お正月
菊(キク)の花言葉とお手入れ方法、お祝い・お供えで贈るときのマナー
お供えの花のイメージが強い方も多い、菊(キク)。
しかし実は菊はお供えだけではなく、お祝いでもよく贈られる花なのです。
今回は菊の魅力や花言葉、長持ち方法などをご紹介します。
菊の基本情報
まずは菊がどんな花なのかをご紹介します。
- 学名:Chrysanthemum
- 科・属:キク科・キク属
- 原産地:中国
- 開花時期:9月~11月・主に秋
- お花屋さんで買えるタイミング:1年中・特に10月は品種が多くなる
- 花の色:白・黄色・赤・ピンク・オレンジ・紫・グリーンなど
- 花持ち:良い
菊は中国が原産で、カラーバリエーションが多い花の1つです。
イメージの強い白以外にもピンクや赤、グリーンなど花色の種類が豊富。
またカラーだけではなく和菊や洋菊など、咲き方も種類が多く、さまざまな品種から選べるのも菊の嬉しいポイントです。
咲き方・花のサイズ・花の色などのバリエーションが豊富で、たくさんの品種の中から気に入った菊を贈ることができます。
品種によって見た目が異なるので「これも菊なの⁈」と思うことも。
お花屋さんに立ち寄るときは、どんな菊があるのか注目してみてください。
加えて秋に開花する菊ですが、お花屋さんでは1年を通して販売されており、目にすることも多いのでは。
菊は誕生日のプレゼントやお墓参りなど、幅広い種類で活用されています。
そのため、お花屋さんの中では他の花よりも多く入荷しているところもあるのだそう。
もしかするとほかの花よりも、目に触れる機会が多いかもしれませんね。
菊(キク)の別名は?
お花屋さんで「菊かと思ったけど、マムという名前で売られていた」という経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、マムは菊の別名です。
菊は大きく2種類に分けられています。
- 和菊:日本で開発された菊
- 洋菊:欧米で改良されて日本へ伝わった菊
この、欧米で改良され日本に伝わった洋菊のことを、一般的に「マム」と呼んでいます。
これは、菊の学名である「Chrysanthemum(クリサンセマム)」が略されて「マム」になったとされたとされています。
比較的有名なピンポンマムやポンポンマム、スプレーマムなどは聞いたことがある方も多いのでは。
お花屋さんで「マム」という名前があったときは、ぜひ注目してみてください。
ちなみに、オーストラリアなどの国では母の日にマムを贈るのだそうです。
その理由はお母さんを意味する「Mum(マム)」と菊の「Mum(マム)」が同じスペル・同じ音だから。
また母の日のある5月は、オーストラリアでは秋なので、季節の花を贈るという意味もあるといわれています。
日本では母の日にはカーネーションが王道のプレゼントとされていますが、母の日のプレゼントにマムを入れてみてもいいかもしれませんね。
カラフルなマムを束ねて、お母さん(Mum)への大好きな気持ちを表現してください。
11月6日はマムの日です。
マムの日に決まった理由は、語呂合わせから。「11」→「いい」
「06」→「マム」菊・マムを飾ってみたいという方は、マムの日など植物の記念日をきっかけにするのもおすすめです。
いいマムの日。お供えだけではない菊の良いところとは?
いいマムの日についてご紹介します。気になった方はマムを贈ってみよう!
菊はいつから日本に渡った?不老長寿の花とされていた?
「菊」と聞いて、どんな花なのかがイメージできる方が多いのではないでしょうか。
花姿がイメージできるくらい、菊は日本で親しまれている花なのです。
そんな菊の歴史は古く、奈良時代には菊は日本に伝わっていたとされています。
ただ、当時の菊は現在のように、多くの人が手軽に手に取れる花ではありませんでした。
貴重な花の1つとされ、菊は観賞用としてだけではなく、薬用としても育てられていたのだそうです。
菊が文献に登場するのは、平安時代に作られた「古今和歌集」です。
紀友則は古今和歌集の中で、「露ながら折りてかざさむ菊の花老いせぬ秋の久しかるべく」と歌っています。
歌の意味は「露を置いたままの菊の花を折って頭に飾りとして挿そう。老いることのない秋がいつまでも長く続くように。」で「老いることなく若くいられるように、露が付いたとしても菊の花を髪に飾ろうと思う」という歌です。
この歌からもわかるように、菊は不老長寿の花とされていたのだそう。
不老長寿の花と考えられていたことと、菊の美しさが貴族の中で広まり、旧暦9月9日は菊の節句(重陽の節句)とよばれるようになりました。
旧暦9月9日は現在の10月頃ですが、今も9月9日は菊の節句(重陽の節句)とされ、3月3日の桃の節句(上巳の節句)や5月5日の菖蒲の節句(端午の節句)と同じように行事として残っています。
江戸時代に入ると、貴族だけではなく庶民にも人気が広がっていきました。
江戸時代は園芸ブームがあり、その前からされていましたが菊の品種改良がさらに加速していったのだそうです。
そのため江戸時代に菊の品種が特に多くなったとされています。
菊(キク)の色別花言葉
菊は、色ごとにそれぞれ花言葉があります。
いつもは素直に伝えられない気持ちや、プレゼントする相手のイメージを花言葉に託して、贈ってみませんか。
- 菊全体の花言葉:高貴・高尚・高潔
- 赤い菊の花言葉:あなたを愛する
- 白い菊の花言葉:誠実な心・慕う
- ピンクの菊の花言葉:甘い夢
- 黄色の菊の花言葉:長寿と幸福・わずかな愛
- 紫の菊の花言葉:夢が叶う・私を信頼してください
- オレンジの菊の花言葉:長寿・幸福
菊全体の花言葉は「高貴」などプレゼントにもぴったりな花言葉を持っています。
かわいらしすぎず、ロマンチック過ぎないので、目上の方への贈り物にもよさそうです。
また色別にみていると、赤い菊は「あなたを愛する」などの花言葉が付いています。
告白やプロポーズに赤いバラを贈るイメージがありますが、花言葉で見ると赤い菊もよさそうですね。
和風なデザインでまとめたいときは、ワンポイントとして赤い菊を使うのもいいでしょう。
また、黄色の菊は「長寿と幸福」という花言葉があります。
誕生日などのお祝いはもちろん、黄色の菊はお正月に飾るフラワーアレンジメントにもよく活用されています。
1年の始まりに「長寿と幸福」という花言葉を持った黄色の菊はぴったりですね。
しかし黄色の菊は良い花言葉がある一方、「わずかな愛」というネガティブな花言葉も持っています。
お祝いでプレゼントするときや、お供えの花束で加えるときに「わずかな愛」という花言葉が気になるという方もいらっしゃるのでは。
その際は、伝えたいポジティブな「長寿と幸福」という花言葉を伝えるようにしましょう。
伝えたい花言葉をメッセージカードに書いたり、渡すときに直接伝えたりするのもいいですね。
また花言葉で選んでいないときは、黄色の菊を選んだ理由を贈る相手に伝えるようにしましょう。
そうすれば、誤解されることなく花を贈ることができます。
菊の花言葉の由来
ここからは、菊の花言葉の由来についてご紹介します。
菊の「高貴」・「高尚」・「高潔」の花言葉は菊の花の気品あふれる見た目からつけられたといわれています。
また天皇家の紋に、菊がデザインされていることが由来とも考えられています。
後鳥羽上皇が特に菊の花を好んでいたことが、皇室の紋章になるきっかけだったとされています。
これは鎌倉時代のことです。
ちなみにパスポートに描かれている紋は「十六菊(じゅうろくぎく)」といいます。パスポートにも、菊の花がデザインに使われているのですね。
菊(キク)のお手入れ・長持ちさせる方法
菊(キク)をもらったときに、気になるのが長持ちさせる方法・お手入れ方法ではないでしょうか。
もともと菊は長持ちする花の1つですが、お手入れをすればもっと長く観賞することができます。
プレゼントでもらったときや、哀悼の意を込めて贈ってもらった花なら、なるべく長持ちさせたいですよね。
そこで、ここでは菊の長持ち方法をご紹介します。
低い位置に付いている葉は取り除く
花瓶に菊を飾る時は、茎の下の方に付いている葉を取り除くのがおすすめです。
花瓶に生ける前に、葉をチェックするようにしましょう。
葉が水に浸かっていると、そこから花瓶の水が汚れていってしまいます。
水に浸かりそうな茎の下の部分についている葉はあらかじめ取り除き、なるべく花瓶の水をきれいに保てるように工夫しましょう。
花瓶の水を1日1回取り換える
少し手間ですが、1日1回花瓶の水を取り換えることで、花持ちがぐんと良くなります。
菊の花が吸い上げる水を清潔に保つ方が、長くきれいな状態を保つことができるのです。
水を換えるタイミングで花瓶を洗う
花瓶の水を取り換えるタイミングで、花瓶の中を洗うようにしましょう。
水で洗い流すだけではなく、食器用洗剤で花瓶を洗うことがおすすめ。
水を毎日取り替えていても、花瓶の中がきれいでないと水が汚れてしまいます。
花を長く飾っていると、思っているよりも花瓶の内側がヌルヌルしていることもあります。
菊が吸い上げる水を清潔に保つために、花瓶の中も洗ってみてください。
2日に1日程度、切り戻しをする
水換えを行うタイミングで、切り戻しをするとより長くきれいな菊を楽しむことができます。
切り戻しとは、花が水を吸いやすくするために茎の根元から2~3cmのところでカットする花持ちをよくする方法です。
通常、切り戻しはハサミやカッターなどで茎をカットしますが、菊はハサミなどを使わずに手で折った方が水を吸い上げやすくなるといわれています。
ポキッと、茎を手で折ればOKです。
スパッときれいな切り口ではなく、茎から繊維が出ているような折り方にするのがポイント。
菊の切り戻しをハサミで行わない理由は、ハサミでカットするとほかの花に比べて菊の茎の断面が潰れやすいためです。
また、茎から繊維が出ている方が水を吸い上げやすいとされています。
ただ茎が細い時や柔らかい場合は、手で折ることは難しいかと思います。
手で折れない時は、ハサミやカッターなどで茎をカットして切り戻しを行ってください。
「手で折れないから」といって切り戻しを行わないよりは、ハサミなどを使い切り戻しを行った方が花持ちが良くなります。
ちなみに 2日に1回と書きましたが、茎に長さがあるときは1日1回、茎が短いときはできるときに、など菊の長さに合わせて頻繁に切り戻しを行ってください。
茎の切り口が新しくなることによって、水を吸い上げやすくすることができます。
十分に水を吸い上げられることによって、花までたっぷりの水が行き渡るため、花持ちが良くなります。
弱った葉や花・変色した花びら・葉は取り除く
葉の色が変色したり、しなしなと弱っている葉がある時は気がついた時に取り除くようにしましょう。
もらった時は全て元気な葉だったとしても、飾っているうちに葉が弱ることがあります。
水換えを行うタイミングで、葉や花の様子を確認するようにしましょう。
特に菊の花びらの裏側は、傷んでいても気付かないことがあります。
花を花瓶から取り出す際に、花びらの裏側もチェックできるといいですね。
菊はお祝いに贈ってもいい?
「菊」と聞くと「お供えで贈るイメージが強い」という方もいらっしゃるかと思います。
しかし、実は菊の花はさまざまなお祝いで贈られているのです。
ここでは、菊の花をぜひプレゼントしたいお祝いをご紹介したいと思います。
お正月
菊の花はお正月に飾る花束やフラワーアレンジメントで、よく選ばれています。
菊は昔から神聖な花とされており、邪気を払う力を持つと考えられていました。
そのため、新しい年を迎えるお正月には、縁起物として菊の花を飾ることが多いのです。
新年の挨拶をしに親戚の家に行くという方は手土産として、また年始の挨拶として菊の花を使った花ギフトを持っていくのもいいでしょう。
菊と一緒に松や千両を使った、お正月らしいデザインの花をプレゼントしてみてください。
もちろん自宅に、菊を使った花束やフラワーアレンジメントを飾るのもお正月にぴったり。
お正月は菊を含めた植物を飾り、華やかにスタートしたいですね。
敬老の日
秋に旬を迎える菊は、9月第3月曜日にある敬老の日のプレゼントにもぴったり。
オレンジや赤など、秋らしい色合いの菊を使えば秋を感じられるデザインにすることもできるでしょう。
そして菊の花は長寿を願う花と知られており、おじいちゃん・おばあちゃんへの贈り物にも人気があります。
「いつまでも元気でいてね」や「長生きしてね」という思いを込めて、花束やフラワーアレンジメントに菊の花を加えてプレゼントしましょう。
また、丸い花姿が可愛らしいピンポンマムを使うことで、満月を表現することができます。
お月見を行う十五夜は、年によって日付が変わりますが、敬老の日に近いこともあります。
年によっては敬老の日当日や、前日が十五夜になることも。
十五夜が近い時には、菊で満月を表現したデザインの花ギフトを敬老の日にプレゼントするのも喜ばれそうです。
七五三
子供の健やかな成長を祝い、祈願する七五三。
一般的に七五三のお参りは11月15日に行われることが多く、男の子は3歳と5歳(5歳だけの時もある)、女の子は3歳と7歳にお祝いをします。
菊の花は邪気を払う力を持つと考えられているため、子供のこれからの健やかな成長を願い、七五三のお祝いには菊を使った花束やフラワーアレンジメントをプレゼントすることがおすすめ。
「菊の花」と聞くと、大人っぽいイメージがあるという方も多いかもしれません。
しかし菊は種類が豊富で、小さな花がかわいらしいスプレーマムや、丸くてボールのような形のポンポン菊・ピンポンマムなどもあります。
花色も豊富でピンクや赤などだけでなく、花びらの中でグラデーションになっている菊もあるため、子供が喜びそうなデザインに菊を加えることもできます。
また七五三には、着物を着て撮影するという予定がある方もいらっしゃるのでは。
着物を着た撮影があるという方は、菊を使った和風なデザインの花束を用意するのがおすすめです。
千歳飴と花束を持った、かわいいお子さんを撮影することができます。
そして菊の花を髪飾りとして使うのもいいでしょう。
美しい菊の花が、晴れの日をより華やかに彩ります。
菊は成人式の髪飾りなどにも、よく使われています。
結婚祝い・ウェディングブーケ
品があり華やかな菊は、結婚祝いにもおすすめです。
和風なイメージが強い菊の花ですが、実は洋風な花とも相性が抜群。
品格があり縁起も良い菊は、大切な結婚祝いにもぴったりなのです。
菊とバラ、菊とカラーなどの組み合わせも素敵で、さまざまな花と合わせられるのも菊の強みです。
結婚式が和装の方は、ブーケに菊の花を使うことも多いです。
白い菊は上品で美しく、さまざまな品種を使いながら菊だけでブーケを作ることもあるのだそう。
ちなみに上の写真は、菊で作られたボールブーケです。
ボールブーケは、ウェディングブーケに使われるスタイルの1つ。
花束のようなスタイルではなく、名前の通りボールのように丸く立体的に花を生けていくスタイルです。
またウェディングフォトで、白無垢や色打掛を着るという方は、菊を使った花束と一緒に撮影することも多いようです。
菊は上品で、美しいポイントになりそうですね。
結婚記念日
あらためて夫婦で感謝や愛を伝える結婚記念日には、菊の花を使ったゴージャスな花束やフラワーアレンジメントを贈るのもおすすめです。
妻や夫などパートナーに贈る愛の花というと「バラ」のイメージが強いですが、先にご紹介した通り、赤い菊には「あなたを愛する」という花言葉があります。
普段恥ずかしくて妻や夫に愛を伝えられていないという方は、花言葉に気持ちを込めるのも喜ばれそうです。結婚記念日にバラを贈ることが定番になっているという方や、雰囲気を普段と変えたいという方は菊の花をプレゼントしてみてください。
菊をメインにするのではなく、他の花を主役に菊を脇役として加えるのも魅力的。
菊は品種によってかわいらしさを抑えることもできるので、夫へのプレゼントとして贈るのもおすすめです。
お祝いの花として、菊を贈るときに合わせたい花
ここからは菊(キク)と合わせたい、花の種類を花言葉と一緒にご紹介します。
菊をお祝いで贈りたいと思った方は、参考にしてみてください。
スターチス
▲シネンシス系のスターチス
かすみ草のように名わき役としてつかわれる、スターチス。
スターチスという名前は、正確にはイソマツ科リモニウム属の植物の総称です。
昔の属名がスターチスという名前でした。
小さめの穂状の花を付け、品種はとても多いです。
品種の系統は大きく2つに分かれていて、シヌアータ系とシネンシス系があります。
▲シヌアータ系のスターチス
シヌアータ系は、花が集まって咲きます。
茎の先に集まって咲いた花の様子は、歯ブラシのように見えることも。
シネンシス系はハイブリッドスターチスとも呼ばれており、かすみ草のように細かく枝分かれをしてたくさんの小さな花を楽しませてくれます。
どちらも花持ちがよく夏場でも長持ちするため、花束やフラワーアレンジメントに1年を通して、よく使われています。
スターチスの花言葉である「変わらぬ心」・「永久不変」の由来は、スターチスの花姿が長い間変わらないことが由来といわれています。
スターチスは全体的に乾燥していて、花がしおれたりすることなく、知らぬ間にドライフラワーになっていることも。
花が色あせたり、しおれたりすることが少ないことがスターチスの特徴です。
バラ
- バラの花言葉:愛・美
- 赤いバラの花言葉:あなたを愛しています・情熱
- ピンクのバラの花言葉:感謝・しとやか・上品
- オレンジのバラの花言葉:絆・幸多かれ・信頼
花の女王と呼ばれている、バラ。
圧倒的な人気がある花の1つで、もらって嬉しくない人はいないかもしれません。
花の中でも有名で、カラーバリエーションが多く、さまざまなお祝いにもよく活用されています。
香りのいい品種も多く、バラを使った花束やフラワーアレンジメントを贈ることで、フローラルな香りも届けられそうです。
そんなバラと菊を合わせることで、豪華なお祝いのプレゼントにすることができます。
菊は和風・伝統的というイメージがある方も多いかと思います。
しかし菊は品種を選ぶことで、洋風なデザインにすることもできます。
特にバラと合わせるなら、花の中心が見えなくなるほどたくさんの花びらが重なりあって咲くデコラ咲きのマム(菊)がおすすめです。
バラと菊の花の咲き方の違いが、デザインの幅を広げます。
カラー
- カラーの花言葉:華麗なる美・清浄・乙女のしとやかさ
- 白いカラーの花言葉:清純・清浄
- オレンジのカラーの花言葉:歓喜
- 紫のカラーの花言葉:夢見る美しさ
- 黄色のカラーの花言葉:壮大な美
カラーという花の由来は、ギリシア語で「美しい」という意味の「カロス」が語源とされています。
美しさがカラーの名前の由来になっているのですね。
ちなみに、花びらのように見える部分(仏炎苞)が、修道女の襟(カラー)のように見えたという説もあるようです。
ウェディングブーケに使われる洋風でスラッとした姿は、スタイリッシュな印象。
白いデコラ咲きのスプレーマムと、スッと書いた線のような白のカラーを合わせることで、シンプルでモダンなデザインにすることができます。
上品な雰囲気で、目上の方への贈り物としてもおすすめです。
またグリーンのスプレーマムと、白のカラーを合わせれば爽やかで夏の時期にもぴったり。
見ているだけで癒されるような、ナチュラルなデザインになりそう。
カラーも菊(マム)も女性だけでなく、男性からも人気があります。
男性へ花をプレゼントするときは、菊(マム)とカラーの組み合わせは候補にしてみてください。
トルコキキョウ
- トルコキキョウの花言葉:優美・よい語らい・希望
- ピンクのトルコキキョウの花言葉:優美
- 紫のトルコキキョウの花言葉:希望
- 白のトルコキキョウの花言葉:思いやり
トルコキキョウは、フリルのような花びらを重ねた八重咲きと、シンプルでカップのように見える一重咲きがあります。
特に八重咲きは柔らかな印象で、ふんわりとした雰囲気でお祝いの贈り物に選ばれることも多いです。
そんな華やかなトルコキキョウは開花した様子も魅力的ですが、つぼみも特徴的です。
つぼみは、きゅっとひねったような形をしています。
花束やフラワーアレンジメントにトルコキキョウのつぼみを加えることで、デザインのワンポイントになるでしょう。
筒状の花びらが隙間なく咲いているスパイダー咲きの菊(マム)と、八重咲きのトルコキキョウを合わせることで、おしゃれでダイナミックなデザインを作ることができます。
淡いピンクのトルコキキョウと、くすみ系の黄色・オレンジ色のマムを合わせると、落ち着きのある雰囲気に仕上げることも。
おしゃれで温かみもあるので、秋に贈るプレゼントにもおすすめです。
ちなみに秋らしさを演出した時に、菊と合わせたい花はこちらで紹介しています。
菊の旬は、秋。
秋に大切な方の結婚記念日や誕生日がある方は、ぜひプレゼントしてみてください。
いいマムの日。お供えだけではない菊の良いところとは? マムと一緒に合わせて贈りたい、秋・特に11月に旬を迎えるお花をご紹介。 |
お供えで菊を贈ることが多い?
菊はお祝いだけでなく、お供えでも贈られることもあります。
ここからはどんな時に菊(キク)が選ばれているのかをご紹介します。
葬儀・お葬式
お葬式で見るスタンド花・祭壇に、よく菊が使われています。
お供えで使われる菊の色は、白やグリーンが多いです。
見たことがあるという方や、イメージがあるという方も多いのではないでしょうか。
葬儀・お葬式で菊が使われる理由は、菊が格式高い花であることや、花の香りがお香に似ているからとされています。
お供えする理由は諸説あり、ほかにも菊は長寿の花ともいわれているため、ご遺族の健康を願う意味があるなどもいわれています。
お墓・仏壇
お墓や仏壇でも、菊はよく供えられています。
故人が亡くなってから四十九日までは、菊などを含めた白い花でまとめてお供えをします。
一周忌など四十九日以降は、優しい色の花をお供えすることが一般的です。
お供えでは菊の中では和風な中菊などが、よくお供えされています。
お供えする理由はお葬式などでご紹介したように、菊が格式高い花であり、香りがお香に似ているからなどの理由があります。
また、菊は花持ちが良いことなどもお供えされることが多くなった理由といわれています。
お供えの花として菊を贈るときに合わせたい花
菊だけをまとめることもありますが、お供えの花束や枕花などには菊と他の花を合わせることも多いです。
ここからは四十九日法要やお墓参りなどで、菊と一緒にお供えされることの多い花の種類をご紹介します。
ユリ
ユリは、よくお供えに選ばれています。
お祝いでも多く使われる花ですが、その凛とした花姿はお供えにも適しています。
特に白いユリは、お供えの花束やフラワーアレンジメントのメインとして使うことが多いです。
開花したユリの花は大きく堂々としていますが、つぼみも他の花に比べて大きく見栄えが良いです。
そのため咲いた姿だけではなく、つぼみも花束やフラワーアレンジメントのポイントとして生けられることも多いです。
またユリは他の花よりも花持ちがよく、長く花を楽しませてくれることが多いです。
つぼみだったユリが、飾っているうちに開花することもあります。
長く観賞できるユリの美しい姿が、優しくご遺族を癒してくれるでしょう。
リンドウ(りんどう)
- リンドウ全体の花言葉:勝利・正義・誠実・悲しんでいるあなたを愛す・あなたの悲しみに寄り添う
- 白いリンドウの花言葉:貞操
- 青紫・青いリンドウの花言葉:満ちた自信・寂しい愛情
- ピンクのリンドウの花言葉:愛らしい
秋の花として知られているリンドウは、お供えでも活用されています。
特に7月または8月に行われるお盆や、9月のお彼岸でリンドウはお供えの花として選ばれることが多いです。
爽やかさを感じさせるリンドウの青い花が、夏にあるお盆で特に選ばれています。
お盆の期間に仏壇などへ供える花としてはもちろん、実家に帰省できないという方が「お供えの花だけでも」と、贈る際にリンドウが選ばれることが多いのです。
故人が亡くなってから4四十九日以降は、グリーンや紫、ピンクなどの花を使い、白に優しい色合いを加えたデザインをお供えすることが一般的。
そのため白い菊と青・紫のリンドウを合わせることも多いのです。
他には、先に紹介したユリをメインにグリーンの菊とリンドウを加え、落ち着いた色合いにするお供えなどが好まれています。
また秋の花の代表でもあるリンドウは、9月のお彼岸ではワレモコウと菊、ススキ、リンドウを合わせて秋らしいデザインのお供えに活用されることもあります。
ちなみにリンドウがお供えで選ばれる理由は「悲しんでいるあなたを愛す」や「あなたの悲しみに寄り添う」という優しい花言葉があることも関係しています。
大切な方を亡くし寂しい思いをしている遺族に、花言葉に気持ちを託し贈ることで「リンドウが少しでも心を癒せれば」という願いを込めるのです。
カーネーション
- カーネーションの花言葉:無垢で深い愛
- 白いカーネーションの花言葉:あなたへの愛情は生きている・純潔の愛・尊敬
- ピンクのカーネーションの花言葉:感謝・温かい心
- 赤いカーネーションの花言葉:母への愛・愛を信じる
母の日の贈り物として定番になっている、カーネーション。
カーネーションは母の日をはじめ、誕生日などのお祝いの贈り物としても活用されますが、お供えとしても選ばれることが多い花の一つです。
四十九日以降はお供えの花は白だけではなく、優しい色味を加えた花を供えるのが一般的。
カーネーションはカラーバリエーションが豊富であり、仏壇に供えることの多い色の組み合わせをカバーすることができるのです。
仏壇やお墓に花を供える時は、白・黄色・紫・ピンク・赤の組み合わせや、白・黄色・紫の組み合わせにすることがあります。
カーネーションは紹介した白・黄色・紫・ピンク・赤のすべての色が流通しています。
お供えの花のバランスを見て、もう1色足したいという時はカラーバリエーションが豊富なカーネーションを加えると良いでしょう。
菊も花色が多く、同じピンクでも濃いピンクやくすんだピンク、花びらの中でオレンジ色にグラデーションしていくピンクなど、花の色が豊富です。
さまざまな色が流通しているカーネーションなら、お供えしたいと思った菊の色に合わせることもできそうです。
▼四十九日以降の一周忌の法要などで白以外の花をお供えする理由は?
一周忌は故人が好きだった色の花を供えよう 一周忌なら四十九日よりも明るい色の花でお願いすることが多い。その理由は? |
▼四十九日法要で用意するお花について知りたい
四十九日にお供えする花のマナーとは?予算や色は? 四十九日法要に初めて参加するときや、お供えのお花を用意したいと思っている方は参考にしてください。 |
▼菊を使ったお供えはこちら
お祝いでもお供えでも人気な菊(キク)のまとめ
今回は、菊(キク)についてご紹介しました。
お供えのイメージが強かった方も、この記事を読んでお祝いでも使われていることも知っていただければ幸いです。
- 菊は花持ちが良く長く飾れる
- お供えに限らず、お祝いでもよく使われている
- 菊の花言葉は「高貴・高尚・高潔」
- 洋菊を「マム」と呼ぶこともある
- 菊は縁起が良く長寿を願う花として知られている
ぜひ、プレゼントに菊を贈ってみてくださいね。
正月やお年玉の由来と花を飾る理由。元旦と元日の違いも紹介
1月1日はお正月。
子供の頃からおせちを食べたり、正月ならではの花を飾ったりして、毎年お正月を過ごしていますが、由来や意味・理由を考えたことは少ないのではないでしょうか。
今回は、正月について改めて紹介しようと思います。
正月の由来
毎年新しい年を祝うお正月ですが、実はあまり由来や、どんな行事なのかなど知らないことも多いのでは。
そこで、子供に「お正月って何?」と聞かれた時に答えられるような回答をまとめました。
お正月はどんな行事?正月の起源
もともとお正月は、ご祖先様に感謝しご先祖様の霊(魂)を祀るものだったと伝えられています。
現在は、家族で新しい年をお祝いするイメージが強いですがもともと正月は、健康や五穀豊穣などをもたらしてくれる年神様を家族でお迎えする行事とされていました。
お正月は、年神様をおもてなしする祭りといっても良いでしょう。
そんな、年の初めにお迎えをする年神様ですが、実はご先祖様ということをご存知でしょうか。
気になった方は、住職へのインタビューを合わせてご覧ください。
門松で(結果的に)私たちもご利益を得られる!? 年神さまの本来の姿は「ご先祖さま」!?知恩院の所属寺院に住職として従事している大津様にお聞きしました。 |
お正月の期間は?
昔は1月が「お正月」を表していました。
そのため、1月1日~1月31日=正月だったのです。
しかし現在は、以下の期間がお正月とされているようです。
1月1日から1月3日まで:三が日
1月1日から1月7日まで:松の内(松七日)
※松の内は地域によって1月15日まで
「明けましておめでとうございます」とあいさつをするのも、松の内までが多いようです。
お年玉の由来
子供の頃、お正月になると楽しみだったのがお年玉。
そんなお年玉ですが、実は昔はお金ではなかったのです。
昔はお金ではなく、お餅でした。
お年玉は、お正月に年神様のためにお供えしていた鏡餅に由来しています。
年神様にお供えしていた丸い鏡餅を、年神様が帰られるタイミングにお下がりとして、家族で分けて食べていました。
年神様からのお下がりは、生命のもとといわれ健康や豊作にあやかれるとされ、また1年を無事に過ごすことができるように祈って食べていました。
お年玉と呼ぶ由来は、お下がりである丸い鏡餅に年神様(歳神様)が魂を入れてくれることから「御歳魂」と呼ぶようになった説などがあります。
お年玉がどうしてお金になった?
鏡餅を家族で分ける「お年玉」は、鎌倉時代頃から始まったとされています。
当時の餅は貴重で、現在よりも価値の高い物だったようです。
お金に変わり始めたのは、昭和(高度経済成長の頃)といわれています。
給料をもらう人が増えたことや、年神様へ鏡餅をついてお供えする家庭が減ったことなどが影響しているのはないかといわれています。
ちなみに、鏡餅は家族全員に分けていましたが、お金に変わったタイミングで子供だけに渡すようになったと考えられています。
正月に花を飾る理由
お正月に花を飾る理由は、歳神様と挨拶に来てくれたお客様を華やかな花で歓迎するためと言われています。
花を飾ることで、おもてなしをしているのです。
きれいな花が飾られていれば嬉しい気持ちになりますよね。
ちなみに新しい年の初めに飾る花は、縁起の良い花を飾ることが多いです。
新しい年も良い年になるように、願いを込めて花を飾りましょう。
「正月に花束やフラワーアレンジメントは飾らない」という方も、門松やしめ飾りなどの正月飾りは飾ることがあるのではないでしょうか。
正月飾りにも、縁起の良い植物が使われていることが多いので、自宅に飾る際はぜひチェックしてみてください。
正月飾りはいつからいつまで?玄関に飾る時のルールとは|片付けるタイミングも掲載 正月飾りを飾ろうと考えている方はチェック! |
縁起が良い花の種類と、縁起が良いといわれる理由
縁起が良く、お正月によく飾られる代表的な植物は以下があります。
- 松
- マム(菊)
- 梅
- 南天
- 胡蝶蘭
- 葉ボタン
- ウメモドキ
松や菊、南天などは、お正月シーズンに飾られているところを見たことがある方も多いかと思います。
松などの常緑樹は、冬でも緑の葉を落とすことがないため、「不老長寿」の象徴とされています。
松は門松などにも使われているため、理由を知らなかったとしても「縁起がよさそう」と思う方も多いのでは。
また梅は、まだ寒く他に花が少ない早春から花を咲かせるため、「出世」や「開運」の象徴とされており、縁起が良いといわれています。
縁起が良くかわいらしい花を咲かせる梅は、着物の柄にもなっています。
梅の柄があしらわれた着物は、正月~立春頃に着ることがおすすめです。
松や梅の花以外も含め、どうして縁起が良いといわれているのか、もっと詳しく知りたい方は、合わせてこちらもご覧ください。
お正月の花~縁起の良い花と新年を迎えよう~ 松や菊などが縁起が良いといわれている理由は? |
ちなみに、正月によく見る赤い実についても、他の記事で紹介しています。
冬になると植物が減り寂しい雰囲気になりますが、赤い実があると鮮やかになるため、フラワーギフトや庭木として選ばれることが多いです。
また赤い実は、富や繁栄などを連想させ、縁起物といわれています。
千両と万両の違い・見分け方|正月の赤い実「南天・ヤブコウジ」も掲載 赤い実を付ける植物の見分け方とは? |
元旦と元日の違い
「元旦」と「元日」は似ていますよね。
漢字の見た目も似ていて、それぞれどんな意味があるのか分からなくなってしまうことも、あるのではないでしょうか。
それぞれの意味は、以下の通りです。
- 元旦:1月1日の午前中のこと
- 元日:1月1日の丸一日のこと
同じ1月1日のことを指していますが時間帯が異なり、元旦の方が、より期間が区切られています。
元旦の漢字
似ていて分かりにくいという方は、漢字が表していることに注目すると覚えやすいかもしれません。
元旦の「旦」という字は、水平線から朝日が昇る様子を表しているといわれています。
「日」が太陽を、「一」が地平線を表現しています。
漢字が表現していることがわかると、初日の出が昇ってから午前中までの間を表しているのが「元旦」だと分かりやすくなりそうです。
年賀状にはどっちで書く?
1月1日に届く年賀状は、「元旦」と「元日」どちらも使用できます。
基本的に1月1日に届く年賀状は、午前中に届くため「元旦」が使われることが多いようです。
どちらも意味的に1月1日に届く年賀状限定で使えるため、「元旦」や「元日」と書いた年賀状は、投函が遅れないように気を付けましょう。
ちなみに1月2日以降に届く場合は、元旦と元日もどちらも使わずに、「正月」や「初春」と表現することが多いようです。
世界の明けましておめでとう
おまけとして、世界の「明けましておめでとうございます」また「明けましておめでとうございます」と同じ意味で使われている言葉をご紹介します。
子供と一緒にお正月に挨拶をするときや、お年玉を渡すときに言ってみるのも面白そうです。
日本 | 明けましておめでとうございます |
アメリカ | I wish you a Happy New Year.(アイ ウィッシュ ユー ア ハッピーニューイヤー) 訳:新年おめでとうございます |
韓国 | 새해 복 많이 받으세요(セヘ ボッ マニ パドゥセヨ) 訳:新年福をたくさん受けとってください |
中国 | 新年快乐(シン ニィェン クァィ ラ) 訳:新年おめでとうございます |
イタリア | Felice Anno Nuovo(フェリーチェ アンノ ヌォーヴォ) 訳:幸せな新年をお迎えください※年が明けてからでも使えます |
ロシア | Поздравляю с Новым годом(パズドゥラヴリャーユ ス ノーヴィム ゴーダム) 訳:明けましておめでとうございます |
新年は縁起のよい花とスタートを
今回は、お正月について改めてご紹介しました。
新しい年には、華やかな花を飾って気持ちを新たに晴れやかな気持ちになれるといいですね。
お正月に手土産として、贈り物として、自宅用として縁起の良い花ギフトを探しているという方は、花キューピットのサイトをご覧ください。
お正月にぴったりなデザインの花束や、フラワーアレンジメントをご用意しております。
千両と万両の違い・見分け方|正月の赤い実「南天・ヤブコウジ」も掲載
お正月によく見かける赤い実である、千両と万両の違いについて掲載しています。
加えて千両と万両に似ている、十両(別名:ヤブコウジ)や南天についても紹介。
「あれ……?この赤い実の名前は?」と思ったら、チェックしてみてください。
千両(センリョウ)の基本情報
まずは、千両の基本情報からご紹介します。
- 学名:Sarcandra glabra
- 科・属:センリョウ科・センリョウ属
- 樹高:70センチ~1メートル
- 実が付く時期:11月~1月ごろ
- 花言葉:利益・裕福
- 葉の特徴:周りがギザギザしている
お正月でよく見る赤い実と紹介しましたが、千両は黄色の実も流通しています。
庭に植えたり、鉢植えで流通していたり、お正月の花束やフラワーアレンジメントに使われています。
万両(マンリョウ)の基本情報
続いて万両の基本情報もご紹介します。
- 学名:Ardisia crenata
- 科・属:サクラソウ科・ヤブコウジ属
- 樹高:1メートル以上
- 実が付く時期:11月~3月
- 花言葉:寿ぎ(ことほぎ)・陰徳
- 葉の特徴:葉の周りが波打っているように見える
実が下向きに付くことも特徴の1つである、万両。
花束やフラワーアレンジメントに使われる切り花としてはほとんど流通していないですが、鉢植えなどで販売されています。
ちなみに、実の色は赤以外に白もあります。
千両と万両の違い
千両と万両のそれぞれの特徴を踏まえて、違いをまとめました。
上の写真は手前の赤い実が万両で、奥の黄色の実が千両です。
分類 |
赤い実を付けることは同じですが、そもそも分類的に違う植物です。 |
---|---|
樹高 |
千両の方が樹の高さが低いことが多いです。千両は比較的にコンパクトなので、狭い庭にも植えることができます。 |
実の位置 |
実のなる位置は、見た目で1番比較しやすいポイントかもしれません。万両は葉と実の位置に差があるので赤と緑のコントラストがきれいです |
実の大きさ |
1つの実の大きさを比べると違いが分かりやすいと思います。 |
葉の特徴 |
千両の方が葉がギザギザしているイメージです。実の見分けがつかない時は、葉を比較するのもよさそうです。 |
実が赤くなる時期 |
千両の方が赤くなる時期が早いです。千両か万両を見つけたタイミングで、見分けることもできそう。 |
流通方法 |
お正月の花束で見る赤い実は、基本的に千両が多いです。万両はほとんど切り花として出回っていないため、切り花で見つけたときは千両のことがほとんど。 |
実は、意外と違いのある千両と万両。
似ているイメージがありますが、ゆっくり観察したら見分けることができそうです。
下に、改めて千両と万両の写真を掲載します。
見比べてみてください。
▼千両
▼万両
他に似ている赤い実の植物
実は千両と万両以外にも、お正月に使われる赤い実は他にもあります。
千両と万両との違いが分かりにくい種類もあるので、合わせてチェックしてください。
十両(ジュウリョウ)・ヤブコウジ
まずはヤブコウジ、別名「十両」も赤い実を付けます。
ヤブコウジの基本情報から見ていきましょう。
- 学名:Ardisia japonica
- 科・属:サクラソウ科・ヤブコウジ属
- 樹高:10センチ~30センチ
- 実が付く時期:10月~2月
- 花言葉:明日への幸福
- 葉の特徴:周りに小さなギザギザがある
小盆栽などで見かける赤い実の植物は、十両とも呼ばれているヤブコウジがほとんどです。
花束やフラワーアレンジメントに使われることはほとんどなく、先にお伝えした小盆栽やコケ玉、寄せ植えなどでよく活用されています。
ヤブコウジは手のひらに乗るくらい、小さなコケ玉も販売されていることも。
お正月が近付くとお花屋さんでも販売していることがあるので、ぜひチェックしてみてください。
ヤブコウジの実の付き方は、万両と似ていてぶら下がるようについています。
ちなみにヤブコウジも万両と同じ、サクラソウ科・ヤブコウジ属です。
分類が同じだと似ている点が多いので、他に似ている植物を見つけたときは分類も調べてみるのも面白いかもしれません。
南天(ナンテン)
お正月によく見かける赤い実の1つに、南天もあります。
南天も基本情報からご紹介します。
- 学名:Nadina domestica
- 科・属:メギ科・ナンテン属
- 樹高:1メートル~3メートル
- 実が付く時期:11月~12月
- 花言葉:幸せ・私の愛は増すばかり・よき家庭
- 葉の特徴:鳥の羽のように小さな葉が並んでいる
千両と同じく、南天も花束やフラワーアレンジメントに使われる切り花としてよく流通しています。
「堂々とした木」というよりも、しなやかなイメージで南天は軽やかな雰囲気があります。
花束やフラワーアレンジメントに使われる以外には、生け花などでも活用することも。
千両と同じく、おめでたいときによく活躍する植物です。
実の付き方は、ブドウの房のようにたくさんの実を垂れ下がらせます。
フラワーギフトで使われるときは、実の付き方を適正に調節していることが多いですが、庭などで育てている南天や野生のものは数えきれないほど実が付いていることもあるのだそう。
小さな赤いが連なって、大きな赤い塊に見えることもあるようです。
南天(ナンテン)はその名前から「難を転ずる」と連想され、縁起が良い植物として有名です。
そのため千両や万両などと同じく、お正月の時期によく使われています。
「お花を飾らないから、あまり南天は見たことがないかも?」と思った方は、おせちを想像してみてください。
南天の葉は、おせちのあしらいとして料理の上に乗せたり敷いたりすることもあります。
南天の葉がおせちの中で使われているところや、南天の葉をモチーフにしたバランを見たことがある方も多いのでは。
実は南天の葉は抗菌・防腐作用もあるため、おせちで使われているのだそう。
おせちにあしらわれているのは、縁起の良さだけではなく、南天ならではの効果もあったのですね。
お正月に飾りたい赤い実はどれ?
今回はお正月に見ることが多い、赤い実を付ける植物についてご紹介しました。
自宅にお正月の花束やフラワーアレンジメントを飾るという方は、どの植物が使われているかチェックしてみてください。
ちなみに花キューピットでも南天などの赤い実を使った、花束やフラワーアレンジメントもご用意しています。
気になった方は、ぜひサイトをのぞいてみてください。
正月飾りはいつからいつまで?玄関に飾る時のルールとは|片付けるタイミングも掲載
お花屋さんやスーパー、ホームセンターなどで正月飾りを目にすることが多くなってきました。
素敵な新年を迎えるために、購入した方も多いかと思います。
正月飾りを購入した際に「あれ、正月飾りっていつから飾ればいいのかな?」と、疑問に思った方もいらっしゃるのでは。
今回は「正月飾りをいつから飾り、いつ片付けるのか」、そして「そもそも正月飾りとはどんな意味があるのか」について紹介しています。
正月飾りはいつから飾る?
正月飾りを飾るルールとしては、12月13日以降ならいつからでも正月飾りを飾って良いとされています。
12月13日は「正月事始め」や「松迎え」と言われています。
昔、この日にお正月に必要な門松にする松や、おせちを調理するための薪などの木を山へ取りに行く習慣があったのだそう。
そこから12月13日を「松迎え」と呼ぶようになったと言われています。
「正月事始め」・「松迎え」と言われるこの日から、ススを掃うなどの掃除をして、年神様を迎える準備を始めるとされています。
ただ正月飾りは、大掃除が終わり自宅がきれいになってから12月28日までに飾る方が多いようです。
他にもクリスマスの飾りを片付けた後、お正月の飾りをつけるという方もいらっしゃいます。
その場合は12月25日~12月27日に飾り付けるようです。
近年では、12月13日から正月飾りを飾ったりお正月の準備を始めたりする方は、少ないかもしれません。
玄関のドアに正月飾りを飾るのはいつから?
近年、よく見かけるようになった玄関のドアに飾るタイプの正月飾り。
ドアに正月飾りを飾る場合も、一般的には12月13日以降とされています。
しかし先にご紹介した通り、クリスマスリースなどが玄関のドアに飾られているという場合は、クリスマスの飾りを片付ける際に正月の飾りに換えるのが良さそうです。
玄関のドアに正月飾りを付ける位置・付け方
玄関のドアに正月飾りを飾るという方は、目立つ位置に正月飾りを飾るようにしましょう。
飾る位置は玄関のドアの真ん中であり、目線よりも少し高い位置が良いと言われています。
もともと正月飾りは、年神様への目印として飾るもの。
年神様を招き入れられるように、玄関の目立つところにつけるよう意識してみてください。
正月飾りは飾らない方が良い日がある!
「12月13日以降ならいつでもいいのね!」と、思った方は少し待ってください!
正月飾りには飾ってはいけない、タブーの日があります。
- 12月29日
- 12月31日
上記の日程は、正月飾りを飾ってはいけないと言われています。
12月29日は「二重苦(にじゅうく)」という語呂合わせになるため、縁起が悪いとされています。
そして12月31日は「一夜飾り」になり、正月までに1日しか飾らないため、年神様をお迎えするのに失礼になると考えられています。
時の流れは速く、うっかりすると正月飾りを飾り忘れてしまうということもあるかと思いますが、遅くとも12月28日には飾れるように意識してみてください。
ちなみに12月28日は「八」が「末広がり」の意味をもつとして、28日に正月飾りを飾るという方もいらっしゃるのだそうです。
そもそも正月飾りとは?意味は何?
ここからは、そもそもお正月飾りとはどんなものがあり、意味は何なのかということをご紹介したいと思います。
これから正月飾りを購入しようと思っている方は、ぜひチェックしてみてください。
しめ飾り
意味:しめ飾りを飾ることで結界の役割を果たし、しめ飾りの内側からは清らかな場所にしてくれる
もともと、しめ飾りはしめ縄が由来になっています。
そもそもしめ縄は、神様が降りた神聖な場所を示すものとされています。
しめ縄があるところには、結界ができ魔除けの効果があると考えられています。
そのため、しめ縄があると不浄なものや悪霊が入ることができないとされているのです。
しめ飾り(玉飾り)は、一般的に紙垂(かみしで)やウラジロ、橙(だいだい)など縁起物をしめ縄に飾り付けたもの。
由来となったしめ縄と同じように結界の役割を果たし、その内側を清らかな場所にできると考えられています。
しめ飾りがあることによって、年神様が安心してくることができる場所だということを示していると、いわれています。
他にもしめ飾りには台所などに飾る、玉飾りを簡略した「輪飾り」という種類もあります。
門松
意味:年神様がいらっしゃる目印になることに加え、家族やそこに住む人々の健康・長寿を願う象徴とされている
門松になぜ松が使われているのかというと、生命力の象徴でもある年神様が、冬でも青々とした松に依りつくと考えられているためです。
松は常緑針葉樹のため、1年を通して緑が絶えることがありません。
年神様をお迎えする時に門松(松)は目印となり、門松のある家々を訪れるといわれています。
ちなみに門松に使われている竹の切り口に、種類があることはご存知でしょうか。
竹の切り口が斜めになっているもの(そぎ)は、徳川家康が用いたものという説があります。
一方で、竹の切り口を水平にカットしたもの(寸胴)は「口が開いていない」=「金が逃げない」と、言われ縁起がいいと考えられています。
主に銀行などでは竹の切り口を水平にカットした門松が飾られていることが多いので、ぜひチェックしてみてください。
門松について、こちらでも紹介しています。
ぜひ合わせてご覧ください。
「門松」で幸福に!? 神様を「家」にお招きする日本文化とは【華道家インタビュー】 知恩院の僧侶でありながら、華道家としてもご活躍されている大津憲優さんに、「今こそ門松を飾るべき理由」についてお聞きしました。 |
鏡餅
意味:年神様の依り代であり、お正月の間は年神様の魂が宿る場所になる。豊作を祈願し新しい門出を祝うという意味もある
お迎えした年神様の居場所(依代)となる、鏡餅。
地域によって日程は異なりますが一般的に1月11日に鏡開きをして、正月飾りの鏡餅を食べる行事があります。
年神様が宿っていた鏡餅には、年神様の魂(気力)が宿っていると考えられています。
鏡開きでその鏡餅を食べることによって、年神様の力を授かり家族の無病息災を願うのです。
正月に最適な花を飾るのもおすすめ
ここからは、正月にぴったりな華やかな花の種類についてご紹介したいと思います。
正月飾りと一緒に花を飾るという方や、正月に実家に帰れないため花だけ贈りたいという方は、チェックしてみてください。
松
常緑針葉樹のため、松は雪が降る寒い冬でも緑を絶やすことがありません。
門松の項目でご紹介したように、一年中青々とした松は縁起が良く、正月にぴったりな植物です。
お花屋さんも12月に入る頃には、松を販売していることが多いので、ぜひお店を覗いてみてください。
松にも様々な種類がありますが、お花屋さんで最もよく目にするのはクロマツという種類です。
クロマツは、門松にも使われることがあります。
ユリ
豪華で堂々とした印象のユリは、正月にぴったり。
花束やフラワーアレンジメントでユリが一輪入るだけで、ぐっと高級な雰囲気になります。
新しい年の初めには、ユリはぴったりですね。
普段、花ギフトでメインになることが多いユリですが、お正月のフラワーアレンジメントの時は、松を引き立てる形で使われることも多いです。
メインになってもわき役になっても、ユリはお正月を華やかにしてくれます。
品種によって異なりますが、ユリは香りの良いものが多く、新年を良い花の香りでスタートしたいという方はおすすめです。
千両
花の少ない冬の時期に美しい赤い実をつける千両は、部屋に飾れば彩りをあたえてくれます。
千両はその名の通り、正月の縁起物として知られています。
千両を含めたくさんの実を付ける植物は、繁栄の象徴といわれることも。
他の花と合わせることも多いですが、千両だけを花瓶に生けるだけで正月らしさを演出できます。
赤い実とグリーンの葉が、良いコントラストになりそうです。
また、千両は花束やフラワーアレンジメントのボリュームを増すこともできます。
ちなみに「美しい赤い実をつける」と先にご紹介しましたが、黄色い実の千両も流通しています。
赤い実と黄色い実を、合わせて一緒に飾るのも良さそうですね。
ピンポンマム
花言葉が「高貴・生命力」の菊(マム)。
菊は高貴の象徴とされ、幸福と繁栄を呼ぶ花と考えられています。
「菊を飾ると福が来る」といわれるほど、縁起の良い花なのでお正月に飾るのは最適です。
ちなみに伝統的で和風というイメージがあるマム(菊)ですが、丸い花姿がかわいらしいピンポンマムは、洋風でも和風でも飾ることができます。
他に合わせる花のイメージや、花束やフラワーアレンジメントの雰囲気によって菊の種類や色を変えると、お気に入りのデザインを作ることができそうです。
菊は花持ちが良いので、長く楽しめるのも魅力のひとつです。
オンシジューム(オンシジウム)
高級感があり華やかな花をたくさん楽しむことができる、オンシジューム。
オンシジュームを花束やフラワーアレンジメントに使うことで、全体のボリューム感が出るとともに、明るい雰囲気になるためお正月のデザインによく使われています。
メインで使われることは少ないですが、先にご紹介したユリや松などと一緒に使えば、周りを華やかにしてくれること間違いなし。
もっとお正月に最適な花を知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください。
正月の花の種類~正月飾りにも使う縁起の良い花~ 正月に飾りたい縁起の良い花・正月のおめでたい雰囲気に最適な花の種類についてご紹介します。 |
正月飾りはいつ片付ける?ポイントは松の内
ここからは正月飾りを「いつ片付けるか」片付ける時期についてご紹介します。
鏡餅はいつ片付ける?(食べる?)
鏡餅は地域によって差はありますが、一般的に毎年1月11日に鏡開きをします。
鏡開きは1月11日に鏡餅を下ろして、食べる行事のことです。
今まで飾っていた鏡餅を割って、お雑煮などにしていただきます。
鏡開きをする際、鏡餅を包丁などで切ってはいけません。
縁起の良い食べ物の1つとされている鏡餅を、刃物を使って切ることは「良い縁を切る」ということや「切腹」を連想させてしまうため、タブーと言われています。
そのため、木づちでたたき割ったり手で割ったりして、食べやすいサイズにしていきます。
しめ飾りや門松はいつ片付ける?
地域によって、正月飾りを片づけるタイミングが異なりますが、大きく分けると以下の通りです。
- 関東:1月7日
- 関西:1月15日
鏡餅以外の正月飾りを片付ける際に基準となるのが、松の内です。
松の内の期間は、年神様が滞在している期間です。
そのため松の内とは、お正月の始めから終わりまで。
松の内が明けるとお正月が終わり、新年の(通常の)生活に戻るということを意味しています。
松の内の具体的な日程は、毎年1月1日から1月7日まで、または1月15日までです。
そのため、正月飾りは1月7日または1月15日に片付ける地域が多いようです。
または松の内終了後の次の日にあたる1月8日または1月16日、または全く別の日程の地域もあります。
地域によって日程が異なるため自分の住んでいる地域が、正月飾りをいつ片付けることになっているのか、一度確認することをおすすめします。
正月飾りの処分方法が知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください。
正月飾りいつ片づける?~正月飾りの処分方法も掲載~ 正月飾りを片づける時に確認したいことをまとめました |
最後に
- 正月飾りは12月13日から飾ることができる
- 玄関のドアに正月飾りを飾る時はドアの中央、目線より少し上がおすすめ
- 12月29日・12月31日は正月飾りを飾らない
- 正月飾りにはそれぞれ意味がある
- 鏡開きは1月11日に行う
- 正月飾りは関東では1月7日、関西では1月15日に片付けることが多い
正月飾りを飾って、素敵な新年をお過ごしください。
鏡餅に使う植物の意味~鏡餅の由来と願い~
あけましておめでとうございます
本年も花キューピットをよろしくお願いいたします。
正月シーズンということで、今回は鏡餅に使われる植物についてご紹介したいと思います。
年末から飾られることの多い鏡餅。
1月のカレンダーの挿絵などでも使われることがあるように、実物でなくても一度は鏡餅を見たことがある方が多いのではないでしょうか。
そんな馴染みのある鏡餅に使われている植物には、実は健康や長寿、幸運などの願いや祈りが込められています。
鏡餅に使われている植物を、改めて考えてみるのも面白いかもしれませんよ。
◆鏡餅とは?
まず初めに鏡餅とは何なのかを、改めてご紹介したいと思います。
鏡餅とは、大小の丸い餅を2つ重ねたものです。
鏡餅は年神様(歳神様)が宿る特別なお供え物として、お正月に飾られる餅です。
餅の原料は米。
米は日本人にとって昔から大切なものであり、貴重なものでした。
貴重な米を使って作られた餅も、また特別なもののため、年神様にお供えされていたのですね。
◆鏡餅で使われている植物
ここからは鏡餅に使われている、植物についてご紹介したいと思います。
先にご紹介した通り、鏡餅で使われている植物にはそれぞれ願いや意味が込められています。
鏡餅と聞くと、その姿をイメージすることはできますが、それぞれの飾りについて込められた意味まで想像できる方は少ないのではないでしょうか。
ぜひチェックしてみてください。
<橙(ダイダイ)>
まずは橙からご紹介したいと思います。
橙は、鏡餅の上に乗っている小さなミカンのようなものです。
今までミカンと勘違いしていた方もいらっしゃるかもしれません。
橙は、ミカン科ミカン属の植物。
間違えてしまうくらいミカン似ている植物なのです。
そんな橙の実は、完熟してからも枝から落ちにくいことが特徴。
実を枝から収穫しなければ、2~3年も枝に残っていることもあるのだそうです。
そして枝に新しく実った果実も、先に実っていたものも、一緒に同じ木に長く実り続ける様子から、家族が健康に繁栄していくように見える、として鏡餅に飾られる縁起物になったと言われています。
またオレンジ色(橙色)だった実が、春になると再び緑色に戻ることから、「不老・再生」を連想させることも縁起物の1つになった理由なのだそう。
さらに、橙という名前が、「代々」の字をあてて「子孫繁栄」を連想させることも縁起が良いとされています。
<ユズリハ>
ユズリハは、漢字表記にすると「譲葉(ゆずるは)」と書きます。
ユズリハは、新しい若葉が生えそろってから古い葉が落ちるように成長していきます。
春に新芽が出て、その次の春に新芽が出る時に、まるで古い葉が譲る様に落ちる様子から、親(古い葉)と子(若い葉)が世代交代を繰り返し「子孫繁栄」を願う縁起の良い植物となりました。
<裏白(ウラジロ)>
細かい葉がたくさん付いているように見える、ウラジロ。
名前の通り葉の裏が白い植物です。
その見た目から心が潔白で、清々しいという意味や心の奥まで明るく照らせるようにという意味を持っていると考えられています。
そして、対に分かれてるように広がりながら成長していく葉が、夫婦円満を表しているように見えるとも言われています。
そんなウラジロは夫婦で仲良く白髪になるまで、幸せで過ごせますようにという願いも込められているとされています。
また、ウラジロには悪霊を払う力があるとも信じられているのだそうです。
そのためウラジロのデザインは、戦国時代の兜にあしらわれていたこともあるのだとか。
ちなみに、先に「小さな葉がたくさん付いているように見える」と、紹介しましたが実はウラジロはウラジロ科のシダ植物です。
シダは、土の中に茎があるため上のイラストに写っているすべて合わせて1枚の葉になります。
鏡餅をまだ自宅に飾っているという方は、ぜひウラジロをもう一度観察してみてくださいね。
<昆布>
イラストなどでは省略されることもありますが、鏡餅に昆布を飾ることもあります。
昆布は「子生婦」とも表記されることもあり、子孫繁栄を表したり子宝に恵まれるようにと願いを込めたりするため飾られています。
さらに昆布は「喜ぶ」や「養老昆布」に通じることからも縁起が良いと言われています。
また古くは昆布を「広布(ひろめ)」と呼んでいたことから、広布と昆布をあわせ「喜びをひろめる」という意味を持ったり、「恵比須目(えびすめ)」とも呼ばれていることから七福神の恵比寿様に通じたりと、とても縁起の良いものとされているのです。
<串柿>
串柿とは、干した柿を串に刺したものです。
昆布と同じく、串柿も鏡餅に飾られることがあります。
串に刺さっている柿は、渋柿です。
渋柿に手間を加えることで、甘く美味しく食べられるようになることから、日々の努力は報われるということを表していると言われています。
また柿を「嘉来」と表記することもあることから、「幸せがやって来る」という意味もあると言われています。
加えて「幸せをかき集める」という意味にも通じるとされています。
そして、柿の木は長寿であることも、「長寿・長生き」に関連するとして縁起の良いものといわれ、鏡餅に飾られるのだそうです。
◆鏡餅のもちが丸い理由
さて、ここからはおまけとして、鏡餅についての豆知識もご紹介します。
まずは鏡餅の餅が丸い理由です。
こちらは諸説ありますが、この形は「心臓」の意味があると言われていたり、神社に祭られていた聖なる丸い鏡「神鏡」をかたどっていると言われていたりします。
また、稲作をするうえで大切な「太陽」の形を意味するとされたり、「円満な人間の魂」を表しているなどといわれることもあります。
◆餅を2つ重ねるのはなぜ?
鏡餅を大小2つ重ねることも様々な説がありますが、月(陰)と日(陽)を表していると言われたり、2段重ねることで「良い年を重ねる」や「福が重なる」という意味を持っているとも言われたりしています。
また餅が丸いこともを合わせて、角のない丸い餅が重なることで、円満が重なるとも考えられているようです。
◆鏡餅が固い理由
ちなみに「餅」と聞くと、「柔らかいイメージ」がありますが、鏡餅は固いですよね。
実はこの鏡餅の固さにも、込められた意味があります。
一説には、固い餅であることには「固い物を食べれるくらい丈夫な歯を持ち、健康に食べていけるように」という意味が込められているとされています。
◆鏡餅がお年玉の由来?
鏡餅は、年神様のために年末に供えた鏡餅を、年神様が帰られる松の明けというタイミングで「お下がり」としていただき、家族や奉公人で分けることで、1年の健康と豊作にあやかれるとされています。
これがどうしてお年玉の由来になったのかというと、年神様からのお下がりとして玉のような餅をいただくからという説や、年神様は鏡餅に魂を込めると考えられていて「年神様の魂(の玉)」=「お年玉」となった説など……様々な説があります。
諸説ありますが、お年玉はお金ではなく、もともと餅だったのですね。
ちなみにお年玉が餅ではなくお金になったのは、江戸時代ごろからという説があります。
江戸時代には、餅と一緒にお金や品物を渡すことがあったのだそう。
そのころから、年始にお金を含めて贈り物をすることをお年玉というようになったのだそうです。
◆最後に
今回は、鏡餅に使われている植物を中心に鏡餅の豆知識や、由来などもご紹介しました。
子供の頃から知っている鏡餅ですが、その込められた意味や願いについては知らなかったということが多いのではないでしょうか。
鏡餅や正月飾りなどは、使われている植物や形によってそれぞれの意味が込められているものが多いです。
これからは鏡餅をはじめとする、正月飾りなどを飾る場合はぜひどんな意味が込められているのか、なども考えてみてくださいね。
福寿草の花言葉とは?~正月に飾りたい縁起の良い花~
12月に入り、コートやマフラーが欠かせないくらい寒い日が多くなってきましたね。
今年も残すところ1ヶ月を切りました。
約1ヶ月後には2022年、新しい年がやってきます。
そこで今回は正月シーズンに飾ることの多い、福寿草についてご紹介したいと思います。
お花屋さんだけでなく、近年ではスーパーなどでも福寿草を見かけることが多くなりました。
福寿草という名前を知らなかったとしても、正月シーズンに鉢植えなどで流通している黄色い花は見たことがあると思うので、ぜひチェックしてみてくださいね。
◆福寿草ってどんな花?
俳句で新年の季語でもある、福寿草。
福寿草は春を告げる花としても知られています。
そんな福寿草は先にご紹介した通り、黄色い花が印象的な植物です。
ただ黄色い花が一般的ですが、福寿草には赤・白・緑などの黄色以外の花を咲かせる品種もあるようです。
鉢植えで流通していることが多く、プランターや庭で福寿草を育てているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
<出回り時期>
お花屋さんやスーパーなどで最も福寿草を見かけることができるのは、12月~3月頃です。
開花時期は2月~3月。
正月の飾りに使われることもあるため、もちろん12月から流通していますが、中でも最も手に入れやすい時期は2月とされています。
福寿草を庭に植えてそのまま育てていくと2~3年後には、また花を咲かせることが多いようです。
あの明るく鮮やかな黄色い花を、繰り返し楽しむことができるのは嬉しいですよね。
<福寿草の花言葉は?>
福寿草の花言葉は「幸せを招く・永久の幸福」などがあります。
福寿草という名前からも分かるよう、古くから日本で福を招く植物として知られてきました。
正月に飾られることもある福寿草は、花言葉も縁起が良いものが多いのですね。
<福寿草の名前の由来>
福寿草は江戸時代に春を1番に伝える花として、「福告ぐ草(フクツグソウ)」と呼ばれていました。
その後、呼びやすくするために「告ぐ」の部分が「寿」に変わり、「福寿草」となったのだそうです。
この後から変わった「寿」は、福寿草は開花期が長いことから「長寿」の意味もあり、広く知れ渡ったと言われています。
<福寿草の別名>
福寿草の別名は以下の通りです。
・元日草
・朔日草(ツイタチソウ)
・賀正蘭 など
このように福寿草にはさまざまな別名があります。
別名の1つである「元日草」という名前は、福寿草が旧正月にあたる2月に花を咲かせることから付けられたとされています。
◆正月に福寿草が飾られる理由
昔から日本では、福を招き長寿を意味するとされてきた福寿草。
日本人にとって親しみがあり、縁起の良いおめでたい花の1つです。
福寿草の縁起が良いという理由は、「幸せを招く・永久の幸福」などの花言葉もありますが、それだけではありません。
実は、南天と福寿草を一緒に飾ることによって、より縁起の良い意味を持つためでもあります。
正月のシーズンになると、飾られることの多い赤い実を付けた南天。
南天は「難転」となり「難(災い)を転じる」に通じるため、「災いを避けることができる」という意味があると考えられ縁起物とされています。
そんな南天と福寿草を合わせることによって、「難を転じて福となす」という意味になると考えられています。
この南天と福寿草の組み合わせは、古くから日本で縁起の良いものとされており、掛軸や大皿の絵柄として使われていることもあるようです。
また正月に飾られる寄せ植えとして、南天と福寿草を組み合わせたデザインのものや、庭に南天と福寿草を植えることも多いのだそう。
新年は南天や福寿草などを飾り、植物で彩りを加えてみるのはいかがでしょうか。
植物は他のインテリアとは違い、香りや色、季節感、触感など生きているものだからこそ楽しむことのできる魅力がたくさんあります。
今まで正月に花を飾ったことがないという方も、ぜひ来年は花を飾ってみてくださいね。
福寿草は花束やフラワーアレンジメントに使われる切花ではなく、先にご紹介していた通り、鉢植えとして流通していることが多い植物です。
福寿草に限らず、鉢植えは切り花よりも長持ちすることが多いので、新年は花を長く楽しみたいという方にもおすすめです。
◆福寿草は日が当たらないと花を閉じる?
福寿草は日の光に当たると花を咲かせ、日が暮れたり陰ったりすることで、太陽が当たらなくなると花を閉じてしまう特徴があります。
日の光が当たらない時に花が閉じてしまう理由は、福寿草が開花する時期にあります。
福寿草が花を咲かせるのは、先にご紹介していた通り、2月など寒い時期です。
まだ雪が降ることもある時期です。
そんな寒い時期は、暖かい時期に比べて、虫があまり活動的ではありません。
そのため福寿草は花の中の温度を高めることによって、数少ない虫をおびき寄せようとしているのです。
虫をおびき寄せることで、受粉させるチャンスを増やそうとしているからなのですね。
日の光が当たらないと花を閉じてしまうのは、花の中の温度をなるべく高く保ち、子孫を増やそうとしているため。
厳しい環境に花を咲かせる福寿草が、子孫を残すための知恵の1つと花を閉じたり開いたりしていると考えると、観察してみたくなりますよね。
福寿草を自宅で育てているという方や、これから購入する予定という方は、ぜひ太陽と福寿草の花の動きにも注目してみてください。
◆福寿草には毒がある
福寿草を触っても害はありませんが、福寿草の葉・花・根・茎には毒があります。
特に福寿草の根や茎には、強い毒があると言われています。
そのため縁起物であり、おめでたい植物だったとしても福寿草は口に入れないようにしましょう。
この毒は人間だけではなく、猫や犬などペットにとっても有害なもののため、気を付けるようにしてください。
ちなみに誤って口に含んでしまうと、嘔吐や呼吸困難などに陥り、症状がひどい場合は心臓麻痺などに至ります。
縁起物だから口にするというよりは、フキノトウと福寿草を間違え、誤って食べる事故が多いようです。
過去には福寿草を食べて、死亡した例もあるそうなので人間だけではなくペットも注意するようにしてくださいね。
◆最後に
今回は、正月に飾りたい福寿草についてご紹介しました。
縁起の良い福寿草は南天と一緒に飾ると特に正月にぴったり。
今年は植物の力を使って、新年に彩りを加えてみませんか。
明るく輝くようにも見える福寿草の鮮やかな黄色が、新しい年のスタートをお祝いしてくれるはずです。
正月飾りいつ片づける?~正月飾りの処分方法も掲載~
1月に入り、新しい年の幕開けですね。
お正月休みが終わり、お正月飾りを片づけるタイミングが、そろそろ気になってくる頃ではないでしょうか。
「初めて正月飾りを飾った」という方もいらっしゃったのでは?
そこで今回は、門松やしめ飾り、鏡餅、破魔矢の片づけるタイミングと、処分の方法をご紹介します。
また、おまけとして正月飾りによく使われる植物の名前や、特徴もお伝えします。
正月飾りを片づける時に、植物にも注目してみては?
◆門松を片づけるタイミング
自宅で立派な門松を飾ったという方は少ないかもしれませんが、2枚目の写真のような簡易的な門松を飾ったという方は、意外と多いのではないでしょうか。
門松と聞くと、立派なものをイメージしてしまいますが、お花屋さんではこのように比較的大きな若松を1対でセットにした、簡易的な門松も販売されています。
立派で大きな門松から、比較的に飾りやすいサイズ感までありますが、門松はサイズに関わらず、1月7日または1月15日に片づけることが一般的です。
1月7日または1月15日までなど、地域によって異なりますが、正月飾りを片づける日までを「松の内」といいます。
松の内は、正月飾りを飾っておく期間とも言えますね。
ちなみに一般的に、松の内は関東と関西で分かれています。
関東地方の松の内は、1月7日が最終日になります。
朝、正月飾りを片付けた後、七草粥を食べるのが風習になっているのだそうです。
一方、関西地方の松の内は、1月15日まで続くため、正月飾りは15日に片づけることが多いようです。
または、松の内の翌日1月8日・1月16日に片付けるという地域もあるようです。
紹介した以外にも、松の内の期間は地域によってさまざまであり、7日でも15日でもないという地域もあります。
自分の住んでいる地域はいつ片づけるのか、1度確認してみるのも良いかもしれませんね。
◆しめ飾りを片づけるタイミング
しめ飾りも、門松と同じく正月飾りの1つであるため「松の内」までに片づけるようにしましょう。
関東地方は1月7日に片づけ、関西地方は1月15日に片づけることが一般的です。
しかし先ほども、ご紹介したように地域によって日付が異なるため、確認してみてくださいね。
◆鏡餅を片づける(鏡開きの)タイミング
鏡餅を片づける(食べる)タイミングは、鏡開きの日になります。
門松やしめ飾りは、松の内までに片づけますが、鏡餅は鏡開きまで飾ることが一般的です。
鏡餅を木槌などで割って、お雑煮などでいただく、鏡開き。
最近の鏡餅は、プラスチックのケースに入っている物も多く、すぐに食べることができるので、木槌などの必要がなく鏡開きも便利になりましたね。
そんな鏡開きの日付は、松の内の期間によって異なります。
松の内が1月7日までの地域(一般的に関東地方)は、1月11日が鏡開きの日です。
一方、松の内が1月15日までの地域(一般的に関西地方)は、1月15日が、鏡開きになります。
1月15日が松の内の地域は、鏡開きと門松やしめ飾りなどの正月飾りを片づける時が、同じなのですね。
ちなみに、京都では1月4日が鏡開きとされていて、他の正月飾りを片づける前に鏡餅を食べるのだそうです。
鏡開きのタイミングも、地域によって様々なのですね。
◆破魔矢(はまや)を片づけるタイミング
神社などでいただくことができる破魔矢。
破魔矢は、魔除けや厄除けの意味を持つ矢のことです。
初詣に行った際に、購入するという方もいらっしゃるかもしれませんね。
縁起物であるため、お正月飾りとしても飾られることが多いです。
しめ飾りを片づける時に「一緒に片づけるの?」と、思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、破魔矢は魔除けの力を持つとされているため、お正月の期間以外も飾るようにしましょう。
神棚や玄関などに、1年間飾っておくことが一般的なようです。
1年間飾ったら、また新しい破魔矢と交換すると良いとされています。
初詣の際に、新しいものをいただくようにすると良いかもしれませんね。
◆来年も使っていいの?
正月飾りは、毎年新しいものを飾ることが望ましいとされています。
そのため、来年は新しい正月飾りを飾るようにしましょう。
使いまわしをしない理由は、神様は清浄(清らかで汚れがないこと)を第一とするという考え方があり、同じものを使うと神様の失礼に当たるとされているためです。
年神様がいらっしゃるのは、1年に1回。
年に1回しか、いらっしゃらない年神様のためにも、新しいものを飾るようにしましょう。
◆正月飾りの処分方法
正月飾りを処分する方法は、大きく分けて2つあります。
ここでは、そのお正月飾りの処分方法を簡単にご紹介します。
<どんどん焼きに持って行く>
全国の神社では、お正月飾りやだるま、お守りなどを処分することができる「どんどん焼き」というものが行われます。
どんどん焼きとは、1月15日(小正月)に行われることの多い火祭りのことです。
感謝の気持ちを込めて、正月飾りをお焚き上げしましょう。
ちなみにどんどん焼きの他に、地域によって「左義長(ぎちょう)」とも呼ばれています。
<お清めして一般ゴミに捨てる>
正月飾りは、白い布や新聞紙にくるみ、塩とお酒をふって清めてから、一般のごみと一緒に処分することもできるようです。
他にも塩だけで清める方法や、お庭で焼く方法など処分の方法はいくつかあるようなので、自宅で処分しようと考えている方は、調べてみてくださいね。
◆(おまけ)正月飾りで使われる植物
ここではおまけとして、しめ飾りや門松で使われている植物をご紹介します。
お正月飾りを片づける時には、改めて植物にも注目してみてくださいね。
<ウラジロ>
「シダ」とも呼ばれる「ウラジロ」。
このウラジロは、しめ飾りや鏡餅の装飾としてよく使われています。
漢字で書くと「裏白」。
察しが付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、ウラジロは葉の裏が白いことが特徴の1つです。
葉の裏が白いことから「心に裏表がない清廉潔白」を表しているともいわれています。
また、葉の付き方が左右対称のため「夫婦円満の象徴」とも考えられているようです。
<橙>
正月飾りに付いていることの多い、オレンジ色の果物は「橙」が多いと思います。
橙は、実をすぐに落とさないことが特徴です。
実をつけてから数年間は、木から落ちずに成長すると言われています。
「実を長い間落とさない」なんて、とても縁起がいい感じがしますよね。
ちなみに橙は「代々(だいだい=橙)子孫が繁栄しますように」という願いを込めて、正月飾りに用いられます。
特に葉が付いているものは、木に実っている状態に近いため、縁起がさらに良いとされています。
◆最後に
今回は正月飾りをいつ片づけるのか、処分の方法についてご紹介しました。
正月飾りは、地域に合わせて、お片付けしてみてくださいね。
また、お片付けする時は使われていた植物も改めて、注目してみると面白いと思います。
「この植物の名前は?」や「使われていた理由は?」など…ぜひお正月ならではの植物に出会ってみてください。
正月飾りはいつから飾る?~万両と千両の違いも解説~
そろそろ、正月飾りを準備されている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、しめ飾りや門松などお正月飾りについてご紹介します。
「いつ飾る?」や「そもそも正月飾りって?」などなど…お正月飾りについてと、お正月のアレンジメントや花束によく使われる千両と万両の違いを掲載しています。
◆正月飾りを飾るタイミング
新年が近づいてきましたが、正月飾りをいつから飾ればいいのか、悩んでしまう方もいらっしゃるのでは?
「しめ飾りを用意したけれど、もう飾っていいの…?」など正月飾りのタイミングについて疑問に思っている方はチェックしてみてください。
<正月飾りは、いつごろから飾るの?>
地域によっても異なりますが、12月13日頃からお正月の準備をはじめ、正月飾りを飾るとされています。
近年は、12月25日にクリスマスがあるため、25日以降から正月飾りを飾るという方も多いようです。
リースを飾っていたところに、しめ飾りを飾るという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ちなみに、12月13日は「松迎え」や「正月事はじめ」とも言われています。
昔は12月13日からお正月にいらっしゃる年神様を迎えるために、ススを掃うなどのお掃除や、お雑煮などを作るために必要な薪を集めるという習慣があったのだそうですよ。
<避けた方が良い日とは?>
実は、正月飾りを飾るのは、避けた方が良い日があります。
それは、12月29日と、12月31日。
29日は、「二重苦」を連想させてしまうため、避けた方が良いのだそうです。
そして、31日は「一夜飾り」といわれ、年神様への失礼にあたると言われています。
なぜなら、急ごしらえ(急いで準備したこと)は、年神様に対して誠意がかけると、考えられているからです。
忙しいことが多く「うっかり飾るのが遅くなってしまった…!」ということもあるかと思いますが、できるだけ早めに飾れると良いですね。
遅くても12月28日には、正月飾りを飾れるようにしたいものです。
◆そもそも正月飾りとは?
正月飾りを飾るタイミングについて先ほどお伝えしましたが、ここで改めて代表的な正月飾りについてご紹介しようと思います。
<しめ飾り>
玄関などに飾ることの多い、しめ飾り。
しめ飾りを飾ることで結界の役割を果たし、しめ飾りの内側からは清らかな場所にしてくれると言われています。
これは、しめ縄も同じ理由で飾られているのだそうですよ。
しめ飾りを飾っていれば邪悪なものが入ってこられないため、年神様も安心して来ていただくことができますよね。
<門松>
デパートの前や、商店街の入り口によく飾られている門松。
門松は、年神様がいらっしゃる目印になると言われています。
また家族やそこに住む人々の健康、そして長寿を願う象徴ともされています。
大きくて立派な門松以外にも、現代は雑貨屋さんやお花屋さんで、飾りやすいサイズの門松も販売されています。
年神様にお越しいただくとともに、家族の健康を願って門松を玄関や、自宅の門に飾ってもよさそうですね。
<鏡餅>
昔からお餅は、おめでたい時に食べる「ハレの食」と、されてきたのだそうです。
そんなお餅を重ねた見た目が、かわいらしい鏡餅。
鏡餅は、豊作を祈願し、新しい門出を祝うという意味があるのだそうです。
ちなみに、お餅を2つ重ねる意味には様々な説があります。
その1つに、丸いお餅は家族円満を表すと言われていて、それを2つ重ねることで、「また同じように1年を重ねる」という意味になるという説。
また、大小のお餅を2つ重ねる鏡餅は、月(陰)と日(陽)を表していると言われ、夫婦円満に年を重ねられるという説もあります。
もっと詳しく知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください。
お正月に飾りたい花についても紹介しています。
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正月飾りはいつからいつまで?玄関に飾る時のルールとは|片付けるタイミングも掲載 今回は「正月飾りをいつから飾り、いつ片付けるのか」、そして「そもそも正月飾りとはどんな意味があるのか」について紹介しています。 |
◆(おまけ)千両と万両の違いとは?
ここからは、おまけとして千両と万両の違いをご紹介します。
お正月のシーズンになると、縁起の良い千両や万両を飾る機会が増えるのではないでしょうか。
こちらの写真は、奥の黄色い実を付けている方が千両で、手前の赤い実を付けている方が万両です。
どちらも鮮やかな色の実をつけ、周りを華やかな印象にさせてくれます。
お花屋さんでも、赤や黄色の実を付けた千両や、万両を見かけることは多くなりますが「いまいち違いが分からない…」と言う時もあると思います。
ぜひ、見分けるポイントをチェックしてみてくださいね。
<千両>
- センリョウ科
- 葉の上に実がまとまって付く
<万両>
- サクラソウ科
- 葉の下に実がぶら下がるように付く
- 実が千両よりも大きくより多くの実がなる
千両と万両は似ていますが、センリョウ科とサクラソウ科で、科名が異なっているため、全く異なる植物なのですね。
見分けるポイントは、実の付け方に注目してみることです。
お寺などでも植えられることもあるので、近くで見る機会があった時は、観察してみてくださいね。
もっと詳しく知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください。
千両と万両、さらに南天と十両(ヤブコウジ)の実についても掲載しています。
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千両と万両の違い・見分け方|正月の赤い実「南天・ヤブコウジ」も掲載 万両・千両・十両(ヤブコウジ)・南天を見分けるポイントをまとめました |
◆最後に
今回は、正月飾りについてと、千両・万両の違いをご紹介しました。
クリスマスが終われば、あっという間に、お正月です。
今年もそろそろ終わり。
新しい年に向けて、少しずつ準備を進めていきたいですね。
ちなみに、花キューピットではお正月にぴったりな華やかで、縁起の良いお花を使用したアレンジメント・花束をご用意しています。
自宅用にお正月のお花を飾りたいという方はもちろん、帰省が難しい今年は年始の挨拶にお花を贈りたいという方にもおすすめです。
正月飾りを準備する時に、ぜひお花の注文も済ませてみてはいかがでしょうか。
少し気になった方は、花キューピットのサイトやお花屋さんを見てみてくださいね。
お正月の花~縁起の良い花と新年を迎えよう~
最近、お店に行くとクリスマスグッズと一緒に、お正月のグッズも見かけるようになりましたね。
しめ縄や、正月飾りを準備したという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、今回はお正月にぴったりな、縁起の良いお花をご紹介します。
自宅に飾ることはもちろん、新年のあいさつとして、お世話になっている方へお正月らしいお花を贈るのも、良いと思いますよ。
お花の贈り物は、どんな年代の方にも喜んでもらえると思います。
では、ここからお正月にぴったりなお花をご紹介します。
◆松
お正月のシーズンになると、門松などでも活躍する「松」。
松が縁起物と言われる理由は「不老長寿」の象徴として考えられているためです。
「不老長寿」の象徴と考えられるようになった理由は、松が常緑樹という種類であり、他の木々が葉を落としてしまう季節になっても、常に青々としているからと言われています。
また、「1年中緑色を絶やさない」ことから「生命力が強い」とされ、子孫繁栄を願う対象ともされているようです。
◆マム(菊)
マムは「菊を飾ると福が来る」と言われるほど、縁起の良いお花として有名です。
高貴なお花の1つでもあります。
マムは邪気を払う力があると信じられていて、長寿を願うお花の1つなのです。
そして「高貴・生命力」などのお正月にぴったりな花言葉も持っています。
大輪のマムから小菊、ピンポンマムなど…たくさんの種類があるので、マムだけでアレンジメントを作っても華やかですよ。
ちなみに、マムは他のお花よりも、比較的に長持ちしてくれます。
縁起の良いお花で、長くきれいな姿を楽しみたいという方には、特におすすめです。
◆梅
アレンジメントや花束で使うことはもちろん、お正月のイラストや髪飾りのモチーフにもなっている、梅の花。
お正月に梅を飾る理由は、梅の開花時期に関係があるとされています。
梅の花が開花するのは、地域で差はありますが2月~3月とされ、早春の時期にお花を咲かせます。
そのため、どのお花よりも早く花を咲かせることから、「出世」や「開運」の象徴とされているのです。
梅は、他のお花がまだ咲かない時期に、美しいお花を楽しませてくれるのですね。
ちなみに花言葉は「上品・忠実・高潔」などがあります。
開運の象徴とされる梅のお花を飾って、素敵な1年の始まりにしたいですね。
◆南天
「南天」は「難転」と同音であることから、古くより縁起の良い植物とされてきました。
南天の「なん」にかけて、「難関や災難を転じる」という意味もあるそうです。
そこから江戸時代では、火災避けの効果があると信じられていたと言われています。
そのため、南天が玄関先に飾られていたり、お庭に植えられていたりすることが、多かったようです。
つやつやした赤い実が、お正月に華やかさをプラスしてくれそうですね。
花言葉も縁起が良く、「福をなす」などがあります。
◆胡蝶蘭
お祝いの場で、飾られることの多い胡蝶蘭。
胡蝶蘭は、お花の形が蝶々のように見えることから、「幸福が飛んで来る」という花言葉を持っています。
おめでたい時に贈ったり、飾ったりすることも多い胡蝶蘭は、縁起の良い花言葉を持っているのですね。
ちなみに、胡蝶蘭は縁起がいいだけではなく、さらに忙しいことの多いお正月には最適なお花なのです。
なぜなら水やりの回数が、他のお花に比べて少なく済むからです。
胡蝶蘭の冬の水やりは、鉢植えの場合、2週間に1回くらいで十分。
あげる水の量も、コップ1杯分で足りてしまいます。
また、胡蝶蘭は花もちが良く、長くきれいなお花を楽しむことができます。
お正月は新年のあいさつなどで忙しいことが多く、「お花のお世話まで手が回らない…!」なんてこともありますよね。
お世話に手がかからず、長くお花を楽しめる華やかな胡蝶蘭は、お正月にぴったりですよね。
◆葉ボタン
葉ボタンはお正月の時期になると、よく花壇などで植えられることの多い植物ですよね。
公園の花壇や、お花屋さんで販売されている寄せ植えなどで、見たことがある方も多いと思います。
葉ボタンはお花ではなく、葉が紫やクリームをしています。
そして重なるたくさんの葉が、ボタン(牡丹)の花のように見えることから「葉ボタン」という名前が付きました。
そんな葉ボタンが、なぜお正月に飾られるのでしょうか。
それは、縁起が良いとされるボタンと似ているためと言われています。
名前の由来にもなったように、葉ボタンはボタンのお花と似ているのです。
ちなみに、こちらの写真がボタンのお花です。
確かに似ていますよね。
昔はお正月にボタンを飾っていたそうですが、ボタンに似ている葉ボタンの方がお手頃に入手ができ、丈夫で育てやすいということで、人気が高まっていったそうです。
もともと「ボタンに似ているから」という理由で飾られるようになった葉ボタンですが、花言葉は「利益・利得・祝福・愛を包む」などがあり、葉ボタンそのものも縁起が良い植物なのです。
◆ウメモドキ
「ウメモドキ」というお花は、なかなか聞きなれない方もいらっしゃるかもしれません。
「梅なの?梅じゃないの?」と、思ってしまうような名前ですが、ウメモドキは梅の仲間ではありません。
では、なぜそんな名前をしているかと言うと、「枝をたくさん出す梅の様子に似ている」ということで、ウメモドキという名前が付けられました。
そんなウメモドキは赤い実が特徴的で、風情を感じさせてくれると言われています。
アレンジメントや花束で使われる以外には、お庭に植えるという方や盆栽で楽しむという方もいらっしゃいます。
ウメモドキをお庭に植える方の中には、葉が落ちてからも赤い実が残るため、小鳥が実を食べに来るのを楽しむという方も多いようです。
赤い実は「おめでたいもの」と、されているため、お正月の時期にはぴったりですね。
また、花言葉も「知恵・明朗」などがあります。
◆最後に
今回はお正月に飾りたい、縁起の良い植物をご紹介しました。
新しい年の始まりには、華やかな植物を飾って、素敵なスタートにしたいですね。
また、なかなか会いに行けない親戚や、いつもお世話になっている方へ、新年のプレゼントとして縁起の良いお花を贈ることもおすすめです。
花キューピットでは、今回ご紹介したお花をあしらった、お正月のアレンジメントや花束をご用意しております。
「少し興味を持った」という方がいらっしゃいましたら、お花屋さんか、インターネット花キューピットのサイトを見てみてくださいね。
新年を彩るお花と出会えるかもしれませんよ。