お彼岸

菊(キク)の花言葉とお手入れ方法、お祝い・お供えで贈るときのマナー

菊の花
お供えの花のイメージが強い方も多い、菊(キク)。
しかし実は菊はお供えだけではなく、お祝いでもよく贈られる花なのです。
今回は菊の魅力や花言葉、長持ち方法などをご紹介します。

菊の基本情報

菊(マム)
まずは菊がどんな花なのかをご紹介します。

  • 学名:Chrysanthemum
  • 科・属:キク科・キク属
  • 原産地:中国
  • 開花時期:9月~11月・主に秋
  • お花屋さんで買えるタイミング:1年中・特に10月は品種が多くなる
  • 花の色:白・黄色・赤・ピンク・オレンジ・紫・グリーンなど
  • 花持ち:良い

菊は中国が原産で、カラーバリエーションが多い花の1つです。
イメージの強い白以外にもピンクや赤、グリーンなど花色の種類が豊富。
またカラーだけではなく和菊や洋菊など、咲き方も種類が多く、さまざまな品種から選べるのも菊の嬉しいポイントです。
咲き方・花のサイズ・花の色などのバリエーションが豊富で、たくさんの品種の中から気に入った菊を贈ることができます。
品種によって見た目が異なるので「これも菊なの⁈」と思うことも。
お花屋さんに立ち寄るときは、どんな菊があるのか注目してみてください。

加えて秋に開花する菊ですが、お花屋さんでは1年を通して販売されており、目にすることも多いのでは。
菊は誕生日のプレゼントやお墓参りなど、幅広い種類で活用されています。
そのため、お花屋さんの中では他の花よりも多く入荷しているところもあるのだそう。
もしかするとほかの花よりも、目に触れる機会が多いかもしれませんね。

菊(キク)の別名は?

マム(菊)
お花屋さんで「菊かと思ったけど、マムという名前で売られていた」という経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、マムは菊の別名です。
菊は大きく2種類に分けられています。

  • 和菊:日本で開発された菊
  • 洋菊:欧米で改良されて日本へ伝わった菊

この、欧米で改良され日本に伝わった洋菊のことを、一般的に「マム」と呼んでいます
これは、菊の学名である「Chrysanthemum(クリサンセマム)」が略されて「マム」になったとされたとされています。
比較的有名なピンポンマムやポンポンマム、スプレーマムなどは聞いたことがある方も多いのでは。
お花屋さんで「マム」という名前があったときは、ぜひ注目してみてください。

ちなみに、オーストラリアなどの国では母の日にマムを贈るのだそうです。
その理由はお母さんを意味する「Mum(マム)」と菊の「Mum(マム)」が同じスペル・同じ音だから。
また母の日のある5月は、オーストラリアでは秋なので、季節の花を贈るという意味もあるといわれています。
日本では母の日にはカーネーションが王道のプレゼントとされていますが、母の日のプレゼントにマムを入れてみてもいいかもしれませんね。
カラフルなマムを束ねて、お母さん(Mum)への大好きな気持ちを表現してください。

11月6日はマムの日です。
マムの日に決まった理由は、語呂合わせから。

「11」→「いい」
「06」→「マム」

菊・マムを飾ってみたいという方は、マムの日など植物の記念日をきっかけにするのもおすすめです。


いいマムの日。お供えだけではない菊の良いところとは?

いいマムの日。お供えだけではない菊の良いところとは?


いいマムの日についてご紹介します。気になった方はマムを贈ってみよう!

菊はいつから日本に渡った?不老長寿の花とされていた?

和菊
「菊」と聞いて、どんな花なのかがイメージできる方が多いのではないでしょうか。
花姿がイメージできるくらい、菊は日本で親しまれている花なのです。

そんな菊の歴史は古く、奈良時代には菊は日本に伝わっていたとされています。
ただ、当時の菊は現在のように、多くの人が手軽に手に取れる花ではありませんでした。
貴重な花の1つとされ、菊は観賞用としてだけではなく、薬用としても育てられていたのだそうです。

菊が文献に登場するのは、平安時代に作られた「古今和歌集」です。
紀友則は古今和歌集の中で、「露ながら折りてかざさむ菊の花老いせぬ秋の久しかるべく」と歌っています。
歌の意味は「露を置いたままの菊の花を折って頭に飾りとして挿そう。老いることのない秋がいつまでも長く続くように。」で「老いることなく若くいられるように、露が付いたとしても菊の花を髪に飾ろうと思う」という歌です。
この歌からもわかるように、菊は不老長寿の花とされていたのだそう。

不老長寿の花と考えられていたことと、菊の美しさが貴族の中で広まり、旧暦9月9日は菊の節句(重陽の節句)とよばれるようになりました。
旧暦9月9日は現在の10月頃ですが、今も9月9日は菊の節句(重陽の節句)とされ、3月3日の桃の節句(上巳の節句)や5月5日の菖蒲の節句(端午の節句)と同じように行事として残っています。

江戸時代に入ると、貴族だけではなく庶民にも人気が広がっていきました。
江戸時代は園芸ブームがあり、その前からされていましたが菊の品種改良がさらに加速していったのだそうです。
そのため江戸時代に菊の品種が特に多くなったとされています。

菊(キク)の色別花言葉

鮮やかな花手水(菊手水)

菊は、色ごとにそれぞれ花言葉があります。
いつもは素直に伝えられない気持ちや、プレゼントする相手のイメージを花言葉に託して、贈ってみませんか。

  • 菊全体の花言葉:高貴・高尚・高潔
  • 赤い菊の花言葉:あなたを愛する
  • 白い菊の花言葉:誠実な心・慕う
  • ピンクの菊の花言葉:甘い夢
  • 黄色の菊の花言葉:長寿と幸福・わずかな愛
  • 紫の菊の花言葉:夢が叶う・私を信頼してください
  • オレンジの菊の花言葉:長寿・幸福

菊全体の花言葉は「高貴」などプレゼントにもぴったりな花言葉を持っています。
かわいらしすぎず、ロマンチック過ぎないので、目上の方への贈り物にもよさそうです。

また色別にみていると、赤い菊は「あなたを愛する」などの花言葉が付いています。
告白やプロポーズに赤いバラを贈るイメージがありますが、花言葉で見ると赤い菊もよさそうですね。
和風なデザインでまとめたいときは、ワンポイントとして赤い菊を使うのもいいでしょう。

また、黄色の菊は「長寿と幸福」という花言葉があります。
誕生日などのお祝いはもちろん、黄色の菊はお正月に飾るフラワーアレンジメントにもよく活用されています。
1年の始まりに「長寿と幸福」という花言葉を持った黄色の菊はぴったりですね。
しかし黄色の菊は良い花言葉がある一方、「わずかな愛」というネガティブな花言葉も持っています。
お祝いでプレゼントするときや、お供えの花束で加えるときに「わずかな愛」という花言葉が気になるという方もいらっしゃるのでは。
その際は、伝えたいポジティブな「長寿と幸福」という花言葉を伝えるようにしましょう。
伝えたい花言葉をメッセージカードに書いたり、渡すときに直接伝えたりするのもいいですね。
また花言葉で選んでいないときは、黄色の菊を選んだ理由を贈る相手に伝えるようにしましょう。
そうすれば、誤解されることなく花を贈ることができます。

菊の花言葉の由来

秋らしい菊のデザイン
ここからは、菊の花言葉の由来についてご紹介します。
菊の「高貴」・「高尚」・「高潔」の花言葉は菊の花の気品あふれる見た目からつけられたといわれています。
また天皇家の紋に、菊がデザインされていることが由来とも考えられています。
後鳥羽上皇が特に菊の花を好んでいたことが、皇室の紋章になるきっかけだったとされています。
これは鎌倉時代のことです。
パスポート
ちなみにパスポートに描かれている紋は「十六菊(じゅうろくぎく)」といいます。パスポートにも、菊の花がデザインに使われているのですね。

菊(キク)のお手入れ・長持ちさせる方法

花瓶に飾られた菊の花束
菊(キク)をもらったときに、気になるのが長持ちさせる方法・お手入れ方法ではないでしょうか。
もともと菊は長持ちする花の1つですが、お手入れをすればもっと長く観賞することができます。
プレゼントでもらったときや、哀悼の意を込めて贈ってもらった花なら、なるべく長持ちさせたいですよね。

そこで、ここでは菊の長持ち方法をご紹介します。

低い位置に付いている葉は取り除く

菊の花束
花瓶に菊を飾る時は、茎の下の方に付いている葉を取り除くのがおすすめです。
花瓶に生ける前に、葉をチェックするようにしましょう。

葉が水に浸かっていると、そこから花瓶の水が汚れていってしまいます
水に浸かりそうな茎の下の部分についている葉はあらかじめ取り除き、なるべく花瓶の水をきれいに保てるように工夫しましょう。

花瓶の水を1日1回取り換える

少し手間ですが、1日1回花瓶の水を取り換えることで、花持ちがぐんと良くなります。
菊の花が吸い上げる水を清潔に保つ方が、長くきれいな状態を保つことができるのです。

水を換えるタイミングで花瓶を洗う

花瓶の水を取り換えるタイミングで、花瓶の中を洗うようにしましょう。
水で洗い流すだけではなく、食器用洗剤で花瓶を洗うことがおすすめ

水を毎日取り替えていても、花瓶の中がきれいでないと水が汚れてしまいます。
花を長く飾っていると、思っているよりも花瓶の内側がヌルヌルしていることもあります。
菊が吸い上げる水を清潔に保つために、花瓶の中も洗ってみてください。

2日に1日程度、切り戻しをする

スプレーマム
水換えを行うタイミングで、切り戻しをするとより長くきれいな菊を楽しむことができます。
切り戻しとは、花が水を吸いやすくするために茎の根元から2~3cmのところでカットする花持ちをよくする方法です。

通常、切り戻しはハサミやカッターなどで茎をカットしますが、菊はハサミなどを使わずに手で折った方が水を吸い上げやすくなるといわれています。
ポキッと、茎を手で折ればOKです。
スパッときれいな切り口ではなく、茎から繊維が出ているような折り方にするのがポイント

菊の切り戻しをハサミで行わない理由は、ハサミでカットするとほかの花に比べて菊の茎の断面が潰れやすいためです。
また、茎から繊維が出ている方が水を吸い上げやすいとされています。

ただ茎が細い時や柔らかい場合は、手で折ることは難しいかと思います。
手で折れない時は、ハサミやカッターなどで茎をカットして切り戻しを行ってください。
「手で折れないから」といって切り戻しを行わないよりは、ハサミなどを使い切り戻しを行った方が花持ちが良くなります。

ちなみに 2日に1回と書きましたが、茎に長さがあるときは1日1回、茎が短いときはできるときに、など菊の長さに合わせて頻繁に切り戻しを行ってください
茎の切り口が新しくなることによって、水を吸い上げやすくすることができます
十分に水を吸い上げられることによって、花までたっぷりの水が行き渡るため、花持ちが良くなります。

弱った葉や花・変色した花びら・葉は取り除く

ピンクの菊
葉の色が変色したり、しなしなと弱っている葉がある時は気がついた時に取り除くようにしましょう。
もらった時は全て元気な葉だったとしても、飾っているうちに葉が弱ることがあります。
水換えを行うタイミングで、葉や花の様子を確認するようにしましょう。

特に菊の花びらの裏側は、傷んでいても気付かないことがあります。
花を花瓶から取り出す際に、花びらの裏側もチェックできるといいですね。

菊はお祝いに贈ってもいい?

「菊」と聞くと「お供えで贈るイメージが強い」という方もいらっしゃるかと思います。
しかし、実は菊の花はさまざまなお祝いで贈られているのです。
ここでは、菊の花をぜひプレゼントしたいお祝いをご紹介したいと思います。

お正月

菊を使ったお正月の花
菊の花はお正月に飾る花束やフラワーアレンジメントで、よく選ばれています。
菊は昔から神聖な花とされており、邪気を払う力を持つと考えられていました。
そのため、新しい年を迎えるお正月には、縁起物として菊の花を飾ることが多いのです。

新年の挨拶をしに親戚の家に行くという方は手土産として、また年始の挨拶として菊の花を使った花ギフトを持っていくのもいいでしょう。

菊と一緒に松や千両を使った、お正月らしいデザインの花をプレゼントしてみてください。
もちろん自宅に、菊を使った花束やフラワーアレンジメントを飾るのもお正月にぴったり。
お正月は菊を含めた植物を飾り、華やかにスタートしたいですね。

敬老の日

敬老の日の花束
秋に旬を迎える菊は、9月第3月曜日にある敬老の日のプレゼントにもぴったり。
オレンジや赤など、秋らしい色合いの菊を使えば秋を感じられるデザインにすることもできるでしょう。

そして菊の花は長寿を願う花と知られており、おじいちゃん・おばあちゃんへの贈り物にも人気があります。
「いつまでも元気でいてね」や「長生きしてね」という思いを込めて、花束やフラワーアレンジメントに菊の花を加えてプレゼントしましょう。
十五夜の菊デザイン
また、丸い花姿が可愛らしいピンポンマムを使うことで、満月を表現することができます。
お月見を行う十五夜は、年によって日付が変わりますが、敬老の日に近いこともあります。
年によっては敬老の日当日や、前日が十五夜になることも。
十五夜が近い時には、菊で満月を表現したデザインの花ギフトを敬老の日にプレゼントするのも喜ばれそうです。

七五三

七五三の髪飾り
子供の健やかな成長を祝い、祈願する七五三。
一般的に七五三のお参りは11月15日に行われることが多く、男の子は3歳と5歳(5歳だけの時もある)、女の子は3歳と7歳にお祝いをします。

菊の花は邪気を払う力を持つと考えられているため、子供のこれからの健やかな成長を願い、七五三のお祝いには菊を使った花束やフラワーアレンジメントをプレゼントすることがおすすめ。

「菊の花」と聞くと、大人っぽいイメージがあるという方も多いかもしれません。
しかし菊は種類が豊富で、小さな花がかわいらしいスプレーマムや、丸くてボールのような形のポンポン菊・ピンポンマムなどもあります。
花色も豊富でピンクや赤などだけでなく、花びらの中でグラデーションになっている菊もあるため、子供が喜びそうなデザインに菊を加えることもできます。

また七五三には、着物を着て撮影するという予定がある方もいらっしゃるのでは。
着物を着た撮影があるという方は、菊を使った和風なデザインの花束を用意するのがおすすめです。
千歳飴と花束を持った、かわいいお子さんを撮影することができます。

そして菊の花を髪飾りとして使うのもいいでしょう。
美しい菊の花が、晴れの日をより華やかに彩ります。
菊は成人式の髪飾りなどにも、よく使われています。

結婚祝い・ウェディングブーケ

ボールブーケ
品があり華やかな菊は、結婚祝いにもおすすめです。
和風なイメージが強い菊の花ですが、実は洋風な花とも相性が抜群
品格があり縁起も良い菊は、大切な結婚祝いにもぴったりなのです。
菊とバラ、菊とカラーなどの組み合わせも素敵で、さまざまな花と合わせられるのも菊の強みです。

結婚式が和装の方は、ブーケに菊の花を使うことも多いです。
白い菊は上品で美しく、さまざまな品種を使いながら菊だけでブーケを作ることもあるのだそう。
ちなみに上の写真は、菊で作られたボールブーケです。
ボールブーケは、ウェディングブーケに使われるスタイルの1つ。
花束のようなスタイルではなく、名前の通りボールのように丸く立体的に花を生けていくスタイルです。

またウェディングフォトで、白無垢や色打掛を着るという方は、菊を使った花束と一緒に撮影することも多いようです。
菊は上品で、美しいポイントになりそうですね。

結婚記念日

赤い菊を使った花束

あらためて夫婦で感謝や愛を伝える結婚記念日には、菊の花を使ったゴージャスな花束やフラワーアレンジメントを贈るのもおすすめです。
妻や夫などパートナーに贈る愛の花というと「バラ」のイメージが強いですが、先にご紹介した通り、赤い菊には「あなたを愛する」という花言葉があります。
普段恥ずかしくて妻や夫に愛を伝えられていないという方は、花言葉に気持ちを込めるのも喜ばれそうです。結婚記念日にバラを贈ることが定番になっているという方や、雰囲気を普段と変えたいという方は菊の花をプレゼントしてみてください。
菊をメインにするのではなく、他の花を主役に菊を脇役として加えるのも魅力的。

菊は品種によってかわいらしさを抑えることもできるので、夫へのプレゼントとして贈るのもおすすめです。

お祝いの花として、菊を贈るときに合わせたい花

ここからは菊(キク)と合わせたい、花の種類を花言葉と一緒にご紹介します。
菊をお祝いで贈りたいと思った方は、参考にしてみてください。

スターチス

シネンシス系のスターチス
▲シネンシス系のスターチス

スターチスの花言葉:変わらぬ心・永久不変

かすみ草のように名わき役としてつかわれる、スターチス。
スターチスという名前は、正確にはイソマツ科リモニウム属の植物の総称です。
昔の属名がスターチスという名前でした。
小さめの穂状の花を付け、品種はとても多いです。
品種の系統は大きく2つに分かれていて、シヌアータ系とシネンシス系があります。

シヌアータ系のスターチス
▲シヌアータ系のスターチス
シヌアータ系は、花が集まって咲きます。
茎の先に集まって咲いた花の様子は、歯ブラシのように見えることも。
シネンシス系はハイブリッドスターチスとも呼ばれており、かすみ草のように細かく枝分かれをしてたくさんの小さな花を楽しませてくれます。

どちらも花持ちがよく夏場でも長持ちするため、花束やフラワーアレンジメントに1年を通して、よく使われています。

スターチスの花言葉である「変わらぬ心」・「永久不変」の由来は、スターチスの花姿が長い間変わらないことが由来といわれています。
スターチスは全体的に乾燥していて、花がしおれたりすることなく、知らぬ間にドライフラワーになっていることも。
花が色あせたり、しおれたりすることが少ないことがスターチスの特徴です。

バラ

バラ

  • バラの花言葉:愛・美
  • 赤いバラの花言葉:あなたを愛しています・情熱
  • ピンクのバラの花言葉:感謝・しとやか・上品
  • オレンジのバラの花言葉:絆・幸多かれ・信頼

花の女王と呼ばれている、バラ。
圧倒的な人気がある花の1つで、もらって嬉しくない人はいないかもしれません。
花の中でも有名で、カラーバリエーションが多く、さまざまなお祝いにもよく活用されています。
香りのいい品種も多く、バラを使った花束やフラワーアレンジメントを贈ることで、フローラルな香りも届けられそうです。

そんなバラと菊を合わせることで、豪華なお祝いのプレゼントにすることができます。
菊は和風・伝統的というイメージがある方も多いかと思います。
しかし菊は品種を選ぶことで、洋風なデザインにすることもできます。
特にバラと合わせるなら、花の中心が見えなくなるほどたくさんの花びらが重なりあって咲くデコラ咲きのマム(菊)がおすすめです。
バラと菊の花の咲き方の違いが、デザインの幅を広げます。

カラー

カラーの花

  • カラーの花言葉:華麗なる美・清浄・乙女のしとやかさ
  • 白いカラーの花言葉:清純・清浄
  • オレンジのカラーの花言葉:歓喜
  • 紫のカラーの花言葉:夢見る美しさ
  • 黄色のカラーの花言葉:壮大な美

カラーという花の由来は、ギリシア語で「美しい」という意味の「カロス」が語源とされています。
美しさがカラーの名前の由来になっているのですね。
ちなみに、花びらのように見える部分(仏炎苞)が、修道女の襟(カラー)のように見えたという説もあるようです。

ウェディングブーケに使われる洋風でスラッとした姿は、スタイリッシュな印象。
白いデコラ咲きのスプレーマムと、スッと書いた線のような白のカラーを合わせることで、シンプルでモダンなデザインにすることができます。
上品な雰囲気で、目上の方への贈り物としてもおすすめです。
またグリーンのスプレーマムと、白のカラーを合わせれば爽やかで夏の時期にもぴったり。
見ているだけで癒されるような、ナチュラルなデザインになりそう。
カラーも菊(マム)も女性だけでなく、男性からも人気があります。
男性へ花をプレゼントするときは、菊(マム)とカラーの組み合わせは候補にしてみてください。

トルコキキョウ

ピンクのトルコキキョウ

  • トルコキキョウの花言葉:優美・よい語らい・希望
  • ピンクのトルコキキョウの花言葉:優美
  • 紫のトルコキキョウの花言葉:希望
  • 白のトルコキキョウの花言葉:思いやり

トルコキキョウは、フリルのような花びらを重ねた八重咲きと、シンプルでカップのように見える一重咲きがあります。
特に八重咲きは柔らかな印象で、ふんわりとした雰囲気でお祝いの贈り物に選ばれることも多いです。

そんな華やかなトルコキキョウは開花した様子も魅力的ですが、つぼみも特徴的です。
つぼみは、きゅっとひねったような形をしています。
花束やフラワーアレンジメントにトルコキキョウのつぼみを加えることで、デザインのワンポイントになるでしょう。

筒状の花びらが隙間なく咲いているスパイダー咲きの菊(マム)と、八重咲きのトルコキキョウを合わせることで、おしゃれでダイナミックなデザインを作ることができます。
淡いピンクのトルコキキョウと、くすみ系の黄色・オレンジ色のマムを合わせると、落ち着きのある雰囲気に仕上げることも。
おしゃれで温かみもあるので、秋に贈るプレゼントにもおすすめです。

ちなみに秋らしさを演出した時に、菊と合わせたい花はこちらで紹介しています。
菊の旬は、秋
秋に大切な方の結婚記念日や誕生日がある方は、ぜひプレゼントしてみてください。


いいマムの日。お供えだけではない菊の良いところとは?

いいマムの日。お供えだけではない菊の良いところとは?


マムと一緒に合わせて贈りたい、秋・特に11月に旬を迎えるお花をご紹介。

お供えで菊を贈ることが多い?

菊はお祝いだけでなく、お供えでも贈られることもあります。
ここからはどんな時に菊(キク)が選ばれているのかをご紹介します。

葬儀・お葬式

菊を使った葬儀の祭壇
お葬式で見るスタンド花・祭壇に、よく菊が使われています。
お供えで使われる菊の色は、白やグリーンが多いです。
見たことがあるという方や、イメージがあるという方も多いのではないでしょうか。

葬儀・お葬式で菊が使われる理由は、菊が格式高い花であることや、花の香りがお香に似ているからとされています。
お供えする理由は諸説あり、ほかにも菊は長寿の花ともいわれているため、ご遺族の健康を願う意味があるなどもいわれています。

お墓・仏壇

お墓に供えた菊の花
お墓や仏壇でも、菊はよく供えられています。
故人が亡くなってから四十九日までは、菊などを含めた白い花でまとめてお供えをします。
一周忌など四十九日以降は、優しい色の花をお供えすることが一般的です。
お供えでは菊の中では和風な中菊などが、よくお供えされています。

お供えする理由はお葬式などでご紹介したように、菊が格式高い花であり、香りがお香に似ているからなどの理由があります。
また、菊は花持ちが良いことなどもお供えされることが多くなった理由といわれています。

お供えの花として菊を贈るときに合わせたい花

菊だけをまとめることもありますが、お供えの花束や枕花などには菊と他の花を合わせることも多いです。
ここからは四十九日法要やお墓参りなどで、菊と一緒にお供えされることの多い花の種類をご紹介します。

ユリ

ユリと菊の花束

ユリの花言葉:純潔・威厳・無垢

ユリは、よくお供えに選ばれています。
お祝いでも多く使われる花ですが、その凛とした花姿はお供えにも適しています。
特に白いユリは、お供えの花束やフラワーアレンジメントのメインとして使うことが多いです。
開花したユリの花は大きく堂々としていますが、つぼみも他の花に比べて大きく見栄えが良いです。
そのため咲いた姿だけではなく、つぼみも花束やフラワーアレンジメントのポイントとして生けられることも多いです。

またユリは他の花よりも花持ちがよく、長く花を楽しませてくれることが多いです。
つぼみだったユリが、飾っているうちに開花することもあります。
長く観賞できるユリの美しい姿が、優しくご遺族を癒してくれるでしょう。

リンドウ(りんどう)

リンドウ

  • リンドウ全体の花言葉:勝利・正義・誠実・悲しんでいるあなたを愛す・あなたの悲しみに寄り添う
  • 白いリンドウの花言葉:貞操
  • 青紫・青いリンドウの花言葉:満ちた自信・寂しい愛情
  • ピンクのリンドウの花言葉:愛らしい

秋の花として知られているリンドウは、お供えでも活用されています。
特に7月または8月に行われるお盆や、9月のお彼岸でリンドウはお供えの花として選ばれることが多いです。
爽やかさを感じさせるリンドウの青い花が、夏にあるお盆で特に選ばれています。
お盆の期間に仏壇などへ供える花としてはもちろん、実家に帰省できないという方が「お供えの花だけでも」と、贈る際にリンドウが選ばれることが多いのです。

故人が亡くなってから4四十九日以降は、グリーンや紫、ピンクなどの花を使い、白に優しい色合いを加えたデザインをお供えすることが一般的。
そのため白い菊と青・紫のリンドウを合わせることも多いのです。
他には、先に紹介したユリをメインにグリーンの菊とリンドウを加え、落ち着いた色合いにするお供えなどが好まれています。

また秋の花の代表でもあるリンドウは、9月のお彼岸ではワレモコウと菊、ススキ、リンドウを合わせて秋らしいデザインのお供えに活用されることもあります。

ちなみにリンドウがお供えで選ばれる理由は「悲しんでいるあなたを愛す」や「あなたの悲しみに寄り添う」という優しい花言葉があることも関係しています。
大切な方を亡くし寂しい思いをしている遺族に、花言葉に気持ちを託し贈ることで「リンドウが少しでも心を癒せれば」という願いを込めるのです。

カーネーション

カーネーションと菊

  • カーネーションの花言葉:無垢で深い愛
  • 白いカーネーションの花言葉:あなたへの愛情は生きている・純潔の愛・尊敬
  • ピンクのカーネーションの花言葉:感謝・温かい心
  • 赤いカーネーションの花言葉:母への愛・愛を信じる

母の日の贈り物として定番になっている、カーネーション。
カーネーションは母の日をはじめ、誕生日などのお祝いの贈り物としても活用されますが、お供えとしても選ばれることが多い花の一つです。
四十九日以降はお供えの花は白だけではなく、優しい色味を加えた花を供えるのが一般的。
カーネーションはカラーバリエーションが豊富であり、仏壇に供えることの多い色の組み合わせをカバーすることができるのです。
仏壇やお墓に花を供える時は、白・黄色・紫・ピンク・赤の組み合わせや、白・黄色・紫の組み合わせにすることがあります。
カーネーションは紹介した白・黄色・紫・ピンク・赤のすべての色が流通しています。
お供えの花のバランスを見て、もう1色足したいという時はカラーバリエーションが豊富なカーネーションを加えると良いでしょう。

菊も花色が多く、同じピンクでも濃いピンクやくすんだピンク、花びらの中でオレンジ色にグラデーションしていくピンクなど、花の色が豊富です。
さまざまな色が流通しているカーネーションなら、お供えしたいと思った菊の色に合わせることもできそうです。

▼四十九日以降の一周忌の法要などで白以外の花をお供えする理由は?


一周忌は故人が好きだった色の花を供えよう

一周忌は故人が好きだった色の花を供えよう


一周忌なら四十九日よりも明るい色の花でお願いすることが多い。その理由は?

▼四十九日法要で用意するお花について知りたい


四十九日にお供えする花のマナーとは?予算や色は?

四十九日にお供えする花のマナーとは?予算や色は?


四十九日法要に初めて参加するときや、お供えのお花を用意したいと思っている方は参考にしてください。

▼菊を使ったお供えはこちら

 

 

 

お祝いでもお供えでも人気な菊(キク)のまとめ

グリーン系でまとめた菊のアレンジメント
今回は、菊(キク)についてご紹介しました。
お供えのイメージが強かった方も、この記事を読んでお祝いでも使われていることも知っていただければ幸いです。

  • 菊は花持ちが良く長く飾れる
  • お供えに限らず、お祝いでもよく使われている
  • 菊の花言葉は「高貴・高尚・高潔」
  • 洋菊を「マム」と呼ぶこともある
  • 菊は縁起が良く長寿を願う花として知られている

ぜひ、プレゼントに菊を贈ってみてくださいね。

2024-06-14 | Posted in , 花を贈る時No Comments » 

 

2024年(令和6年)秋のお彼岸とは?いつ・何をする?

お墓参り
そろそろ、お彼岸の季節ですね。
今回はそもそもお彼岸とは何なのか、何をする日なのか、 お供えするものについてなど、お彼岸に関することをご紹介しようと思います。

もちろん皆さんが気になる、9月の連休・シルバーウィークについてもご紹介しています。

2024年・令和6年の秋のお彼岸っていつ?

お彼岸はいつになるのか
2024年・令和6年の秋のお彼岸は、9月19日から9月25日までとなります。

彼岸入り 2024年9月19日
中日(秋分の日) 2024年9月22日
彼岸明け 2024年9月25日

お彼岸は秋と春にあり、年に2回あります。
期間は7日間。
春と秋にあるお彼岸は、それぞれ祝日になっている「秋分の日」「春分の日」を中心に、前後3日間の期間のことを指します。

秋のお彼岸5年分の日程

2024年(令和6年)から、2028年(令和10年)までの秋のお彼岸の日程をご紹介します。

2024年 9月19日~9月25日
2025年 9月20日~9月26日
2026年 9月20日~9月26日
2027年 9月20日~9月26日
2028年 9月19日~9月25日

春のお彼岸5年分の日程

2024年(令和6年)から、2028年(令和10年)までの秋のお彼岸の日程をご紹介します。

2024年 3月17日~3月23日
2025年 3月17日~3月23日
2026年 3月17日~3月23日
2027年 3月18日~3月24日
2028年 3月17日~3月23日

2024年(令和6年)、今年のシルバーウィークは?

2024年9月
2024年、今年は9月14日(土)~9月16日(月)、9月21日(土)~9月23日(月)がお休みになります。
秋分の日が日曜日になります。
17日(火)~20日(金)で有給が取れれば、10連休にすることも可能です。

ただ、会社などで8月にあることの多い「お盆休み」のような「お彼岸休み」を企業で取り入れているところは、多くはありません。
そして4日間有休を取得のは、難しい方が多いかと思います。
そのため長期休みがあるというよりは「3連休が1回ある」と考えていた方がよさそうです。

この期間は祝日の日取りによって、ゴールデンウィークと同じ要領で、シルバーウィークと呼ばれています。

お彼岸ってどんな日?

お彼岸にはお墓参り
「お彼岸という言葉は聞いたことがあるけど、どんな日なのかはあまり知らない」という方も多いはず。
ここからは、お彼岸についてご紹介します。

お彼岸の中日「秋分の日」は法律で意味が定められている⁈

実はお彼岸の中日に当たる秋分の日・春分の日は法律によって定められていることをご存じでしょうか。
秋の彼岸の中日にあたる秋分日は、国民の祝日に関する法律で「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日と、定められています。
また、春のお彼岸の中日に当たる春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日とされています。

お彼岸は、ご先祖様と自然を敬うための日のようですね。

彼岸の意味

彼岸は、悟りの世界といわれています。
人が悩んだり苦しんだりする原因となっている煩悩がない世界、ご先祖様や故人がいる極楽浄土のことを彼岸は指しています。
もともとお彼岸の期間は、悟りの世界に行けるように修行をする期間だったようです。

「悟りの世界へ行くための修行」と聞くと仏教のイメージが強いですが、現代はお墓参りに行ったり、法要をしたりご先祖様を供養する日として定着しています。


お彼岸にやることは何?墓参りのルール・お供え花のマナーなど【知恩院僧侶監修】

お彼岸にやることは何?墓参りのルール・お供え花のマナーなど【知恩院僧侶監修】

お彼岸の意味や起源、お彼岸期間中にすべきこと、墓参りのマナー、お供え花とお供え物のおすすめなどについて、知恩院の僧侶であり、華道家でもある大津憲優さんに詳しく教えていただきました。

お彼岸には何をする?

ここからはお彼岸に何をするか、過ごし方についてご紹介します。

仏壇を掃除

きれいな仏壇
普段から掃除はされているかと思いますが、お彼岸の時期は特に丁寧に仏壇を掃除します。

法要

お坊さん
お彼岸の期間は、お寺に行って法要をする家庭も多いかと思います。
僧侶(お坊さん)にお経をあげてもらい、ご先祖様の冥福を祈って供養したり仏教の教えを聞いたりします。

墓参り

お墓参り
お彼岸の期間は、ご先祖様や故人がいるとされているあの世(彼岸)と、私たちのいるこの世の距離が一番近くなるとされています。
お彼岸は2つの世界の距離が近くなるため、ご先祖様への気持ちや故人への想いがより通じやすくなる時期と言われています。

お彼岸の時期にお墓に行くのは、ご先祖様・故人が眠っているお墓で気持ちを伝えるためなのです。

ちなみに、お盆でお墓に行く理由はお彼岸とは異なります
お盆は、ご先祖様や故人が自宅に帰ってくる期間。
ご先祖様のお迎えやお見送りをするために、お墓参りへ行くとされています。

お供えするものは何が良い?

仏壇やお墓などに、お供えするものは何がいいのかをまとめました。

お供えの花
仏壇やお墓に供えるものと言って、1番初めに思い付くのが花ではないでしょうか。
お墓で花を供えるための花立という、花瓶のようなものを見たことがある方も多いと思います。

棘のある花や毒がある花はお供えしない方が良いと言われていますが、仏壇やお墓に供える花に絶対的なルールはありません。
故人が好きだった花や、季節の花をお供えすると良いかと思います。
仏壇にお供えされたりんどうとケイトウ
りんどうやケイトウ、菊は秋の花で、秋の彼岸にお供えするのにおすすめです。
菊は1年を通して販売されていますが、旬は秋になります。
ご先祖様や故人に、最も美しくなる菊をお供えしてみてくださいね。

ちなみに春のお彼岸には、春らしい淡い色合いのお供えの花が選ばれることが多いようです。
花壇でも見かけることのある、ストックなどもお供えの花として活用されます。

故人が好きだったお酒

お酒をお供えする
故人がお酒が好きだった場合は、お墓にもお酒をお供えしたいと思う方が多いかと思います。
お酒をお墓にお供えすること自体は問題ないとされていますが、お寺や霊園によってそれぞれルールが決められている場合もあります。
お酒をお供えしたいと思う方は、事前に確認しておくのが良いかもしれません。

ちなみに、墓石にお酒をかけるのはタブーとされています。
お酒をかけたことによって、カビが発生したりシミができたり、汚れてしまうことがあるので墓石にお酒をかけるのは控えましょう。

コップを持って行き、お酒を注いでお供えしたり、瓶や缶のままお酒の蓋を開けてからお供えしたりすることが多いようです。
お供えした後、そのまま置いていくと小動物や虫などが寄ってくることがあるため持ち帰る方が良いとされています。

蓋を開けて持ち帰ることができなくなったお酒は、水道に流してしまうのも良いかもしれません。
もったいない気もしますが、墓石がベタベタになったりシミが付いたり、虫が多くなったりする方が困りますよね。

故人が好きだったお菓子

お墓にお菓子をお供えする
故人が好きだったお菓子や食品をお供えした場合は、お酒と同じでお供えした後に持ち帰る方が良いとされています。
お菓子などをお供えしたまま帰ってしまうと、カラスなどがお墓を荒らす原因になることもあります。

お供えしたものは、持ち帰って食べて良いとされています。
お供えしたものをもらうのは、仏様からのお下がりと言われています。
お菓子などの食品をお供えした場合は、ご先祖様や故人のことを思いながら、ありがたくいただくようにしましょう。

おはぎ

おはぎとぼたもち
春のお彼岸には「ぼたもち」を、秋のお彼岸には「おはぎ」をお供えすることが多いかと思います。
ぼたもちとおはぎは似ているように見えますが、呼び方が変わるだけで同じものを指しています。
ぼたもちは春に咲く牡丹の花にちなんで名前が付けられ、おはぎは秋に咲く萩の花にちなんで名前が付けられました。

お墓にぼたもちやおはぎをお供えした際も、お菓子やお酒と同じように持ち帰るようにしてください。

最後に

今回は、お彼岸についてご紹介しました。
だんだんと暑さや寒さが和らぎ、過ごしやすくなってくる時期でもあるお彼岸。
今までお墓参りに行ったことがなかったという方も、今年は家族でお墓参りに行ってみてはいかがでしょうか。

帰省しないためお墓に行けないという方は、実家にお供えの花を贈るのもおすすめです。
お供えの花を実家に贈ればお墓参りは行けないけれど、気持ちを伝えることもできるでしょう。

 

 

 

2022-09-16 | Posted in , 花と文化No Comments » 

 

仏壇に供えるダメな花と適した花、その理由|長持ちさせるコツ

仏壇に花を供える女性
お盆お彼岸などで仏壇に花を供える時、「仏壇に供えてはいけないタブーな花はあるの……?」「夏の暑さに強く、なるべく長持ちするお供えの花はあるのかな?」と、疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
親戚の家で花を供える時や、弔問に行く時などのタイミングでしか、仏壇に花を供えないという方はどんな花を選んだらいいのか不安がありますよね。

今回は仏壇に供えてはいけない花と、夏の暑さにも丈夫なお供えの花、お供えの花を長持ちさせる方法についてご紹介します。

仏壇には供えない花(ダメ・タブーな花)

まずは、仏壇に供えてはいけない花の種類からご紹介します。
お供えの花には、絶対的なルールはありませんが控えた方がいい花の種類はあると言われています。
故人がものすごく好んでいた花や、遺族からリクエストがあった場合を除いて、これからお伝えする花の種類は避ける方が良いかと思います。

バラ

バラの花はトゲがあるからお供えには適さない

  • 科名:バラ科
  • 学名: Rosa
  • 花言葉:愛・美

仏壇にお供えする際は、バラは避けた方がいいと言われています。
誕生日結婚記念日などお祝いの場面で、バラはよく選ばれる花です。
数多くの花の種類がある中で、最も有名な花と言っても過言ではありませんが、バラはお供えするには向きません。

理由はトゲがあるためです。

トゲは死や怪我を連想させたり、殺生を連想させたりするため避けた方が良いと言われています。
そのためバラ以外にも、トゲがある花はお供えにはタブーです。
バラと同じく、トゲがあるアザミなども避けた方が良いでしょう。

彼岸花

彼岸花は毒があるからお供えには適さない

  • 科名:ヒガンバナ科
  • 学名:Red spider lily
  • 花言葉:悲しき思い出・独立・情熱

彼岸花は毒があるため、仏壇にお供えするのは避けた方が良いと言われています。
彼岸花と聞くと、なんとなく不吉なイメージがあるという方もいらっしゃるのでは。
この不吉のイメージは、彼岸花が墓地に植えられていることが多いことも関係しているかと思います。

彼岸花が墓地に植えられている理由は、もともと遺体を動物に荒らされないようにするためでした。
昔の日本は、現在と違い土葬が一般的でした。
そのため埋葬した遺体を動物が荒らしてしまう、ということが多かったのだそう。
そこで毒がある彼岸花を植え、動物を寄せ付けなくしていたのです。

遺体を動物から守るために植えられていた彼岸花が、時を経て墓地に植えられていることが多いイメージだけが先行し、少し不吉なイメージを持たれるようになったのかもしれません。

ちなみに夾竹桃 キョウチクトウも毒があるため、供えない方が良いでしょう。

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お墓に供えてはいけない花がある?お墓参りの手順・マナー・タブー

お墓に供えてはいけない花がある?お墓参りの手順・マナー・タブー

仏壇と似ていますが、お墓にも供えない方が良い花があります。

仏壇にお供えする適した花

供えてはいけない花の種類を押さえたところで、次は仏壇に供えることの多い、1年を通して購入できる花の種類をご紹介します。
仏壇に供える花を選ぶときは、参考にしてみてください。

カーネーション

白のカーネーション。カーネーションはオッ供えにおすすめ

  • 科名:ナデシコ科
  • 学名:Dianthus caryophyllus
  • 花言葉:無垢で深い愛
  • お供えでよく使われる色:白・緑・赤・ピンク

誕生日や結婚記念日などのお祝いの花束や、フラワーアレンジメントとしても選ばれるカーネーションですが、実はお供えの花としてもよく活用されています。

1年を通して購入することができる、カーネーション。
季節を問わず、お供えすることができます。
フリルのような花がかわいらしく、花色はお供えでよく使われる白や赤、緑などだけではなく、くすんだピンクや鮮やかな紫、花では珍しい青色などもあります。

花びらの縁にだけ色がついているものもあり、思ったデザインにしやすいこともカーネーションの良いポイントです。
カーネーションはこのようにカラーバリエーションが豊富なことに加えて、花のサイズも種類が多いです。
そのため、仏壇にお供えする際は、カーネーションをメインにすることも、わき役としてプラスすることもできます。

そんなカーネーションは、花持ちが良いことでも知られている花の1つでもあります。
お供えした花は、長くきれいな姿を保って欲しいですよね。
お供えの花の種類に迷った時はカーネーションを選んでみてください。

カーネーションの花言葉は、「無垢で深い愛」です。
花言葉からも故人への深い愛情を伝えることができそうですね。

菊(マム)

菊はお供えに適している。近年はかわいい菊も多い。

  • 科名:キク科
  • 学名: Chrysanthemum
  • 花言葉:高貴・高潔・高尚
  • お供えでよく使われる色:白・緑・赤・ピンク・黄色

お供えの花と言って一番初めに思いつくのは、菊ではないでしょうか。
菊がお供えの花として選ばれる理由は、様々あります。

まず始めに菊は、花もちが良いということです。
丈夫で長くきれいな姿を楽しませてくれます。
加えて1年を通して購入することができるのも、選ばれるポイントの1つです。
旬はありますが、通年手に入れることができるのは、助かりますよね。

さらにお供えで選ばれる理由はまだまだあります。

  • 菊の香りが御香に似ているため
  • 国花としても選ばれているほど格式が高く品のある花であるため
  • 長寿を願うほど縁起がいい花であるため

ちなみに菊は「菊を飾ると福が来る」や「菊を生ければいい子に育つ」などと言われてきました。
縁起のいい花として知られているため、お供えだけでなく結婚式などでも活躍しています。
冠婚葬祭に菊が活躍するのは、花言葉にもあるように「高貴」な花であり日本で大切にされている花だからです。

スターチス

スターチスはお供えにおすすめ。ほとんど乾燥しているから長持ち

  • 科名:イソマツ科
  • 学名:Limonium sinuatum
  • 花言葉:変わらぬ心・永遠に変わらない
  • お供えでよく使われる色:紫

仏壇にお供えする花束や、フラワーアレンジメント差し色として使われることの多い、スターチス。
主に差し色としては、濃い紫色が使用されています。
紫色は、徳高い色と言われており、お供えの花でもよく選ばれる色です。

しかしスターチスがお供えに選ばれるのは、紫色だからというだけではありません。
スターチスは、とても花持ちの良い花の1つです。
植物全体に含まれる水分量が少なく、生花の状態から乾燥気味。
水がうまく吸い上げられなくなっても、すぐに萎れてしまうことがないのです。

ちなみに花言葉は「変わらぬ心・永遠に変わらない」などがあります。
これは先にご紹介した通り、スターチスが花もちが良いことから付けられたと言われています。
スターチスが色褪せることなく、長い期間飾ることができることに由来する花言葉は「故人のことを忘れない」という気持ちを託すことができそうです。


 

 

 


特に夏でも長持ちする花

ここからはお盆など、夏にお供えする際におすすめしたい花の種類をご紹介します。
夏の暑さにも強く、比較的花持ちが良い種類を選びました。

リンドウ

リンドウの花。夏のお供えにおすすめ

  • 科名:リンドウ科
  • 学名:Gentiana scabra
  • 花言葉:あなたの悲しみに寄り添う・勝利・悲しんでいるあなたを愛する
  • お供えでよく使われる色:紫・ピンク

リンドウは、季節の花としてお盆・お彼岸の時期に咲いていたため、昔からよくお供えとして活用されています。
凛とした紫色は、爽やかさと落ち着きがあり、夏のお供えにぴったりです。

加えてリンドウは、夏でも花もちが良いことが特徴です。
これは他の花よりも比較的に茎が硬くしっかりとしているため、茎が痛むことなく水が十分に吸い上げられるのです。

また花言葉も「あなたの悲しみに寄り添う・悲しんでいるあなたを愛する」などがあります。
この花言葉は故人のことを想う気持ちや、遺族の悲しみにそっと寄り添うことができるような気がしますよね。

トルコキキョウ

トルコキキョウの花。これは八重

  • 科名:リンドウ科
  • 学名:Eustoma
  • 花言葉: 優美・すがすがしい美しさ
  • お供えでよく使われる色:紫・白・緑

上の写真のように花びらが幾層にも重なった八重咲きのトルコキキョウは、誕生日などのお祝いにも使われていますが、一重咲きのトルコキキョウと同じくお供えにも活用されています。

フリルのような八重咲きのトルコキキョウは、お供えの花束やフラワーアレンジメントに使用するとボリューム感があり豪華な雰囲気を演出することができます。
一方で下の写真のように一重咲きのカップのような形をしているトルコキキョウは、シンプルで凛とした美しいデザインのお供えを作ることができます。
トルコキキョウ。こちらは一重。一重はお供えに使われることが多い
咲き方に関わらずトルコキキョウは花持ちが良く、夏の暑さにも丈夫な花と言われています。
1年を通して購入することができますが、お盆やお彼岸などで仏壇にお供えの花を飾る時は、特にトルコキキョウを選ぶようにしても良いと思いますよ。

ちなみにトルコキキョウは、お花屋さんによってユーストマリシアンサスと呼ばれています。
名前が違ったとしても、同じ花(トルコキキョウ)のことを指しています。
どの花がトルコキキョウか分からない時は、店員さんに声をかけてみてくださいね。

胡蝶蘭

胡蝶蘭は花持ちが良い。特別なお供えにおすすめ

  • 科名:ラン科
  • 学名: Phalaenopsis aphrodite
  • 花言葉: 幸運が舞い込んで来る
  • お供えでよく使われる色:白

今までご紹介していた花の種類は、主に花束やフラワーアレンジメントなどで活用される切り花の形として流通していました。
こちらでご紹介する胡蝶蘭は切り花としても流通していますが、鉢植えでお供えされることが多い花の種類です。

高級感があり、落ち着いた上品さを持つ胡蝶蘭。
法事などの特別なお供えを必要とする場合や、初盆や初七日などでお供えされることが多いです。
胡蝶蘭の鉢植えの場合、仏壇に供えるというよりは、仏壇の前や仏間にお供えされることが多いかと思います。

胡蝶蘭は、花持ちが良く長くきれいな花を保ってくれます。
加えて鉢植えの胡蝶蘭はお手入れも簡単
夏場なら 1週間から10日に、コップ1杯分の水をあげる程度で十分です。
※気温が高い日が続くなら2~3日に1回程度水やりをすることもあります。
すぐに枯れることのない胡蝶蘭は、忙しい遺族の方に手間を取らせることがない花なのです。

▼お盆の花をお探しの方はこちら

お盆 花(新盆・初盆)2023

お盆にふさわしい花を使った花束やアレンジメントをそろえています。

仏壇の花は何日持つ?

夏場なら一般的に、4~5日程度といわれています。
気温が高い夏場はお手入れや、花持ちしやすい環境を作ることが大切になります。

ちなみに、気温が比較的涼しい春や秋は1週間から10日ほど。
寒くなってくる冬の間は、10日から2週間ほど持つと言われています。

全ての花がそうというわけではなく、平均的にこれぐらいというイメージです。
もちろんお供えする環境や、お手入れの方法によって花持ちは長くなったり短くなったりもします。
なるべく花を長く持たせたいと思う方はぜひ、「長持ちさせるために何をする?」の項目をチェックしてみてください。

毎日水を換えるべき?

花瓶の水の取り替えは、毎日行うことがおすすめです。
暑いときは、朝晩2回取り換えても良いくらいです。
夏は水が腐りやすい季節になるので、なるべく清潔な水を保つように交換してあげてください。

花瓶の水を交換するのは正直手間ですが、花を長くお供えしたいなら絶対に行った方が良いことです。

長持ちさせるために何をする?

ここからは、花をなるべく長持ちさせるためにできることをご紹介します。
花瓶の水を替える以外にも、できることはいくつかあります。
切り花が弱りやすい夏だからこそ、できる対策もまとめましたので、ぜひチェックしてみてください。

10円玉を水に入れて雑菌繁殖を抑える

か人を清潔に保つ裏技は10円玉を入れること?
10円玉は銅でできているため、水の中に入れておくと銅イオンが溶け出し雑菌の繁殖を抑えることができます。
仏壇に供える花瓶の中には、10円玉を入れておけばより長持ちしそうですね。

ちなみにピカピカに磨いた10円の方が、花持ちをよくする効果があると言われています。
花瓶に10円玉を入れる時は、磨いてから入れてみてくださいね。

氷を入れて雑菌繁殖を防ぐ

温度が高いと、雑菌が発生しやすくなります。
そこでおすすめなのが、直接的に花瓶の水の温度を下げること。
花瓶の水に氷を入れて温度を下げることによって、雑菌が発生しづらくなります。

夏は仏壇が置いてある部屋も、クーラーがかかっているかと思います。
特にお盆など親戚やお坊さんが来るときは、部屋が涼しくなっていることも多いのでは。
氷を入れるという方法は、外出時などクーラーを一時的に切ってしまう時に使ってみるといいかもしれません。

風通しを良くして蒸れを防ぐ

湿度が高い時は、花瓶に生けられている花が蒸れやすくなります。
お供えの花を始め、花束やフラワーアレンジメントなどの切り花も生きているため呼吸をしています。

湿度が高くなると呼吸が上手くできなくなり花の元気がなくなったり、蒸れによって細菌が繁殖しやすくなったりしてしまいます。

そのため花瓶に花を生けた場合や、フラワーアレンジメントをお供えしている時は、風通しを良くするように心がけましょう。
小さな花瓶にたくさんの花を、ぎゅうぎゅうに生けないようすることが大切です。

エアコンの風を避けて乾燥を防ぐ

エアコンの風や直射日光は避けると花が長持ちする
「切り花は涼しくさせておいた方が良いから」と思い、エアコンの風を直接当ててしまうのは良くありません。
エアコンの風が直接当たっていると、葉や花びらから水分が抜け、花持ちが悪くなってしまいます

花を乾燥させないようにすることがポイントです。

そのため、直射日光に当てるのもあまり良くありません。
直射日光に当たっているとエアコンの風に当たっていた時のように、乾燥してしまうからです。
植物は太陽の光に当てた方が良いように思うかもしれませんが、切り花になってからは直射日光には当てないように気をつけましょう。

切り戻しをして水を吸いやすくする

水の吸い口を新しくすると水が吸いやすくなって花持ちが良くなる。
植物が水を吸っている茎の先端部分を、ハサミやカッターなどでカットすることを、切り戻しと言います。
茎は水に浸かっていると、徐々に傷んできます。
水を吸い始める茎の先端が傷んだり腐ったりすると、水がそこから吸えなくなってしまいます。

花が水を吸い上げやすくするためにも、水を吸う切り口をカットすることで新しくすることがポイントです。
水の吸い口が新しくなれば、雑菌が繁殖しづらくなる効果もあります。

花瓶を洗って水を清潔に保つ

水を交換する際に花瓶も一緒に洗うことで、より清潔に保つことができます。
花瓶を洗う時は水でサッと流すだけではなく、食器用の洗剤を使ってしっかり洗うことがおすすめです。
水が入っていた部分を触った時に、滑りを感じた時は雑菌が発生している証拠です。

花瓶が汚いときれいな水を入れたとしても、またすぐに汚くなってしまいます。
少し面倒ですが水を交換するついでに、花瓶も洗うようにしてくださいね。

こちらも合わせてご覧ください

▼お花屋さんが教える、花持ちをよくする10のテクニック

お墓に供えてはいけない花がある?お墓参りの手順・マナー・タブー

お供えに限らず、花束やアレンジメントなどの花を長く楽しみたい方は、合わせてご覧ください。花のプロであるお花屋さんが、長持ち方法をご紹介します。

最後に

仏壇に花を供えるポイント
今回は仏壇に供えてはいけない(タブーな)花の種類とその特徴、仏壇に供えることに適した季節の花と1年を通して購入できる花の種類についてご紹介しました。
さらに仏壇に供えた花の長持ち方法も、掲載しましたのでぜひ役立ててください。

特に夏場は、切り花の寿命が短くなる季節です。
気温が暑くなってきたら、花持ちを良くするための対策をとってあげてください。

 

 

 

2022-07-20 | Posted in , 花を贈る時No Comments » 

 

お墓に供えてはいけない花がある?お墓参りの手順・マナー・タブー

お墓にお供えする花とは。お墓参りをする夫婦
7月~8月は、お盆ですね。また3月・9月にはお彼岸あります。
お盆・お彼岸の時期が近づくと、気になるのがお墓参りについてではないでしょうか。
お墓にお供えする花やマナー・タブーは、お墓参りに行く前に知っておきたいものです。
そこで、今回はお墓参りに行く際に疑問を持つことが多い、お供えする花の種類についてご紹介します。
またお墓参りの手順や、控えた方が良い(タブーとなる)ものなども、簡単にご紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

お墓に供えてはいけない花がある?

実は、お供えで絶対に供えてはいけないという花の種類はありません
お墓には故人が好きだった花や、季節の花をお供えすることが多いかと思います。

ただ一般的に避けた方が良い花はあるので、まずはお墓にお供えしない方が良いとされている花の種類についてご紹介したいと思います。
▼知恩院の僧侶である大津様にお供えの花についてインタビューしました。
合わせてご覧ください。


仏花のルール・マナーQ&A

仏花のルール・マナーQ&A

僧侶 兼 華道家の大津様からお花をお供えする際の基本的な知識をお伺いしました。

お墓に供えない方が良い花の種類

ここから、お墓にお供えするのを避けた方が良い花の種類についてご紹介します。

バラなどトゲのある花

白バラ。トゲがある花は避けた方が良い
トゲがあると怪我や死を連想するため、お墓をはじめお供えには控えた方が良いとされています。
トゲがある花と聞いて、初めに思い付くのは、バラかと思います。
他にトゲのある花は、アザミやイラクサなどがあります。
イラクサはお花屋さんで販売されているというよりは、ちょっとした茂みなどに生息している植物です。
お墓の花が寂しいからと言って、近くに生えていた植物をお供えする場合は、トゲがあるかどうかを確認すると良いかもしれませんね。

朝顔などつる性の花

朝顔など、つるで成長する植物は良くない
つるで成長していく植物は、朝顔の他にクレマチスなどが有名です。
つる性の植物は、隣のお墓にツルが巻きついてしまうことがあるため、控えた方が良いとされています。

朝顔をイメージしていただくと分かりやすいですが、つる性の植物は何かに巻きつきながら成長していきます。
そのため、思っていなかった方向に成長してしまうことも……。
周りの方に迷惑にならないよう、つる性の花は避けた方がよさそうです。

椿など死を連想する花

椿の花は、死を連想させるため避けた方が良い
お墓だけではなく、お供えする際は「死」を連想させる花は避けた方が良いとされています。
椿はきれいな花ですが、花が終わる時に花ごと落ちる姿が、首が落ちることを連想させるため縁起が悪いと言われることも。
きれいな花でも、縁起が悪いとされている花は避けた方がよさそうです。

彼岸花など毒がある花

毒がある花はお供えしない。彼岸花も避ける
毒がある花は、お墓に限らず仏壇など他のお供えも含めて、避けた方がいいと言われています。
先にご紹介した椿と同じく、毒があると「死」を連想させることから、お供えするのは控えた方がいいのだそうです。
彼岸花や水仙(スイセン)、すずらんにも実は毒があります。

キンモクセイ(金木犀)など香りが強い花

金木犀の花は良い香り。しかし香りが強すぎるため控えた方が良い
お墓には、様々な方がお参りに行ってくるもの。
花の香りが強すぎるキンモクセイなどは、お墓に供えるのは他の人のことも考えて避けた方が良いかもしれません。
香りが強すぎると、虫が多くよってきてしまうこともあります
仏壇など、自宅でお供えする場合は特に問題にはならないようです。

ユリなど花粉で汚してしまう花

ユリなど、花粉が付いてしまう花のは控えた方が良い
ユリなどお手入れをしないと、花粉が周りに落ちてしまう花はお墓にお供えするのは避けた方がいいと言われています。
これは、花粉が墓石について汚れてしまうことを避けるためです。

稲穂・麦・粟(アワ)など食べられる花

食べられる花や植物はお供えしない方が良い
もともとお墓にお供えしようと思うことは少ないかもしれませんが、人が食べることのある花や植物はお供えしない方が良いと言われています。
稲穂・麦・粟以外にも、オクラの花も食べる場合があるので、控えた方が良いようです。

はじめにお伝えした通り、お墓にお供えする花については絶対的なルールはありません
例えば、お供えするのを控えたほうがいい花としてご紹介したユリですが、故人が好きだった場合は花粉を取り除いて、ユリの花をお供えしても問題ないかと思います。

お墓参りに適した花の種類

ここからはお墓にお供えしたい、適した花の種類についてご紹介します。

菊(マム)

白い菊。やっぱり菊がお供えには最適
お供えの花として、最も有名な菊
菊はお墓に限らず、仏壇などにもお供えされることがあります。
花持ちが良く定期的にお手入れをしなかったとしても、長くきれいな様子を楽しむことができるため、お墓にお供えするのに最適です。

菊の花言葉は「高貴」などがあります。
故人やご先祖様に尊敬の気持ちを表現できそうですね。

和風な菊もありますが、近年ではスプレーマムなどマムという名前で呼ばれる、洋菊もよく販売されています。
色もカラフルでかわいらしい見た目の種類もあるため、マムと呼ばれている菊にも注目してみてください。

カーネーション

カーネーションはお供えでもよく活用されている
母の日のイメージが強い、カーネーション。
母の日以外の誕生日などのお祝いでも活用されることがありますが、カーネーションはお墓などにお供えされる供花としてもよく選ばれています。
フリルのような見た目はかわいらしくもあり、品も合わせ持っているため、お供えの花束やフラワーアレンジメントに活用されているのです。

カーネーションは、1本あたりの値段が他の花に比べて手頃なこともあり、お供えの花に挿し色を加える時などにも選ばれています。
花持ちも良いため、カーネーションはお墓のお供えにもよく選ばれているようです。

リンドウ

青いリンドウはお盆にもよく使われている
紫や水色、青い花色が目を引くリンドウ。
お供え以外にも活用されることもありますが、特にリンドウはお盆や秋のお彼岸でよく活用されている花の1つです。
これはリンドウの開花時期が、7月~9月のためです。

リンドウはガーベラのように、1つの茎に1つの花を咲かせるのではなく、釣鐘形の花をいくつも楽しむことができます。
写真のように、リンドウの見た目は縦に長いイメージです。
そのためお墓にお供えする際、1本のリンドウを切り分けて丈を短くしても、カットした分だけ花を楽しむことができます

またリンドウは茎が硬いため水の中で茎が傷みにくく、花持ちが良いこともお墓にお供えされることが多い理由になっています。
ただお盆やお彼岸の時期にリンドウがお供えされることが多いのは、季節の花であることと、青色の花が凛とした雰囲気を演出してくれるということだけではありません。

実はリンドウの花言葉は、「勝利・誠実」というものの他に、「悲しんでいるあなたを愛する・あなたの悲しみに寄り添う」という花言葉を持っています。
リンドウの花言葉は、ご先祖様や故人のことを考える機会が多くなるお盆や、お彼岸の時期にぴったりですよね。

蓮の花はお供えに最適
蓮はお盆に欠かせない花と言っても、過言ではありません。
1つ目の理由は蓮の開花時期が、7月~8月のお盆とかぶっているということ。
季節の花をお供えしたいと思っている方は、蓮も選んでみても良いかもしれません。

また、蓮は仏教に深い関係があります
蓮は、仏壇の台座としてよく使われています。
仏典に「蓮華(れんげ)」の名で蓮が登場しているためです。
お寺の中にある池で、蓮が育てられていることも多いですよね。

ミソハギ(禊萩)

ミソハギはお墓にもお供えされる
お盆になると、盆棚にお供えされることが多いミソハギ。
実は、お盆の時期はお墓にミソハギをお供えすることもあるのだそうです。

ミソハギの開花時期が7月~8月で、お盆の時期と重なるため、季節の花としてお供えされることがあるのだそう。
さらにミソハギは、祭りの時などに身を清める役割として活用されていることもあります。
お墓にお供えするのにふさわしい、ミソハギは神聖な植物の1つなのです。
もっとミソハギについて知りたい方はこちらを合わせてご覧ください。


ミソハギの花言葉を紹介|お盆に飾るミソハギはどんな花?特徴・意味を解説

ミソハギの花言葉を紹介|お盆に飾るミソハギはどんな花?特徴・意味を解説


今回はそんなミソハギの特徴と花言葉、なぜお盆で供えられるようになったのかなどをご紹介したいと思います。

コウヤマキ(高野槇)

高野槇は昔からお供えされることが多かった
コウヤマキとは、庭木としても人気がある植物です。
花を楽しむのではなく、緑を楽しむものです。
針葉樹の仲間であり、先に庭木として人気ともお伝えしましたが、枝の部分は花束やフラワーアレンジメントとして使われる切り花としても出回っています。
生け花でもよく活用されているようです。

和歌山県の高野山に多くみられるので、コウヤマキ(高野槇)という名前になったのだそうです。
なぜお墓にお供えするのに適しているのかというと、花の代わりにお供えされたことがきっかけだったようです。
昔、和歌山県の高野山では「禁忌十則」という規制の中に「禁植有利竹木」という決まりがありました。
この「禁植有利竹木」は、果樹、花樹、竹、漆などを植えることを禁止していました。そこで1年を通して緑が美しく、自然の良い香りがするコウヤマキが花の代用とされたのだそうです。

ちなみにコウヤマキは日持ちが良く、傷みにくいため水も腐りにくいという理由もあり、現在でもたくさんの方々がお仏壇やお墓にお供えしております。
ご紹介したようにお供えしても花持ちが非常に良いため、お盆など夏場のお供えには特に重宝されているようです。

▼お盆について知恩院の僧侶である大津様に伺いました。
気になった方は合わせてご覧ください。


お盆・最新事情。精霊馬はブロッコリー、お花は自由?知恩院僧侶にインタビュー

お盆・最新事情。精霊馬はブロッコリー、お花は自由?知恩院僧侶にインタビュー

お盆の過ごし方などについて、知恩院の僧侶であり、華道家としてもご活躍されている大津憲優さんに教えていただきました。

お墓参りの手順を簡単に説明

お墓参りの手順を簡単に説明
ここで、お墓参りにあまり行ったことがないという方のために、簡単な手順をご紹介します。
宗派などによって、違いがあるのでご注意ください。

1、お墓の掃除

まずは、お墓の掃除から始めます。
落ち葉を掃いたり、目立つゴミを拾っておきます。
墓石は水をかけたり、布やスポンジで拭いたりこすったりして、汚れを落とします。
細かい部分や、汚れが落ちにくいところは歯ブラシで擦るといいかもしれませんね。
※お掃除の前に、花前で合掌することもあるようです。

2、花立に花をお供えする

花立が2つある時は、花が左右対称になるようにお供えします。
花立は、お墓に付いている花瓶のような部分です。

3、水鉢(水受け)をきれいな水を注ぐ

水鉢をきれいな水に注ぎます。
水鉢(水受け)は、故人・ご先祖様が飲む水を入れておく場所といわれています。
水鉢は、墓石のくぼみ部分のことです。

この時、食品などお供え物を持って来ている場合は、一緒にお供えしましょう。

4、線香をあげて、合掌

線香をあげて合掌します。
順番は、お墓に眠る故人と近い間柄の人からお参りをします。

ちなみに線香の火は息で吹き消さずに、手で扇いで消すようにします。

お墓参りでタブーになること

お墓参りでタブーになることは?
お墓参りで気を付けた方が良いことをまとめました。

服装

奇抜な格好は避けるようにしましょう。
故人に会いに行くため、きっちりスーツでないといけないわけではありません。
ただ、露出の多い服や奇抜な服装は避けるようにしましょう。

本堂の中に入る可能性がある場合は、裸足は失礼になるため控えるようにします。
サンダルで行くときは、靴下を持参するのがおすすめです。

ごみは片付ける

ゴミを片付けないで帰ることは、タブーと言われています。
掃除で集めたゴミなどはしっかり指定された場所に捨てるか、持ち帰るようにしましょう。

ジュースを墓石にかける

お酒やジュースなどを墓石にかけるのは、控えた方が良いでしょう。
お酒やジュースなどに入っている成分によっては、墓石にシミができてしまったり、変色してしまったりすることもあります。
また糖分が多いと虫が寄ってくる原因にもなりますので、控えた方が良いでしょう。

お供えは持ち帰る

お供え物で食品を持ってきた場合は、持ち帰るようにしましょう。
食品はカラスが荒らすことなどもあるため、お供えを残して帰ることによって墓が荒れてしまうこともあります。
またジュースの時と同じく、虫が多くなってしまったり、墓石が傷んでしまったりすることもあります。
そのため、お供えを残しておきたい気持ちもわかりますが、持ち帰るようにしましょう。
※花はそのままで問題ありません

お墓に最適な花を供えよう


今回は、お墓参りをする際に、役立つ情報を掲載しました。
絶対的なルールはありませんが、お墓にはお供えしない方が良い花の種類もありますのでご注意ください。

ちなみに花キューピットでは、お供えに適した花・お盆に最適な花をご用意しています。
気になった方は、サイトをチェックしてみてください。
お盆 花(新盆・初盆)

 

 

 

 

2024年の秋のお彼岸~お供えの花の種類・日程~

リンドウを使ったお供え
歩くだけで汗をかいてしまうほど、暑かった夏が落ち着き、次第に秋の気候になってきましたね。
以前に比べて、最近は過ごしやすい日が増えてきたのではないでしょうか。
外出する際はカーディガンなど、羽織る物を持って行くことが多くなったように思います。
暑さ寒さも彼岸まで」=「厳しい暑さは、秋のお彼岸ごろになると次第にしのぎやすくなり、冬の寒さも春の彼岸ころにはやわらいでくる」という、ことわざ通りのようにも思いますね。

今回は、9月の彼岸「秋のお彼岸」の日程と、お供えする花の種類についてご紹介します。
お墓参りで供える花の種類や、仏壇に供える花を知りたいという方は、チェックしてみてください。

◆2024年の秋のお彼岸はいつ?

彼岸花
今年の秋のお彼岸は、2024年9月19日~9月25日までの7日間です。
秋のお彼岸は「秋分の日」を中日として、前後3日間の期間になります。

9月19日: 彼岸入り
9月22日:中日(秋分の日)
9月25日: 彼岸明け

実家に帰ることができないため、お供えの花だけ贈るということもあるようです。
ちなみに、2024年の9月16日は敬老の日です。
そのため、9月16日(月)も祝日になります。

◆2024年のお彼岸はいつ?

来年のお彼岸の期間は?
せっかくなので来年、2024年お彼岸の日程も一緒に掲載したいと思います。
お彼岸は、1年のうちに春と秋の2回です。
秋のお彼岸は、先程ご紹介したように秋分の日を中日として前後3日間合わせて7日間の期間がお彼岸になり、春のお彼岸は春分の日を中日として前後3日間合わせて7日間がお彼岸の期間になります。

<2024年春のお彼岸>

2024年の春のお彼岸は2024年3月17日~3月23日までの7日間です。

3月17日:彼岸入り
3月20日:中日(春分の日)
3月23日:彼岸明け

<2024年秋のお彼岸>

2024年の秋のお彼岸は、2024年9月19日~9月25日までの7日間です。

9月19日:彼岸入り
9月22日:中日(秋分の日)
9月25日:彼岸明け

2024年は感染症の影響も弱まって家族みんなでお墓参りができるといいですね。

◆秋のお彼岸に供える花の種類

お墓参り
ここからは秋のお彼岸に供えたい、花の種類についてご紹介します。
頻繁にお供えの花を用意することが少ないため、「どんな花を供えたらいいのか分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
どんな花をお供えしたらいいか分からないという方や、花の種類に詳しくないという方はぜひ参考にしてみてください。

<ユリ>

ユリの花
大きく凛とした花が特徴的なユリ。
美しく、目上の方にも贈りやすい花のため、結婚した相手の家族の仏壇へ供える花としても選ばれているのだそう。
ユリは花束アレンジメントに、一輪入れるだけでボリュームがアップするため、お祝いだけでなくお供えでも活用されることが多いです。

●ユリの色は?
お供えで使われることの多いユリの花色は、白やピンク
お供えの花のデザインや、故人が好きだった色などでユリの花色を選んでもいいかもしれませんね。
ちなみに、故人が亡くなって日が浅くなければ、お供えの花は白以外を選んでも問題ありません。

●ユリを長持ちさせるには?
ユリの花が咲く順番
ユリは1つの茎から、複数の花を付ける植物です。
いくつか蕾がある場合は、下から順番に花が咲いていきます。
そのため、お供えしたユリを長持ちさせるには、(初めに咲いた)下の方に付いている花が枯れてしまった時は、早めに取り除くことがおすすめです。
上の方に付いている花がまだ咲いていない時に、一番下に付いている花が咲ききって(しおれて)しまうということがあります。
咲ききってしまった花を取ることによって、まだ咲いていない花へエネルギーを送ることができるのです。
また、咲ききった花が供えてあるより、取り除いた方が見た目も良くなりますよね。
仏壇などにユリを飾る際は、咲ききってしまった花がないかを確認してみてください。
ユリは、花を順番に楽しむことができるという点では、花持ちがよいのです。
お手入れをして、さらに長く花を楽しめるようにできるといいですね。

<リンドウ>

リンドウ
秋の訪れを感じさせてくれるリンドウ。
秋の花として、古くから親しまれているため、秋のお彼岸によく供えられています。
青色の花が有名ですが、ピンクや紫色などのリンドウもお供えに使われることがあります。
デザインや全体の色合いに合わせて、色を選ぶことができるのは嬉しいですよね。

●リンドウが季節感を演出
リンドウがお供えの花に加わることで、季節感が演出できる他に、爽やかさをプラスすることができます。
落ち着いた色でありながら、他の花にはないブルー系のリンドウの花が、この時期に最適なデザインにしてくれるのです。

●リンドウの花言葉
リンドウの花
ちなみに、リンドウの花言葉の中には「あなたの悲しみに寄り添う」というものがあります。
花言葉もお供えとして、ぴったりですよね。

<デンファレ>

白のデンファレ
花姿が、高級感を演出させるデンファレ。
お供えでは紫色やピンク、白のデンファレがよく使われています。
デンファレは、お供えの花のメインになるというより、お供えのアレンジメントや花束の差し色として使われることも多いようです。

●デンファレは花持ちが良い
差し色で使われるデンファレ
デンファレは花持ちが良く、長くきれいな状態を保つことができるので、秋のお彼岸でも選ばれることが多いです。
花びらも肉厚で、水が下がって花びらがしわっとなってしまうことが少ない花でもあります。
デンファレを自宅でお供えする時は優しく、花びらに触れてみても良いかもしれません。

胡蝶蘭

胡蝶蘭
鉢植えだけでなく、花束やアレンジメントとしても活用される胡蝶蘭
胡蝶蘭は、開店祝いなどお祝いで贈られることがイメージがある方もいらっしゃるかもしれませんが、法事・法要・仏壇の前に供える花として、胡蝶蘭はよく活用されています。

●お手入れが簡単
胡蝶蘭はお手入れが簡単
胡蝶蘭は他の花に比べて比較的お手入れが簡単で、水やりの頻度も少なく、花持ちも良いです。
そのため、お彼岸の時期は忙しいという方や、花の手入れに時間をかけられないという方に贈る花としてもおすすめです。

●お供えで使う色
胡蝶蘭は、ピンクや黄色などの花色をお花屋さんで見かけることもありますが、お供えでよく活用される花色は白です。
白い胡蝶蘭が、気品に満ちていて風格のある雰囲気を演出してくれます。

<菊>

菊の花
お供えの花として、最もイメージされやすい菊。
お花屋さんで1年を通して菊を見ることができますが、菊の旬は秋です。
特に秋の菊は、他の季節に比べて種類が豊富で、色も鮮やかと言われています。
そのため、菊はお供えで1年を通して活躍しますが、特に秋のお彼岸はおすすめなのです。

ちなみに、9月9日は菊の節句・重陽の節句にあたります。
菊は季節の花なのですね。

●長く楽しめる
菊は花持ちが良い
菊は他の花に比べて、とても日持ちのする花です。
花持ちが良いことも、秋のお彼岸で活用される理由の1つ。
専門的なお手入れがなくても、仏壇やお墓で長持ちしてくれるのは、嬉しいですよね。

●種類が豊富
菊の花は種類がたくさん
葬儀などで見かけることの多い輪菊という種類の他に、ボールのような形をしたピンポンマムや、カラフルでかわいらしい雰囲気のスプレーマムなども、お花屋さんで見かけることができます。
お供えの花を買いにお花屋さんへ行く際は、どんな菊の種類があるのかもチェックしてみると面白いかもしれません。

◆最後に

お墓参り
今回は、秋のお彼岸の日程と、お供えしたい花の種類についてご紹介しました。
お供えの花について紹介しましたが、どの花を選んでいいのか分からないという方は、お花屋さんに質問してみるのも良いかもしれません。
お花屋さんに行く時間がない方や、外出自粛を徹底しているという方は、花キューピットのサイトをのぞいてみてください。
秋のお彼岸に適した花束や、アレンジメントをご紹介しています。

 

 

 

2021-09-07 | Posted in , 花と文化No Comments » 

 

2024年の春・秋のお彼岸はいつ?何をする?お供えに適した花の種類

小さなお地蔵さん
最近は、花粉症で目がかゆいという方も多いのではないでしょうか。
鼻水や目のかゆみは集中しにくくなるので、困りますよね。
気が付けば、もう3月です。
今以上に花粉が飛ぶかもしれないので、花粉症の方は早めに薬を服用するようにするといいかもしれませんね。

さて、今回は3月に入ったということで、春のお彼岸についてご紹介したいと思います。
お彼岸」という言葉は聞いたことはあるけれど、「いつからなのか」や「どういうものなのか」が、いまいち分からないと言う方もいらっしゃるのでは?
「春のお彼岸について知りたい!」と思った方は、参考にしてみてくださいね。

お彼岸はどうやって決まる?

仏花
そもそもお彼岸の期間は、どうやって決まっているのでしょうか。
1年のうち、お彼岸は3月と9月の2回で、春と秋にあります。
「お彼岸」ということを意識していなくても、習慣としてこの時期になるとお墓参りに行くという方もいらっしゃると思います。
春のお彼岸は「春分の日」を、秋のお彼岸は「秋分の日」を中日として前後3日間、合わせて7日間が「お彼岸」の期間となります。
毎年、春分の日と秋分の日が変わるため、お彼岸の期間も変わってくるのですね。

ちなみに、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」であり、秋分の日は「祖先をうやまい、亡くなった方を偲ぶ日」とされていて、どちらも国民の祝日の1つです。

2024年春のお彼岸はいつ?

おじいちゃんと仏壇
今年、2024年のお彼岸は3月17日〜3月23日です。
先にご紹介した通り、春のお彼岸は「春分の日」を中日として前後3日間の期間になります。

3月17日: 彼岸入り
3月20日: 中日(春分の日)
3月23日: 彼岸明け

カレンダーや手帳を見ると、17日に「彼岸入り」と書いてあることが多いと思います。
お彼岸の期間はカレンダーなどを見て、彼岸入りを入れて7日間と覚えてもいいかもしれませんね。

 

 

 

2024年秋のお彼岸はいつ?

仏壇
ちなみに秋のお彼岸は、9月19日~9月25日までの7日間です。
秋のお彼岸は「秋分の日」を中日として、春のお彼岸と同じように前後3日間の期間になります。

9月19日: 彼岸入り
9月22日:中日(秋分の日)
9月25日: 彼岸明け

敬老の日が終わった頃に彼岸入りになります。

 

 

 

そもそもお彼岸とは?


「お彼岸とは」で検索すると、「六波羅蜜(ろくはらみつ)」などあまり聞き馴染みのない言葉が出てきてしまうこともありますよね。
「お彼岸って、結局一体何なんだろう……?」と思う方もいらっしゃると思います。
お彼岸はものすごく簡単にまとめると、お彼岸は極楽浄土につながりやすい期間であり、ご先祖様や自然に感謝をしたり、煩悩などのない開けた世界に行くために修行を行ったりする、日本だけにある仏教行事の1つです。

日本には、仏教が広く知られる前からあったご先祖様や自然に感謝する習慣と、仏教の教えが合わさりお彼岸の文化になったのだそうです。

お彼岸には何をする?

花屋
お彼岸には、ご先祖様に感謝の気持ちを伝えるために、お墓参りやお仏壇のお掃除をするようにしましょう。
また、お墓や仏壇にお供えするものは供花(花)や線香のほか、春のお彼岸には「ぼたもち」、秋のお彼岸には「おはぎ」などもあります。
お彼岸の時期が近付くと、お花屋さんでお墓にお供えする用の1対になった花束が並ぶことが多くなり、スーパーや和菓子屋さんでは、ぼたもち・おはぎをよく見かけるようになりますよね。
お彼岸を忘れていても、お店に並んでいるものを見ていたら、思い出すかもしれませんね。

そしてお墓には花・線香・おはぎやぼたもちのほかに、故人の好きだった食べ物や飲み物、たばこなどをお供えすることもあります。
お墓に生ものや、香りの強いものをお供えすることは控えた方が良いですが、お彼岸の時期にお供えするものには良い意味でルールはないようです。

◆秋のお供えに適した花の種類

秋のお供えに適した花の種類についてはこちらをご覧ください。

2023年の秋のお彼岸~お供えの花の種類・日程~


また、2024年の秋のお彼岸を含んだシルバーウィークの予定などはこちらを合わせてご覧ください。

2023年(令和5年)秋のお彼岸とは?いつ・何をする?

◆春のお供えに適した花の種類

ここからは、春のお彼岸にお供えしたい花の種類をご紹介します。
季節の花も紹介しているので、気に入った花があればぜひお供えしてみてくださいね。

<フリージア>

フリージア
春の訪れを伝える花としても知られているフリージアは、黄色や白、紫などの色の花を咲かせる植物です。
花持ちがよく、長くきれいな姿を楽しむことができます。
大きく花を咲かせる華やかな花ではないかもしれませんが、連なるように咲かせる筒状の花は、可憐な印象を与えます。
そんなフリージアの特徴といえば、香りです。
鼻を近付けると甘い、いい香りを感じることができます。
亡くなった方は、食べ物を食べる代わりに線香や、花の香りを楽しむとされているのだそうです。
良い香りのフリージアをお供えして、ご先祖様に春の甘い香りを感じてもらいましょう。

<ストック>

ストック
ストックは、優しい香りがする春の花です。
春になると、切り花としてもよく見かけることができますが、花壇などでも見かけることが多い花だと思います。
花の色はピンクや白、黄色、紫などさまざまな色があります。
ストックは淡くかわいらしい雰囲気で、スラっとした丈の長い花です。
同じストックでも枝分かれしたスプレータイプと、直線的なスタンダードタイプの2種類を楽しむことができます。
お花屋さんに行った際は、どんなふうに花が咲いているかも注目してみてください。

ストックは開花時期が長く、あの優しいパステルカラーの花をたっぷり楽しむことができます。
そのため、ストックはきれいな花を長くお墓や、仏壇にお供えしたいという方にもおすすめです。

<スイートピー>

スイートピー
卒業式の贈り物としても人気のスイートピーは、春のお彼岸でお供えする花としてもよく花束やアレンジメントに選ばれています。
スイートピーの優しい紫やピンク色、白などの花の色は春をイメージさせつつ、お供えの雰囲気にも合わせやすいため、春のお彼岸でお供えするのはぴったりなのです。
またスイートピーもフルーツに似た、フルーティーな香りを楽しむことができます。
スイートピーもお供えすれば、ご先祖様にいい香りを届けることができそうですよね。

<菊(マム)>

菊
「お供えの花といえば、菊(マム)」というほどお供えのイメージが強い菊。
なぜ菊がお供えに選ばれているかは、いくつか理由があります。
まず花持ちがよく、長くきれいな状態でお供えできるということです。
お供えした花がすぐに萎れてしまったら悲しいですよね。
そして、菊は邪気を払う花として昔から言われていたということや、数ある花の種類の中で最も格式高い花といわれていることも関係しています。
天皇家の家紋にも菊が使われているんですよ。
そんな菊は、仏様・ご先祖様に尊敬の気持ちを表すこともできそうですよね。
また種類が豊富で、さまざまなデザインに合わせやすいことなども選ばれる理由の1つです。

菊は、1年中お花屋さんで購入することができる花の1つなので、春のお彼岸でも秋のお彼岸でもお供えすることができますね。

<トルコキキョウ>

トルコキキョウ
バラに似ているように花びらを幾層にも重ねたような八重咲きと、カップのような形をした一重咲きを楽しむことができるトルコキキョウ。
お供えにトルコキキョウを使うときは、八重咲きも一重咲きも選ばれることがあります。
どんなデザインの花をお供えするかによって、花の種類だけでなく、咲き方も選ぶようにするといいかもしれませんね。

トルコキキョウがお供えに適している理由は、花の上品さなどのほかに、暑さに強いことがあげられます。
トルコキキョウは他の花に比べて、暑い日が続いても長持ちしやすいのです。
暖かくなってきても、安心してお供えすることができますよね。
ちなみに、トルコキキョウはリシアンサスやユーストマとも呼ばれています。
お花屋さんで呼ばれている名前が違っていたとしても、リシアンサスやユーストマもトルコキキョウになります。

<カーネーション>

カーネーション
フリルのような花びらが重なり合い、豪華な雰囲気とかわいらしさを併せ持ったカーネーション。
カーネーションの丸い花を見ていると、優しそうで安心させてくれるような気がします。
母の日のイメージが強いカーネーションですが、母の日に限らずお誕生日などのお祝いから、お彼岸などのお供えでもよく活用されています。
花持ちがよく日持ちするため、お墓や仏壇にお供えした際も長くきれいな花を楽しむことができますよ。

最後に

花と数珠
今回は、お彼岸についてご紹介しました。
春のお彼岸は、もうすぐ。
早めに準備して、お墓参りなどの予定を立てられるようにできるといいですね。

ちなみに花キューピットでも、春のお彼岸にぴったりな花をご用意しています。
「毎年お彼岸には、親戚の家に行っていたけど今年はやめておこうかな…?」という方や「お供えの花だけ親戚の家に贈りたい」という方は、花キューピットのサイトをのぞいてみてください。
春のお彼岸に贈りたいデザインの花が見つかるかもしれませんよ。

 

 

 

2021-03-05 | Posted in , 花と文化No Comments » 

 

秋のお彼岸はいつ?供花におすすめな種類や何をするかも掲載


彼岸花

もう9月に入りますが、まだまだ暑いですね。
長袖の服を着るのは、もう少し先になりそうです。
さて、今回はまだ秋の雰囲気はありませんが、「秋のお彼岸についてご紹介します。
「秋のお彼岸って聞いたことはあるけど、いまいちわからない…」という方も、「お供えのお花は何にしようか」と悩んでいる方にも、チェックしてもらいたい内容になっています。

お彼岸はいつからいつまで?


お墓参り

今年、2024年のお彼岸の期間は、いつからいつまでなのでしょうか。
秋のお彼岸は、秋分の日を中日とした前後3日間、計7日間が期間になります。
すなわち、9月19日~9月25日までです。
詳しく見ていくと、以下の通りになります。

  • 9月19日:彼岸入り
  • 9月22日:秋分の日(お中日)
  • 9月25日:彼岸明け

お彼岸ってどんな日


供花

9月に入ると、「秋のお彼岸」と書かれたポスターや、お供え関連を販売するコーナーを目にする機会が多くなりますよね。
ここでは「秋のお彼岸」とはどんな期間なのか、からご紹介したいと思います。
お彼岸の期間は、先ほどお伝えした7日の期間に、浄土へ生まれ変わりたいと願い「六波羅蜜」を実践すると共に、ご先祖に感謝を捧げるとされています。
この「六波羅蜜」とは、この世に生きているまま仏様の境涯にいたるための布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧という6つの修行のことです。
お彼岸の期間は、ご先祖様に感謝するだけではなく、正しい行い(修行)を行う期間でもあったのですね。
次に、「お彼岸の期間には、具体的に何をしたらいいのか」をお伝えします。

お彼岸には何をする?


お墓参り

ご先祖様に感謝をしたり、「六波羅蜜」を実践したりするお彼岸には、具体的に何をしたらいいのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。

お仏壇のお掃除

お仏壇をいつも以上にきれいにお掃除することで、ご先祖様も嬉しく思ってくださるかもしれませんね。
またお掃除していると、心も清められ「六波羅蜜」を実践することに、つながるのではないでしょうか。
お仏壇をきれいにしたら、供花やおはぎ、故人が好きだったものなどをお供えしましょう。

お墓参り

お墓参りでは、お供えのお花を変えたり、お墓をお掃除したりしましょう。
掃除道具や供物の他に、気温や天候を見て帽子や傘を持っていくと、良いかもしれませんね。
ちなみに、お彼岸の時期にお墓参りに行くようになったのは、江戸時代の中期以降なのだそうですよ。

お彼岸にお供えするお花のスタイル

ここからはお彼岸の期間に、お供えするお花のスタイルをご紹介します。
お墓参りや帰省する際にお花を持っていく時や、お仕事の関係などで地元に帰ることは出来ないけれど「お花だけ贈ろうかな」とお考えの方は参考にしてみてください。

お墓


お墓の供花

お墓参りの際にお供えするお花は、対になっている花束が一般的です。
そしてお供えする時も、お花が左右対称になるように注意してください。
お墓には、お花をお供えするための「花立て」という筒のような部分があることが多いです。
お花をお供えする時は、その花立てを洗ったり、水を替えたりしてからにしてくださいね。
なぜ花立ての中まで洗うのかというと、お花が吸う水を清潔にするためです。

お仏壇


お仏壇の供花

お仏壇にお花をお供えする時は、花束とアレンジメントどちらのスタイルも選ばれることがあります。
アレンジメントは、花瓶を用意することなく、届いてすぐにお供えすることができるというメリットがあります。
一方、花束はお供えするスペースに合わせて丈や、お花の量を調節することができますよ。

お供えにぴったりなお花

秋のお彼岸にお供えしたい、お花の種類をご紹介します。

トルコキキョウ


トルコキキョウ

花もちが良く、お供えのお花でよく使われるトルコキキョウ。
お供えで使われる時は、ひらひらした花びらが重なった八重咲きと、キキョウのような咲き方の一重咲きがあります。
花色はホワイトやグリーン、花びらのふちに紫色が入ったものなどが供花としてよく選ばれます。
他のお花に比べて長持ちしやすく、品のあるトルコキキョウを花束・アレンジメントに加えれば供花全体を上品な雰囲気にすることができそうです。

ちなみに最近は、リシアンサスと表記しているお花屋さんもあるので、「トルコキキョウ」の表記がない時は、「リシアンサス」の表記を探してみてください。

りんどう


リンドウ

秋の訪れを感じることのできる、りんどう。
季節ならではのりんどうは、秋のお彼岸の期間にぜひお供えしたいですね。
花色は、落ち着きのある紫色の他に、ホワイトも流通しています。
りんどうがなぜ、供花としてよく活用されるかというと、季節のお花であると同時に、さりげない華やかさを添えてくれるからです。
寂しくなりすぎず、派手になりすぎないりんどうを供花を選ぶ際は、加えてみてくださいね。
また、りんどうは邪気を払うという意味があるとも言われているんですよ。


キク

菊はお供えのお花として、イメージのある方も多いかもしれません。
菊をお供えする理由は様々。
花もちが良く長持ちしてくれるという他に、香りがお線香に似ているからや、国花になるほど格式高いお花だから、邪気を払う意味があるからなどと言われています。
ちなみにお供えで使われる花色は、白・黄色・グリーンなどが多いです。

最後に

今回は秋のお彼岸についてご紹介しました。
お供えのお花は早めに準備して、当日に「忘れていた…!」ということにならないようにしたいですね。

ちなみに、花キューピットでも秋のお彼岸に最適なお花をご用意しています。
花束・アレンジメントと、どちらのタイプもご用意しているので、お届け先様に合わせて選ぶといいかもしれません。
どんなお花があるか、気になった方はサイトやお花屋さんをチェックしてくださいね。

 

 

 

2020-09-02 | Posted in 花と文化No Comments » 

 

春のお彼岸|2024年はいつから?適切なお供えの花の色は?お墓参り行く時の参考に。


菜の花

3月ももうじき折り返し。
日陰はまだ肌寒い日が多いですが、日向では春の暖かさを感じるようになってきましたね。
もう少しで待ち遠しかった春が来るようです。

今回は春に大切にしたい日本の文化「春のお彼岸」についてご紹介します。

2024年の春のお彼岸はいつ?


お墓参り

「暑さ寒さも彼岸まで」という慣用句は、手紙の時候の挨拶の中でも使われることがあり、3月や9月になると耳にする機会が多くなると思います。
ちなみに「暑さ寒さも彼岸まで」の意味は「冬の寒さは春分ごろまで、夏の暑さは秋分ごろまでには和らいでいく」という意味です。
では、今年2024年の春のお彼岸はいつなのでしょうか。
まずは、お彼岸の期間からご紹介していきたいと思います。

2024年の春のお彼岸は、3月17日〜3月23日です。
実は、お彼岸の期間は毎年異なっています。
春のお彼岸の決め方は、「春分の日」を中日として前後3日間を合わせた7日間とされています。
今年の場合は中日である春分の日が3月20日(水)であるため、彼岸入りが3月17日(日)彼岸明けが3月23日(土)となります。
まとめると以下の通りです。

・彼岸入り……………3月17日(日)
・中日(春分の日)……3月20日(水)
・彼岸明け……………3月23日(土)

春のお彼岸では何をする?~お供え・掃除で使うもの~

3月17日〜3月23日までの春のお彼岸では、いったい何をしたらいいのでしょうか。
実は、お彼岸の期間に「何をするべきだ」という決まりはありません。
ただ、お彼岸は先祖を敬うように過ごすことが一般的です。
そのためお墓参りをしたり、仏壇がある方は仏壇や仏具を掃除したりしましょう。
いつもより丁寧に掃除をして、きれいにしてあげるのです。

次にお彼岸の前に用意しておきたいものをまとめました。
お墓や仏壇にお供えするものや掃除道具は事前に準備しておきたいですよね。

お供えするもの


供花

・ぼたもち
ぼたもちとは、もち米とうるち米を混ぜて作った餅に、あんなどを付けたもの。
お彼岸の季節になると、和菓子屋さん以外にスーパーなどでも販売されているぼたもち。
自宅で作るという方も多いと思います。
ちなみに、ぼたもちは春に咲く牡丹(ぼたん)の花が名前の由来になっています。

・らくがん
らくがんとは、穀類の粉に砂糖や水あめなどを入れて練り、型で押し固めたあと乾燥させたお菓子。
見た目は花や葉など様々な形があり、色合いも優しいものが多く可愛らしいものが多いです。
らくがんの甘すぎず、品の良い味がおいしいですよね。

献花
献花とは、霊前などにお供えするお花のことです。
お彼岸以外に故人の命日やお盆などでお墓参りに行く際は、お供えのお花を持っていきますよね。
お彼岸の時も同じように、お花をお供えしてくださいね。
春のお彼岸でお供えに適したお花は後ほどお伝えしますので、お花の種類で迷った時は読んでみてください。

・お線香
お墓や仏壇でお線香をあげることは当たり前になっていますが、その理由を知っていますか?
お線香をあげる理由は様々ありますが、ここではその一部をご紹介しますね。
お線香をあげることで自分の身と心を清めて仏様と向き合うという意味や、亡くなった方が食べるものは香りだけと言われていることに由来しています。
ライターなど火をつける道具もお忘れなく。

・故人が好きだったもの
故人が生前好きだった食べ物や飲み物などをお供えしましょう。
食べ物や飲み物以外に、タバコやおもちゃをお供えすることもあるようです。

掃除で使うもの


墓掃除

・たわし
水受け(墓石の前にあるくぼみ)を掃除する時に、たわしがあると便利です。
苔が生えてしまうことやぬめりが出てしまうことがあるので、しっかりそうじしてください。
ちなみに水受けは水鉢とも呼ばれており、仏様に水をお供えするためにあるものです。
きれいなお水をお供えするようにしたいですよね。

・スポンジ
墓石を洗う時に使います。
墓石をきれいに洗うことで祖先を喜ばせてあげましょう。

・ほうき
お墓がある寺院や霊園などで借りられることもありますが、車で行く時や自宅が近い場合は持っていくと良いかもしれません。

お墓参りの手順

お墓参りに行くときの手順を、簡単にご紹介します。
まずはお墓の掃除をした後に、お花をお供えします。
そのあと水受けへきれいな水を注ぎ、線香をあげて合掌します。
※宗教や宗派によってお墓参りの仕方は異なることがありますので、ご注意ください。

もっと詳しくお墓参りの仕方を知りたい方は、こちらを併せてご確認ください。


お墓参りの手順を簡単に説明

お墓参りの手順を説明


お墓参りの方法をより詳しく紹介。またお墓参りでタブーになることも掲載しています

春のお彼岸にお供えしたいお花は?

先ほどお墓や仏壇でお供えする物の中で、献花をご紹介しました。
ここでは、春のお彼岸でおすすめしたいお花の種類をご紹介します。

トルコキキョウ


トルコキキョウ

花もちが良く上品なトルコキキョウはお祝いの場でも使われますが、お供えのお花としても良く使われています。
花色は白色や白色ベースに紫色の縁取りのある落ち着いたものが、お供えに適していると言われています。
花言葉は「優美」などがあり、故人への優しい気持ちを伝えることができそうですよね。

マム(菊)


菊

お供えのお花として最もイメージされやすいマム。
お花屋さんでもお盆やお彼岸の時期になると、マムを使ったお供えの花束などが店頭に出ていますよね。
昔からマムはその香りで邪気を払うと言われていることや、日本の気候に適しているため花もちが良く、すぐに枯れることが無いと言われていることが選ばれている理由かもしれません。
また、マムは種類が多く、花色や花姿が様々あります。
可愛らしいイメージから美しいイメージまで、お供えの花のデザインに合わせてマムを選ぶことができますよ。

カーネーション


カーネーション

春に旬を迎えるカーネーションは比較的に花もちが良い花です。
春に最もきれいに咲くカーネーションは、春のお彼岸にお供えするにはぴったりなお花とも言えます。
グリーン・ピンク・白色のカーネーションを使い、カーネーションだけで合わせる時も、他のお花と一緒に合わせる時もフリルのような花姿は献花の上品さをアップさせてくれます。

アイリス



春の花として知られているアイリスは、鮮やかな紫色や青色が有名な美しい花です。
花色は紫色や青色以外に、黄色や白色などもあります。
ちなみにアイリスの花言葉は「良い便り」や「吉報」などがあります。
近所のお花屋さんで、チェックしてみてくださいね。

献花で使われる色は?初彼岸でのお供えするお花の色は?


蓮

お彼岸でお供えするお花に決まった色はありません
しかし、白を基調に淡い色を加えたものが一般的でしょう。
特に春のお彼岸では寒色系を少なめにし、春らしい暖色系を多く取り入れたお花が選ばれることが多いとされています。

もしお花の色合いに悩んでしまった時は、白色の献花を用意することがおすすめです。
なぜなら、仏様が好きな色に花を染められるという考えもあるからです。
亡くなってから日が経っていない時(四十九日以内)に、白上がりといわれる白い花だけで作った供花をお供えすることはよく知られていますよね。
白上がりの供花は、四十九日以降でもお供えして良いので、安心してお供えしてくださいね。

また、亡くなってから四十九日が過ぎた後に迎える、初めてのお彼岸のことを初彼岸と言います。
初彼岸でお供えのお花の色を悩む方もいらっしゃると思いますが、こちらも花の色の決まりは特にありません。
通常のお彼岸やお盆と同じように、白色と淡い色のお花を合わせた供花が選ばれることが多いようです。
ちなみに初彼岸は、故人が極楽浄土へ到着する日と言われています。

お彼岸に行う日本だけの文化とは?


お墓参りをする少女

実はインドなどを含む世界の中では「お彼岸にお墓参りをする」という文化がないのです。
世界であるのは日本だけということになります。
子どものころから、お彼岸にはお墓参りをすることが習慣になっていて、驚く方も多いと思います。
「なぜお彼岸に日本では、お墓参りをするようになったか」は多くの説があります。
ここではその説の1つを紹介しようと思います。
それは、お彼岸の中日に当たる春分の日と秋分の日が関わっているという説です。
国民の祝日に関する法律では、2つの祝日を次のように定めています。
・春分の日:「自然をたたえ、生物をいつくしむ」
・秋分の日:「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」

このように古くから日本に根付く自然への感謝の気持ちや、祖先供養の考えが反映されているのかもしれませんね。

最後に


お墓に咲く花

今回は春のお彼岸についてご紹介しました。
「お墓参りに行きたいけれど行けない」そんな時に、花キューピットをお試しください。
花キューピットではお仕事の都合や距離の問題でお墓参りに行くことが難しい方に、お墓へお供えするのに最適な対の花束をご用意しています。
もちろん、仏壇などにお供えするお供えのアレンジメントや花束も用意していますよ。

 

 

2020-03-13 | Posted in 花と文化No Comments » 

 

2024年の春のお彼岸~日程・おすすめの供花の種類・お彼岸の日程の決め方~


御墓参り

暖かな春が近づいて来ていますが、まだまだ寒い日が続いていますね。
さて、今回はそろそろ考えておきたい春のお彼岸についてご紹介します。

春のお彼岸って何?何をするの?


蓮の花

お彼岸ということを意識していなくても、3月にお墓参りに行くことが習慣になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
お彼岸は、ご先祖様を供養する期間のことです。
お彼岸は、お墓参りをすることが一般的。
このお彼岸の間はお墓参りに行ったり、仏壇を掃除をしたりすることで、ご先祖様に感謝する日とされています。
お彼岸では、お正月の門松や節分の豆まきのように、何かすることが決まっているわけではありませんが、お彼岸の中日(春分の日)前後の日でご先祖様を敬うためお墓参りに行く方が多いと思います。

お彼岸日程の決め方


春のお墓

3月には祝日が1日あると思います。
2024年3月20日は、「春分の日」。
実は、お彼岸と「春分の日」は深い関わりがあるのですよ。
では、どんな関わりがあるのかを見ていきましょう。

仏教では、ご先祖様がいるとされている世界のことを「彼岸(ひがん)」と呼び、生きている人の世界(今、私たちがいる世界)を「此岸(しがん)」と呼んでいるのだそうです。
そして、その「彼岸」は西にあり、「此岸」は東にあるとされていて、太陽が真東から昇り真西に沈む「春分の日」と「秋分の日」は、この2つの世界がもっとも通じやすい日だと考えられているのです。
そのため春のお彼岸は、ご先祖様がいる世界ともっとも近くなる春分の日を中日として前後3日間、合計7日間が「お彼岸」の期間となりました。
ちなみに、秋のお彼岸は「秋分の日」を中日として前後3日間、合計7日間が「お彼岸」と決められています。

今年、2024年の春のお彼岸はいつ?




前述した通り、春のお彼岸は「春分の日」を中日として前後3日間です。
今年の春分の日は3月20日なので、

 

  • 3月17日: 彼岸入り
  • 3月20日:中日(春分の日)
  • 3月23日: 彼岸明け

 

となります。
まとめると、今年の春のお彼岸は、3月17日から3月23日ということになります。

お供えしたいお花の種類

お彼岸でお墓参りに行く際に、忘れてはいけないのがお供えのお花ですよね。
今回は、お供えに適したお花をご紹介します。
お彼岸が近くなると、お花屋さんでも供花が店頭に並んでいることが多くなるのでチェックしてみてくださいね。
お供えするお花の色味は、白や淡い色の花が一般的です。
花束アレンジメントは、白を基調にピンクやブルーを合わせることが多いとされています。
それでは、お供えに適しているお花の種類を見ていきましょう。

<トルコキキョウ>


トルコキキョウ

トルコキキョウは清楚なイメージで、花もちが良いためお供えにおすすめ。
暑さにも強いので、あたたかい日が続いてもすぐに枯れてしまうことが少ないお花です。
お花の色は、お供えに使いやすい白や紫などの色も多く流通しています。
カラーバリエーションが豊富なうえに、花びらの色には濃淡があるため、他のお花とも合わせやすく、デザインに合わせて取り入れることができます。
ちなみにトルコキキョウは、ふわふわとした印象の八重咲と、落ち着いた印象の一重咲きなどがあり、お花の見た目も様々です。

<ユリ>


ユリ

凛とした美しい花を持つユリは、よくお供えのお花として使われます。
美しい見た目はもちろんのこと、世界的に見ても評価が高いです。
また日本においても長い歴史を持っていることから、ご先祖様にお供えするにふさわしいお花とも言われています。
ユリをお供えする時の注意点としては、花粉を服や墓石に付けないようにすることです。
ユリ花粉は1度ついてしまうとなかなか取れないため、お供えする前に花粉を取っておくことをおすすめします。
花粉は手やピンセットで、簡単に取ることができます。

<カーネーション>




赤色の印象が強いカーネーションですが白はもちろん、ピンクやグリーンなどの淡い色も多くのお花屋さんに流通しています。
「カーネーションの色は赤」というイメージに大きく関係しているのは「母の日」だと思います。
もともとカーネーションを母の日に渡すようになったのは、アメリカの少女が亡き母のミサを行っていた際、母が大好きだった白いカーネーションを献花したことからと言われています。
ちなみに母の日には、亡くなってしまったお母さんには白いカーネーションを、ご健在のお母さんには赤いカーネーションを渡す文化もあるんですよ。
カーネーションは比較的に花もちが良いことや、上品で可愛らしい花姿をしていることで、よくお供えのお花として使われています。

<スターチス>


スターチス

徳高い色とされている紫色のお花が印象的なスターチスは、あまり水分を必要としないお花の種類として有名です。
お水を頻繁に取り替えることができなくても、きれいな姿を保ってくれる花もちが良い種類のお花です。
水分がスターチス全体から抜けきった後もきれいな色を保ったまま、お花が散ってしまわないため、お供えの他にドライフラワーやハーバリウムなどにもよく使われています。
ちなみにスターチスは、春のお彼岸におすすめしたい、春が旬のお花です。

<菊>


菊

お供えのお花としてもっともイメージしやすいお花の1つである、菊。
菊は古くから邪気を払う花と言われている高貴なお花とされています。
また、品種改良が進んでいることで様々な種類があり花束やアレンジメントにした際、デザインにあわせて使うことができます。
花もちが良く、すぐに枯れてしまわないこともお供えに選ばれている理由です。
お花屋さんでは、「菊」という表記ではなく「マム」と表記されることもあります。
お花屋さんでお花を買う際は、注目してみてくださいね。

お供えは控えたいお花


バラ

お供えのお花には特に、決まりはないとされていますが、お供えには適していないと言われているお花もあります。
宗教や地域などで様々ですが、ここでは一例をご紹介します。

 

  • 棘があるお花:バラなど
  • 毒があるお花:シャクヤクなど

 

美しく人気の高いお花でも、お供えには適していないことがあるので注意が必要ですね。
故人が亡くなってから時間が経っている場合や、故人が好きな花の場合はお供えに使うこともあるようです。
どんなお花をお供えしていいか分からない時は、お花屋さんで聞いてみるのもいいかもしれませんよ。

ちなみに花キューピットでは、お花屋さんが地域の習慣や風習に合わせてお花を作る「お花屋さんオリジナルフラワー」をご用意しています。
「遠方のためお墓参りにはいけないけれど、お供えのお花だけは贈りたい」「どんなお花をお供えしたらいいのか不安だから、プロに任せたい」とお考えの方は、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
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最後に


供花

今回は、春のお彼岸についてご紹介しました。
ご先祖様に感謝するお彼岸は、早めに家族で予定をたてて、家族そろってお墓参りができると良いですね。
お墓参りに行く際は、掃除道具とお線香、供花を忘れないようにしたいですね。

花キューピットでは、様々なお供えのお花をそろえています。
中にはお墓にお供えしやすい、一対になっている花束をご用意しています。
お供えのお花が必要な時は、花キューピットを1度チェックしてみてくださいね。

 

 

 

2020-02-14 | Posted in , 花と文化No Comments » 

 

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