歴史

お盆の意味は?歴史的にいつから始まって、ご先祖様は何をしてる?

ほおずきと数珠。お盆のイメージ


8月が近づくと、「そろそろお盆だなあ」と、思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、「お盆とは一体何なのか」と聞かれると、いまいちわからない方もいらっしゃるのでは。
そこで今回は改めてお盆の意味や、お盆の歴史についてご紹介したいと思います。

お盆とは?お盆の意味

お盆とは、故人やご先祖様の霊を家に迎えて、供養する1年に1度の行事のことです。
お盆の期間は、ご先祖様の霊が「あの世」と言われている「浄土」という世界から、生きている私たちがいる「この世」といわれる「現世」に帰ってくると言われています。

お盆では何をする?

お墓参りのイメージ
ご先祖様や故人の霊を、生きていた時に過ごした場所(自宅など)へお迎えして、あの世での冥福を祈ります

具体的には何をする?

住む地域や宗教や宗派によって、お盆の風習は異なると言われています。
一般的にはお盆入りする日、またはその前日に迎え火をしてご先祖様をお迎えし、お盆明けの日またその翌日に送り火をして、あの世へ再びご先祖様や故人の霊をお送りします。

仏壇に花をお供えしたり、線香をあげたりしてご先祖様と一緒にお盆の期間を過ごします
お盆でお供えしたい、おすすめの花の種類についてはこちらでまとめています。
気になった方は、「お盆でお供えするおすすめの花の種類」をご確認ください。

またお盆の期間は仏壇にお盆飾りをしたり、親戚で集まって食事をしたりすることが多いようです。
家族・親戚が集まって、法事をするというご家庭もあるかと思います。
お坊さんを自宅に呼んで、お経を読んでもらうという方もいらっしゃるはず。
加えて、お盆の期間にお墓参りをするという方も多いようです。

ちなみに夏祭りでよく踊られる盆踊りは、お盆に踊りを奉納するという意味があるのだそう。
方法は様々ありますが、お盆の期間はご先祖様や故人の冥福をお祈りすることには変わりないようです。

▼お盆の花はこちらをチェック
お盆 花(新盆・初盆)2023

お盆の期間にご先祖様は何してる?

ご紹介した通り、お盆はご先祖様が前世に帰ってきて自宅で過ごす期間です。
お盆の期間、ご先祖様は家族や親戚、子孫と共に、現世でひと時を過ごします

お盆の期間はいつ?

盆踊りの様子
お盆の時期には、地域によって違いがあります。
先ほどご紹介した、迎え火・送り火の日程はお盆の期間によって変わってきます。

東京都と横浜、金沢、静岡など 7月13日~7月16日
沖縄県など 旧暦の7月13日~7月15日
その他の地域 8月13日~8月16日

表を見てお分かりいただけるように、お盆は8月13日~8月16日が最も多いです。
そのため会社のお盆休みも、8月に設定しているところが多いようです。


2023年(令和5年)今年のお盆はいつ?期間について|お供えの花のルールも掲載

2024年(令和6年)今年のお盆はいつ?期間について|お供えの花のルールも掲載

2024年、今年のお盆休みはいつ?

お盆の期間は仕事があるという方や、旅行に行くという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
お盆は実家に帰れない…という方は、実家にお供えのお花を贈るのもよさそうです。


お盆・最新事情。精霊馬はブロッコリー、お花は自由?知恩院僧侶にインタビュー

お盆・最新事情。精霊馬はブロッコリー、お花は自由?知恩院僧侶にインタビュー


お盆に実家へ帰れないときはどうしたらいい?知恩院の所属寺院に従事する僧侶 大津さんにお聞きしました。

お盆の由来とは

拝む親子。お盆の由来とは
お盆の由来は諸説あります。
一説には、お盆は盂蘭盆会 うらぼんえという、旧暦の7月15日に行われていた仏教行事が由来だと言われています。
お盆はインドから伝わったとされており、サンスクリット語の「ullambana(読みはウラムバナまたはウランバナ)」を音写すると「盂蘭盆」になったのだそう。

盂蘭盆会・ウラムバナ(ウランバナ)とは

お盆の由来となったウラムバナ(ウランバナ)とは、どんなものなのかをご紹介します。

盂蘭盆会とは、苦しみの世界へ堕ちたご先祖様を救い、魂を祭ることとされています。
これは、お釈迦様が教えを説いていたインドが発祥とされ、お盆の由来とされている仏教行事です。

なぜ盂蘭盆会が行われるようになった?

お盆の由来。なぜお盆は行われる?
お釈迦様が教えを説いた仏教行事である盂蘭盆会は、もともとなぜ始まったのでしょうか。
ここでは、お盆の由来・ルーツになった盂蘭盆会が初めて行われた時のお話を、簡単にお伝えしようと思います。

お釈迦様の弟子の中に、目連尊者という神通力に優れた人物がいました。
ある日、目連尊者は亡き母が餓鬼道に堕ちて苦しんでいることを神通力で見ました。
そこで母を救いたいとお釈迦様に相談したところ、「夏の修行が終わる7月15日に、多くの僧たちを集め供物を捧げ供養をしなさい」と諭されました。
そして、目連尊者がお釈迦様から言われたように供養を行ったところ、母親は無事に救われ成仏できたと言われています。
この話からご先祖様の精霊を救い供養する行事として盂蘭盆会が行われるようになったのです。

盂蘭盆会とは、「苦しみの世界へ堕ちたご先祖様を救い魂を祭ること」とされていると、先にお伝えしましたが、もともとはお釈迦様の弟子の亡くなったお母さんのために供養したものだったのですね。

日本ではいつからお盆のルーツが始まった?

お盆のルーツになった、盂蘭盆会の始まりについては先ほどご紹介しました。
では、いつ日本ではお盆のルーツが始まったのでしょうか。

お盆の由来とされる盂蘭盆会は、日本では推古天皇の14年に初めて行われたと言われています。
西暦606年ごろです。

お盆には、長い歴史があるのですね。

▼お盆の花はこちらをチェック
お盆 花(新盆・初盆)2023

お盆でお供えするおすすめの花の種類

お盆にお墓参りをする少女
お盆では、いわゆる「お供えらしい花の種類」ではなく、季節の花もおすすめです。
実はお供えの花には、絶対的なルールはありません。
「え!白色の花以外もいいの?」と、お考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
知恩院の僧侶である大津様のインタビューでも、お供えの花について「絶対的なルールはない」と、紹介されています。
僧侶 大津様のインタビュー内容がもっと気になる方は、こちらの記事も合わせて読んでみてください。
>>>お盆の基礎知識・作法を僧侶に教わろう。時期・お供え(精霊馬・提灯・五供)・お墓参りマナーなど

いわゆる「お供えらしい花」の種類が知りたい方は、こちらをご覧ください。
>>>仏壇に供える適した花とダメな花|花を長持ちさせるコツをご紹介

ひまわり

お墓にお供えされているひまわり
夏の花として有名なひまわり。
お供えのイメージは少ないかもしれませんが、季節の花としてお供えの花束やフラワーアレンジメントにひまわりを入れることもあります。
まず、ひまわりの基本情報はこちらです。

  • 学名:Helianthus annuus
  • 原産地:北アメリカ中西部
  • 花言葉:あなただけを見つめる・憧れなど

黄色い花がパッと明るく周りを彩るひまわりは、お盆のお供えにも選ばれることがあります。
お供えでよく使われる、菊やカーネーションと一緒にひまわりを合わせると、季節感のある夏らしいお供えにすることができます。

デンファレ

紫のデンファレ
夏でも花持ちが良く、南国感もあるデンファレ。
お祝いのフラワーギフトにも使われますが、デンファレはお供えの差し色で使われることもあります。
先に紹介したひまわりよりも、一般的にお供えに活用されることが多いかと思います。
デンファレの基本情報は、こちらです。

  • 学名:Dendrobium bigibbum
  • 原産地:北部オーストラリア
  • 花言葉:有能・お似合いの2人

デンファレは紫や緑、白などの色があります。
白や緑のデンファレは、葬儀や四十九日法要以前にお供えされる白を基調にしたお供えでも活用されています。
紫のデンファレは、お盆や四十九日法要以降のお供えの差し色としても使われています。

デンファレは胡蝶蘭のような高級感のある見た目でありながら、他の花との相性もいい花です。

グラジオラス

グラジオラスもお供えに使われる
カラーバリエーションが豊富で、スラっとした姿が美しいグラジオラス。
誕生日などのお祝いの花束やフラワーアレンジメントに選ばれることが多いですが、お供えの花として活用されることもあります。
まず、グラジオラスの基本情報はこちらです。

  • 学名:Ixia
  • 原産地:南アフリカ
  • 花言葉:団結・誇り高い

グラジオラスは、茎は細くスラっと細長い姿でライン状に花を咲かせます。
花色は赤や黄色、ピンク、水色など様々な色があり、お供えの花束やフラワーアレンジメントであっても、他に使われている花の色に合わせて選ぶことができます

花は下から順番に咲いていくので、花持ちがよく花の変化を楽しむことも。
花束やフラワーアレンジメントの後ろ側に使われることで、お供え全体の高さを出すこともできます。

 

注意事項・初盆は白を基本に

3種類の華やかな、花をご紹介しました。
お盆には季節感のある花もお供えすることがあるため、ご紹介した花もお供えしてOKです。

しかし、注意することが1つあります。

故人の四十九日が済んだ後、初めて迎えるお盆のことを初盆といいます。
初盆は、白を基調にした花をお供えすることが一般的です。
そのため初盆の時は、先にご紹介したカラフルな花は避けた方が良いとされています。

色とりどりな季節の花をお供えする時は、時期を確認してからにしてくださいね。

▼こちらも合わせてご覧ください。


ミソハギの花言葉を紹介|お盆に飾るミソハギはどんな花?特徴・意味を解説

ミソハギの花言葉を紹介|お盆に飾るミソハギはどんな花?特徴・意味を解説

お盆でお供えされることの多いミソハギについてご紹介

ミソハギの花言葉を紹介|お盆に飾るミソハギはどんな花?特徴・意味を解説

ほおずき(鬼灯)はどんな植物?~季節・遊び方・漢字・花言葉~

お盆の飾りで使われる、ほおずきについて

お花をお供えするようになったのはいつから?

お墓や仏壇にお花をお供えすることは、現在では当たり前になっています。
「お花をお供えするんだ!」と驚く方は少ないかと思います。

「お供えにお花」という考えは、いつからあったのでしょうか。
亡くなった方にお花をお供えするのは、50,000年~60,000年前のネアンデルタール人は花をお供えしていたのではないかといわれています。
花を供えすることは昔から行われており、現代まで続いていると考えられています。


仏花はコミュニケーションツール。故人に愛を届ける実感を。【知恩院僧侶インタビュー】

仏花はコミュニケーションツール。故人に愛を届ける実感を。【知恩院僧侶インタビュー】


お墓参りや帰省が難しい、このご時世。大好きだった・お世話になった“あの人”への想いを伝えきれず、胸に抱えている方もいらっしゃるかと思います。
そんなとき、あなたの気持ちを“お花(仏花)”に込めて、偲ぶ想いを形にしてみるのはいかがでしょうか。

 

お盆にご先祖様と一緒に過ごそう

家族でお墓参りをしている様子
お盆の由来や意味に加え、お供えにも活用される季節の花の種類をご紹介しました。
お盆は年1回の行事。
ご先祖様のご冥福を祈りつつ、家族で過ごす時間を大切に過ごしてくださいね。

ちなみに、花キューピットでもお盆に最適な花束やフラワーアレンジメントをご用意しております。
実家に帰って法事をする方はもちろん、今年は田舎に帰れないという方も贈っていただけるお供えの花です。
気になった方はぜひ、サイトをのぞいてみてください。

 

 

 

2022-07-27 | Posted in , 花を贈る時No Comments » 

 

ひな祭りの風習・由来~ひな祭りに飾る花~


ひな祭り

子どもの頃から親しみのある「ひな祭り」ですが、改めて考えてみると「ひな祭り」の風習や由来、何をするかなどはわからないこともありますよね。
今回は、ひな祭りについてご紹介します。
もちろん、ひな祭りに飾りたい花の種類や、意味も掲載しています。
ひな祭りで飾られることの多い花には、それぞれ意味があるようです。

◆ひな祭りはいつ?


ひな人形

ひな祭りは毎年3月3日です。
2月後半になると、ひなあられが販売されていたり、デパートでひな人形が展示されていたりしますよね。
3月が近づいてくるのにつれて、ひな祭りを意識する方も多いのではないでしょうか。
3月3日であるひな祭りは上巳(じょうし)の節句、または桃の節句といわれています。
ちなみに、ひな祭りが日本で3月3日と定められたのは江戸時代ごろからなのだそうです。

◆ひな祭りの由来


お雛様

ひな祭りの由来は諸説あります。
さまざまな説がある中で、有力とされているのは、中国で行われていた「上巳の節句」が日本に伝わった説です。

もともと中国では、上巳の日に邪気を払うための行事が行われていました。
その行事は、人形に自分の邪気を移し、その人形を川に流すというものです。
これは「流し雛(びな)」と呼ばれていました。
水辺で身を清めるという習慣も関係して、人形を川に流していたそうです。
この行事が行われるようになってすぐに使っていた人形は、紙や藁で作ったシンプルなものでしたが、徐々に人形が豪華になっていき川に流すのではなく、自宅に飾るようになっていったとされています。
一方、貴族階級の女の子の中で、人形を使ったおままごとのような遊び「ひいな遊び・ひひな遊び」といわれる遊びが流行したのだそうです。
この邪気を払うために飾られるようになった人形と、女の子のあそび「ひいな遊び・ひひな遊び」が結びつき「ひな祭り」になったといわれています。

ひな祭りは、自分の邪気を移して川に流していた人形と、子どもの遊びが合わさってできたものだったのですね。
ちなみに、現代ではひな人形を飾るところが多いですが、今でも昔のように流し雛を行っているところもあるのだそうです。

◆ひな祭りの風習


女の子とひな人形

現代のひな祭りは、先にお伝えしたような「邪気を払うことを目的にしている」というよりは、女の子の健やかな成長と幸せを願い、ひな人形を飾ることが風習・習慣となっています。
次の項目で、そんな女の子の成長と幸せを願う日である、ひな祭りでは何をすればいいのかをご紹介します。

◆ひな祭りには何をする?


ひな祭りの様子

ひな祭りでは、ひな人形と桃の花などの季節の花を飾り、ちらし寿司などを食べてお祝いすることが一般的です。
ひな祭りでは、ちらし寿司・ひなあられを食べることが習慣になっているという、ご家庭もあると思います。
ひなあられは、給食でも提供される地域があるようですよ。
ほかにも甘酒を飲むご家庭や、ハマグリのお吸い物など、春ならではの食材を食べるということもあると思います。
また最近は、3月3日に親戚が集まってお祝いをするという方や、子どもの友達を呼んでひな祭りパーティーをするという方もいらっしゃるそうです。
ひな祭りの過ごし方は各家庭によって、違ってくるみたいですね。

ひな人形には桃の花をはじめとした季節の花と、ひし餅、ひなあられをお供えすることが多いです。
誰もが1度は歌ったことのある童謡の中にも、ひな人形に桃の花を供える(飾る)ことは歌われていますよね。

しかし、どうしてひな祭りでは、花を飾るのか疑問に思う方もいらっしゃると思います。
実はひな祭りで飾る花には、ある意味が込められていたのです。
次の項目で、ひな祭りに飾りたい花の種類と、込められた意味をご紹介します。

◆ひな祭りに飾りたい花の種類


たくさんのひな人形

ひな祭りに飾りたい花の種類と意味をご紹介します。
ひな祭りにはかわいらしい花を飾って、華やかな雰囲気にしましょう。

桃の花


桃の花

「ひな祭り」と言えば桃の花ですよね。
童謡の中でも歌われているほか、ひな人形のセットに桃の花が付いていることもあると思います。
桃には魔よけや、厄除けをしてくれる力があると古くから言い伝えられています。
そのため女の子の健やかな成長を願う「ひな祭り」に飾られているのですね。

桃の花はひな祭りが近づくと、お花屋さんで販売されていることが多くなります。
ピンク色でかわいらしい桃を飾れば、きっとお子さんも喜んでくれることまちがいなし。
花言葉には、「気立ての良さ・チャーミング・あなたのとりこ」などがあります。
かわいらしい花に、ぴったりな花言葉ですよね。

橘(たちばな)


橘

桃の花と同じく、ひな人形と一緒に飾られている橘。
ひな壇に飾る橘の飾りを持っているという方も、多いのではないでしょうか。
一般的には桃の花と橘は、一緒に飾られることが多いようです。
そんな橘は不老長寿を願う植物とされていて、昔から神様の依り代(よりしろ)としても考えられてきました。
ひな人形を飾るときは、橘の飾りがあるか改めてチェックしてみてもいいかもしれませんね。
ちなみに橘の花言葉は「追憶」です。


桜

ひな祭りには、桃と一緒に桜を飾るというご家庭も多いようです。
花見などでも親しまれている桜は、大きく立派な樹木のイメージがありますが、お花屋さんでは枝物として販売されています。
飾りやすいサイズ感になっていることもあるので、お花屋さんに行った際は桜が販売されているか見てみてください。
ちなみに桃の花と同じく、桜の花も魔よけや、厄除けをする効果があると言われています。
そんな桜の花言葉は「優雅な女性・精神美」などがあります。
美しく多くの人を虜にする桜は、「精神美」という花言葉を持っていたのですね。

菜の花


菜の花

黄色くかわいらしい、菜の花。
菜の花が咲いているのを見ると「春が来たな~」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そんな春を感じることのできる菜の花は、ひな祭りでも飾られることが多いです。
理由はもちろん季節感を感じられることや、菜の花のかわいらしい花が、ひな祭りの雰囲気にぴったりだからです。
菜の花の花言葉は「明るさ・快活」などがあります。
健やかな成長を願うひな祭りには、最適の花言葉ですよね。

チューリップ


チューリップ

年代を問わず愛されるチューリップは、子どもからも大人気
1輪飾るだけで春らしさを演出してくれることも、ひな祭りで飾られる理由の1つです。
またチューリップは、ひな祭りに仲良しの友達と一緒にパーティーをするという時に、飾るのにおすすめな花です。
理由は子ども同士で「この花、知ってる!」など話題になるからです。
チューリップは、イラストのモチーフや雑貨のデザインなどでも使われているため、親しみはありますが、「本物(生花)のチューリップを近くで見たことがあまりない」というお子さんもいらっしゃるかもしれません。
家で花を飾ることが少ない家庭のお子さんは、チューリップに限らず、花を近くで見る機会が少ないことも……。
季節の行事に合わせて、花や植物と触れ合う機会を作ってみてもいいかもしれませんね。
生花でしか感じることができない、香りや触感を経験できるいいチャンスになりそうです。
チューリップの花言葉は「思いやり」などがあります。

◆最後に


ひな人形

今回は、ひな祭りの由来や風習についてご紹介しました。
3月3日のひな祭りには、かわいらしい花を飾って、女の子の健やかな成長と幸せを願いましょう。

ちなみに花キューピットでは、ひな祭りに飾りたい花束アレンジメントをご用意しております。
もちろん、桃の花や桜を使ったフラワーギフトもありますので、ぜひ1度チェックしてみてくださいね。
遠方にお住いのお孫さんへも、花のプレゼントをすることができます。

2021-02-03 | Posted in , 花と文化No Comments » 

 

2021年の節分はいつ?~節分に使われる植物も紹介~


鬼のお面を持つ子ども

2021年の節分は、いつもの節分と少し違うことを、ご存知でしょうか。
今回は、節分の日付が変わる理由や、節分で使われる植物について、節分の歴史・由来、恵方巻の方角についてご紹介します。
節分は2月3日と定められているのかと、思っていましたがどうやら違うようです。
気になった方はぜひチェックしてみてください。

◆2021年の節分はいつ?

節分
節分と言えば、2月3日が一般的ですが、今年(2021年)の節分は2月2日です。
「ふーん、今年は1日ずれたのね。」くらいにしか思わないという方もいらっしゃるかもしれませんが、なんと節分が2月2日になるのは124年ぶりにおきること!
「124年ぶりに」と聞くとなんだか、すごいことのように感じますよね。
それでは、なぜ今年の節分は2月2日になったのかをご紹介していきます。

◆なぜ節分の日にちが変わるの?

初めに、節分の日付が変わる理由をご紹介しようと思います。

<そもそも節分って?>

節分イメージ
そもそも節分は、季節を分けるという意味で、本来は各季節の始まりの前日のことを指します。
具体的に言うと、立春・立夏・立秋・立冬の前日になります。
しかし、現代で「節分」をカレンダーで探してみても、2月にしか書いていないと思います。
実は時代が変化する中で、ご紹介した立春・立夏・立秋・立冬の前日のうち、残ったのは立春の前日だけなのだそうです。
だから現代のカレンダーには、立春がある2月にしか書いていないわけですね。

<節分の日付が変わる理由>

先ほどもご紹介したように、節分は季節を分ける日であり、立春の前日に当たります。
つまり節分は、立春の日付が変われば、一緒に変わるということなのです。

<立春はなぜ変わるの?>

地球と太陽
これは、現在使われている暦(こよみ)が関係しています。
もともと地球が太陽の周りを1周すると、1年間とされています。
しかし、地球が太陽を1周するには、365日ぴったりではなく365日と約6時間かかってしまうのだそうです。
その約6時間のずれを調節するために、4年に1度「うるう年」が設けられています。
2月29日を4年に1度追加する「うるう年」は、約6時間×4年間分のズレを調節するために作られていたのですね。
では、「約6時間のずれは、うるう年で全部解消したのか」というと、そうではありません。
地球が立春の位置を通過する時間を細かくみていくと、うるう年では解消できない、わずかなズレができてしまうのです。
そのため、基本的に2月4日である立春の日付が前後することがあるのだそうです。

◆節分で使われる植物

ここでは、節分で活用される植物をご紹介します。
節分の日に、ご紹介した植物が使われているか、チェックしてみてくださいね。

<ヒイラギ>

ヒイラギイワシ
玄関などに飾る柊鰯(ヒイラギイワシ)は、焼いたイワシの香りとヒイラギの「トゲ」を鬼が苦手とすると、言われています。
子どもの頃は、飾られている様子が怖かったですが、ヒイラギとイワシはそれぞれ、鬼を追い払う効果があったのですね。

そんなヒイラギは、先ほど紹介したように、トゲトゲとした葉が特徴的な植物です。
今回は節分で使われる植物としてご紹介しましたが、クリスマスの飾りとしても良く活用されています。
リースの一部に使われていたり、クリスマスカードに使われているイラストにヒイラギが描かれていることもあります。
「クリスマスにヒイラギを見たことがある」と、いう方も多いと思います。

ちなみに柊という漢字は、「木」に「冬」と書きますが、冬の訪れとともにお花を咲かせることから「柊」という名前になったと言われています。
お花の開花時期は10月~12月頃です。
ヒイラギをお庭で育てているという方は、お花にも注目してみてくださいね。

<トベラ>

トベラ
トベラの葉を焼く「パチパチ」という音と焼いた時の香りが、鬼を払う力があるとされています。
ヒイラギよりも有名ではないかもしれませんが、地域によってトベラも節分で活用される植物の1つです。
節分の日に、トベラを玄関や扉に飾るところもあるようです。
この様子からなのか、「トベラ」という名前の由来は、「扉に飾っていた木だから」という説があります。
ちなみに漢字で「トベラ」を書くと「扉」になるんですよ。

そんなトベラは光沢のある葉と、白いお花が特徴的な植物です。
乾燥に強いことから、街路樹に使われることもあるようです。
お花は良い香りがするので、見かけた時には鼻を近づけて、香りを感じてみてくださいね。

◆節分の歴史・由来

鬼と豆
ここからは、改めて節分の歴史について少し触れたいと思います。
子どものころから親しまれている節分の起源は、昔にあるようです。
節分の「鬼を追い払う」という歴史は古く、平安時代の宮中行事が由来となっているとされています。
豆をまくようになったのは、室町時代からとされていて、もともとは中国から伝わった風習なのだそうです。
「豆で鬼を追い払う」という風習は、中国から伝わったものだったのですね。
また、「年の数だけ豆を食べる」というのは、一部の地域で節分を「年取りの日」と呼び、この日に年を1つ取ると考えられていたことからとされています。
現代では節分の日の給食に豆が出るほど、年の数だけ豆を食べるという風習は広く知られていますが、もともと全国的なものではなったのですね。

◆恵方巻の方角

恵方巻
節分と聞くと、知りたくなるのが恵方巻の方角ですよね。
ここではおまけとして、恵方巻の方角も掲載しておきます。
2021年の方角は、南南東です。
方角は方位磁石を使って調べることもできますが、最近はスマートフォンのアプリでも調べることができるようです。
福を招くために食べると言われている恵方巻は、ぜひ方角を調べて「南南東」を向いてから食べてみてくださいね。

◆最後に

豆まき
今回は節分についてご紹介しました。
子どもの頃から親しまれてきた節分ですが、「意外と知らなった」と思うこともあったのではないでしょうか。
ぜひ、家族の話題にしてみてください。
また、節分では、恵方巻や豆だけではなく、活用されている植物にも注目してみてくださいね。
今まで気が付かなったことを発見できるかもしれませんよ。

2021-01-15 | Posted in 花と文化No Comments » 

 

10月の誕生花は薔薇~特に秋らしい色が魅力のオレンジバラがおすすめ~


10月の誕生花

9月は今日で終わり、明日からは10月に入ります。
10月にお誕生日を迎える皆さま、お誕生日おめでとうございます。
今回は、10月の誕生花である「バラ」特におすすめな「オレンジバラ」についてご紹介します。
簡単にまとめた歴史や花言葉、ドライフラワーの作り方・コツについて掲載していますので、ぜひチェックしてくださいね。

◆バラってどんな花?バラの歴史


オレンジバラ

多くの方が知っているお花の1つである、「バラ」。
バラは、お花屋さんや植物園などで見かけることはもちろんのこと、雑貨のデザインやモチーフになっていたりもしますよね。
花びらが重なった様子は、上品でありロマンチック。
「バラの花束」に憧れを持っている方も、多いのではないでしょうか。
ここでは、そんなバラの歴史をご紹介します。

<バラの栽培の歴史>
バラが栽培され始めたのは、ずっと昔。
紀元前12世紀頃と言われています。
もともとバラは観賞用ではなく、薬としてや香料として栽培されていたようです。
現在でもバラは香料などとしても使われていますが、切り花やバラ園でみる観賞用のバラの印象が強いですよね。

<日本とバラの歴史>
日本へバラが渡って来たのは、江戸時代といわれています。
中国で栽培されていたバラが、日本に渡って来たといわれています。
バラが伝わった当時の日本は、職業に関係なく園芸が流行していたようで、多くの人がバラを栽培していたようですよ。
そして明治時代に入ると、西洋のバラが輸入されるようになっていきます。
このころは、相撲番付と同じようにバラ番付表が作られていたのだそう。
またバラに関する書物も、いくつか出版されたのだとか。
バラへの関心が、強いことが伝わってきますよね。

◆オレンジバラの魅力!オレンジ色の印象とは?


地植えのオレンジバラ

10月の誕生花のバラはさまざまなカラーバリエーションがありますが、その中でも秋色でおすすめなオレンジバラの魅力をお伝えします。
オレンジバラの魅力は、なんといってもその秋にぴったりな花色です。
<男性にも女性にも好まれるオレンジ色>
オレンジ色は、性別を問わず好まれる色の1つ。
そのため、オレンジバラは男性にも、女性にも喜ばれるお花なのです。
かわいらしいデザインにも、上品なデザインにもオレンジバラは取り入れることができますよ。

<オレンジ色は元気になれるカラー>
オレンジ色は「太陽の色」や「ビタミンカラー」と言われている色の1つです。
オレンジバラと、黄色のカーネーションやガーベラなどを一緒にフラワーギフトにすれば、元気な印象のプレゼントになりそうですね。

<秋にぴったりな花色>
紅葉を楽しむ秋は、オレンジ色や赤色がぴったり。
あたたかなオレンジバラの花色は、季節を感じることができるので10月の誕生日のプレゼントにおすすめ。
ヒペリカムなど、実を楽しむ植物と合わせることも人気です。

◆オレンジバラの花言葉


オレンジ色のバラ

オレンジバラの持つ花言葉はプレゼントに、「ぜひ贈りたい」と思うものばかりです。
お誕生日プレゼントとしてオレンジバラを贈る際は、花言葉も伝えてみてはいかがでしょうか。
ギフトへ添えるメッセージカードに、書いてみるのも良いと思いますよ。

・絆
・すこやか
・愛嬌
・信頼 
など

なかでも「絆」は友人にも、家族にも贈りたい花言葉ですよね。
また「信頼」は、恋人や奥様、パートナーにぴったり

◆オレンジバラを残しておきたい時には、ドライフラワーがおすすめ


オレンジバラの花束

オレンジバラをプレゼントでもらった時に「できるだけ残しておきたいなぁ」と思う方もいらっしゃると思います。
オレンジバラに限らず、お花は生きているため、どんなにお手入れしても最後には枯れてしまいますよね。
「それが寂しい…」という方には、ドライフラワーにすることがおすすめです。

<ドライフラワーにするタイミング>
「ドライフラワーにしたい!」と思っている方は、もらってすぐにドライフラワーにすることがおすすめ。
「ある程度、生花としてかざってからドライフラワーにしよう」と思う方も多いかと思います。
しかし、ドライフラワーは、お花が新鮮なうちに準備した方が、色鮮やかに作ることができます
作っている最中、新鮮なお花の方が花びらも散りにくいので、オレンジバラをドライフラワーにする時は、なるべく早い時が良いと思いますよ。

<オレンジバラをドライフラワーにする方法>

ドライフラワーを作るにはいくつか方法がありますが、1番簡単なのはハンギング法です。
ハンギング法はお花を下にした状態で、吊るしておくだけ。
天候や湿度、気温などによりますが、だいたい1~2週間ほどでドライフラワーになりますよ。

バラの中の水分が、早く無くなれば無くなるほど、ドライフラワーにしてもきれいな色が残りやすいので、濡れている茎や余分な葉は吊るす前に、取り除いておくことがおすすめです。
そして、何本かをまとめてドライフラワーにする時は、なるべくお花が重ならないように、間隔をあけて吊るすと良いと思いますよ。

ちなみに、バラのたくさん花びらが重なっている中心部分は、外側の花びらに比べて乾きにくいのです。
そのため、しっかり水分が抜けたドライフラワーになったのかを確認したい時は、オレンジバラの中心(花びらが重なっている部分)まで乾燥したかを確認するといいかもしれません。
また、このハンギング法を行う時は、風通しの良い日陰に吊るすと、オレンジバラのきれいな色が残りやすいので、吊るしておく場所を少し工夫してみてくださいね。

<ドライフラワーが完成したら?>
ドライフラワーが完成したら、水を入れずに花瓶にかざってみたり、ビンの中に入れてみたりしても、可愛らしいインテリアになりますよ。

◆最後に


お皿に乗っているオレンジバラ

今回は10月の誕生花「バラ」の歴史や花言葉、ドライフラワーの作り方についてご紹介しました。
ぜひ、10月にお誕生日を迎える大切な方には、オレンジバラをプレゼントしてみてくださいね。

ちなみに、花キューピットでは遠方にお住いで、直接お花を渡しに行けない方への花贈りをお手伝いしています。
お花屋さんや、サイトからお花を注文して頂くと、お届け先様の近くにあるお花屋さんがフラワーギフトを作り、お届けいたします。
日本全国、新鮮なお花をお届けできるので、ぜひ1度花キューピットでお花を贈ってみてくださいね。

きっと喜んでもらえると思いますよ。

 

 

 

2020-09-30 | Posted in 今月の誕生花, 花と文化No Comments » 

 

ハロウィンにおすすめ!~妖しくもかわいいお花~


ハロウィン

9月ももうじき終わりですね。
暦上はもう「秋」です。
9月の初めの頃よりも涼しい日が増えて、過ごしやすいと感じた方も多いのではないでしょうか。
気温や服装からも「秋らしさ」を感じることができますね。

さて、今回は来月末のハロウィンにおすすめな、お花の種類をご紹介します。
ハロウィン当日はもちろん、ハロウィンを迎えるまでの期間もお花で楽しめると良いですね。

◆ハロウィンっていつ?

ハロウィンは毎年、10月31日です。
そのため、2021年も10月31日がハロウィンということになります。

◆ハロウィンとは?

仮装をしたり、お菓子を食べたり、パーティをしたり…楽しいイベントのイメージがあるハロウィン。
テーマパークやショッピングモールでもハロウィンのイベントを行っていることも多いですよね。
そんな、みんなで楽しめるイベントのイメージが強い「ハロウィン」ですが、そもそもどんな日なのでしょうか。
まずは、ハロウィンとは何なのかをお伝えしたいと思います。

<どのくらいの歴史があるの?>


ハロウィンのイメージ

ハロウィンは2,000年以上もの歴史があるお祭りの1つです。
もともとヨーロッパで始まり、アメリカへ広がり、各国々に伝わっていったと言われています。
ハロウィンは、様々な国・地域で広がっていく中で、その土地の宗教や風習などが混ざっていったのだそうですよ。

<由来は?>


仮装をして走る子供たち

ハロウィンの起源には、ヨーロッパの先住民族であるケルト人の風習が大きく関係しています。
ケルト人は11月1日を新年と考えていて、その前日の10月31日には秋の収穫祭が行われていました。
この秋の収穫祭りは、ご先祖様が家族のもとを訪ねてくる日とされていました。
ご先祖様が家族のもとにかえって来るという考えは、日本のお盆に似ているかもしれませんね。
しかし、この収穫祭ではお盆とは違い、ご先祖様以外に妖怪や魔物など、人に害を与えるオバケたちも、同時にあの世からやってきてしまうと考えられていたのだそうです。
そこで、ケルト人は10月31日には仮面などの仮装を行い、魔物や妖怪と同じような格好をすることで、魔物と仲間だと思わせることにしたのです。
そうすることで、災いを防ごうとしたのだそう。
人間に悪さをするオバケたちも、仮装した人々を「仲間のオバケ」だと思えば、悪さをしてくることはないですもんね。

この風習がキリスト教の万聖節(亡くなった聖人を祭る日)と結びつき、徐々に現在のハロウィンへと発展していったと言われています。

<日本のハロウィンって?>


ハロウィンのおかし

日本で行われるハロウィンは、アメリカからの影響を強く受けていると考えられています。
ちなみに、アメリカにハロウィンが伝わったのは19世紀のことで、そこからパーティをしたり、お菓子を食べたりする楽しいイベントへと発展していったそうですよ。

◆ハロウィンにおすすめのお花



ハロウィンパーティーを開催しようと考えている方はもちろん、自宅に少し季節感を取り入れるために、お花を飾りたいという方にもおすすめな、お花をご紹介します。
ハロウィンのイメージに合ったお花を飾って、ハロウィン当日やハロウィンを迎えるまでの期間を楽しみたいですね。

<おもちゃカボチャ>


おもちゃカボチャ

ハロウィンと言ったらやっぱり、カボチャ
そのまま飾っても可愛らしいですが、アレンジメント花束にお花と一緒にカボチャを加えることもあるんですよ。
ハロウィンが近づくと、お花屋さんや雑貨屋さんで置かれることの多いカボチャは、おもちゃカボチャと言われています。
おもちゃカボチャはグリーンや黄色、オレンジ…と、カラーバリエーションが豊富で、模様や凹凸があるものもあります。
お部屋の飾りとデザインを合わせたり、おもちゃカボチャと一緒に飾るお花の色味と合わせることもできそうですね。

<りんどう>


リンドウ

敬老の日ギフトとして人気なりんどうは、ハロウィンにもおすすめです。
なぜなら、りんどうの色がハロウィンにぴったりだからです。
紫色や青紫色のりんどうは、少しあやしげなハロウィンの雰囲気に最適ですよね。
りんどうは、和風なデザインのフラワーギフトに使うことが多いですが、ハロウィンをイメージしたアレンジメントや花束に加えるのも、良いと思いますよ。

<赤・オレンジガーベラ>


ガーベラ

オレンジ色のガーベラは、ハロウィンに欠かせないジャック=オ=ランタンを連想できそうではないですか?
そして、赤ガーベラは秋の深まりを感じられそうですね。
ガーベラは、丸い花姿がかわいらしいポップなイメージのお花です。
そのため、ドキドキワクワクな楽しいハロウィンに最適。

<ケイトウ>


ケイトウ

唯一無二と言っても良いほど、インパクトのある花姿のケイトウ。
少し暗めな色から鮮やかな色まであるケイトウは、ハロウィンのアレンジメントや花束に加えたいお花の1つです。
かわいくも不気味なハロウィンの雰囲気を、演出してくれると思いますよ。
ハロウィンがある秋の時期に、ケイトウは良く流通しているので、お花屋さんに行った際は見てみてくださいね。

<マリーゴールド>


マリーゴールド

公園や花壇、さらには人気の曲にもなっているマリーゴールド。
有名な明るいオレンジ色は、ハロウィンのカボチャを連想しますよね。
ボリューム感のあるお花が、お庭を豪華に彩ってくれます。
ちなみにマリーゴールドは、ガーデニング初心者の方でも育てやすいお花の1つなんですよ。

<トウガラシ>


観賞用トウガラシ

「トウガラシ?」と、驚いた方もいらっしゃるかもしれませんが、ハロウィンには観賞用トウガラシが人気です。
トウガラシの定番の色である赤やグリーン以外に、紫色やオレンジ色などハロウィンのイメージに合った色の種類も、たくさん流通しています。
観賞用トウガラシは、鉢植え・切り花のどちらもお花屋さんで販売されていることが多くハロウィン用の寄せ植えを作りたい方にも、アレンジメントや花束を飾りたい方にも人気なのです。
トウガラシの形が、魔女の鼻の形にも見えますよね。

◆最後に


ハロウィンの灯り

今回は、簡単なハロウィンの歴史と、ハロウィンに飾りたいお花をご紹介しました。
ぜひ、今回ご紹介したお花を自宅に飾って、楽しいハロウィンを過ごしてくださいね。

ちなみに花キューピットでも、ハロウィンに飾りたいアレンジメントをご用意しています。
気になった方は、サイトやお花屋さんをチェックしてみてくださいね。

 

 

 

2020-09-23 | Posted in , 花と文化No Comments » 

 

2024年の敬老の日はいつ?敬老の日の由来や歴史・祖父母が喜ぶ花の種類を紹介


おじいちゃん・おばあちゃん

やっと梅雨が明けたと思ったら、もう立秋ですね。
プールや海が恋しくなる気温の日が続いていますが、立秋を過ぎると暦上では「秋」。
季節の移ろいは、早いものです。

さて、今回は9月の第3月曜日にある敬老の日についてご紹介します。
2024年の敬老の日の日程はもちろん、歴史・由来も掲載しています。
そして、敬老の日にプレゼントしたいお花の種類も掲載していますので、プレゼントの参考にしてみてください。

2024年、今年の敬老の日はいつ?

9月のカレンダーを見ていただくと、9月14日(土)~9月16日(月)までの4日間が連休になっていると思います。
帰省することは難しいかもしれませんが、このお休みを使ってテレビ電話などで、おじいちゃん・おばあちゃんに元気な姿を見せたいですね。

敬老の日の歴史

子どものころから当たり前のようにあった「敬老の日」ですが、敬老の日にはどのような歴史があるのでしょうか。
まずは、敬老の日が誕生するきっかけを見ていきましょう。

敬老の日のはじまり



「敬老の日のきっかけ」となったのは、1947年9月15日に兵庫県多可町の野間谷村で行われた「としよりの日」でした。
この「としよりの日」は、大きく分けて2つの目的をもって、村の主催で開催されました。
1つ目は、「お年寄りを大切にすること」そして、2つ目は「お年寄りの知恵を生かした村作りをしていくこと」でした。
敬老の日のはじまりは、村のおじいちゃん・おばあちゃんを敬う気持ちや、持っている豊富な知識を村に活かそうとしたことからだったのですね。

なぜ9月15日なの?


海水浴をするおじいちゃん

としよりの日を、なぜ9月15日に決めたのかは、以下のようにいくつか説があります。

・聖徳太子が大阪・四天王寺に悲田院を建立した日(9月15日)に合わせたから
・気候が過ごしやすくなるころだから
・9月は農作業が少なく、忙しくない時だから

などがあります。
ちなみに、悲田院とは高齢者の方や病気の方、孤児などを救済するための施設のことです。

敬老の日が祝日になったのはいつ?



はじめは野間谷村で行われるようになった「としよりの日」ですが、次第に兵庫県全体に広がり、ついには全国に広がっていきました。

その後、1967年に「としよりの日」から、「老人の日」へと名前を変えて、1966年に国民の祝日「敬老の日」となりました。

敬老の日は毎年変わる?


祖父母

敬老の日は、2002年まで「としよりの日」が行われた9月15日と決まっていました。
しかし、2003年からハッピーマンデー制度により、9月の第3月曜日と変更されたのです。
そのため、現在の敬老の日は、日にちで決まっているわけでありません。
敬老の日におじいちゃん・おばあちゃんへ感謝を伝えたい時は、毎年確認するようにしてくださいね。
2030年までの敬老の日を掲載しておくので、参考にしてみてください。

2020年:9月21日
2021年:9月20日
2022年:9月19日
2023年:9月18日
2024年:9月16日
2025年:9月15日
2026年:9月21日
2027年:9月20日
2028年:9月18日
2029年:9月17日
2030年:9月16日

一覧で日付をみてみると敬老の日は、9月15日~21日の間にあることが分かりますね。
年によっては、敬老の日が15日から21日に変わり6日間もずれてしまうときもあります。
うっかり敬老の日を忘れないように、注意しましょう。

おじいちゃん・おばあちゃんに喜ばれるプレゼント


笑顔が素敵なおばあちゃん

「おじいちゃん・おばあちゃんに何をプレゼントしたら喜んでもらえるだろう…。」と、悩んでしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
年代が離れていることや、遠方に住んでいるなどの理由から、敬老の日の贈り物を考えてしまう方は多いと思います。

今回は、55歳以上方に行った「あなたが敬老の日にもらって嬉しいプレゼントはなんですか」というアンケートをご紹介したいと思います。
気になる順位は、このようになりました、

ランキング結果
1位:旅行
2位:お花
3位:和菓子
4位:洋菓子
5位:雑貨

1位は旅行でした。
今年は難しいかもしれませんが、家族で思い出を作ることができる旅行は、嬉しい贈り物になりそうですね。



続いて2位はお花
自宅にお花を飾っている方はもちろん、園芸が趣味という方もいらっしゃいますよね。
お花は心を和ませてくれたり、周りを華やかにしてくれたりするギフトです。

また、今年のように気軽に会いに行きにくい時や遠方のためなど、直接会いに行くことが難しい時でも、花束アレンジメントはおじいちゃん・おばあちゃんのお家にお届けできることが、フラワーギフトの良い所でもあります。
きれいなお花に、ありがとうの気持ちを込めることができそうですよね。
3位、4位にランクインした和菓子・洋菓子は、みんなで食べれば会話も弾みそう。
ちょっとした休憩に食べてもらうのも、良いかもしれませんね。

▼敬老の日の花ギフトをみてみる
敬老の日 花のギフト・プレゼント特集2024

敬老の日にぴったりなお花

ここでは、敬老の日にプレゼントしたいお花の種類をご紹介します。
敬老の日にフラワーギフトをプレゼントしようと思った方は、チェックしてみてください。

<りんどう>


りんどう

紫色が有名ですが、白やピンク色も流通している「りんどう」。
りんどうは、秋の季節を代表するお花の1つです。
お花屋さんでみかけること以外に、野山で自生している所を見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
そんなりんどうは、敬老の日のプレゼントでとても人気があります。
なぜかというと、りんどうの根は古くから漢方の生薬として重宝されていたため、健康面での良さから「いつまでも元気でね」という願いを込めて贈ることができるからです。
また、りんどうの紫色は高貴な色とされており、おじいちゃん・おばあちゃんへの尊敬の気持ちを表してくれます

<ユリ>



お祝いのギフトとしても良く活用されるユリ。
その堂々とした花姿にちなんで「威厳」という花言葉を持っているユリは、人生の先輩であるおじいちゃん・おばあちゃんへのプレゼントにおすすめです。
ユリを入れたフラワーギフトは、上品で存在感があり、フラワーギフトに高級感を持たせてくれます
ユリを1輪加えるだけで、フラワーギフトがパッと華やかになるんですよ。
そして洋風・和風 どちらのお部屋にも馴染むので、お好きな場所に飾っていただけます。
お部屋の雰囲気を選ばずに飾ることができるのは、嬉しいですよね。
また、ユリは他のお花よりも香りが強く、「ユリの花の香りが好き」という方も多いです。

▼敬老の日の花ギフトをみてみる
敬老の日 花のギフト・プレゼント特集2024

最後に



今回は敬老の日についてご紹介しました。
「準備するには少し早いかな?」と、思う方もいらっしゃるかもしれませんが、早めに準備しておくのもいいかもしれませんよ。
気づいた時には「当日だった…」なんてこともあるかもしれません。
おじいちゃん・おばあちゃんに、なかなか会うことができない方は、普段会えない分も含めて「ありがとう」の想いや、「健康で長生きしてもらいたい」という気持ちを込めたプレゼントを用意したいですよね。
大好きなおじいちゃん・おばあちゃんに、プレゼントを通して気持ちが伝わりますように願っております。

ちなみに、花キューピットでは敬老の日にぴったりなフラワーギフトをご用意しています。
先ほどご紹介したりんどうや、ユリを使ったアレンジメント・花束をはじめ、産地からお届けする鉢植えのお花もご用意しております。
花キューピットは、お届け先の近所にあるお花屋さんからお花をお届けするため、新鮮なお花をお届けできます
そして、全国送料無料です。
気になった方は、サイトまたは、お花屋さんをのぞいてみてくださいね。

 

 

 

2020-08-12 | Posted in , 花と文化, 花を贈る時No Comments » 

 

お米の花は意外と見たことない⁉~お米について~


お米

突然ですが、皆さんはお米の花を見たことがありますか?
1日の中で、1回は口にするお米。
おにぎりであったり、炊き込みご飯であったり…朝・昼・夜の三食の中で、1回はご飯を食べるのではないでしょうか。
そんな身近な作物である「お米」ですが、お米の花を見たことがない方も多いのでは?
今回は、意外と見たことがないお米のお花を含め、お米についてご紹介したいと思います。

◆生産量が多いのは?~日本の米どころ~


日本の米どころ

日本人の食事に欠かすことのできないお米。
お米のお花を見る前に、まずはお米の生産量を見ていこうと思います。
農林水産省によると、日本で作られているお米の年間総生産量は、なんと8,607,000トン(平成25年度)!
構成比で見ると、1位は7.7%が新潟県、2位が7.3%で北海道、ついで3位は6.1%で秋田県となっています。
やはり、米どころというイメージが強い新潟県が、最もお米を作っているんですね。

◆お米の歴史


おにぎり

「日本の食べ物」というイメージが強いお米ですが、実はお米は海外から日本に渡ってきたものなのです。
稲が日本に伝わった経路については様々な説があります。
一つは、中国から伝わったという説。
中国の江准地帯から、朝鮮半島南部を経て、縄文時代の終わりごろに日本へ伝わったとされています。
日本では先ほどお伝えしたように、涼しい地方でお米が栽培されていますが、もともとお米はあたたかい地域で作られていた作物だったのですね。
実は、伝わった当初のお米は寒さに弱い作物でしたが品種改良が行われ、現代のように涼しい地方でも生産されるようになったのだそう。

ちなみに、私たちの食事でお米が主食になったのは第二次世界大戦以降
思っていたよりも、日本でお米が主食になった歴史はまだ短いのです。
お米が主食になる前は、麦・ひえなどの雑穀をお米に混ぜて食べていたり、大根・イモなどをメインに食べていたとされています。

◆栽培方法とお米のお花

お米はどのように作られているのでしょうか。
種まきから、収穫までの大まかな流れを見てみましょう。
ここでは、お米のお花の写真も掲載しています。

<4月:種まき・田んぼの準備>

苗床
お米は、苗床で種をある程度生長させてから、田んぼに植えています。
まずは中身がしっかり詰まった種を選び、苗床に植えます
苗床では、小さな植物の芽を、田んぼに移動できる大きさまで育てます。
写真は、苗床に植えた種が成長した様子です。
田植えをイメージすると確かに、種を田んぼに植えるのではなく、ある程度大きくなった苗を植えていますよね。

ちなみに、中身が詰まっているかは、塩水につけて判断することがあります。
塩水につけると、中身が詰まっていない種は浮いてきて、しっかり中身が詰まった種は重いため下に沈むのです。
浮いてきた種を取り除いて、沈んだものだけを使えば、中身がしっかり詰まった種を選ぶことができますよね。
この方法は、塩水選と呼ばれています。

また、育った苗が植えられるように田んぼの準備もします。
田んぼを耕したり、水を入れた後は土と水をよくかき混ぜたりします。

<5月:田植え>

田植え
苗床に植えた種が育つと、いよいよ田植えです。
今は機械を使って田植えをしていますが、昔は全て手作業でした。
田植え体験などをしたことがある方は分かるかもしれませんが、手作業で田植えをするのはとても大変な作業でした。

<6月~8月:生長期間>

田んぼ

上の写真は、8月上旬に撮影したものです。
稲の様子を見て肥料をあげたり、雑草を抜いたり…美味しいお米ができるように管理します。そして次第に稲が葉を増やすことをやめて、だんだん穂を作り始めます。
葉のさやの中で穂が徐々に大きくなって、穂が少し見えるようになると、だいたい1日で穂全体があらわれます。
穂は小さなお花が集まってできており、葉のさやから穂が出るとすぐに花が咲きはじめ、1週間くらいで全てのお花が咲くと言われています。

お米の花

この小さな白い部分がおしべです。

お米の花のアップ

アップすると、このようになっています。
「お花」と言われないと分からないかもしれませんね。
田んぼが近くにある方はお米の花をぜひ、観察してみてください。
このお花が咲くには光と温度の条件が決まっていて、午前9時くらいから、だいたい2~3時間しか咲かないとされていて、後の時間は閉じてしまうのだそうです。
ちなみに、お米の品種や育てている地域によって異なりますが、8月上旬から8月中旬くらいにお花が咲くとされています。

お米

早い時期にお花が咲いたものは、このようにこうべを垂れ始めます。

<9月:収穫>

金色の稲穂
稲穂が硬くなってきたら、田んぼの水を抜き収穫の準備。
稲穂が黄色(金色)になったら収穫していきます。

刈り取った稲はしばらく乾燥させ、稲が乾いてから脱穀を行います。
脱穀はもみの部分を稲穂から取り外す作業のことで、脱穀後もみ殻を取り除いたものが玄米になります。
そして、玄米を精米したものが、私たちの食事に欠かせない白米になるのです。

いつも食べているお米はこのようにして、作られているのですね。
暑い中作業してくれている農家さんに感謝して食べるようにしたいですね。

◆最後に


田植え

今回はお米について栽培法や、あまり知られていないお花についてご紹介しました。
食べることが当たり前になっているお米について、改めて考えてみるのもいいかもしれませんね。

また、お花屋さんや道端に生えているお花、自宅で育てている植物など…葉やお花を観察してみてください。
お米に限らず、改めて親しみのある植物を観察してみると、今まで知らなかったような発見があるかもしれませんよ。

 

 

2020-08-07 | Posted in , 花と文化No Comments » 

 

知っているようであまり知らない⁉~アサガオについて~


朝顔の情報

長かった梅雨の時期があけ、やっと夏らしくなってきましたね。
8月に入り、学生の方々は夏休みを満喫している頃でしょうか。
夏休みは、お祭りや海水浴など楽しいことがたくさん。
ただ、忘れてはいけないのが宿題ですよね。

そんな夏休みの宿題で、小学生の頃などに植物観察をされた方も多いのではないでしょうか。
今回は、夏の植物観察のお題として定番のアサガオについて、6つの視点からご紹介します。
アサガオの豆知識も紹介しているので、夏休みの自由研究にもお役立てください。

アサガオ(朝顔)ってどんな花?

アサガオの基本情報からご紹介します。

  • 学名:Ipomoea nil
  • 和名:朝顔
  • 英名:morning glory
  • 科・属名:ヒルガオ科・サツマイモ属
  • 原産地:熱帯から亜熱帯地域
  • 花の色:青、赤、ピンク、紫、水色、白など
  • 開花時期:7月~10月
  • 育てやすさ:◎初心者にもおすすめ

アサガオを見ると、夏休みや入道雲を思い出すように夏の花として親しまれています。
そして、あまり植物を育てたことがない方でも、育てやすい植物です。
先にお伝えしたように、夏休みの宿題としてアサガオを育てている方もいらっしゃるかもしれません。
子供でも育てられる丈夫な花なのです。

またアサガオは、花の色が豊富です。
赤やピンク、青に水色……と暖色系から寒色系まで幅広い色がそろっています。
さらに単色だけではなく、花びらに模様ができているものや、花びらの縁だけ色が異なる品種もあります。

アサガオの花言葉

アサガオ全体の花言葉は、「愛情・結束・明日もさわやかに」などです。
カラーバリエーション豊富なアサガオには、色によって花言葉が異なります。
「結束」という花言葉は、つるが巻き付く様子から付けられたと言われています。

  • 青・水色のアサガオの花言葉:「儚い恋」など
  • 赤のアサガオの花言葉:「はかない情熱的な愛」など
  • ピンクのアサガオの花言葉:「安らぎに満ち足りた気分」など
  • 紫のアサガオの花言葉:「冷静」など
  • 白のアサガオの花言葉:「あふれる喜び・固い絆」など

赤のアサガオの「はかない情熱的な愛」という花言葉は、朝咲いていた花が午後にしぼんでしまう様子と赤色のイメージが由来していると、言われています。

アサガオの歴史


朝顔で作った緑のカーテン

浴衣の柄になるほど、昔から日本人と馴染みのあるアサガオ。
いったい、アサガオはどのように日本へやってきたのでしょうか。

アサガオのはじまり

アサガオの基本情報に、アサガオの原産地は熱帯から亜熱帯地域とご紹介しましたが、原産国は中国だ、とも言われています。

中国では、もともとアサガオを観賞用ではなく、下剤として使っていたそうです。
中国でのアサガオとの関わりは、4世紀ごろに書かれた書物にもアサガオが記載されるほど、古くだったといわれています。
当時の中国では、アサガオはとても貴重なもので、牛と交換するほどの価値として取引されていたそうです。

日本へ渡来

日本にアサガオが渡来したのは、奈良時代とされていています。
原産国の中国から伝わってきました。
日本に伝えられた当時のアサガオは,青色で小さな花だったそうです。
中国と同様に日本でも薬として活用されていましたが、次第に観賞用としても人気が高まっていきました。

アサガオと万葉集


青と紫の朝顔

アサガオは万葉集にも登場しています。
その1首に、

「朝顔は 朝露負ひて 咲くといへど 夕影にこそ 咲きまさりけり」

という歌があります。
現代語訳すると、

「朝顔は朝露を浴びて咲くというが、夕方の薄暗い光の中でこそ輝いて見える」

となります。
この歌からだと、一見アサガオが夕方にも咲いているようにも読み取れますよね。

でも、実際のアサガオが咲いているのは朝だけで、夕方にはしぼんでしまいます。
実は、ここに出てくるお花はアサガオではなく、キキョウなどの別のお花のことを指しているといわれています。
では、なぜアサガオと表記しているのでしょうか。

実は、平安時代ごろまで、朝に咲くお花をすべてアサガオと呼んでいて、数種類のお花がすべてをアサガオと呼ばれていたのだそうです。
ちなみに、現在のアサガオという1つの種類として区別され始めたのは、平安時代からだと言われています。

江戸時代のアサガオブーム


模様が入った朝顔

江戸時代は比較的に平和だったこともあり、釣りやお茶、園芸など様々な趣味が発達していったとされています。
その中でも園芸はとても人気でした。
特にアサガオの苗は当時、安価に手に入れることができ、品種改良が盛んに行われていました。
そんな江戸時代に起こった2回の大きなアサガオブームをお伝えします。

<1回目のアサガオブーム>

江戸時代末期の文化・文政期ごろからアサガオが1度目のブームになっていきました。
このブームのきっかけは、なんと1806年3月4日に江戸で起こった大火でした。
この「文化3年の大火」の影響で、現在の芝公園などを全焼させ、周辺は更地になってしまいました。
その火事の跡地に、アサガオを植えたところ、珍しい形のアサガオが咲いたのです。

今まで見たことのない珍しいアサガオは、人々の注目を集め、アサガオが人気になっていったのでした。
珍しいアサガオが咲いた理由は、アサガオが突然変異を起こした説や、植木職人が品種改良したアサガオを植えた説、などがあります。

<2回目のアサガオブーム>

2回目のブームが起きたのは、1回目のアサガオブームの熱が冷めていないころでした。
2回目のブームは1800年代中頃からと言われています。
当時は、アサガオの優劣を競う品評会が行われているほど人気でしたが、さらに人気になったのは1人の植木屋がきっかけでした。
その植木屋の名前は成田屋留次郎。

成田屋留次郎は「朝顔師」と自分のことを名乗って、アサガオの品種改良を行っていました。
そして、自ら園芸に関する書物も出版したり、アサガオ品評会を主催したりと、さらにアサガオのブームを盛り上げていきました。

江戸時代から観賞用としてとても人気になったアサガオは、明治時代になっても人気は衰えることなく、朝顔市などが行われるほどだったそうです。

緑のカーテン


朝顔が絡まっている様子。緑のカーテン

アサガオは青色・紫色・赤色・ピンク色・白色など様々な色や柄があるものなど、色とりどりのお花を咲かせてきれいですね。
そんな色彩豊かなアサガオはヒルガオ科で、ツルを伸ばして周りのものに絡まっていくツル植物です。
アサガオは、ツルをどんどん伸ばして、多くの葉を付けながら成長していきます。
このツルが伸びていく性質を活用しているのが、緑のカーテンです。

小学校などで、窓際などに植物が覆っているのを見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
緑のカーテンとは、窓や壁際に張ったネットなどにツル植物を這わせて、カーテンのように覆ったものです。
植物が日差しをさえぎることで室温の上昇を防いだり、葉から蒸発する水分で周りの熱を下げたりします。
そのため、アサガオなどの緑のカーテンは夏場の省エネ対策の1つになっているのです。

名前の由来

和名は、朝の顔と書いて「朝顔」。
その名の通り、夏の朝に咲いているイメージがありますよね。
アサガオという名前は夏に毎朝、花を咲かせることに由来しています。
小学生の頃、夏休みにラジオ体操へ向かう途中でアサガオを見かけた方も多いかもしれませんね。

アサガオを英語圏では、「morning glory」と呼んでいます。
意味は、直訳すると「朝の輝き」。
英語圏でも日本と同じように、朝に咲いていることが名前の由来になっているのですね。

種の皮が硬くて厚い理由


朝顔の種

アサガオの種は他の植物の種と比べて、硬く厚い皮に覆われていますよね。

これは、種の重要な役割が関係しています。
まず種は、良い環境で成長するために「悪い環境を耐える」という役割があります。
悪い環境とは、アサガオが成長する上で、気温が高過ぎたり低過ぎたりする場合や、乾燥が激しい時のことです。
アサガオはこのような環境から身を守るために、種を硬く厚い皮で覆っているのです。
朝顔の種の皮

また種の皮は、成長する場所を変える時や、生育地を広げる時にも役立っています。
自分からは動くことのできないアサガオが生育地を広げるためには、他の生き物の力を借りる必要があります。
動物に食べられることで、からだの中で運んでもらい糞と共に排出してもらう必要があります。

糞として排出されるまでに硬いく厚い皮を持った種は、消化されにくくする役割を担っています。
そのため、アサガオは動物の体内で溶けることなく遠い距離を移動することができ、生育地域を広げることが出来るのです。

次に、「成長しやすい場所を確認する」という役割があります。
硬い皮が柔らかくなるためには、多くの水分が必要になります。
アサガオは、成長に十分な水分が無いと硬い皮を破って根を張ることはありません。
言い方を変えれば、硬く厚い皮が柔らかくなる場所は、成長するために十分な水分がある場所と言えるのです。
十分な水分がある場所は、しっかりと根を張って成長することができます。

このように、アサガオの種の硬く厚い皮は、しっかり成長できるのかを判断しているのです。

朝が分かる理由

アサガオは朝に咲いて、夕方はしぼんでいますよね。
なぜアサガオは朝が来たことが分かるのでしょうか?

実は、朝の光で目を覚ますように咲いているアサガオですが、アサガオが咲くためには光のない時間が関係しています。

アサガオが咲く時間を決めているのは朝の光ではなく、夜の光が当たらない時間なのです。
アサガオの性質の1つに、アサガオに光が当たらない時間が約10時間に達すると花を咲かせるという性質があります。
夏の季節は、太陽が沈んでから10時間後が、ちょうど朝になるということなのです。

そのため太陽が沈んで光が当たらなくなってから、約10時間後には朝でなくてもアサガオは咲いてしまうのです。
その反対に、電気などでアサガオのつぼみに光を当て続けると、つぼみは成長し大きくはなりますが、咲くことは無いのだそうです。

ツルが巻きついていく理由




アサガオのツルが伸びるに合わせて、支柱を立ててあげたことのある方は多いのではないでしょうか。
アサガオは支柱として立てた棒などに、ツルをどんどん巻き付けていきますよね。
では、どうして支柱や棒、ネットなどにアサガオのツルは巻き付いていくのでしょうか。

アサガオのツルの先端を見てみると、真っすぐ伸びているように見えますよね。
しかし、アサガオのツルは上から見ると先端を左回りに、円を描きながら巻き付くものを探しているのです。

円を描くスピードは、1時間に1回転くらいと言われています。
このアサガオの描く円の範囲に棒やネットなどがあった時、ツルがそれに接触すれば巻き付いていくという仕組みなのです。

また、「アサガオは接触しているという刺激を感じる」ことができ、ツルには接触したことを感じると「太く短くなる」という性質もあります。

例えば、7~10日間アサガオのツルを親指と人差し指で挟み、こすっているとツルは太くて短くなっていくそうです。
ツルは、こすればこするほど接触しているという刺激を感じ、太く短く変化していくのです。
この性質こそ、ツルが棒などに巻き付いていく秘密を握っていたのです。

アサガオをふくめ、植物の成長はゆっくりのため、なかなか目視では確認できないかもしれません。
どうしても確認したい時は、長い時間アサガオの様子を録画しておくと良いと思います。
定点カメラを置いて、アサガオの成長の様子を見てみるのも面白そうですね。



アサガオのツルが棒などに触れる場合、接触するのは1本のツルの片側のみです。
ツルの片側が棒などに接触すれば、ツルの接触した面は、接触していない面よりも、「接触しているという刺激」を感じて、厚く短くなっていきます。
言い換えると、接触している側面としていない側面を比較すると、接触していない側面の方がより伸びていくのです。
すると、アサガオのツルは接触した側面を内側にして巻き込むように、伸びていくことになります。

そのためアサガオは、近くにある棒やネットに巻き付くように成長していくことが出来るのです。
すなわち、ツルが巻き付くのは接触しているツルの内側と外側の伸びるスピードの差が関係していたのですね。

もし、アサガオのツルの伸び方の違いを確かめてみたくなったら、何かに巻き付いているツルをほどいて伸ばしてみてください。
巻き付いている状態では分かりにくいですが、ほどけたツルは円を描くようにバネのような形になっていることが確認できると思います。

このツルは、ほどいて机の上に置いてみても紐のように真っすぐにはならないのです。
接している物があった面と、そうでない面の伸びるスピードに違いを感じることが出来ると思いますよ。

ちなみに、どうしてツルが巻き付いているものから滑り落ちないのかをご存じですか。
大きな理由は2つあります。

  1. 強く巻き付きながら、アサガオが成長していくため
  2. アサガオのツルにはたくさんの細かい毛が下向きに生えていて、下に滑り落ちことを防いでいる

ということがあげられます。
近くにアサガオが咲いている方は、ぜひツルを触ってみてください。
ふわふわした感覚を感じることが出来ると思いますよ。
アサガオは巻き付いたものから落ちないように、一生懸命工夫をしているのですね。

最後に




今回は夏を彩るアサガオについてご紹介しました。
身近で親しみを感じるアサガオですが、あまり知られていないことも多いものですね!

ちなみに、アサガオはご紹介したように、特に日本で品種改良が盛んに行われていました。
その影響で、アサガオは世界的に見てもめずらしいほど形や色などが豊富になった園芸植物の1つと言われています。
江戸時代の方々の園芸技術の高さに驚かされますね。
現在でも、アサガオは遺伝学の研究材料として活用されているそうです。
まだまだ見たことのないアサガオが誕生するかもしれないと思うと、わくわくしますね。

ぜひアサガオを見かけた際は、お花だけではなく、ツルや種にも注目してみてください。
今まで気づかなかった、発見があるかもしれませんよ。

2019-08-02 | Posted in , 花と文化No Comments » 

 

前のページへ