花, 花と文化
ハロウィンをもっと楽しむ話 ~ジャック・オー・ランタン~
近年、日本で盛り上がりつつあるイベントのひとつ、ハロウィン。アメリカやイギリス、アイルランドなどと同じように、10月31日には仮装やパーティを楽しんでいる人が増えていますね。
今回の花だよりでは、そんなハロウィンには欠かせないカボチャについてお伝えします。
■ジャック・オー・ランタンの伝承
ハロウィンといえば、顔の形にくりぬいたカボチャのちょうちん。ご存じの方も多いと思いますが、このカボチャのちょうちんは「ジャック・オー・ランタン」と呼ばれます。ジャック・オー・ランタンは、ジャックという悪知恵の働く男の伝承がモチーフとなっています。
ある日ジャックは一人の悪魔と出会いますが、この悪魔を得意の悪知恵を働かせてだまし、ジャックの魂を地獄に連れて行かないことを約束させます。
死後、魂となったジャックはまず天国へと向かいますが、生前の行いが悪かったジャックは天国へ入ることを拒まれてしまいます。
ならば、と今度は地獄へと向かいますが、そこで待っていた悪魔は「お前との約束があるから」と地獄へ入ることを許しません。
行き場を失ったジャックは途方に暮れ、魂のまま現世へと戻ることになりました。ジャックの境遇に憐れみを覚えた悪魔は、最後の優しさとして彼に地獄で燃えさかる火を与えます。
ジャックは拾ったカブでちょうちんを作ると地獄の火をその中に灯し、今でも現世をさまよい歩き続けているといわれます。
■ハロウィンとカボチャ
上記のとおり、ハロウィンの飾りつけに使われていたジャック・オー・ランタンは元々カブを使っていました。ハロウィンのルーツをたどるとケルト人の風習にたどり着きますが、ケルト人たちにはカブがなじみ深い野菜であったからです。
ケルト人の風習を色濃く残すアイルランド人やスコットランド人は19世紀ごろに起きた大飢饉のため、多くの人がアメリカへと渡ります。アメリカではカボチャがたくさん収穫できたため、ジャック・オー・ランタンにもカボチャが使われるようになりました。
ハロウィンのイメージカラーは収穫と冬を意味するオレンジと黒ですが、これに沿ってジャック・オー・ランタンに使われるカボチャも、オレンジ色の皮のものが使われます。「ハロウィン」という品種のカボチャが最もメジャーですが、オレンジ色の皮のカボチャならなんでもいいそうです。
近年では日本でもハロウィンが盛り上がっていることから、この時期になるとオレンジ色のカボチャをあつかうお花屋さんも多くなってきています。
自分でジャック・オー・ランタンを作りたい、という方はもちろん、手軽に飾りたい方に向けて既にくりぬいたカボチャも置いているお店も多いので、近所のお花屋さんを覗いてみてくださいね。
■ハロウィンパーティにはお花を
ハロウィンのパーティは様々な仮装やお菓子を楽しむ華やかなもの。パーティ会場の飾りつけも、できる限り華やかにして更に盛り上げたいところですね。
秋になるとバラやガーベラなどの人気の花が多くお花屋さんに並ぶようになります。また、ハロウィンのイメージカラーでもあるオレンジ色をはじめとして、様々な色がある花は華やかなパーティを彩るのにぴったり。
ハロウィン限定の産直バラ鉢には、かわいいカボチャと「TRICK OR TREAT」のピックつき。オレンジとピンクの花びらが、にぎやかなパーティを引き立てます。
今年のハロウィンはお花とカボチャを用意して、素敵なパーティを楽しんでみませんか。