花, 花と文化
お米の花は意外と見たことない⁉~お米について~
突然ですが、皆さんはお米の花を見たことがありますか?
1日の中で、1回は口にするお米。
おにぎりであったり、炊き込みご飯であったり…朝・昼・夜の三食の中で、1回はご飯を食べるのではないでしょうか。
そんな身近な作物である「お米」ですが、お米の花を見たことがない方も多いのでは?
今回は、意外と見たことがないお米のお花を含め、お米についてご紹介したいと思います。
◆生産量が多いのは?~日本の米どころ~
日本人の食事に欠かすことのできないお米。
お米のお花を見る前に、まずはお米の生産量を見ていこうと思います。
農林水産省によると、日本で作られているお米の年間総生産量は、なんと8,607,000トン(平成25年度)!
構成比で見ると、1位は7.7%が新潟県、2位が7.3%で北海道、ついで3位は6.1%で秋田県となっています。
やはり、米どころというイメージが強い新潟県が、最もお米を作っているんですね。
◆お米の歴史
「日本の食べ物」というイメージが強いお米ですが、実はお米は海外から日本に渡ってきたものなのです。
稲が日本に伝わった経路については様々な説があります。
一つは、中国から伝わったという説。
中国の江准地帯から、朝鮮半島南部を経て、縄文時代の終わりごろに日本へ伝わったとされています。
日本では先ほどお伝えしたように、涼しい地方でお米が栽培されていますが、もともとお米はあたたかい地域で作られていた作物だったのですね。
実は、伝わった当初のお米は寒さに弱い作物でしたが品種改良が行われ、現代のように涼しい地方でも生産されるようになったのだそう。
ちなみに、私たちの食事でお米が主食になったのは第二次世界大戦以降。
思っていたよりも、日本でお米が主食になった歴史はまだ短いのです。
お米が主食になる前は、麦・ひえなどの雑穀をお米に混ぜて食べていたり、大根・イモなどをメインに食べていたとされています。
◆栽培方法とお米のお花
お米はどのように作られているのでしょうか。
種まきから、収穫までの大まかな流れを見てみましょう。
ここでは、お米のお花の写真も掲載しています。
<4月:種まき・田んぼの準備>
お米は、苗床で種をある程度生長させてから、田んぼに植えています。
まずは中身がしっかり詰まった種を選び、苗床に植えます。
苗床では、小さな植物の芽を、田んぼに移動できる大きさまで育てます。
写真は、苗床に植えた種が成長した様子です。
田植えをイメージすると確かに、種を田んぼに植えるのではなく、ある程度大きくなった苗を植えていますよね。ちなみに、中身が詰まっているかは、塩水につけて判断することがあります。
塩水につけると、中身が詰まっていない種は浮いてきて、しっかり中身が詰まった種は重いため下に沈むのです。
浮いてきた種を取り除いて、沈んだものだけを使えば、中身がしっかり詰まった種を選ぶことができますよね。
この方法は、塩水選と呼ばれています。また、育った苗が植えられるように田んぼの準備もします。
田んぼを耕したり、水を入れた後は土と水をよくかき混ぜたりします。
<6月~8月:生長期間>
上の写真は、8月上旬に撮影したものです。
稲の様子を見て肥料をあげたり、雑草を抜いたり…美味しいお米ができるように管理します。そして次第に稲が葉を増やすことをやめて、だんだん穂を作り始めます。
葉のさやの中で穂が徐々に大きくなって、穂が少し見えるようになると、だいたい1日で穂全体があらわれます。
穂は小さなお花が集まってできており、葉のさやから穂が出るとすぐに花が咲きはじめ、1週間くらいで全てのお花が咲くと言われています。
アップすると、このようになっています。
「お花」と言われないと分からないかもしれませんね。
田んぼが近くにある方はお米の花をぜひ、観察してみてください。
このお花が咲くには光と温度の条件が決まっていて、午前9時くらいから、だいたい2~3時間しか咲かないとされていて、後の時間は閉じてしまうのだそうです。
ちなみに、お米の品種や育てている地域によって異なりますが、8月上旬から8月中旬くらいにお花が咲くとされています。
早い時期にお花が咲いたものは、このようにこうべを垂れ始めます。
◆最後に
今回はお米について栽培法や、あまり知られていないお花についてご紹介しました。
食べることが当たり前になっているお米について、改めて考えてみるのもいいかもしれませんね。
また、お花屋さんや道端に生えているお花、自宅で育てている植物など…葉やお花を観察してみてください。
お米に限らず、改めて親しみのある植物を観察してみると、今まで知らなかったような発見があるかもしれませんよ。