花と文化
お正月飾りとお正月料理
今年も残りわずかとなりました。一年の汚れを落とす大掃除も終わり、お正月飾りを飾るだけ!という方も多いのではないでしょうか。
今回の花だよりでは、お正月飾りについてお伝えします。
■門松
新年に年神様が降りてくるときの目印といわれているのが門松です。
一年を通じて葉を茂らせる常緑樹はその生命力から神様が宿るといわれ、お正月飾りとして松が使われるようになりました。
一般に門松というと竹が目立つイメージですが、門松は名前の通り松が主役。竹がなくとも、松を飾れば立派な門松です。
門松は玄関前や門前に、左右で対になるように飾りましょう。
■しめ飾り
しめ飾りも年神様を迎えるための飾り。
しめ飾りが結界となって邪気を寄せ付けず、家の中が「年神様を迎えるために清められた場所」であることを示します。
本来はしめ縄を家の周りに張り巡らせていたようですが、今はしめ飾りや輪飾りが使われることが多いですね。
しめ飾りには、「ウラジロ(不老長寿)」「ゆずり葉(子孫繁栄)」「橙(家運隆盛)」などの縁起のいい植物をつけて飾ることもあります。
門松・しめ飾りはどちらも29日、31日に飾るのは避けましょう。29日は「二重の苦」につながる、31日は「一夜飾り」といって葬儀のときの飾りになってしまうなど、大変に縁起が悪くなってしまうためです。
■お正月の食べ物
・鏡餅
年神様へのお供えものである鏡餅。なぜ「鏡餅」という名なのかというと、古くから円形の鏡は神様が宿るとされていたため、そこから名付けられたとされています。鏡餅が丸いのも、鏡に姿を似せるためです。
大小2段のお餅は「太陽と月」=「陰と陽」を表すほか、円満に年を重ねるという意味もこめられています。
・おせち料理
こちらも鏡餅と同じく年神様に供えるための料理。
かまどの神様がお休みできるように、また元旦から包丁などの刃物を使うと縁起が悪いとされているために、作り置きできるものを基本としています。
数の子や田作り、栗きんとんや海老など家族の健康と繁栄、また豊作を願う縁起物が多く、めでたさが重なるように重箱に詰めます。
・年越しそば
そばのように細く長く長寿でありますように…と願いを込めて、大晦日に食べます。
薬味として使われるネギは「疲れをねぎらう」という意味の「労ぐ(ねぐ)」、祈るという意味の「祈ぐ(ねぐ)」、お祓いしたり清めたりする神職の「祢宜(ねぎ)」などの言葉にかけ、新年の幸せを願う意味があります。
年越しそばには、ネギをたっぷりと乗せて召し上がれ。
・雑煮
年神様にお供えしたお餅をいただくための料理です。
年神様が宿っていたお餅を食べることによって、一年を健やかに過ごせるようご利益を頂戴します。
地域によって角餅・丸餅か、お醤油か味噌か、と変わり、またお餅以外の具も多種多様です。他の地域のお雑煮について調べてみるのも面白いかもしれませんね。
なんとなく飾っていたお正月飾り。今年はいつもよりちょっとこだわってみてはいかがでしょうか。