お手入れの基本, , 花と文化

お供えの切り花を長持ちさせるコツ

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お墓やお仏壇に花を供える際に、お手入れの大変さを感じることはありませんか?
夏場はより一層花持ちが悪くなるため、お盆の時期は大変ですよね。

今回の花だよりでは、お供えの切り花を長持ちさせるためのポイントをご紹介します。

■一番大切なのは、毎日の水替え・水切り

切り花が傷んでしまうのは、水中で繁殖するバクテリアが原因です。
汚れた水に挿しておくと、バクテリアの影響で茎が詰まってしまいます。
茎が詰まることで水を吸えなくなり、元気がなくなってしまうんです。

やはり、水を毎日替えてあげることが一番重要です。
茎に付いているぬめりを洗いながすと、バクテリアが落ちて清潔になります。

もうひと手間かけて、一緒に【水切り】を行うと、格段に長持ちするようになります。

【水切りの方法】

1.バケツなどに水を張って茎の根元をつける
  ※ 花や葉が水につからないよう、茎の根元だけをつけてください。

2.水中で、茎の先端を1~2cm程 斜めに切る
  ※ 既に茎が変色している場合は、その部分を取りのぞいてから水切りします。

汚れた切り口をカットして、新しい切り口を出してあげる方法です。
茎に空気が入ってしまうと、気泡が詰まりの原因になるため、なるべく水につけたまま切ります。
斜めに切ると切り口の面積が広くなり、そのぶん水をたっぷり吸えるようになります。

■花筒へ挿す前にするべき2つの対策

忙しい毎日を送っていると、水替えを忘れてしまうことが多々あります。
特にお墓のお供え花は、毎日通ってお手入れするのが難しいですよね。

花筒へ挿す前に、簡単にできる対策があります!

1.茎の根元についている葉を取りのぞく

葉は水につかると腐りやすくなるため、細菌が繁殖する原因になります。
また、葉の枚数が多すぎると、そこから水分が蒸発して花まで水が届きません。
茎の半分より下あたりの葉を取りのぞきましょう。

※ 光合成が出来なくなるので、上の方の葉は残しておいてくださいね。

2.花筒に10円玉や漂白剤を入れる

・10円玉
10円玉を水に入れると、【銅イオン】という成分が溶け出します。
この成分には、水中の細菌の繁殖を抑える効果があるとされています。
まだ酸化していないピカピカの10円玉ほど、より効果が期待できます。

・漂白剤
塩素系の漂白剤には、水が腐るのを遅らせる効果があると言われています。
200㏄の水に対して、1~2滴程度の漂白剤を混ぜてください。
また、【延命剤】という切り花用の薬品も流通しています。
こちらは、花屋さんやホームセンターで入手できますよ。

ですが、これらの方法だけでは、毎日の水替え・水切りと同等の効果はありません…。
お盆の期間中だけでも、なるべく水替えができるといいですね。

■造花ではなく生花をお供えする理由

仏教では、仏様はお食事の代わりに香りを召し上がるといわれています。
お線香や果物・花などは、故人に良い香りを楽しんでいただくためにお供えしているのです。

そのため、お供えには 生花(本物のお花)を用いるのが良いとされています。

とはいえ、造花が禁止されているわけではありません。
虫や野生動物に荒らされるのを防ぐため、造花を勧めている墓地もあります。
お花の種類よりも、故人を想って供養する気持ちが大切です。

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