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胡蝶蘭のお手入れ ~お花*あれこれ事典~
贈りものとして人気の胡蝶蘭。蝶が舞うような美しい形の花は、一目見れば思わずため息がこぼれてしまいそうですよね。その分、花が終わってしまうと残念な気持ちになりますが、胡蝶蘭は上手に管理すると、次の年にも花を咲かせます。
今回の花だよりでは、胡蝶蘭の管理の仕方についてお伝えします。
■水やり
胡蝶蘭は地面に根を広げるのではなく、樹木の幹に根を張りつかせる着生ランというランの仲間になります。水分を保ちやすい土とは違い、雨が降った時以外は常に乾燥している幹の表面に根を広げているため、水のあげすぎはすぐに根が腐ってしまいます。
水やりは数日から10日に1回、鉢の中の土や水ゴケが完全に乾燥してから行うようにします。このとき、たっぷりと水を流すことで、鉢の中の空気の入れ替えを行うことができます。一度にたっぷりと与え、受け皿にたまった水は捨てましょう。
可能であれば、汲み置きして室温と同じくらいの温度になった水を与えるようにすると、胡蝶蘭に優しいですね。
根は乾燥気味の方が安心できますが、空気中の湿度は高めであると胡蝶蘭は元気になります。胡蝶蘭の大きな葉のまわりに、朝と夜の2回、霧吹きをつかって水をかけてあげましょう。
■設置場所
暖かい場所が好きな胡蝶蘭ですが、直射日光は苦手です。特に夏の日差しは大敵で、カーテンごしの光でも葉焼けしてしまうことがあります。明るい部屋であれば十分育つため、窓から少し離れた場所に置きましょう。
15℃を下回ると生育が止まり、12℃を下回ると株が弱り始めます。胡蝶蘭を置く場所は、極力15℃を下回らないようにしましょう。
ただし、胡蝶蘭は最低気温18℃以下の期間が1か月ほど続くことで、新しい花をつけます。少し管理が難しいですが、秋の間は15~18℃くらいの環境で育てるといいでしょう。
また、冷暖房の乾燥した風が直接当たる場所は好ましくありません。冬の寒さを避けるためには暖房の有効活用が必要ですが、風が当たる場所を避け、しっかりと加湿を行うようにします。
■胡蝶蘭を育ててみましょう
胡蝶蘭の管理って難しそう、と思った方は、胡蝶蘭がもともと育っていた環境が、熱帯雨林の中であることを覚えておきましょう。気温と湿度が高く、うっそうと生い茂った樹木に日光が遮られた薄暗い環境を思い浮かべれば、胡蝶蘭が元気に育つ環境がなんとなく分かりますよね。
育て方のコツを覚えたら、胡蝶蘭を贈るときにコツもお相手様へと伝えてみましょう。綺麗な胡蝶蘭が長続きする方法を知れば、きっと胡蝶蘭をもらった喜びも倍増です。
もちろん、もらった胡蝶蘭の管理にも役立ててください。大切に育てた胡蝶蘭が新しい花を咲かせたことを伝えれば、贈った方への感謝の気持ちが伝わるはずです。
胡蝶蘭のまめ知識 ~お花*あれこれ事典~
ご贈答用に人気の高いフラワーギフトはいくつかありますが、季節や時代を問わず人気が高いのが胡蝶蘭です。上品でありながら存在感のある花姿は、思わずため息がこぼれてしまうほど。
今回の花だよりでは、胡蝶蘭についてお伝えいたします。
■胡蝶蘭ってどんな花
胡蝶蘭はもともと東南アジア原産の花です。名前のとおりラン科の花ですが、そのなかでも地面に根をおろす普通の植物とは異なり、木の枝や岩の上に根を張りつかせて生活している「着生ラン」というランの仲間になります。着生ランの仲間は、胡蝶蘭のほかにカトレアやデンドロビウムなど、洋ランの多くが含まれます。
水をためておける土のなかとは異なり、木の幹や岩は水分や栄養に乏しく、デリケートな根を常に空気中にさらしている必要があります。そこで、着生ランの多くは厳しい環境に耐えられるよう、茎や肉厚の葉に水分や栄養を溜めておけるようになりました。胡蝶蘭の葉も、ほかの植物に比べてみると分厚いですよね。
ちなみに、着生ランは木の表面にくっついて生きているものも多いですが、木から栄養や水を奪っているわけではありません。空気中の湿気や、木の表面を流れる雨水を利用しているのだそうです。
■胡蝶蘭の分類
胡蝶蘭は花のサイズによる分類があります。贈答用などでひろく利用されている胡蝶蘭は、花の大きさが10~15cmであり、「大輪系」と呼ばれます。非常に見栄えがよく、一年中流通しているため、開店祝いのギフトや選挙の応援などで贈られることが多いです。
花の大きさが6~9cmと一回り小さいものは、ミディ系と呼ばれます。ミディ系の胡蝶蘭は上品さと可愛さを兼ねそなえており、ご贈答用はもちろん、自分で育てて楽しむ方も多いですね。多彩な品種があり、ひとくちにミディ系といっても多くの花を楽しむことができます。
大きさが4~5cmほどの小さな花をつける胡蝶蘭はミニ系に分類されます。ミニ系は小さな可愛らしい花を多数つけ、中には卓上で楽しめる大きさのものあるため、ちょっとした贈りものや、自分で楽しむ用途に、近年人気が高まりつつあります。
■胡蝶蘭は花店におまかせ
ご贈答用に非常に人気の高い胡蝶蘭ですが、生き物なので贈る際には傷がつかないように細心の注意を払う必要があります。段ボールなどの梱包材で覆ってお届けしなければなりません。また、配達までに日数がかかると、傷んでしまうおそれもあるのが難点です。
しかし、お花を普段から取り扱っているお花屋さんがお届けする胡蝶蘭なら、鮮度のよいものをお届けすることができます。ゴミとしてかさばりがちな梱包材もなしでお届けすることができるので、受け取る方の手をわずらわせることもありません。
急に胡蝶蘭を贈る必要ができたときでも、お昼の12時までに注文することで、当日にお届けすることが可能なのもお花屋さんならでは。
開店祝いに、お誕生日に、特別な記念日に…さまざまなシーンで活躍する胡蝶蘭。お花屋さんが手早くお届けする高品質の胡蝶蘭で、受け取る方を笑顔にしましょうね。
身近に花を楽しむ飾り方 ~お花*あれこれ事典~
花を自宅に飾る習慣はありますか、という質問を受けたとき、「飾り方が難しそうだから飾らない」あるいは「花瓶がないから飾らない」と答える方は少なくありません。確かに、センスよく花を飾ることってハードルが高く感じられますよね。
今回の花だよりでは、身近に花を楽しむための飾り方を紹介します。
■食器に花を飾る
花瓶を持っているなら、もちろん花瓶に飾ればオーケー。ですが、サプライズプレゼントなどでお花をもらった場合、ちょうどいい花瓶が手持ちにない、ということもしばしば。
そういう時は、お皿やグラスなどの食器が便利。普段から使っているような食器であれば場所もとらず、より自然と生活の中に溶け込みます。また、花も生き物ですから、キレイに洗った食器のような清潔な器を利用した方が傷みません。
透明なグラスなら中に石やビー玉などを入れて一段とオシャレに楽しむことができますし、マグカップやお茶碗などに飾れば食卓などにぴったりな可愛い飾りに早変わりします。
大きな花束をもらった場合でも、大きな花瓶を用意してそこにまとめて飾る、なんて必要はありません。いくつかの束にわけて、または一輪ずつにわけて、部屋のあちこちに飾ってみてください。花に囲まれた部屋は、普段と違う表情を見せてくれるはずです。
■花を飾るポイント
・一輪の場合
一本だから器にそのまま挿せば終わり…とはいきません。バランスが悪く見栄えがよくなかったり、花が倒れてしまう場合もあります。ですが、基本さえ押さえればどなたでも気軽に楽しめます。
ポイントは器の高さと、器からのびた花の長さが1:1になるように茎を切ることです。背の低い器は茎を短く、背の高い器は茎を長くしましょう。
お茶碗やカップなどの口の広い容器を利用する場合や、茎に対して花が大きく倒れてしまうときは、器の底に茎の先端がつく程度にまで茎を切り落とし、花を器のフチにひっかけるようにして飾ります。見栄えもよく、倒れてしまうおそれもありません。
・複数の花の場合
複数の花を飾る場合は、口の広い器をつかうほうが簡単です。まずは花が器のフチにひっかかり、茎の先端が器の反対側に届く程度の長さに茎を切ります。
器に飾る順番は葉ものやカスミソウなどの小さな花が一番最初。その上にメインとなる花をそっと乗せ、更に他の花を重ねます。このとき、茎の先端が一点に集まるように意識して置くと安定します。
慣れてきたら見栄えや色合いを意識して、いろんな器に飾ってみてくださいね。
■お手本と花瓶のセット グラスブーケ
食器に飾ってみるのも可愛らしくて素敵だけど、やっぱり花瓶がほしい…という方には、グラスブーケをおすすめします。花のプロであるお花屋さんが作ったブーケを、花瓶に入れてお届けします。
まずは綺麗なブーケを楽しむと同時に、お手本としてお花のまとめ方やバランスのとり方などをよく観察してみてください。お花が枯れてしまったあとは、空いた花瓶に自分でお花を飾ってみましょう。
花を飾るのに十分慣れたあとは、買ってきた花束を自分なりにアレンジして、ホームパーティの飾りやプレゼントを作ってみてもいいですね。
花のある生活は彩りに溢れ、気分も晴れやかになります。花を飾るのって難しそう、と思っていた方も、まずはグラスブーケや身近な食器をつかって、花を飾ることを楽しんでくださいね。
花言葉のイロハ
有名な花から、道端に咲くような花、あまり知られていない花にまで付けられている花言葉。特にギフトとしてお花を贈るときは、受け取る方へのメッセージとして、気にしている方も多いのではないでしょうか。
今回の花だよりでは、花言葉についてお伝えいたします。
■花言葉の起源
花言葉がいつ、どのように生まれたのか、ということははっきりと分かっていません。一説には、美しい花々は世界各地の神話などで重要なアイテムとして登場することが多くあり、自然とその花が象徴する言葉が定着したと考えられています。
19世紀ごろのヨーロッパでは、貴族たちの間で恋人をはじめとする他者への想いを草花にたとえた詩をつづり、サロンで回覧することが流行っていました。
そうした流行の中、フランスのシャルロット・ラトゥールという女性が200以上もの花言葉をまとめた図鑑を刊行します。彼女はその図鑑の中で、花言葉がつけられた由来なども紹介しています。
これを契機として花言葉に関する多くの本が刊行されることとなり、花言葉という慣習が定着することとなりました。
日本に花言葉が入ってきたのは明治ごろだとされています。当初はヨーロッパで考案された花言葉がそのまま用いられていました。その後、花に対する習慣や考え方の違い、日本で栽培・自生している花の種類の違いなどから、独自の花言葉も多くつけられています。
また、現代では品種改良などで数多くの花が新しく生まれていますが、これらの花は開発者や輸入者、日本花普及センターが花言葉を決めているそうです。
■花言葉に込められた意味
古くから人々に親しまれていた花は、神話や伝承などをもとにして花言葉がつけられています。たとえばバラは、愛や美の象徴であるヴィーナスとともに生まれた花として「愛情」「美しさ」などの花言葉がつけられました。
また、美しい青色の花、ワスレナグサは恋人のために川面を流れるワスレナグサを取ろうと川へ飛び込み、命を落とした騎士が最後に叫んだ「私を忘れないで」という言葉がそのまま花言葉として使われました。
一方で、ネガティブな花言葉をもつ花も多くあります。たとえばダリアは「移り気」、黄色いバラには「嫉妬」という花言葉があります。
では贈りものに向かないのか、といわれるとそうでもありません。ダリアには「気品」「優雅」、黄色いバラには「友情」「何をしても可愛らしい」というポジティブな花言葉もあるからです。
1つの花には様々な花言葉がつけられています。その中にはネガティブな意味も、ポジティブな意味もあります。花を贈るときには、自分の気持ちを伝える際のアクセントとして取り入れるくらいの気持ちで贈るといいですね。
また、ネガティブな花言葉をもつ花を受け取ったときには、ほかにどんな花言葉があるのかを調べてみてもいいでしょう。あなたに伝えたい本当の気持ちに気づけるかもしれませんよ。
■出会いと別れのシーズンにぴったりな花言葉
お見舞いのときの花贈り
寒くなってくると体調を崩してしまう方が多くなりますね。友人や家族など、親しい相手が入院してしまった場合、早く元気になってほしいとの想いをこめて、お花を贈りたいところです。
今回の花だよりでは、お見舞いのときに贈る花についてお伝えいたします。
■お見舞いに適した花はアレンジメント
お見舞いにお花を持参する場合、花束よりもアレンジメントが好ましいとされています。花束は飾るために花瓶が必要ですが、アレンジメントならそのまま置くことができるからです。
大部屋の場合、ほかに入院されている方のご迷惑とならないよう、比較的コンパクトなアレンジメントを贈るようにします。個室の場合でもあまり大きすぎると邪魔になってしまい、片付けも大変なため、大きすぎない方が良いでしょう。
また、色は黄色やオレンジ、ピンクなどの暖色系のものにすると、入院で沈みがちな気分を明るくさせてくれる効果があります。あたたかみのある色合いは多くの方が喜ぶもの、特にこだわりがない場合は暖色系の花のアレンジメントにするといいですね。
■鉢植えや縁起の悪い花、香りの強い花はNG
お見舞いに持っていくときに厳禁とされる花はいくつかあります。特に有名なものは「鉢植えはダメ」というものがありますね。鉢植えは根がついている花なので、「根付く」=「寝付く」とされ縁起が悪いからです。また、鉢には土が敷き詰められていることがほとんどなので、衛生面から考えても避けた方がいいでしょう。
キクやシクラメンも縁起が悪いとされます。キクは仏花に使われることが多い、シクラメンは「死」「苦」に通じる、というのが理由です。
お花の色にも気をつける必要があります。白い花や寒色系の花はキクと同じく仏花に使われることが多いので避けた方がいいです。暖色系でも真っ赤な花は血の色を連想させ、また精神的にも感情を高ぶらせる効果があります。ゆっくりと休むことが必要な相手に贈るのはやめましょう。
縁起とは関係がありませんが、ユリなどの香りが強い、または花粉が多い花もやめた方がいいですね。普段はいい香りだと思っていても、入院や手術などの影響で気分を悪くする場合もあります。花粉は服につくと落ちにくく、衛生面での問題も考えられます。
ここでNGとされているお花でも、受け取る方が好きな花であれば贈ってもよいとされています。その場合は、受け取る方が勘違いされないように、「あなたが好きな花だから」というメッセージを添えた方がいいでしょう。また、大部屋の場合はほかに入院されている方への配慮を忘れないでくださいね。
ただし、近年では衛生面などの観点から、生花の持ち込みを禁止する病院も増えています。はじめてお見舞いするときには、事前に花を持ち込んでもいいか病院に確認しましょう。
■お見舞いにはガーベラがおすすめ
お見舞いとして持っていく花の中で、特におすすめする花はガーベラです。ガーベラはやさしい暖色系の色の花が多く、また香りや花粉も少ないという特徴があります。
見た目も可愛らしく、あたたかみのある色合いでどこか懐かしい雰囲気の花姿は、多くの方が喜ぶ人気な花であることもポイントのひとつといえます。
体調を崩してしまったときにはどうしても気分が沈みがち。気分を明るくさせてくれるガーベラで、大切なあの人を元気づけてあげてくださいね。
お花を長く楽しむためのコツ ~お花*あれこれ事典~
お花をもらうと嬉しいけれど、すぐ枯れてしまってもったいない…とお花をもらったことがある方なら一度は思ったことがあるのではないでしょうか。お花は好きなんだけど、すぐ枯れてしまうから買わない、という方も少なくないと思います。
ちょっとした工夫で、ただ花瓶に入れているだけよりも長い間お花を楽しむことができます。
今回の花だよりでは、ブーケや切り花を少しでも長くお花を楽しむためのポイントをお伝えします。
■お花を飾る前のポイント
・ラッピングは外す
ブーケをもらった場合は、思い切ってラッピングを外します。通気が悪くなったり、水をうまく吸い上げられない原因となるからです。もったいない、と思ってもお花を長く楽しむためには外してくださいね。
・花の根元を切る
まずは花を花瓶に入れる前に花の根元を0.5~1cmほど切りましょう。こうすることで、根元に詰まった汚れやお花自身の生成物を取り除き、水の吸い上げがよくなります。飾り始めてからも根元には雑菌などが詰まりやすいので、水を取り換えるときにおこなうようにします。
・葉は2,3枚残して取る
切り花は根がないために水を吸い上げる力が弱く、葉がついていると葉から水が逃げてしまいしおれやすくなります。葉が水に浸かっていると水が汚れる原因ともなりますので、上の方の葉を2,3枚残してなるべく取りましょう。全部取ってしまうと光合成ができなくなってしまうので気を付けて。
・延命剤を使う
延命剤や栄養剤といわれる薬には殺菌効果と花の栄養が含まれているため、使うと日保ちに大きな差が出ます。花屋さんなどで買うことができますので、なるべく使った方がいいでしょう。多く入れすぎたり少なすぎたりすると意味がないので、用量は守りましょうね。
■お花を飾ってからのポイント
・水はこまめに変える
水が濁っている場合はすでに腐っている証拠。なるべく水が濁る前に交換します。夏はできれば毎日、それ以外の季節は3~5日に1度は交換するようにしてください。その際には花瓶の内側もスポンジなどで綺麗に洗いましょう。
延命剤には殺菌作用があるため、使っている場合は頻繁に水を変える必要がなくなりますが、やはり水が濁ったら取り換えるようにしましょう。
・冷暖房の風を直接あてない
人間だけでなく、お花も冷暖房のような人工的な一定の風に当たり続けると弱ってしまいます。冷暖房の風が直接当たる場所は避け、穏やかな環境のところに置いてあげると長持ちします。
・枯れた花や葉は取る
枯れた花や葉が同じ花瓶の中にあると、見栄えが悪くなるだけでなく雑菌が繁殖し花を傷める原因にもなります。枯れているのに気付いたら早めに取ってしまいましょう。
以上、お花を長持ちさせるためのポイントでした。ちょっとしたコツは必要ですが、花を長持ちさせることは決して難しいことではありません。
大切なことは花を大事にしようという気持ち。花だよりを読んでくださっている皆様なら、花を大事にしようという気持ちは十分だと思います。
今回お伝えしたポイントを実践して、綺麗な花を少しでも長く楽しんでくださいね。
観葉植物のお手入れ入門 その3 植え替え ~お花*あれこれ事典~
観葉植物のお手入れ入門もいよいよ3回目となりました。今回お伝えするのは、頻繁におこなうわけではありませんがとても大事な「観葉植物の植え替え」についてです。
観葉植物にとってベストな置き場所を見つけ、時間をかけて正しい水やりの仕方を身につけたのに、根づまりに気づかず枯れてしまった…なんてことにならないためにもぜひとも覚えて実践してみてくださいね。
>観葉植物のお手入れ入門①はこちらから
>観葉植物のお手入れ入門②はこちらから
■なぜ植え替えが必要なの? 植え替えの基本
観葉植物が大きくなってきたら植え替えが必要となってきます。ずっと同じ鉢で育てていると、根が鉢の中でつまり観葉植物の生育が悪くなる、土の中の養分が消費しつくされてしまうなど、問題が多々あるからです。どんなに期間をあけても2年に1回ほどはおこなうようにしてください。
ただし、土から腐臭がしたり、鉢から根が何本も飛び出したり、根ぐされを起こしているときはできる限り早めに植え替えます。そのまま置いておくと観葉植物が枯れてしまうことも少なくありません。
植え替えをする時期は1年のうちでもっとも観葉植物が元気な5~6月ごろが最適です。真夏は熱帯原産の観葉植物といえども暑さで弱りがちなので避けたほうが無難です。また、真冬の植え替えは致命的なストレスになりかねないので厳禁です。秋のうちから観葉植物は冬を越す準備をはじめるので、遅くとも9月が限度となります。
■植え替えの実践
まずは観葉植物を鉢から引き抜きます。観葉植物が大きくなりすぎ、根がつまっているときはなかなか抜けませんので、足で鉢の側面を蹴って隙間をつくりながら抜きます。どうしても無理であれば鉢をハンマーなどで叩き割る方法もあります。
鉢から観葉植物が抜けたら古い土を根からふるい落とします。だいたい3分の1ほど落とせばじゅうぶんです。きれいに落とそうと頑張りすぎたあまり根を傷つけてしまった、ということがないように気をつけましょう。
1回り大きな鉢の底に、水はけをよくするためと土が流れ出ないために石を敷き詰めます。更にその上から新しい土を半分ほど入れ、その上に観葉植物を植えかえます。新しい土は観葉植物用のものがホームセンターなどで販売されているので、それを使えば問題ありません。
植え替え後は観葉植物も根にダメージを負っているため、2週間ほどは肥料をやらず、水やりも控えめにしましょう。直射日光や風があたらない穏やかな環境で観葉植物を休ませてあげると◎です。
■おすすめ観葉植物③ オーガスタ
今回おすすめする観葉植物はオーガスタです。非常に寒さにつよく、5℃程度なら越冬できます。室内で育てるなら気温はまず問題ないでしょう。
根がよく成長する観葉植物なので、植え替えは鉢から根が出ていたら必ずおこないます。そのまま置いておくと、枯れるどころか鉢を壊してしまうこともあります。
観葉植物のお手入れ入門は今回が3回目となります。すでに何度かお伝えしているとおり、観葉植物の種類によってはことなるお手入れ方法が必要となります。
まずは花だよりでも紹介した手軽に育てることのできる観葉植物からチャレンジし、慣れてきたら様々な観葉植物を育ててみてください。
お部屋を緑でいろどり、素敵な毎日をおくってくださいね。
観葉植物のお手入れ入門 その2 水やり ~お花*あれこれ事典~
観葉植物のお手入れ入門、2回目のポイントは「正しい水やりのしかた」についてです。
「え、水やりに正しいなんてあるの?毎日欠かさずやれば大丈夫でしょ」なんて思っている方は大間違い。水やり3年という言葉があるくらいとても難しいものなんですよ。
観葉植物と末長く付き合っていくためにも、正しい水やりの基礎を学んでいってくださいね。
>観葉植物のお手入れ入門①はこちらから
>観葉植物のお手入れ入門③はこちらから
■水やりは土が乾いてから
間違った水やりの方法は観葉植物を枯らしてしまう最も多い原因といわれています。枯れてしまうのをおそれ1日に何回も観葉植物に水をあげる人がいますが、これはNG。わたしたちが喉がかわいていない時に水をむりやり飲むと苦しくなるのと一緒です。
観葉植物に水をあげる時のポイントとして、タイミングは土がかわいてからがいいでしょう。土の中に第一関節のあたりまで指を入れてみて、水気を感じられるようであればあげなくても大丈夫です。特に冬場はあまり水を与えすぎると観葉植物は寒さに対して弱くなってしまうので、土がかわいて2~3日置いてから水を与える程度でもOKです。
水をあたえる時は、観葉植物の鉢の底から水が出てくるまでたっぷりとあたえるようにしてください。土の中の隙間を水が流れると空気の入れ替えをすることができ、観葉植物の根が元気になります。なお、鉢皿にたまった水は根ぐされの原因となってしまうためきちんと捨てましょう。
水やりは基本的に日中を避け、朝におこなうようにします。特に夏は日光で水が温められ、観葉植物の根が煮えてしまうおそれがあります。観葉植物の葉がしおれているなど見るからに元気がない場合を除き、土が乾いていても夕方まで待ちましょう。
■もう1つの水やりの方法・葉水
植物は根だけでなく葉からも水を吸収することができるので、ときおり観葉植物の葉に霧吹きで水をかけ湿らせてあげます。これを葉水(はみず)といい、観葉植物を育てるときにとても役立つテクニックのひとつです。
葉水の効果は乾燥によるしおれを防ぐだけでなく、観葉植物にとって大敵であるハダニやうどんこ病などの病害虫の予防にもなります。また、ホコリなどの汚れを落とすことで観葉植物にとって大事な見栄えもよくなります。
サボテンなど本来乾燥している地域が原産の観葉植物ならあまり必要はありませんが、その他の観葉植物では葉水をおこなうことが必須です。室内の湿度が60度を下回っている場合や、観葉植物を戸外で育てている場合は積極的におこないましょう。
先述のとおり冬場は水やりの頻度を少なくした方が観葉植物は寒さに対して強くなりますが、空気が乾燥しがちな季節なので1日に1回程度は葉水をおこなってください。
なお、葉水の一番の目的は観葉植物の周囲の湿度をあげることにあるので、葉の上に水滴ができるほど水をかける必要はありません。
観葉植物の水やりの基本は以上になります。冒頭でもお伝えしたとおり、水やり3年と呼ばれるほど水やりは非常に難しいものです。まずは基本をしっかりと身につけたうえで、観葉植物の種類や状況に応じた水やりの仕方を実践してみてください。
■おすすめ観葉植物② モンステラ
今回おすすめする観葉植物はモンステラです。不規則な切れ目が入る独特な葉が人気の観葉植物ですね。日陰を好むので、室内でそだてるには最適の観葉植物です。また耐寒性も高いので水やりに気をつければ冬を越すのは難しくありません。
基本どおり春から秋にかけては水をたっぷりとあげ、冬は土を乾燥気味にしましょう。高い湿度を好む観葉植物なので、こまめな葉水も忘れずに。
次回は数年に1度の大仕事、「観葉植物の植え替え」についてお伝えします。
観葉植物のお手入れ入門 その1 設置場所 ~お花*あれこれ事典~
部屋の中に緑を取り入れるために観葉植物を育ててみたのはいいけれど、育て方が分からずすぐ枯らしてしまう…なんて経験をした方は意外と多いのではないでしょうか。中には「もう観葉植物なんて育てない」とさじを投げてしまった方もいるかもしれません。でも、実はちょっとしたポイントさえ押さえれば観葉植物を育てることはさほど難しくありません。
今回からは観葉植物のお手入れ入門として、全部で3回にわたってポイントをお伝えします。1回目のポイントは「観葉植物を設置する場所について」です。観葉植物が枯れた時は不幸を吸ってくれた時なんてウワサもありますが、育て方のコツさえ覚えれば観葉植物もあなたも末長く幸せになれますよ。
>観葉植物のお手入れ入門②はこちらから
>観葉植物のお手入れ入門③はこちらから
■できるだけ明るいところに置く
観葉植物を置く場所はできるだけ明るいところにしましょう。観葉植物の種類によって日ざしを好むもの、日陰を好むものがありますが、成長には光が不可欠ということはどの観葉植物にも変わりがありません。南向きの窓ぎわなどが好ましいですね。
ただし、日当たりがいいところを好む観葉植物でも、真夏の強い日差しでは葉焼けしてしまうおそれがあります。また、購入したばかりの観葉植物は直射日光に慣れていないことも多いです。室内でも、レースのカーテンごしの光をあてて育てる程度がちょうどいいでしょう。
観葉植物を戸外で育てる場合は、夏の間は遮光ネットをかけるのも1つの手です。遮光率30~50%程度のものを使うだけで観葉植物の葉焼けを防ぐことができます。
葉や新芽は光があるほうへ伸びようとするので、窓際に置いていると片側だけが成長してしまい不格好になってしまいます。時々鉢を回してまんべんなく光をあてるようにすると観葉植物はきれいな形に成長します。
■風通しのいいところに置く
空気の流れがわるいと病気がおこりやすいので、観葉植物を風通しのいいところに置いてあげるのもポイントの1つです。ですが、冷暖房の風のような人工的な風が観葉植物にあたるところは避けたほうが無難です。
特に観葉植物は熱帯原産のものが多いので、寒い時期は観葉植物のために暖房の風を直接あてて暖める…ということをする方もいると思いますが、これは厳禁。葉が乾燥で弱ってしまいます。葉が常に揺れ動いているような場所に置くのは避けてください。
観葉植物が元気に育ちすぎ、見事に生い茂った葉のせいで風通しが悪くなってしまうということもあります。観葉植物がもっとも勢いよく育つ5~7月の間に、剪定(余分な葉や枝を切り落とすこと)してあげるといいでしょう。
■頻繁に動かさない
観葉植物にかぎらず、植物とは本来根を張った場所からは動かないもの。頻繁に置く場所を変えると環境変化によるストレスで弱ってしまいます。ちょうどいい場所がきまったらなるべくそこから観葉植物を動かさないようにしましょう。
とはいえ、戸外で観葉植物を育てている場合は話は別。冬の間は戸外に置いたままだと寒さで枯れてしまいます。耐寒性の高い観葉植物も中にはありますが、寒くなる前に、具体的には気温が15℃を下回らないうちに室内に入れてあげます。
すでにお伝えしたとおり、室内では観葉植物を日当たりがよく風通しもいいところに置いてあげてくださいね。
■おすすめ観葉植物① パキラ
いかがでしたでしょうか。観葉植物も生き物、置く場所1つで元気になることもあれば枯れてしまうこともあります。特に大きな観葉植物は、購入する前に置き場所をつくっておいたほうがスムーズに観葉植物をむかえることができるでしょう。
最後になりましたが、今回おすすめする観葉植物はパキラです。丈夫な観葉植物であるパキラは、観葉植物にはじめてふれる方でも安心して育てることができます。耐寒性も比較的高いので、あまり細かいことを気にせず日当たりのいい窓辺に置いてあげれば元気にすくすくと成長するでしょう。葉が過度に生い茂ってしまいがちなので、剪定は忘れずに。
次回は意外と知らない、「正しい水やりのしかた」についてお伝えします。ご期待ください。