットの場合には、食材をしっかりチェックしてください。

ペットへの手作りケーキ

ケーキを手作りするのであれば、人間が食べる食材を使ってケーキのように丸く成形しましょう。サツマイモやジャガイモ・ニンジン・枝豆などのカラフルな野菜や、固茹で卵、ボイルしたささみや脂肪分を落とした豚肉をペーストにしたものなどを使うと、見た目にも可愛く、ペットの体に配慮した誕生日ケーキを作ることができます。

また、ワンちゃんやネコちゃんにとって米粉やクズ粉を使ったケーキは、原材料が小麦粉のものよりも消化が良くなるのでおすすめです。ネコちゃんの場合は、お刺身用の白身魚やマグロに少しだけ火を通し、レア状態でケーキのような丸い形に整えるのもいいですね。

● 夏、暑がりなワンちゃんには保冷グッズ

夏が誕生日のワンちゃんであれば、保冷効果のあるクールマットや首輪など、動物用の熱中症対策アイテムがおすすめです。ワンちゃんは心地良く過ごせて、オーナーさんもペットの健康管理ができて安心です。

● 冬、寒がりなネコちゃんにはブランケットや暖かいベッド

ネコちゃんは寒がりですので、冬場はブランケットや「猫ちぐら」のような、ネコちゃんが隠れることのできる暖かいベッドがおすすめです。おしゃれなデザインのベッドを選べば、オーナーさんのお部屋のインテリアにも馴染みます。

ブランケットで眠るペット

● シニアのワンちゃん・ネコちゃんには、シニア用食器

私たち人間と同じように、ペットも高齢になると口周りの筋力の低下などによって食べこぼしが増え、ドライフードが上手に口へ運べなくなることがあります。そうするとワンちゃんやネコちゃんは「疲れるからいいや」と食べることを諦めてしまい、食事への興味が薄れたり食べる量自体が少なくなったりするのです。

そういった子には、シニア用のフードが滑らないお皿や、ペットにとって食べやすくなるよう工夫されたお皿がぴったりです。ペットの食べる力が弱くなっていても、食器の形状によって上手にフードを口へ運べるようになるので、オーナーさんにとっても嬉しく、ワンちゃん・ネコちゃん自身も食事が楽になります。

● ウォーターファウンテン

ウォーターファウンテンとは、噴水のように流れている水飲み機・給水機のこと。ワンちゃんもネコちゃんも流れている水が大好きなので、喜んでお水を飲んでくれます。普段あまりお水を飲まない子もしっかり飲めるようになるので、ペットの健康面からもおすすめのアイテムです。

● オルゴール

オルゴールの音色はペットにとって癒しの効果があり、優しい音の響きが動物の神経を穏やかにさせるといわれています。

● ノーズワーク・トイ

ノーズワークとは、動物が嗅覚を使って食べ物やニオイを探し当てる遊び全般を指します。ノーズワーク・トイとはこの遊びをするための、主にワンちゃんが使う専用の知育玩具のことです。オーナーさんがおもちゃの中におやつを隠し、ワンちゃんが嗅覚を使って探し出す遊びをすることで、ストレス解消や脳の老化も防げるとされています。

● 見守りカメラ

お友達のペットの誕生日に何かプレゼントをしたい場合は、お部屋に設置できる見守りカメラがおすすめです。オーナーさんが外出していても、お留守番中のペットの様子をスマートフォンで確認することができるので、とても安心です。最近では3,000円前後からと手頃な価格帯のものが見つかりますので、贈るお相手もあまり気を遣わないギフトになります。

ペットの肉球スタンプを残しておくと成長記録に!

ネコちゃんの肉球

年齢によって大きさが変わるペットの肉球をカードなどに押して記念に残しておくと、ワンちゃんやネコちゃんの成長記録になります。その際に使うアイテムとしておすすめなのは、新生児の手形・足形をとる専用のインクです。

多くの商品は赤ちゃんが万が一舐めてしまっても無害な顔料で作られているので、ペットにも健康被害がなく安全に使えます。お子さんがいるご家庭なら、子どもの手形や足形と一緒にペットの肉球を取っておくのも素敵な思い出になりますね。

お花と一緒にペットの写真を撮る時のアドバイス

お花と一緒にペットの写真を撮る時のアドバイス

ペットのお誕生日会を開催するときは、思い出に残る写真を残したいものですね。でも、オーナーさんが写真を撮ろうとしてもペットが大人しくしてくれなかったり、カメラの方を向いてくれなかったりすることもあるでしょう。ワンちゃんやネコちゃんと上手に写真を撮るためのコツを、獣医師さんにご紹介いただきました。

● 空腹時を避けて

ペットの誕生日会にはオーナーさんも「うちの子が好きなご飯」を準備しますので、ワンちゃんやネコちゃんは食欲がアップします。

しかし目の前に美味しそうなご馳走が並べられた状態でオーナーさんが長々と写真を撮ろうとするのは、ペットからしてみれば、長く「待て」をさせられているようなもの。ペットが興奮して、なかなか落ち着いてくれないのも仕方ありません。

ペットとの記念撮影は、ご馳走や可愛いケーキに囲まれて撮りたい!と思うオーナーさんも多いと思います。

その場合は、全て準備が整ってから主役のペットに登場してもらい、できるだけ早く済ませてあげましょう。ちょっとしたハプニングで上手に撮れなくても、そんな写真も忘れられない一枚です。
また、カメラ目線の笑顔の写真は、食事の後に撮るのがおすすめです。お腹がいっぱいになって満足した状態であればペットの気持ちものんびり安定しているので、オーナーさんも落ち着いてシャッターを切ることができるでしょう。

● ネコちゃんの場合はおやつやオモチャで気を引いて

気まぐれなネコちゃんの場合、ワンちゃんよりも写真を撮るのが難しいかもしれません。ネコちゃんの写真を上手に撮るコツは、撮影する人とは別のもう一人がカメラの向かい側に立って、ネコちゃんの好きなアイテムを手に持ち、揺らして気を引くのが一番です。おやつやオモチャに気がついたネコちゃんは目で追いますので、そこがシャッターチャンスです!

● 連写するか、動画で撮影して後から静止画に切り出そう

わんぱくなワンちゃん・ネコちゃんの写真撮影にお困りのオーナーさんは、スマートフォンの連写機能を使ったり、動画で撮影した後で静止画に切り出したりするのもおすすめです。

お部屋の飾りつけやペットのいる場所など、レイアウトをしっかり決めた「映える」写真をいざ撮ろうとするとなかなか難しいですが、ペットが普段通りに過ごしているシーンを連写や動画で撮影していると、意外と良い瞬間が切り取れるものです。

ペットの誕生日祝いは、
ペット目線で考えてあげることが大事!

まとめ

  • ペットの誕生日祝いとして、フラワーギフト条件付きでアリ
  • 避けるべきお花・観葉植物に注意!
  • 観葉植物や壁掛けできるスタイルがおすすめ
  • 誕生日プレゼントはペットの個性や年齢に合わせて選ぼう
  • 肉球スタンプで成長記録を残すと◎
  • ペットとの写真撮影は手早く、できれば食後に!

以上の点を心がけて、大切な家族の誕生日をめいっぱいお祝いしてあげてくださいね!

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