お供えの時のマナー, 花, 花と文化
喪中はがきが届いたら
最近では、家族葬や近親者だけで葬儀をおこなう方が増えました。親しかった方やお世話になった方の訃報を、喪中はがきで知るという方も多いようです。
今回の花だよりでは、喪中はがきと喪中見舞いについてお伝えいたします。
■忌中と喪中
家族や親族など、近親者が亡くなった時に派手な行動やお祝いごとを控える期間を忌中や喪中といいます。亡くなった方との間柄にもよりますが、父母や配偶者など特に近しい方が亡くなった場合は、忌中が四十九日まで、喪中が一周忌までとされることが多いようです。
江戸時代や戦前には忌中・喪中の期間が法律で厳格に定められており、忌中は自宅に謹慎する期間、喪中は喪服を着用する期間とされていました。
現代ではあまり区別されることがなくなった忌中と喪中ですが、忌中の間は結婚式の出席や引っ越し、神社への参拝は避けるべき、とされています。また、喪中の間もできる限りお祝いごとは行わないようにします。
■喪中はがきとは
喪中の間は、新年のお祝いも避けることになります。年賀状を出すこともしないため、「喪中であるので、新年のあいさつを欠く」ということを知らせるために、喪中はがき(年賀欠礼状)を送ることが一般的です。
喪中はがきには決まったルールはありませんが、多くの人が年賀状の準備をし始める11月中旬ごろに、遅くとも12月の頭までには送られることが多いようです。形式も比較的自由であり、華美にならない程度に淡い色のイラストがついていることもあります。
喪中はがきを受け取った場合は、基本的にはこちらも年賀状を送ることはありません。近況を知らせたいときなどは、松の内を過ぎてから寒中見舞いを送るといいですね。喪中はがきに「例年通り年賀状を贈ってほしい」という旨が記載されていた場合は、年賀状を出しても大丈夫です。
■喪中見舞いを贈りませんか
喪中見舞いは近年になってできたものとされていますが、その背景には、訃報を喪中はがきで知ることが増えたことがあげられます。亡くなってから日にちがたっているけれど、哀悼の気持ちを伝えたい…という場合に、手紙やはがきに添えてお花などを贈ります。
喪中見舞いのなかでも、哀悼の気持ちを表しやすい、ご霊前にお供えするお花を選ぶ方が多いです。電話やはがきで弔意を伝えるだけよりも気持ちが伝わる、お返しなどの負担を考えなくてもいい、という理由から、受け取る方にとってもお花は好まれているようです。
喪中はがきが届いたら、お花に故人を偲ぶ気持ちを添えて、喪中見舞いを贈りませんか。