お手入れ
クリスマスカラーのポインセチアの花言葉と、育て方を簡単に紹介
クリスマスに欠かせない飾りには、クリスマスツリー、クリスマスリースと並んで、ポインセチアがあります。クリスマスカラーの色合いは、まさにクリスマスのためのお花と言えますね。
今回の花だよりでは、クリスマスについてお伝えします。
■葉の色を楽しむポインセチア
赤と緑の色合いから、クリスマスの彩りに人気のポインセチア。原産地はメキシコを中心とする中央アメリカといわれています。日本では可愛らしい鉢植えとして流通していますが、原産地では3メートルを超える高さにまで育つそうです。
真っ赤な部分は花のようですが、これは色づいた葉。本当の花は赤くなった葉の中心にある丸いつぶつぶで、花びらを持ちません。
葉の色は赤色が最もポピュラーですが、白色のものや、クリーム色、ワインのような紫色になるものもあり、桃色になるプリンセチアも人気です。また、斑入りのものや、2色のよせ植えなども、目にする機会が増えました。
鉢物として楽しまれることがほとんどですが、緑と赤のコントラストから、クリスマス用のリースやアレンジメントにも使われます。
■ポインセチアの育て方
クリスマスの時期に出回ることから冬のイメージが強い植物ですが、熱帯産の植物であるため、実は耐寒性はあまり高くありません。そのため、ポインセチアを育てる場合は、冬を越えられるかどうかがポイントになります。
霜がおりるところに置いてあると枯れてしまうため、室内で楽しんだほうがいいでしょう。また、できるだけ日当たりがよく暖かい場所に置いてあげるといいですが、暖房の風が直接当たる場所は避けましょう。
冬の間は成長が鈍るため、水は控えめで大丈夫です。春から秋にかけては、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげるようにします。
ポインセチアの葉を色づかせるためには、短日処理という作業が必要になります。
まず、9月中旬ころからは鉢を室内に入れましょう。夕方5時~朝の7時までは段ボールで光をさえぎり、朝7時から夕方5時までは日光によく当てるようにします。
この作業はポインセチアの葉が色づくのは花の季節である冬ですが、日中の光をさえぎり夜の時間を長くすることで、ポインセチアが「今は冬だ」と判断して、花をつけ葉を色づかせます。
毎日欠かさずおこなうことはなかなか大変ですが、その分非常に綺麗に色づき、鮮やか色合いを楽しむことができます。
■クリスマスにはポインセチアを
ポインセチアの花言葉は色によって変わり、特に定番の赤色は「祝福」「聖なる願い」「聖夜」など、クリスマスの贈りものにぴったりな花言葉を持っています。
ほかの色は、というと、白のポインセチアは「あなたの祝福を祈る」、ピンクのポインセチア(プリンセチア)は「思いやり」といった、プレゼントにふさわしい花言葉です。
クリスマスの飾りとして使われることが多いポインセチアですが、可愛らしい見た目と上記の花言葉から、贈りものにしても喜ばれるでしょう。
お花を育てることが好きな方には、クリスマスプレゼントにポインセチアを贈ってみませんか。
母の日ミニコラム ~花束のお手入れ~
手渡しで贈るときに人気なのが花束。母の日のプレゼントでも、直接お母さんに手渡しをしたいから花束を買う、という方も多いのではないでしょうか。
花束は綺麗なラッピングに包まれていますが、花束を渡したら、もしくは花束を受け取ったら、まずはラッピングや保水材をはずします。もったいない気もしますが、お花を少しでも長く楽しむには大切なことです。
続いて、花瓶に入れたときに水に浸かりそうな葉は全て取り除き、よく切れるハサミで茎を斜めにカットしましょう。最後に、冷たく清潔な水を注いだ器にお花を生けます。
母の日のころなら水を毎日変える必要はありませんが、暖かい日が続きそうであれば毎日変えた方がいいでしょう。水替えがあまりできないようであれば、お花屋さんで売っている栄養剤や、漂白剤を数滴入れるとバクテリアの発生を抑え、花が長持ちします。
お母さんへの感謝の気持ちを表す花束。きちんとお手入れを行って、お花を長く楽しみましょうね。
母の日ミニコラム ~アレンジメントのお手入れ~
母の日の贈り物の定番ともいえるのがフラワーアレンジメントです。
花キューピットでも花束を抜いて、アレンジメントが一番人気となっています。
◆アレンジメントとは?
アレンジメントは吸水性スポンジという水を溜めておくスポンジに、切り花を活けたものとなっています。
同じ切り花を使った花束とは違い、花がバスケットなどの器(花器)に活けられているため、自宅で花を飾るときに花瓶を用意する必要がありません。
プレゼントされてすぐに飾ることができるアレンジメントは、花瓶を持っていない方や水の取り換えが面倒という方におすすめです。
◆自宅に帰ったら初めにやりたいこと
アレンジメントを自宅で飾る際は、まずラッピングを取って水を足すことがおすすめです。
お花屋さんは花を運搬することを考えて、アレンジメントの水を少なめにしている場合があります。
花は当たり前ですが、水がないと枯れてしまいます。
水切れを起こして、しなびてしまう前に十分な水をあげてくださいね。
◆水やりの方法
花束の場合、花瓶の水を交換していきますが、アレンジメントはどのようにしたらいいのでしょうか。
吸水性スポンジは、先にご紹介したように、水をたっぷり保っておくことができます。
そのためアレンジメントは、吸水性スポンジに水を含ませるように水やりをします。
ただし吸水性スポンジは、一度乾燥してしまうと水を溜めておけなくなってしまうのです。
乾燥してしまった吸水性スポンジに水をかけても、水を含むことができないため、乾燥させないようにすることがポイントです。
水やりは、水位を確認しながら静かに水をそそぎます。
母の日の時期であれば、乾燥度合いを見ながら、2日に1回程度、水を与えた方がいいでしょう。
1度にたくさんの水をあげてしまうと、バスケットなどの花器から水があふれてきてしまうことがあります。
吸水性スポンジと花器の隙間を見ながら、水の量を調節できるといいかもしれません。
◆注意するべき、飾る場所
5月中旬、母の日前後の時期は気温の高低差が地域によって大きくなります。
地域によっては、冷暖房をつけたくなるかもしれません。
その場合は、アレンジメントが冷暖房の風が直接当たらないようにしましょう。
花びらが乾燥してしまい、しおれてしまうことがあります。
また、吸水性スポンジも乾燥しやすくなるので、やはり冷暖房の風が当たる所に飾る(置く)のはおすすめしません。
加えて、直射日光が当たる所も、アレンジメントは置かない方が良いでしょう。
植物は太陽の光が好きなイメージがありますが、アレンジメントに使われている切り花はエアコンの風と同様に、花や葉を乾燥させてしまうので、注意が必要です。
なるべく涼しいところで、なおかつ日光・冷暖房が直接当たらないようなところに置くのがベストです。
お花屋さんに行くと、大きな冷蔵庫の中に花が入っているところを見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このように、花は涼しいところで管理してあげた方が長く、きれいな状態を保つことができるのです。
自宅の中なら、比較的に涼しい玄関などにアレンジメントを飾ることがおすすめです。
◆咲き終わった花があったら
咲き終わった花を見つけたときは、なるべく早く吸水性スポンジから抜きとるようにしましょう。
萎れた花をそのままにしているとそこから菌が繁殖し、まだきれいに咲いている他のお花に影響してしまうこともあります。
また見栄えも悪くなってしまうので、見つけたときに抜き取るように心がけるといいかもしれません。
咲ききったお花を抜き取った際、アレンジメントの一部が空いてしまうことがあります。
大きな花だった時や、メインで活けられていた時は花がないことが目立ってしまうかもしれません。
その際には、他のお花を挿し直して、きれいな見た目にすることがおすすめ。
スポンジから花は簡単に抜くことができるので、もし差し替えてイメージと違えば、やり直すことができます。
お早なさんが活けた花を変えるのは、少し勇気がいるかもしれませんが、思っているよりも数本なら簡単に移動させることができるので試してみてくださいね。
◆アレンジメントの処分方法
どれだけお手入れしても、花はいつかは枯れてしまいます。
悲しいことですが、花も生きているので仕方のないことです。
そうなると困ってしまうのが、処分の方法。
特に吸水性スポンジは、馴染みのない方もいらっしゃると思います。
吸水性スポンジを捨てる際は、水を乾燥させて、小さな塊にカットするよようにするといいと思います。
カットする際は、手でちぎるようにしてもいいですが、糸や下敷きなどを使っても簡単にカットすることができます。
糸できる際は、吸水性スポンジの下に糸を通し吸水性スポンジの側面を1周するようにします。
しそて、吸水性スポンジの中心で糸のはじとはじをクロスさせ、ゆっくりとそのまま左右に引っ張っていくと少ない力で着ることができますよ。
水を含んだままゴミに出してしまうと、袋も重たくなってしまうので、乾燥させて軽くするとゴミ捨てをするのが楽になると思います。
また、「乾燥するまで待てない」という場合はぎゅっと吸水性スポンジを潰すようにして水を絞ってしまうのもいいかもしれません。
吸水性スポンジは、潰すと思っているよりもコンパクトなサイズにすることができますよ。
胡蝶蘭のお手入れ ~お花*あれこれ事典~
贈りものとして人気の胡蝶蘭。蝶が舞うような美しい形の花は、一目見れば思わずため息がこぼれてしまいそうですよね。その分、花が終わってしまうと残念な気持ちになりますが、胡蝶蘭は上手に管理すると、次の年にも花を咲かせます。
今回の花だよりでは、胡蝶蘭の管理の仕方についてお伝えします。
■水やり
胡蝶蘭は地面に根を広げるのではなく、樹木の幹に根を張りつかせる着生ランというランの仲間になります。水分を保ちやすい土とは違い、雨が降った時以外は常に乾燥している幹の表面に根を広げているため、水のあげすぎはすぐに根が腐ってしまいます。
水やりは数日から10日に1回、鉢の中の土や水ゴケが完全に乾燥してから行うようにします。このとき、たっぷりと水を流すことで、鉢の中の空気の入れ替えを行うことができます。一度にたっぷりと与え、受け皿にたまった水は捨てましょう。
可能であれば、汲み置きして室温と同じくらいの温度になった水を与えるようにすると、胡蝶蘭に優しいですね。
根は乾燥気味の方が安心できますが、空気中の湿度は高めであると胡蝶蘭は元気になります。胡蝶蘭の大きな葉のまわりに、朝と夜の2回、霧吹きをつかって水をかけてあげましょう。
■設置場所
暖かい場所が好きな胡蝶蘭ですが、直射日光は苦手です。特に夏の日差しは大敵で、カーテンごしの光でも葉焼けしてしまうことがあります。明るい部屋であれば十分育つため、窓から少し離れた場所に置きましょう。
15℃を下回ると生育が止まり、12℃を下回ると株が弱り始めます。胡蝶蘭を置く場所は、極力15℃を下回らないようにしましょう。
ただし、胡蝶蘭は最低気温18℃以下の期間が1か月ほど続くことで、新しい花をつけます。少し管理が難しいですが、秋の間は15~18℃くらいの環境で育てるといいでしょう。
また、冷暖房の乾燥した風が直接当たる場所は好ましくありません。冬の寒さを避けるためには暖房の有効活用が必要ですが、風が当たる場所を避け、しっかりと加湿を行うようにします。
■胡蝶蘭を育ててみましょう
胡蝶蘭の管理って難しそう、と思った方は、胡蝶蘭がもともと育っていた環境が、熱帯雨林の中であることを覚えておきましょう。気温と湿度が高く、うっそうと生い茂った樹木に日光が遮られた薄暗い環境を思い浮かべれば、胡蝶蘭が元気に育つ環境がなんとなく分かりますよね。
育て方のコツを覚えたら、胡蝶蘭を贈るときにコツもお相手様へと伝えてみましょう。綺麗な胡蝶蘭が長続きする方法を知れば、きっと胡蝶蘭をもらった喜びも倍増です。
もちろん、もらった胡蝶蘭の管理にも役立ててください。大切に育てた胡蝶蘭が新しい花を咲かせたことを伝えれば、贈った方への感謝の気持ちが伝わるはずです。
身近に花を楽しむ飾り方 ~お花*あれこれ事典~
花を自宅に飾る習慣はありますか、という質問を受けたとき、「飾り方が難しそうだから飾らない」あるいは「花瓶がないから飾らない」と答える方は少なくありません。確かに、センスよく花を飾ることってハードルが高く感じられますよね。
今回の花だよりでは、身近に花を楽しむための飾り方を紹介します。
■食器に花を飾る
花瓶を持っているなら、もちろん花瓶に飾ればオーケー。ですが、サプライズプレゼントなどでお花をもらった場合、ちょうどいい花瓶が手持ちにない、ということもしばしば。
そういう時は、お皿やグラスなどの食器が便利。普段から使っているような食器であれば場所もとらず、より自然と生活の中に溶け込みます。また、花も生き物ですから、キレイに洗った食器のような清潔な器を利用した方が傷みません。
透明なグラスなら中に石やビー玉などを入れて一段とオシャレに楽しむことができますし、マグカップやお茶碗などに飾れば食卓などにぴったりな可愛い飾りに早変わりします。
大きな花束をもらった場合でも、大きな花瓶を用意してそこにまとめて飾る、なんて必要はありません。いくつかの束にわけて、または一輪ずつにわけて、部屋のあちこちに飾ってみてください。花に囲まれた部屋は、普段と違う表情を見せてくれるはずです。
■花を飾るポイント
・一輪の場合
一本だから器にそのまま挿せば終わり…とはいきません。バランスが悪く見栄えがよくなかったり、花が倒れてしまう場合もあります。ですが、基本さえ押さえればどなたでも気軽に楽しめます。
ポイントは器の高さと、器からのびた花の長さが1:1になるように茎を切ることです。背の低い器は茎を短く、背の高い器は茎を長くしましょう。
お茶碗やカップなどの口の広い容器を利用する場合や、茎に対して花が大きく倒れてしまうときは、器の底に茎の先端がつく程度にまで茎を切り落とし、花を器のフチにひっかけるようにして飾ります。見栄えもよく、倒れてしまうおそれもありません。
・複数の花の場合
複数の花を飾る場合は、口の広い器をつかうほうが簡単です。まずは花が器のフチにひっかかり、茎の先端が器の反対側に届く程度の長さに茎を切ります。
器に飾る順番は葉ものやカスミソウなどの小さな花が一番最初。その上にメインとなる花をそっと乗せ、更に他の花を重ねます。このとき、茎の先端が一点に集まるように意識して置くと安定します。
慣れてきたら見栄えや色合いを意識して、いろんな器に飾ってみてくださいね。
■お手本と花瓶のセット グラスブーケ
食器に飾ってみるのも可愛らしくて素敵だけど、やっぱり花瓶がほしい…という方には、グラスブーケをおすすめします。花のプロであるお花屋さんが作ったブーケを、花瓶に入れてお届けします。
まずは綺麗なブーケを楽しむと同時に、お手本としてお花のまとめ方やバランスのとり方などをよく観察してみてください。お花が枯れてしまったあとは、空いた花瓶に自分でお花を飾ってみましょう。
花を飾るのに十分慣れたあとは、買ってきた花束を自分なりにアレンジして、ホームパーティの飾りやプレゼントを作ってみてもいいですね。
花のある生活は彩りに溢れ、気分も晴れやかになります。花を飾るのって難しそう、と思っていた方も、まずはグラスブーケや身近な食器をつかって、花を飾ることを楽しんでくださいね。
お花を長く楽しむためのコツ ~お花*あれこれ事典~
お花をもらうと嬉しいけれど、すぐ枯れてしまってもったいない…とお花をもらったことがある方なら一度は思ったことがあるのではないでしょうか。お花は好きなんだけど、すぐ枯れてしまうから買わない、という方も少なくないと思います。
ちょっとした工夫で、ただ花瓶に入れているだけよりも長い間お花を楽しむことができます。
今回の花だよりでは、ブーケや切り花を少しでも長くお花を楽しむためのポイントをお伝えします。
■お花を飾る前のポイント
・ラッピングは外す
ブーケをもらった場合は、思い切ってラッピングを外します。通気が悪くなったり、水をうまく吸い上げられない原因となるからです。もったいない、と思ってもお花を長く楽しむためには外してくださいね。
・花の根元を切る
まずは花を花瓶に入れる前に花の根元を0.5~1cmほど切りましょう。こうすることで、根元に詰まった汚れやお花自身の生成物を取り除き、水の吸い上げがよくなります。飾り始めてからも根元には雑菌などが詰まりやすいので、水を取り換えるときにおこなうようにします。
・葉は2,3枚残して取る
切り花は根がないために水を吸い上げる力が弱く、葉がついていると葉から水が逃げてしまいしおれやすくなります。葉が水に浸かっていると水が汚れる原因ともなりますので、上の方の葉を2,3枚残してなるべく取りましょう。全部取ってしまうと光合成ができなくなってしまうので気を付けて。
・延命剤を使う
延命剤や栄養剤といわれる薬には殺菌効果と花の栄養が含まれているため、使うと日保ちに大きな差が出ます。花屋さんなどで買うことができますので、なるべく使った方がいいでしょう。多く入れすぎたり少なすぎたりすると意味がないので、用量は守りましょうね。
■お花を飾ってからのポイント
・水はこまめに変える
水が濁っている場合はすでに腐っている証拠。なるべく水が濁る前に交換します。夏はできれば毎日、それ以外の季節は3~5日に1度は交換するようにしてください。その際には花瓶の内側もスポンジなどで綺麗に洗いましょう。
延命剤には殺菌作用があるため、使っている場合は頻繁に水を変える必要がなくなりますが、やはり水が濁ったら取り換えるようにしましょう。
・冷暖房の風を直接あてない
人間だけでなく、お花も冷暖房のような人工的な一定の風に当たり続けると弱ってしまいます。冷暖房の風が直接当たる場所は避け、穏やかな環境のところに置いてあげると長持ちします。
・枯れた花や葉は取る
枯れた花や葉が同じ花瓶の中にあると、見栄えが悪くなるだけでなく雑菌が繁殖し花を傷める原因にもなります。枯れているのに気付いたら早めに取ってしまいましょう。
以上、お花を長持ちさせるためのポイントでした。ちょっとしたコツは必要ですが、花を長持ちさせることは決して難しいことではありません。
大切なことは花を大事にしようという気持ち。花だよりを読んでくださっている皆様なら、花を大事にしようという気持ちは十分だと思います。
今回お伝えしたポイントを実践して、綺麗な花を少しでも長く楽しんでくださいね。
観葉植物のお手入れ入門 その3 植え替え ~お花*あれこれ事典~
観葉植物のお手入れ入門もいよいよ3回目となりました。今回お伝えするのは、頻繁におこなうわけではありませんがとても大事な「観葉植物の植え替え」についてです。
観葉植物にとってベストな置き場所を見つけ、時間をかけて正しい水やりの仕方を身につけたのに、根づまりに気づかず枯れてしまった…なんてことにならないためにもぜひとも覚えて実践してみてくださいね。
>観葉植物のお手入れ入門①はこちらから
>観葉植物のお手入れ入門②はこちらから
■なぜ植え替えが必要なの? 植え替えの基本
観葉植物が大きくなってきたら植え替えが必要となってきます。ずっと同じ鉢で育てていると、根が鉢の中でつまり観葉植物の生育が悪くなる、土の中の養分が消費しつくされてしまうなど、問題が多々あるからです。どんなに期間をあけても2年に1回ほどはおこなうようにしてください。
ただし、土から腐臭がしたり、鉢から根が何本も飛び出したり、根ぐされを起こしているときはできる限り早めに植え替えます。そのまま置いておくと観葉植物が枯れてしまうことも少なくありません。
植え替えをする時期は1年のうちでもっとも観葉植物が元気な5~6月ごろが最適です。真夏は熱帯原産の観葉植物といえども暑さで弱りがちなので避けたほうが無難です。また、真冬の植え替えは致命的なストレスになりかねないので厳禁です。秋のうちから観葉植物は冬を越す準備をはじめるので、遅くとも9月が限度となります。
■植え替えの実践
まずは観葉植物を鉢から引き抜きます。観葉植物が大きくなりすぎ、根がつまっているときはなかなか抜けませんので、足で鉢の側面を蹴って隙間をつくりながら抜きます。どうしても無理であれば鉢をハンマーなどで叩き割る方法もあります。
鉢から観葉植物が抜けたら古い土を根からふるい落とします。だいたい3分の1ほど落とせばじゅうぶんです。きれいに落とそうと頑張りすぎたあまり根を傷つけてしまった、ということがないように気をつけましょう。
1回り大きな鉢の底に、水はけをよくするためと土が流れ出ないために石を敷き詰めます。更にその上から新しい土を半分ほど入れ、その上に観葉植物を植えかえます。新しい土は観葉植物用のものがホームセンターなどで販売されているので、それを使えば問題ありません。
植え替え後は観葉植物も根にダメージを負っているため、2週間ほどは肥料をやらず、水やりも控えめにしましょう。直射日光や風があたらない穏やかな環境で観葉植物を休ませてあげると◎です。
■おすすめ観葉植物③ オーガスタ

今回おすすめする観葉植物はオーガスタです。非常に寒さにつよく、5℃程度なら越冬できます。室内で育てるなら気温はまず問題ないでしょう。
根がよく成長する観葉植物なので、植え替えは鉢から根が出ていたら必ずおこないます。そのまま置いておくと、枯れるどころか鉢を壊してしまうこともあります。
観葉植物のお手入れ入門は今回が3回目となります。すでに何度かお伝えしているとおり、観葉植物の種類によってはことなるお手入れ方法が必要となります。
まずは花だよりでも紹介した手軽に育てることのできる観葉植物からチャレンジし、慣れてきたら様々な観葉植物を育ててみてください。
お部屋を緑でいろどり、素敵な毎日をおくってくださいね。
観葉植物のお手入れ入門 その2 水やり ~お花*あれこれ事典~
観葉植物のお手入れ入門、2回目のポイントは「正しい水やりのしかた」についてです。
「え、水やりに正しいなんてあるの?毎日欠かさずやれば大丈夫でしょ」なんて思っている方は大間違い。水やり3年という言葉があるくらいとても難しいものなんですよ。
観葉植物と末長く付き合っていくためにも、正しい水やりの基礎を学んでいってくださいね。
>観葉植物のお手入れ入門①はこちらから
>観葉植物のお手入れ入門③はこちらから
■水やりは土が乾いてから
間違った水やりの方法は観葉植物を枯らしてしまう最も多い原因といわれています。枯れてしまうのをおそれ1日に何回も観葉植物に水をあげる人がいますが、これはNG。わたしたちが喉がかわいていない時に水をむりやり飲むと苦しくなるのと一緒です。
観葉植物に水をあげる時のポイントとして、タイミングは土がかわいてからがいいでしょう。土の中に第一関節のあたりまで指を入れてみて、水気を感じられるようであればあげなくても大丈夫です。特に冬場はあまり水を与えすぎると観葉植物は寒さに対して弱くなってしまうので、土がかわいて2~3日置いてから水を与える程度でもOKです。
水をあたえる時は、観葉植物の鉢の底から水が出てくるまでたっぷりとあたえるようにしてください。土の中の隙間を水が流れると空気の入れ替えをすることができ、観葉植物の根が元気になります。なお、鉢皿にたまった水は根ぐされの原因となってしまうためきちんと捨てましょう。
水やりは基本的に日中を避け、朝におこなうようにします。特に夏は日光で水が温められ、観葉植物の根が煮えてしまうおそれがあります。観葉植物の葉がしおれているなど見るからに元気がない場合を除き、土が乾いていても夕方まで待ちましょう。
■もう1つの水やりの方法・葉水
植物は根だけでなく葉からも水を吸収することができるので、ときおり観葉植物の葉に霧吹きで水をかけ湿らせてあげます。これを葉水(はみず)といい、観葉植物を育てるときにとても役立つテクニックのひとつです。
葉水の効果は乾燥によるしおれを防ぐだけでなく、観葉植物にとって大敵であるハダニやうどんこ病などの病害虫の予防にもなります。また、ホコリなどの汚れを落とすことで観葉植物にとって大事な見栄えもよくなります。
サボテンなど本来乾燥している地域が原産の観葉植物ならあまり必要はありませんが、その他の観葉植物では葉水をおこなうことが必須です。室内の湿度が60度を下回っている場合や、観葉植物を戸外で育てている場合は積極的におこないましょう。
先述のとおり冬場は水やりの頻度を少なくした方が観葉植物は寒さに対して強くなりますが、空気が乾燥しがちな季節なので1日に1回程度は葉水をおこなってください。
なお、葉水の一番の目的は観葉植物の周囲の湿度をあげることにあるので、葉の上に水滴ができるほど水をかける必要はありません。
観葉植物の水やりの基本は以上になります。冒頭でもお伝えしたとおり、水やり3年と呼ばれるほど水やりは非常に難しいものです。まずは基本をしっかりと身につけたうえで、観葉植物の種類や状況に応じた水やりの仕方を実践してみてください。
■おすすめ観葉植物② モンステラ
今回おすすめする観葉植物はモンステラです。不規則な切れ目が入る独特な葉が人気の観葉植物ですね。日陰を好むので、室内でそだてるには最適の観葉植物です。また耐寒性も高いので水やりに気をつければ冬を越すのは難しくありません。
基本どおり春から秋にかけては水をたっぷりとあげ、冬は土を乾燥気味にしましょう。高い湿度を好む観葉植物なので、こまめな葉水も忘れずに。
次回は数年に1度の大仕事、「観葉植物の植え替え」についてお伝えします。
観葉植物のお手入れ入門 その1 設置場所 ~お花*あれこれ事典~
部屋の中に緑を取り入れるために観葉植物を育ててみたのはいいけれど、育て方が分からずすぐ枯らしてしまう…なんて経験をした方は意外と多いのではないでしょうか。中には「もう観葉植物なんて育てない」とさじを投げてしまった方もいるかもしれません。でも、実はちょっとしたポイントさえ押さえれば観葉植物を育てることはさほど難しくありません。
今回からは観葉植物のお手入れ入門として、全部で3回にわたってポイントをお伝えします。1回目のポイントは「観葉植物を設置する場所について」です。観葉植物が枯れた時は不幸を吸ってくれた時なんてウワサもありますが、育て方のコツさえ覚えれば観葉植物もあなたも末長く幸せになれますよ。
>観葉植物のお手入れ入門②はこちらから
>観葉植物のお手入れ入門③はこちらから
■できるだけ明るいところに置く
観葉植物を置く場所はできるだけ明るいところにしましょう。観葉植物の種類によって日ざしを好むもの、日陰を好むものがありますが、成長には光が不可欠ということはどの観葉植物にも変わりがありません。南向きの窓ぎわなどが好ましいですね。
ただし、日当たりがいいところを好む観葉植物でも、真夏の強い日差しでは葉焼けしてしまうおそれがあります。また、購入したばかりの観葉植物は直射日光に慣れていないことも多いです。室内でも、レースのカーテンごしの光をあてて育てる程度がちょうどいいでしょう。
観葉植物を戸外で育てる場合は、夏の間は遮光ネットをかけるのも1つの手です。遮光率30~50%程度のものを使うだけで観葉植物の葉焼けを防ぐことができます。
葉や新芽は光があるほうへ伸びようとするので、窓際に置いていると片側だけが成長してしまい不格好になってしまいます。時々鉢を回してまんべんなく光をあてるようにすると観葉植物はきれいな形に成長します。
■風通しのいいところに置く
空気の流れがわるいと病気がおこりやすいので、観葉植物を風通しのいいところに置いてあげるのもポイントの1つです。ですが、冷暖房の風のような人工的な風が観葉植物にあたるところは避けたほうが無難です。
特に観葉植物は熱帯原産のものが多いので、寒い時期は観葉植物のために暖房の風を直接あてて暖める…ということをする方もいると思いますが、これは厳禁。葉が乾燥で弱ってしまいます。葉が常に揺れ動いているような場所に置くのは避けてください。
観葉植物が元気に育ちすぎ、見事に生い茂った葉のせいで風通しが悪くなってしまうということもあります。観葉植物がもっとも勢いよく育つ5~7月の間に、剪定(余分な葉や枝を切り落とすこと)してあげるといいでしょう。
■頻繁に動かさない
観葉植物にかぎらず、植物とは本来根を張った場所からは動かないもの。頻繁に置く場所を変えると環境変化によるストレスで弱ってしまいます。ちょうどいい場所がきまったらなるべくそこから観葉植物を動かさないようにしましょう。
とはいえ、戸外で観葉植物を育てている場合は話は別。冬の間は戸外に置いたままだと寒さで枯れてしまいます。耐寒性の高い観葉植物も中にはありますが、寒くなる前に、具体的には気温が15℃を下回らないうちに室内に入れてあげます。
すでにお伝えしたとおり、室内では観葉植物を日当たりがよく風通しもいいところに置いてあげてくださいね。
■おすすめ観葉植物① パキラ
いかがでしたでしょうか。観葉植物も生き物、置く場所1つで元気になることもあれば枯れてしまうこともあります。特に大きな観葉植物は、購入する前に置き場所をつくっておいたほうがスムーズに観葉植物をむかえることができるでしょう。
最後になりましたが、今回おすすめする観葉植物はパキラです。丈夫な観葉植物であるパキラは、観葉植物にはじめてふれる方でも安心して育てることができます。耐寒性も比較的高いので、あまり細かいことを気にせず日当たりのいい窓辺に置いてあげれば元気にすくすくと成長するでしょう。葉が過度に生い茂ってしまいがちなので、剪定は忘れずに。
次回は意外と知らない、「正しい水やりのしかた」についてお伝えします。ご期待ください。