花と文化
クリスマスの豆知識~子どもに話したい5つの雑学~
今年のクリスマスは、感染症予防のために自宅で過ごすという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、家族で過ごすクリスマスに話したい、クリスマスの豆知識をご紹介します。
多くの人が知っている記念日の1つであるクリスマスですが、「知らなかった!」ということや「えー?そうなの⁈」というようなこともあるかもしれませんよ。
お子さんとクリスマスの話をしたら、盛り上がること間違いなしです。
目次
◆プレゼントが靴下の中に入っているのはなぜ?
クリスマスには、サンタさんにプレゼントを入れてもらうよう、子どもの頃に靴下を用意していたという方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
最近は、お店で大きな靴下が販売されている所も、よく目にしますよね。
では、もともとなぜクリスマスプレゼントは、靴下に入れてもらうようになったのでしょうか。
サンタさんがプレゼントを、靴下の中に入れるようになった由来は、いくつかあります。
ここでは、その中の1つをご紹介したいと思います。
ある言い伝えが、靴下にプレゼントを入れることと関係しているので、まずは言い伝えからご紹介します。
昔々、3人の娘を持つ、ある家族がおりました。
その家族はとても貧しく、生活に困っていました。
ある日、生活をするために家族の中で、「1番目の娘を売り、2番目と3番目の娘をそれぞれ結婚させよう」という話が出ていました。
娘を身売りに出し、愛のない結婚をさせようとしていることを知った聖ニコラスが、家族を救うために窓から金貨を投げ込んだのだそうです。
すると、聖ニコラスが投げた金貨は、娘の1人が暖炉の近くに干していた靴下に、ちょうど入ったのです。
そして、家族はその金貨を見つけ、感謝し喜びました。
その靴下に入ったお金のおかげで、家族は生活ができるようになり、3人の娘は幸せな結婚をすることができたのでした。
貧しい家族を救うために家へ投げ込んだ金貨が、たまたま靴下に入ったことが語り継がれ「サンタさんがベッドの横や、暖炉の近くに飾っている靴下にプレゼントを入れる」というようになったと言われています。
心が温まる素敵なお話ですよね。
ちなみに聖ニコラスは、サンタさんのモデルになったと言われている人なのだそうですよ。
◆クリスマスローズはバラの仲間ではない⁈
冬になると鉢植えや花壇で見かけることもある、クリスマスローズ。
名前にローズとついているため、バラ(ローズ)の仲間のように思いますが、実はクリスマスローズはバラ科のお花ではありません。
なぜ、ローズという名前が付いているのかというと、お花の形がバラに似ていたからなのだそうです。
「クリスマスに咲くバラに似たお花」という意味で「クリスマスローズ」と、言われるようになったとされています。
◆クリスマスローズは日本でクリスマスの時期に咲かない⁈
「クリスマス」と付いているのに、日本でクリスマスローズは12月のクリスマスシーズンに、お花を咲かせません。
「えー、どうしてクリスマスって名前なの?」と、思いますよね。
それは、クリスマスローズと呼んでいる植物が、日本とヨーロッパで異なっているためです。
クリスマスローズの原産地であるヨーロッパは、ヘレボルス属の1つであるニゲルと言う植物を主に「クリスマスローズ」と呼んでいます。
ニゲルの開花時期は12月下旬から1月にかけてで、ちょうどクリスマスの時期にお花が咲いています。
一方で、日本ではニゲルだけではなく、ヘレボルス属全体を「クリスマスローズ」と呼んでいるのです。
特にヘレボルス属の中でも品種改良が進み、日本で品種が多くなったのはH.オリエンタリスという植物でした。
品種が多くなり、よく出回るようになった、H.オリエンタリス(クリスマスローズ)が開花するのは2月~4月。
そのため、日本でクリスマスローズの開花時期となると、クリスマスの時期ではなく、2月~4月ということになるのです。
◆ポインセチアは赤・白・グリーンのクリスマスカラー?
色鮮やかな赤色が、印象的なポインセチア。
「クリスマスカラーの赤と、葉のグリーンは分かるけど…白はどこ?」と、思われる方も多いのではないでしょうか。
そう、ポインセチアを見ても白色なところは、なかなか見つからないですよね。
実は、ポインセチアの樹液が白色なのです。
自宅にポインセチアがあるという方は、枝を切って樹液を見てみても良いかもしれませんね。
樹液を見る時の注意点としては、「樹液を口にしない」ということです。
ポインセチアの樹液には毒があるので、お子さんやペットが誤って口にしないように気を付けましょう。
また、体質によって異なりますが、触れるとかぶれてしまうこともあるようです。
ポインセチアの樹液を見る時や、誤って枝を折ってしまった時には、注意できるといいですね。
◆クリスマスにモミの木を飾るのはなぜ?
クリスマスツリーと言えば、モミの木ですよね。
なぜ、たくさんの種類がある木の中から「モミ」が選ばれたのでしょうか。
クリスマスツリーでモミの木が使われる理由は、モミが特別な木だと考えられていたためです。
ここでは、古代ゲルマン人と、中世のドイツで考えられていたことをご紹介しようと思います。
<古代ゲルマン人>
寒さが厳しい北欧で暮らす古代ゲルマン人たちは、他の木々が冬になると葉を落としてしまうにもかかわらず、モミを含む常緑樹がいつもと変わりなく、緑の葉を茂らせていることから「永遠の命の象徴」として、特別な存在として扱っていたのだそうです。
<中世のドイツ>
中世のドイツでは、モミの木には小人が宿るとされていました。
小人が宿っているモミに、食べ物やお花を飾ると小人が集まってきて、人々に力を与えてくれると信じられていたのだそうです。
このように、「モミ(常緑樹)は特別だ」という考えが、クリスマスツリーにモミの木を使うようになった由来とされています。
クリスマスツリーと言えば「モミの木」というイメージがありましたが、「モミの木がなぜ選ばれているか」まで知っているという方は、少なかったのではないでしょうか。
子どものころから、慣れ親しんでいて疑問に思わないことは、意外と多いものですね。
改めて「なぜ、こうなのだろう…」と、考えてみると新しい発見や気づきがあるかもしれませんね。
◆黒いサンタさんや魔女?世界のクリスマス
日本でクリスマスと言うと、「24日の夜にサンタさんがやってきて、25日の朝にサンタさんが届けてくれたプレゼントを見つける」というものが一般的ではないでしょうか。
実は、世界で見てみるとクリスマスは、国によって少し違いがあるようです。
<ドイツ>
ドイツのクリスマスは、いい子だった子どもにはサンタさんがご褒美としてプレゼントを、悪い子だった子どもには黒いサンタクロースがやってきて、罰を与えるとされているのだそうです。
黒いサンタさんは、クネヒト=ループレヒトと呼ばれており、悪魔のような姿をしているのだそうです。
ドイツの子どもは、プレゼントが欲しくていい子にするというよりは、黒いサンタさんが怖くて、いい子にしているのかもしれませんね。
<オランダ>
オランダでは、クリスマスが2回あるそうです。
1つは12月25日のイエス=キリストの生誕を祝う日。
もう1つは、12月6日の「シンタクラース祭」と言われる日。
シンタクラース祭の「シンタクラース」は、聖ニコラスをオランダ語にしたものです。
12月5日の「聖ニコラスの晩」に、オランダの子どもたちは自分の靴を暖炉のそばやリビングに置き、靴にシンタクラースへのお手紙と、彼が乗ってくる白馬のためのニンジンを入れておくのだそうです。
すると眠った後に、シンタクラースがそっと屋根の上にやってきて、一緒にやって来た従者ズワルト=ピートが煙突や窓から入って、靴の中にプレゼントやお菓子を入れてくれるのだそうです。
ちなみに、ドイツでも黒いサンタさんが悪い子どもへ罰を与えたように、オランダでもシンタクラースが悪い子だった子どもには罰を与えたり、袋に子供を入れ連れ去ってしまったりするのだそうです。
<イタリア>
イタリアではクリスマスが「エピファニア」と言われる祝日、1月6日まで続くのだそう。
そのため1月に入り、新しい年になってもクリスマスツリーが飾ってあることが一般的です。
そんな長いクリスマスに魔女が現れるのは「エピファニア」の1日前、1月5日です。
魔女は、いい子だった子どもにはプレゼントを、そうではなかった悪い子どもには木炭を置いていくのだそうです。
ちなみに家族や親せきとクリスマスをゆっくりと過ごすのが、イタリアでは文化となっているそう。
クリスマスの期間が長いことも、関係しているのかもしれませんね。
◆最後に
今回はクリスマスについての豆知識をご紹介しました。
知らなかったこともあったのではないでしょうか?
ぜひ、友人や家族で過ごすお家時間の話題にしてみてくださいね。