開店祝い・開業祝いの
予算相場・
おすすめの
お花・贈るときの
注意点・
のし紙の書き方は?
【マナー完全版】
開店祝い・開業祝いの定番といえばお花!でも、どんなお花がいいのか、いくらくらいの予算にすればいいのかをご存じでしょうか?なんとなく「胡蝶蘭」を選んだ経験のある方や、選ぼうとしている方も多いのでは。
そこで今回は、開店祝い・開業祝いの予算相場やお花を贈る際のポイント・プレゼントの選び方・贈る際の注意点や、のし紙の知識などについてマナー講師の石田宙子さんに詳しく教えていただきました。
今回お話してくださった先生
石田 宙子 さん
京都生まれ。高校はアメリカ・ニューヨーク州にて卒業、大学は京都の女子大学にて文学部英語英文学科 異文化コミュニケーションを専攻。“茶の湯のもてなし”茶事をしながら、両側通行のマナーとお付き合いをモットーにサロンを運営。少人数制のコースを教えながら、外部講師としても秘書検定、和装接遇講座、テーブルマナー講座など活躍中。
※以下内容は、石田先生のインタビューをもとに、編集チームが執筆したコンテンツです
目次
開店祝い・開業祝いの予算相場は?
開店祝い・開業祝いの予算は、相手との関係性によって変わってきます。以下を一般的な予算相場と考えてください。
家族や親戚
親から子供に贈る場合 | 5万円〜10万円 |
---|---|
子供から親に贈る場合 | 1万円〜5万円 |
下の兄弟姉妹から上の兄弟姉妹に贈る場合 | 1万円〜3万円 |
上の兄弟姉妹から下の兄弟姉妹に贈る場合 | 3万円〜5万円 |
親戚に贈る場合 | 3万円〜10万円 |
その他
同世代の友達に贈る場合 | 5千円〜1万円 |
---|---|
年上の相手に贈る場合 | 1万円〜3万円 |
年下の相手に贈る場合 | 3万円〜5万円 |
個人で5万円以上のものを贈るのは、家族間、もしくはかなり長いお付き合いがある場合や常連のお客さんである場合のみと考えてください。あまりに額が大きいと、相手に負担をかけてしまいます。
開店祝い・開業祝いにおすすめのお花は?
● 選び方のポイント3つ
開店祝い・開業祝いにお花を選ぶ際のポイントは以下の3点です。
1. 香りが少ないこと
香りが強いお花は、近隣やお店の迷惑になることも。特に飲食店の場合は避けた方が良いでしょう。
2. 花粉が出ないこと
最近は花粉症の方も多いので、花粉が出ないお花を選ぶことも大事です。また花粉が周りを汚してしまうこともあります。
3. 赤色ではないこと
赤は火や火事を連想させるため、開店祝い・開業祝いには適しません。
※赤がコーポレートカラー(お店や企業を代表する色)の場合は赤色を贈ることもあります。
● 開店祝い・開業祝いにおすすめのお花
胡蝶蘭
開店祝い・開業祝いの定番といえば、胡蝶蘭。胡蝶蘭の花言葉は、「幸福が飛んでくる」なので、開店・開業にはぴったりです。中でも白の胡蝶蘭は品格があり、格式の高い贈り物になります。
また、胡蝶蘭は頻繁に水やりをしなくていいため手入れが少なくて済む・日持ちがいい・花粉や香りがほどんどない・花が枯れたらそのまま捨てられるといったメリットがたくさんあります。
菊
菊はお葬式やお通夜など凶事で使われるお花の印象が強いためか、祝い事には適さないと思っている方が多いかもしれません。しかし、菊は決して“忌み花”ではありません。さまざまな品種・カラーがあり、お祝い事に向いているものもあります。
花言葉も「長寿・高貴」なので、「事業が末長く続きますように」という意味を込めるのにはぴったりなお花と言えます。
特に、マンジュウギクなどの、いわゆるポンポン菊と呼ばれる品種はおすすめです。見た目も可愛く華やかなカラーがたくさんあります。
このほか、個人間での贈り物の場合は特に、いつでも手に入るお花よりも季節を感じさせるお花がおすすめです。メッセージカードに、「6月の記念に」などと開店した日付などを書き添えると、粋な贈り物になります。
● スタンド花・ボックスフラワー・鉢植え……おすすめは?
「お花」と一口にいっても、玄関外に飾るような豪華なスタンド花から、ボックスフラワー・ブリザードフラワー・鉢植えなどさまざまなスタイルがあります。おすすめはやはり、豪華で外に飾ることもできるスタンド花です。鉢植えも良いのですが、お世話をすることができる方がいるのか・置くスペースはあるかなど、あらかじめ確認してから贈りましょう。
スタンド花
開店祝いや開業祝いには、スタンド花が人気です。華やかな見た目で豪華というのもありますが、ビジネス的な側面からもスタンド花はメリットが大きいといえます。
スタンド花は外に飾るものなので、もらった側は「オープンしました」という大きな宣伝になります。また、第三者の贈り物を飾ることで「私たちは周りに支えられ、歓迎されてオープンしました」と表現することも可能です。
一方贈った側も、お花に送り主の名前も大きく入れられるので、自分自身の宣伝になります。
鉢植え
鉢植えのお花や観葉植物は根を張っているため、「そのお店や会社がその土地で長く愛されますように」という意味を込めることができます。
ただし、鉢植えは水やり・肥料などお手入れが必要です。また、植物の種類によっては日当たりの良い置き場所を確保する必要があります。お祝いで頂いた品を枯らすわけにもいかないので、相手に気を遣わせてしまう恐れも。鉢植えを贈りたい場合は、贈ってもいいかどうか、先方に了承を得るようにしましょう。
このほか、以下のようなスタイルもあります。
ボックスフラワー
ボックスフラワーとは、箱の中にお花が美しく敷き詰められたアレンジメントのこと。おしゃれなデザインのものもたくさんあるので贈り物に重宝されていますが、開店祝い・開業祝いにはあまり向いていません。というのは、ボックスフラワーは外ではなく中に飾るものなので、宣伝効果に欠けてしまうからです。
先方から「お手洗いに置けるようなボックスフラワーが欲しいと言われた」などと、いったケースであれば別ですが、そうでなければあえて選ばなくても良いのではないでしょうか。
ドライフラワーやブリザードフラワー
ドライフラワーやプリザーブドフラワーは、生花よりも長持ちするのがメリットではありますが、お祝い事には生花の方が無難です。ドライフラワーは生花を乾燥させています。色合いによっては枯れていると思われることも。枯れているもの・生きていないものを置くのは縁起が良くないと感じる人が多いからです。
造花
飲食店などで香りがする生花を敬遠される場合は、造花を贈るのもアリです。ただし、 “作り物”である造花よりも本物のお花の方が贈り物には適していますので、相手から「生花よりも造花の方が良い」と言われた場合の選択肢と考えておきましょう。
花のスタイル(形式)
それぞれのメリットは?
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● お花にプラスして、プレゼントをつけるのもアリ!
お花だけでなく、箱物のお菓子や飲み物などのちょっとしたプレゼントをお渡しすると、お祝いの気持ちをより伝えやすくなります。プレゼントをつける場合は、「お忙しくなると思いますが、甘いものを食べて頑張ってください」「休憩に皆さんでどうぞ」などのメッセージをカードに書いて添えましょう。
ただし、ビジネスの関係などであまり感情を乗せたくない場合は、お花だけの方が無難です。相手との関係性を考慮して判断してください。
“●●”をもらったら
開店・開業祝いを贈るべき!?
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開店祝い・開業祝いの「お名札」の書き方・マナー
● 誰からのお花かわかるよう、お名札をつけて
お名札とは、お花などの贈り物につける、贈り先の名前や祝い文言・送り主の名前を記した札のこと。そのお花をどなたが贈ったか一目でわかるようにするためのものです。開店祝い・開業祝いのお名札の書き方にはマナーがあり、正しく記す必要があります。
【祝い言葉の書き方マナー】
祝い言葉は全て漢字で書くのが正式なマナーです。開店祝い・開業祝いの場合は、以下のように書くようにしましょう。
・右側に「開店」もしくは「開業」と小さく書いて、「御祝」
祝い言葉に4文字・6文字などの偶数は良くないとされています。4文字にならないように「開店」と「御祝」を二行に分けて記します。
・「御開店御祝」もしくは「御開業御祝」
「開店御祝」や「御開店祝」だと4文字になってしまうため、わざと二重敬語にして5文字にします。「自分は二重敬語を使ってしまうほど学がないと思われてもいいから、4文字を避けています」とも取れるため、非常に謙虚で礼儀正しい印象になります。
【贈り主名の書き方マナー】
連名で書く場合は、目上の方や立場が上の方を左側にします。
花キューピットでは、5,000円以上のお花にお名札を付けることができます。
お名札を付けて開店祝いを贈ろう
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プレゼントには「のし」のついた「掛紙」をつけるとより丁寧に
「のし」とは、祝儀袋やのし(熨斗)紙などの右上にある飾りのこと。もともとは本物のアワビを薄く伸ばして乾かしたものを紙で包んで用いていたため、正式には「のしあわび」と言います。「のし」には「神様にお供えしたもの」という意味があるので、慶事に大切な贈り物をするときに使用されます。
開店祝い・開業祝いで贈り物をする際も、「のし」のついた「掛紙」をつけると格式が上がります。贈り物そのものが高級であるかどうかは関係なく、箱物のお菓子やお酒・ビール・栄養ドリンクなどにもつけることができます。ただし、アワビは生臭い匂いがすることから、生モノを贈る際には「のし」は付けず、崩字で「のし」と書いた「掛紙」を使用します。
開店祝い・開業祝いで選ばない方が良いお花・プレゼントは?
● 選ばない方がいいお花
開店祝い・開業祝いには適さないお花や色もあります。もちろん絶対に贈ってはいけないというわけではありませんが、昔から言われているタブーを気にかける方は多いので、避けた方が無難です。
赤いお花
開店祝い・開業祝いに赤色の贈り物は良くないとされています。この理由は、赤色は火事や火を連想させるからです。お花を贈る場合も、赤色は避けましょう。ただ、赤色をお店や企業を象徴している色になっている場合は、贈ることもあります。例えばロゴマークが赤を基調に作られている場合などは、開店祝いに赤いお花を使うこともあります。
ユリやカサブランカ
ユリやカサブランカは花が重たく下を向いて咲き、ゆらゆらと揺れます。その姿が西洋ではキリストが十字架にかけられたところを連想されると言われており、お悔やみ花として使われています。また、花粉も多いので避けた方が良いでしょう。ただ、ユリは花が大きく華やかでお祝いの雰囲気を演出できるため花粉を取った状態で、スタンド花やアレンジメントなどに使われることもあります。
ツバキ
椿の花は華やかで綺麗ですが、落ちるときに花ごとボトッと落ちるため、縁起が悪いとされています。花が落ちる様子は、首が落ちたように見えるため「死」を連想させてしまうこともあると言われています。
あじさい
あじさいは土地によって花の色が変わります。そのため、贈り物に使うと「気移りしやすい人」という印象を与えてしまうことも。もちろん、季節の花として「あじさいが開店祝いに欲しい」と言われた時は贈っても問題ありません。
● 選ばない方がいいプレゼント
開店祝い・開業祝いには、贈らない方が良いとされているアイテムもあります。キャンドルや灰皿などは、火を連想させるため避けましょう。また、スリッパはマットなども「踏みつける」という意味があるので贈らない方が良いとされています。
開店祝い・開業祝いのマナー
● 贈るタイミングは前日がベスト、連絡も入れておくこと
お祝いのお花や品物を贈るタイミングに悩む方は多いかもしれませんね。
開店・開業の当日は、相手もバタバタと忙しくしていることが予想されます。そのため、当日に贈るのはやめておきましょう。ベストは前日。そして、あらかじめ「●日の●時ごろに〇〇をお贈りしますね」と連絡を入れておくことも大事です。
● 何を贈るか、相手と相談するのもよし
もらう方としても、頂いたお花や品物をどこにどう配置するか、あらかじめ分かって準備しておきたいものです。贈る前に「こういうものを贈ろうと思っていますが、いかがでしょうか」と確認を取っておきましょう。何を贈るべきか迷うときも、相手に相談してみてください。
● 遅れてしまった場合のリカバリー方法
当日を過ぎて遅れてしまった場合は、お詫びを入れた上でできるだけ早くお渡しするようにしましょう。お詫びの旨を伝える際は、できれば直接伺うか、それができなければ電話を入れることをおすすめします。メールやチャットでもお詫びを言うことはできますが、簡単なツールであればあるほど誠意や気持ちは伝わりにくくなってしまうものです。
まとめ
- 予算は相手との関係値によって調整する
- お店の宣伝になるスタンド花はおすすめ!
- お花+プレゼントを贈って、より心配りを表すのも◎
- お花にはお名札、贈り物にはのし紙をつける
- 炎を連想させる色・モノはNG
- 花粉の多いお花も避ける
- 贈るタイミングは開店・開業の前日がベスト!
以上を心がけて、大切な人の新しい門出を素敵なお花でお祝いして見てくださいね♪
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