ビオラ
ビオラの育て方・色ごとの花言葉・パンジーとの違いとは?
花壇や鉢植え、寄せ植え、街灯などにつるされ浮いているようにも見えるハンギングバスケットなどにも使われている、ビオラ。
お花屋さん以外に公園や学校の花壇などでも見かける花のため、名前を知らなくても「花は見たことがある」という方も多いのでは。
ビオラは植わっている場所が多いため、子供のころから見かけることが多く、親しみのある花の1つでもあるかと思います。
今回はそんなビオラの花言葉や育て方、パンジーとの違いをご紹介します。
ビオラはどんな花?基礎知識・特徴
まずは、ビオラの基礎情報から見ていきましょう。
基礎情報
- 学名:Viola
- 科・属:スミレ科 ・ スミレ属(Viola・ Violaceae)
- 原産地:ヨーロッパ
- 開花時期:10月~5月
- 育ち方・分類:一年草
- 花色:紫・ピンク・赤・オレンジ・イエロー・黒・青・白・ブラウン・グリーン・複色
- 育てやすさ:育てやすい。ガーデニング初心者でも安心。
ビオラの花はスミレの花と見た目が似ているのは、ビオラがスミレ科 ・ スミレ属の花だからなのですね。
ちなみにビオラと花が似ているパンジーも、スミレ科 ・ スミレ属です。
特徴
ビオラは、カラフルでカラーバリエーションが豊富な花です。
花のサイズは4センチ以下のものが多いといわれています。
小さな花は、かわいらしい印象があります。
他の大きなサイズの花を植えている間に、ビオラを植えるとすき間を鮮やかに彩ってくれます。
そのためビオラは、チューリップなどと組み合わせて寄せ植えにしたり、花壇に植えたりすることも多いです。
一方で、花壇をビオラで埋めてカラフルなデザインを表現することもできます。
小さく可憐で色彩豊かなビオラは、カバー力(特定の色を敷き詰めるなど)が強いのです。
公園にある花時計など、何かのモチーフを花で描きたい時はビオラが強い味方になってくれます。
そしてビオラは、寒さに強い花でもあります。
そのため、冬のガーデニングにもよく活用されており、花が少なく庭に彩りが少なくなる時も、ビオラは周りを明るくしてくれるのです。
さらにビオラは開花時期が長く、1つの花が枯れてしまっても次々と新しい花を咲かせます。
適切なお手入れをすることで、長く花を楽しめるためガーデニングをする際に多くの方から好まれています。
また、ビオラは一年草の花です。
そのため、花が咲いた後に特別なお手入れをする必要がありません。
一年草とは
一年草とは、花が咲いて枯れるまでの期間が1年間の植物のことをいいます。
育つスピードが速いものが多く、成長を感じやすいのも特徴です。
一年草の花はビオラの他に、朝顔やひまわりなどがあります。
初めて花を育ててみたいという方にもビオラは、とてもおすすめです。
ちなみに、花が平面的で凹凸が少ないため、ビオラは押し花にも向いています。
押し花の経験がない方でも、比較的きれいに作ることができるでしょう。
「育てた花を使ってクラフトや、ハンドメイドの材料にしたい」という方にもビオラはおすすめ。
ビオラには他の花には少ない青い色の品種もあるため、ブルー系の色味をガーデニングや寄せ植えで使いたいという時も、活躍してくれます。
ビオラの名前の由来
ビオラの名前の由来には諸説ありますが、ここでは2つの説をご紹介します。
- ギリシャ神話が由来の説
ビオラの名前は、属名である「Viola(ビオラ)」から付けられたといわれています。Violaの由来はギリシャ語の「ion(イオン)」がルーツであるとされ、イオンはギリシャ神話に登場する少女です。
ギリシャ神話の中で「全ての神々の王であるゼウスが、イオンにスミレの花を咲かせた」という話から名前がつけられたといわれています。 - ビオラの花色が紫なことが由来している説
ビオラの花が紫色だったため、「Violet(バイオレット)」から名前が付けられたともいわれています。今ではたくさんの花色がありますが、ビオラの原種の花色は紫(バイオレット)でした。
ビオラの花言葉
ここからは、ビオラの花言葉を紹介します。
ビオラ全体の花言葉
ビオラはたくさんの花言葉を持っています。
「少女の恋」という花言葉は、ビオラの名前の由来になったギリシャ神話が由来であるといわれています。
他にもビオラの花が咲く様子がうつむきがちで、片思いをしている人の姿に見えたからといわれたりしています。
花言葉の由来も諸説あるようです。
各色ごとの花言葉
色ごとの花言葉は以下であるといわれていますが、さまざな説があり、正確には色ごとに花言葉は決まっていないともいわれています。
参考程度にチェックしてみてください。
- 紫のビオラの花言葉:揺るがない魂・誠実
- ピンクのビオラの花言葉:私を想って・少女の恋
- 赤いビオラの花言葉:思い出
- オレンジのビオラの花言葉:天真爛漫
- イエローのビオラの花言葉:小さな幸福・つつましい幸せ
- 青のビオラの花言葉:誠実な愛
- 白のビオラの花言葉:あどけない恋・純真
ビオラの品種
ビオラは品種改良がよく行われており、たくさんの品種があります。
花の色だけではなく、花びらがフリルのようになっているものや、花びらの形が個性的なものまでバリエーションが豊富です。
「ビオラを育ててみたい」と考えている方は、品種にも注目してみてください。
ここでは、色ごとにピックアップしてビオラの品種名をご紹介します。
- 紫系のビオラの品種:プラムアンティーク・スパークブルー
- ピンク系のビオラの品種:ピンクアンティーク・カメレオン マーブルピンク
- 赤系のビオラの品種:ビビ スカーレット・くれないロンド
- オレンジ系のビオラの品種:F1ビビ ディープオレンジ・ピエナ オレンジ
- イエロー系のビオラの品種:イエローチャーム・F1フローラルパワー イエローウィズブロッチ
- 青系のビオラの品種:オーシャンブルー・F1ビビ ヘブンリーブルー
- 白系のビオラの品種:クリアホワイト・ペニー ホワイトブロッチ
紹介しているのは一部で、ビオラにはまだまだたくさんの品種があるため、気になった方は調べてみてください。
品種とは
品種とは、性質や見た目によって他の植物と区別して名前を付けたものです。
簡単にとらえるなら、植物には「品種という分類がある」と思ってみてください。
いまいち分からないという方は、例があると分かりやすいかもしれません。例えば、フルーツで考えてみましょう。
「好きなフルーツの種類は?」と聞かれた時は「いちご」や「モモ」などを答える方が多いかと思います。
一般的に「種類」といわれた時は「品目」を答える方が多いはずです。
一方「好きないちごの品種は?」と聞かれた時は「あまおう」や「紅ほっぺ」などが答えになります。
同じいちごという品目の中にも、あまおうなどの品種があるのです。ジャガイモも同じで、ジャガイモの品種にはメークインや男爵などがあり、品種によって見た目(形)が違ったり適した料理が違ったりします。
ビオラの育て方
ここからは、ビオラの育て方をご紹介します。
これからビオラを育てようと思っている方は、チェックしてみてください。
水やり
土の表面が乾いたら、水をたっぷり与えるようにしましょう。
水を与える時は、鉢植えの下に開いている穴から水が流れ出るくらいの量を目安にしてみてください。
土が湿っている時は、水を与えなくて問題ありません。
ビオラは、比較的乾燥気味で育てるのがおすすめです。
水のやりすぎは根腐れの原因になるため、毎日あげるというよりは土の様子を見て決めるようにしてください。
特に冬はあまり土が乾燥しないため、水やりが必要か見極めてみてください。
土が乾いているかよく見えない時は、鉢植えの重さでチェックするといいかと思います。
土に水が十分に含まれていると、鉢植えが重たくなります。
反対に土に含まれる水が乾燥すると、鉢植えの重さが軽くなります。
鉢植えを持ち上げて軽くなっていたら、水をあげると覚えてもよさそうです。
水やりのタイミングは、気温が高くなる前がベスト。
夏など気温が高い日は、なるべく涼しい朝や夕方に水やりをするようにしてください。
気温が高く暑い時に水やりをすると、与えた水が日光に温められお湯になり、根が茹ってしまいます。
根が茹ってしまうと、枯れてしまうので水やりのタイミングには注意してください。
置き場・環境
日当たりが良く、よく風が通る場所で育ててください。
ビオラは湿気が苦手のため、土は水はけの良いものを選びましょう。
お世話・お手入れ
水やり以外には、萎れた(枯れた)花を取り除くようにしてください。
萎れた花を取り除くことを「花がら摘み」といいます。
花がら摘みをすることで、今咲いている花やこれから開花する花にエネルギーを使うことができます。
ビオラはどんどん新しい花が咲く植物のため、株(植物全体)が疲れないように、萎れた花を見つけたら取り除くようにするのがおすすめです。
枯れた花を取り除く際は、花びらだけをカットするのではなく、花が咲いていた所から茎をたどって葉が生えているところ(付け根)から取り除くようにしましょう。
「取り除く分の茎が意外と長いけど、大丈夫?」と思うこともありますが、安心してください。
花がなくなった茎を残しておくと、そこにエネルギーを使ってしまうので、全て取り除く方がいいのです。
ビオラの根元から茎を取り除くときは、ハサミや爪で切り取るのは△です。
茎の付け根の方を指でつまんで左右に揺らすようにすると、ポロっと取れるので、ぜひやってみてください。
また萎れた花を取り除くことで、見た目も美しくなります。
より長くビオラを楽しむためだけでなく、美しい見た目のためにも気が付いたときに花がら摘みは行ってみてください。
ちなみにせっかく花がら摘みをしても花だけを取り除いている時は、なにも花の付いていない(これからもそこからは花が咲かない)茎だけが生えているように見えてしまいます。
そのため、見た目も良くありません。
せっかくお手入れするなら、取り除く位置にも注意してみてください。
育て方のポイント・まとめ
- 水をあげる時はたっぷり。メリハリをつけて水やりをする。
- 水のあげすぎに注意。頻繁に水を与えるのは危険。乾燥気味の方が◎
- 日の光が当たり、風通しの良いところで育てる。
- 萎れた花はすぐに取り除く。
ビオラは、初心者にも育てやすい花です。
「水を1日1回あげる」など水やりのタイミングを決めずに、土の様子をみて水やりができれば、きれいな花を楽しませてくれます。
ビオラは3月15日の誕生花
誕生花には、各1月~12月までの月ごとの誕生花と、1月1日~12月31日までの1日ごとの誕生花があります。
ビオラは、3月15日の誕生花です。
自分や友達の誕生花を調べてみたい方は、こちらをチェックしてください。
▼3月中の誕生花を調べる▼
3月の誕生花カレンダー 3月1日~3月31日の誕生花をカレンダー形式で紹介しています。 |
▼365日の誕生花が知りたい▼
365日の誕生花 1月1日~12月31日の誕生花をカレンダー形式で紹介しています。 |
ちなみに1日ごとに決められている誕生花は、花束やフラワーアレンジメント、鉢植えで流通していない種類もあります。
そのため「誕生花をプレゼントしたい」と思った時は、各月の誕生花を贈るのがおすすめです。
1月・2月・3月…12月と1ヶ月ごとに決まっている誕生花は、お花屋さんで切り花で流通しており、その時期に誕生花を使った花束やフラワーアレンジメントを贈ることができます。
3月の誕生花は、ピンクガーベラです。
3月の誕生花「ピンクガーベラ」を使った花ギフトを贈りたい方は、こちらをご覧ください。
他の月の誕生花を知りたい方は、こちらを併せてご覧ください。
▼1月~12月までの各月の誕生花をみる▼
誕生日フラワーギフト特集 各月の誕生花を花言葉や特徴などと一緒に紹介しています。 |
3月の誕生花である、ピンクガーベラについて知りたい方はこちら。
▼ピンクガーベラについて知りたい▼
3月の誕生花はピンクガーベラ。花言葉・品種・おしゃれな飾り方・長持ち方法など 3月の誕生花について、知りたいことや気になることをまとめました。 |
食べられるビオラ!エディブルフラワー
食べられる花、エディブルフラワーの中でビオラはポピュラーな花の1つです。
デザートやドリンク、サラダなどの上に飾られているビオラを見たことがある方も多いのでは。
カラフルで見た目がかわいいビオラの味は、ほとんど無味で料理そのものの味の邪魔をしません。
他の料理の味を損なわずに見た目を華やかにできるため、レストランはもちろん、結婚式場やテーマパークなどでも使われています。
※観賞用のビオラは、口にしないように注意してください。
ビオラを食べてみたい・料理に添えたいという場合は、食用として販売されているエディブルフラワーのビオラを購入するようにしてください。
ビオラとパンジーの違いは?
ビオラとパンジーは、とても似ていますよね。
ビオラとパンジーの違いは、花のサイズといわれています。
簡単にいうと大きい花がパンジーで、小さい花がビオラになります。
基本的には5センチ以上の大きさの花をパンジーとしていますが、それぞれ品種が多く植物学的には同属のため線引きがあいまいになってきています。
園芸で楽しむために、もともと花の大きさで区別していました。
しかし、パンジーとビオラはお互いを交配して新しい花を咲かせることもできるため、どちらともいえる大きさの花もあるのです。
加えて、育て方にも違いはありません。
ビオラもパンジーも品種が多く、判断が難しいことも多いですが、ビオラとパンジーを花の見た目で見分ける時のイメージは、小ぶりで華奢な方がビオラで、大きく華やかな色が多いのがパンジーと思ってもいいかもしれません。
ちなみにお花屋さんや園芸店、ホームセンターなどでビオラとパンジーの区別があいまいな花は「パノラ」という名前で販売されていることもあるようです。
ただ、パノマはあまり認知が広がっていないため「花が小さめのパンジー」や「花が大きめのビオラ」と表現されることもあるのだそう。
ビオラは自宅用にもプレゼントにもおすすめ
今回は、ビオラについてご紹介しました。
専門的な難しい世話がなく、たくさんの色から選ぶことができるビオラをぜひ育ててみてください。
花のプレゼントをイメージすると最も初めに連想するのは、花束やフラワーアレンジメントのように切り花を使ったフラワーギフトかと思います。
しかし、寄せ植えやハンギングバスケットのような鉢植えの花も自分で育てる楽しみや、比較的長く花を楽しむことができるなどの利点があります。
そのため自宅用だけでなく、花をプレゼントしようと考えている方にもビオラはおすすめです。
フラワーギフトを選ぶときは、ビオラをはじめとした鉢植えも候補に入れてみてくださいね。
寒い季節でもあざやかな冬の花
新しい年がはじまり、これから本格的に寒くなっていきますね。
花が少なくなる季節だからこそ、あざやかに咲く花を見ると嬉しくなります。
今回の花だよりでは、1月以降に見られる冬の花をご紹介します。
■ビオラ
開花時期:11~5月頃
スミレの仲間にあたるビオラは、冬のガーデニングに欠かせない花です。
ラテン語の「Viola(紫色)」から名付けられ、日本では「三色菫」とも言います。
品種改良が進められ、ピンク・黄色・オレンジ・白など、色とりどりの花が咲くようになりました。
花言葉は「誠実」「信頼」「少女の恋」など、控えめなものが多いです。
下向きに咲く花が、物思いにふける少女のように見えることが由来となっています。
見た目がそっくりな「パンジー」とは、花の大きさが違います。
直径が約5㎝以下のものを「ビオラ」、約5㎝以上のものを「パンジー」と呼んで区別しています。
現在は小さいパンジーなどもあり、その違いはあいまいになっています。
■ウメ(梅)
開花時期:1~3月頃
中国から渡ってきたウメの木は、古い時代から詩などに登場しています。
おもに花を鑑賞する「花ウメ」と、実をつける「実ウメ」に分けられます。
花の色は赤・ピンク・白があり、とてもいい香りがします。
花言葉は「忠誠」「優雅」「高貴」など、日本らしい単語が付いています。
「忠誠」は、菅原道真の伝説にちなんだ花言葉です。
才能をねたまれた道真は、無実の罪を着せられてしまいました。
太宰府への追放が決まると、庭のウメに別れを言って屋敷から出ていきます。
ところが、ウメの木は空を飛んで、道真を追いかけたと言います。
この「飛梅伝説」が由来となり、「忠誠」という花言葉になりました。
■ハボタン(葉牡丹)
鑑賞時期:11月~2月頃
色のついた葉が牡丹の花に見えるため「ハボタン」と名付けられました。
キャベツやブロッコリーの仲間で「花キャベツ」とも呼ばれています。
気温が下がって寒くなると、葉が赤・白・クリーム色などに色づきます。
花言葉は「祝福」「利益」などのおめでたいものばかりです。
縁起物の牡丹に似ていることや、紅白に色づくことから、お正月の定番にもなっています。
牡丹よりも育てやすく、安価で手に入るため、人気が高まったとされています。