転職祝いは
必須じゃない!?
「大人の心遣い」と
お花の豆知識
【マナー講師監修】
会社の同僚や先輩・後輩、家族や友人が転職するとなった際、お祝いとしてお花やプレゼントを用意する方は多いでしょう。
しかし最近は、キャリアアップのために転職を重ねる方も多いので、「この方、在籍期間が短かったけど、何か贈るべきなのだろうか…」など、シチュエーション次第で内心疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回ご紹介するのは、転職祝いにおけるマナーや心遣いのポイント・お祝いのお花の選び方について。
それぞれのポイントを、マナー講師・カラー講師の馬上久恵さんにお話をお聞きしました。
今回お話してくださった先生
馬上 久恵 さん
ジュエリーコーディネーターを経て、マナー&カラー講師。マナーとカラー、2つのアプローチの相乗効果で、個人はもとより企業セミナーでも絶大な信頼を得て、個人向けコンサルタント、スクール専任講師、専門学校講師として幅広く活躍中。
目次
実は転職祝いをしない方が良いケースもある!
――そもそもですが、転職される方にはお花やプレゼントを贈ったほうが良いのでしょうか?
転職するからといって、必ずしもお祝いを贈る必要はないと思います。最近は、キャリアアップを目指して転職を重ねる人も多いですよね。
家族やご友人の場合、毎回お祝いするのは大変なので「本当にいきたかった会社に転職できた」などの特別な場合にのみ、お祝いすれば良いのではないでしょうか。
気をつけるべきなのは、「本当に希望して転職するわけではないケースもある」ということですね。実は本意ではない転職なのに、知らずにお祝いしてしまうと、ご本人が複雑な心境になったり寂しさを感じたりする恐れもあります。
――職場の人が転職する場合も、同じように判断すれば良いのでしょうか?
職場の場合は、職場のルールに従うのがベストです。誰かが辞める際に必ずお花やプレゼントを渡す職場ならそれに従い、ルールが無い職場なら挨拶だけで済ませても問題ありません。
後者のケースでも、「すごくお世話になった先輩や仲が良かった同期の転職だから、感謝やお祝いの気持ちをこめて贈り物をしたい」というのであれば、個人的に贈っても良いでしょう。
お花は、転職する人の「花道」を飾るアイテム
――転職祝いにはお花が定番だと思うのですが、これはなぜでしょうか?
「花道」という言葉があるように、惜しまれながらも新たな未来に向かって歩いて行く「象徴」としてお花が適しているからです。
それに、お花はやはりもらった側はもちろん、贈る側も一気に華やかな気分になれるのが良いですよね。生きているフレッシュなパワーは、お花ならではのものです!
お花選びは、花言葉と色がポイント!
――では転職祝いには、どんなお花の種類が相応しいのでしょうか?
転職祝いなら、花言葉に希望や感謝の意味が含まれているお花が良いですね。例えば、ピンクのカーネーションやかすみ草には「感謝」、青いバラには「夢が叶う」といった花言葉があるので、転職祝いにはぴったりだと思います。
転職祝いにおすすめの花言葉をチェック
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――お花の色はどんなものがおすすめですか?
お花の色を選ぶときは、ご本人の雰囲気やイメージに合わせましょう。
- いつもハキハキと元気な方…ビタミンカラーとグリーンを混ぜた、色とりどりのお花畑のようにフレッシュなイメージの花束
- エレガントな印象の方…明るくソフトな色がグラデーションになっている、優しい印象の花束
- 可憐で優しい雰囲気の方…優しい色と全体的に小花を合わせて作る、可憐な印象の花束
- 凜とした雰囲気の方や男性…パープルなどの寒色系の色や存在感のある花をあしらった華やかな印象の花束
このほか、ホワイトは「新しい・心機一転・スタート」のイメージがあります。花束にホワイトを加えたアレンジもいいですね。
また、イエローやオレンジは明るく前向きな「幸せな未来」をイメージさせます。
色と花言葉を上手く使い素敵なメッセージが詰まった花束は最高に素敵な贈りものになりますね。
「その人が持ったときに絵になるか」でお花を選ぶ
――種類や色以外に、お花を選ぶ際のポイントはありますか?
「ご本人が、そのお花を持ったところが絵になるか」をイメージしながら選ぶのがポイントです。
お渡しするシチュエーションと合っているか、相手の立場や年齢、性別を考えて色や形・大きさを選んだりすることが大切です。
そういった意味では、男性に贈るお花は可愛らしすぎない色でまとめるのがおすすめです。
青い包装紙やリボンがあれば、それらを使うのも良いです。
――お渡しする際に、紙袋なども一緒にご準備したほうがいいですか?
そうですね、転職される方のなかには「本当は嬉しいけど、お花を持ち帰ることが照れくさい」と感じる方もいます。もらったお花を入れられる「持ち帰り用の紙袋」をお渡しすると喜ばれるでしょう。
恥ずかしくなかったとしても、袋に入れて持った方が持ち帰りやすいですよね。
なお、退職される日というのは荷物もたくさんあります。そのため、大きいものはお花の宅配サービスなどを使って家に届けましょう。ただ、サイズはこだわらずに、その人らしさのあるお花が良いですね。
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花束・アレンジメント・観葉植物、選び方のポイント
――花束の他にもフラワーアレンジメントなどもありますが、どんなものがおすすめでしょうか?
これも、相手に合わせて選びます。
花束は、好きなお花を組み合わせて作ることができる「自由度の高さ」が魅力ですね。お花屋さんに言えば、転職する方のイメージや雰囲気に合わせて作ってもらえます。また授賞式などで花束が贈られることが多いように、花束は手渡ししやすく、持ち運びしやすいのも良い点です。
一方フラワーアレンジメントは、もらったものをそのままポンと飾れるのが良いですね。お花を生ける手間や水換えや切り戻しなどの作業がわずらわしい人には、アレンジメントの方が喜ばれます。一人暮らしの方、特に男性の場合は花瓶が家にないこともあるので、そういった方にもアレンジメントが向いています。
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――近年は観葉植物が人気ですが、転職祝いとして観葉植物を贈るのはいかがでしょうか?
人によっては観葉植物も良いですね。観葉植物は、持ち帰りやすい小ぶりなものや、大きくならずにコンパクトに育てられるものもあります。水やりの頻度も少なく丈夫なので、植物を育て慣れていない人でも扱いやすいですね。
大きなサイズの観葉植物を贈る場合は、相手のご自宅に直接お届けしても良いでしょう。
ただ、中には植物を育てることに全く興味がないという方もいるので、相手の性格やライフスタイルを考慮して判断した方が良いかもしれませんね。
実は選ばないほうが良いお花もある!?
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お花もプレゼントも「その人をイメージできるもの」を選んで
――転職祝いでより喜んでもらえるよう、何か配慮すべきことはありますか?
お花でもプレゼントでも、「その人をイメージできるもの」を選ぶことが大事ですね。自分が持ったり使ったりするイメージができないものをもらっても、「なんで?」となってしまいがちです。お花一本にしても、相手のことを想像しながら選んであげてください。
あとはやはり「ハッピーな転職なのか、そうではないのか」、そこをきちんと見極めてお祝いをするか否かを判断しましょう。前者の場合も、あまり大騒ぎせずに温かな気持ちで穏やかに贈ってあげたほうがよいでしょう。
「兄弟・姉妹だから、同僚だから、先輩だから、お祝いする」ではなく、「どういった転職なのか」を見極めてお祝いする・しないを判断する必要がありますね。前提として、全ての人がハッピーな転職とは限らないという事実を考慮したうえで贈りましょう。
――贈った相手に負担を感じさせないためにできる配慮などはありますか?
金額が高くなりすぎないようにした方が良いですね。新卒祝いとは違いますので、予算も贈る品もそこまで豪華にする必要はないと思います。「ひとまずお疲れ様!これからも頑張ってね」の気持ちを込めて、さらりと渡せるようなものにしましょう。
部署内でお金を出し合って
贈り物をするときの予算相場って?
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マナーとカラー知識を踏まえて、素敵なお花を贈ってみてくださいね。