花と文化
正月やお年玉の由来と花を飾る理由。元旦と元日の違いも紹介
1月1日はお正月。
子供の頃からおせちを食べたり、正月ならではの花を飾ったりして、毎年お正月を過ごしていますが、由来や意味・理由を考えたことは少ないのではないでしょうか。
今回は、正月について改めて紹介しようと思います。
目次
正月の由来
毎年新しい年を祝うお正月ですが、実はあまり由来や、どんな行事なのかなど知らないことも多いのでは。
そこで、子供に「お正月って何?」と聞かれた時に答えられるような回答をまとめました。
お正月はどんな行事?正月の起源
もともとお正月は、ご祖先様に感謝しご先祖様の霊(魂)を祀るものだったと伝えられています。
現在は、家族で新しい年をお祝いするイメージが強いですがもともと正月は、健康や五穀豊穣などをもたらしてくれる年神様を家族でお迎えする行事とされていました。
お正月は、年神様をおもてなしする祭りといっても良いでしょう。
そんな、年の初めにお迎えをする年神様ですが、実はご先祖様ということをご存知でしょうか。
気になった方は、住職へのインタビューを合わせてご覧ください。
門松で(結果的に)私たちもご利益を得られる!? 年神さまの本来の姿は「ご先祖さま」!?知恩院の所属寺院に住職として従事している大津様にお聞きしました。 |
お正月の期間は?
昔は1月が「お正月」を表していました。
そのため、1月1日~1月31日=正月だったのです。
しかし現在は、以下の期間がお正月とされているようです。
1月1日から1月3日まで:三が日
1月1日から1月7日まで:松の内(松七日)
※松の内は地域によって1月15日まで
「明けましておめでとうございます」とあいさつをするのも、松の内までが多いようです。
お年玉の由来
子供の頃、お正月になると楽しみだったのがお年玉。
そんなお年玉ですが、実は昔はお金ではなかったのです。
昔はお金ではなく、お餅でした。
お年玉は、お正月に年神様のためにお供えしていた鏡餅に由来しています。
年神様にお供えしていた丸い鏡餅を、年神様が帰られるタイミングにお下がりとして、家族で分けて食べていました。
年神様からのお下がりは、生命のもとといわれ健康や豊作にあやかれるとされ、また1年を無事に過ごすことができるように祈って食べていました。
お年玉と呼ぶ由来は、お下がりである丸い鏡餅に年神様(歳神様)が魂を入れてくれることから「御歳魂」と呼ぶようになった説などがあります。
お年玉がどうしてお金になった?
鏡餅を家族で分ける「お年玉」は、鎌倉時代頃から始まったとされています。
当時の餅は貴重で、現在よりも価値の高い物だったようです。
お金に変わり始めたのは、昭和(高度経済成長の頃)といわれています。
給料をもらう人が増えたことや、年神様へ鏡餅をついてお供えする家庭が減ったことなどが影響しているのはないかといわれています。
ちなみに、鏡餅は家族全員に分けていましたが、お金に変わったタイミングで子供だけに渡すようになったと考えられています。
正月に花を飾る理由
お正月に花を飾る理由は、歳神様と挨拶に来てくれたお客様を華やかな花で歓迎するためと言われています。
花を飾ることで、おもてなしをしているのです。
きれいな花が飾られていれば嬉しい気持ちになりますよね。
ちなみに新しい年の初めに飾る花は、縁起の良い花を飾ることが多いです。
新しい年も良い年になるように、願いを込めて花を飾りましょう。
「正月に花束やフラワーアレンジメントは飾らない」という方も、門松やしめ飾りなどの正月飾りは飾ることがあるのではないでしょうか。
正月飾りにも、縁起の良い植物が使われていることが多いので、自宅に飾る際はぜひチェックしてみてください。
正月飾りはいつからいつまで?玄関に飾る時のルールとは|片付けるタイミングも掲載 正月飾りを飾ろうと考えている方はチェック! |
縁起が良い花の種類と、縁起が良いといわれる理由
縁起が良く、お正月によく飾られる代表的な植物は以下があります。
- 松
- マム(菊)
- 梅
- 南天
- 胡蝶蘭
- 葉ボタン
- ウメモドキ
松や菊、南天などは、お正月シーズンに飾られているところを見たことがある方も多いかと思います。
松などの常緑樹は、冬でも緑の葉を落とすことがないため、「不老長寿」の象徴とされています。
松は門松などにも使われているため、理由を知らなかったとしても「縁起がよさそう」と思う方も多いのでは。
また梅は、まだ寒く他に花が少ない早春から花を咲かせるため、「出世」や「開運」の象徴とされており、縁起が良いといわれています。
縁起が良くかわいらしい花を咲かせる梅は、着物の柄にもなっています。
梅の柄があしらわれた着物は、正月~立春頃に着ることがおすすめです。
松や梅の花以外も含め、どうして縁起が良いといわれているのか、もっと詳しく知りたい方は、合わせてこちらもご覧ください。
お正月の花~縁起の良い花と新年を迎えよう~ 松や菊などが縁起が良いといわれている理由は? |
ちなみに、正月によく見る赤い実についても、他の記事で紹介しています。
冬になると植物が減り寂しい雰囲気になりますが、赤い実があると鮮やかになるため、フラワーギフトや庭木として選ばれることが多いです。
また赤い実は、富や繁栄などを連想させ、縁起物といわれています。
千両と万両の違い・見分け方|正月の赤い実「南天・ヤブコウジ」も掲載 赤い実を付ける植物の見分け方とは? |
元旦と元日の違い
「元旦」と「元日」は似ていますよね。
漢字の見た目も似ていて、それぞれどんな意味があるのか分からなくなってしまうことも、あるのではないでしょうか。
それぞれの意味は、以下の通りです。
- 元旦:1月1日の午前中のこと
- 元日:1月1日の丸一日のこと
同じ1月1日のことを指していますが時間帯が異なり、元旦の方が、より期間が区切られています。
元旦の漢字
似ていて分かりにくいという方は、漢字が表していることに注目すると覚えやすいかもしれません。
元旦の「旦」という字は、水平線から朝日が昇る様子を表しているといわれています。
「日」が太陽を、「一」が地平線を表現しています。
漢字が表現していることがわかると、初日の出が昇ってから午前中までの間を表しているのが「元旦」だと分かりやすくなりそうです。
年賀状にはどっちで書く?
1月1日に届く年賀状は、「元旦」と「元日」どちらも使用できます。
基本的に1月1日に届く年賀状は、午前中に届くため「元旦」が使われることが多いようです。
どちらも意味的に1月1日に届く年賀状限定で使えるため、「元旦」や「元日」と書いた年賀状は、投函が遅れないように気を付けましょう。
ちなみに1月2日以降に届く場合は、元旦と元日もどちらも使わずに、「正月」や「初春」と表現することが多いようです。
世界の明けましておめでとう
おまけとして、世界の「明けましておめでとうございます」また「明けましておめでとうございます」と同じ意味で使われている言葉をご紹介します。
子供と一緒にお正月に挨拶をするときや、お年玉を渡すときに言ってみるのも面白そうです。
日本 | 明けましておめでとうございます |
アメリカ | I wish you a Happy New Year.(アイ ウィッシュ ユー ア ハッピーニューイヤー) 訳:新年おめでとうございます |
韓国 | 새해 복 많이 받으세요(セヘ ボッ マニ パドゥセヨ) 訳:新年福をたくさん受けとってください |
中国 | 新年快乐(シン ニィェン クァィ ラ) 訳:新年おめでとうございます |
イタリア | Felice Anno Nuovo(フェリーチェ アンノ ヌォーヴォ) 訳:幸せな新年をお迎えください※年が明けてからでも使えます |
ロシア | Поздравляю с Новым годом(パズドゥラヴリャーユ ス ノーヴィム ゴーダム) 訳:明けましておめでとうございます |
新年は縁起のよい花とスタートを
今回は、お正月について改めてご紹介しました。
新しい年には、華やかな花を飾って気持ちを新たに晴れやかな気持ちになれるといいですね。
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