花, 花と文化
花言葉のイロハ
有名な花から、道端に咲くような花、あまり知られていない花にまで付けられている花言葉。特にギフトとしてお花を贈るときは、受け取る方へのメッセージとして、気にしている方も多いのではないでしょうか。
今回の花だよりでは、花言葉についてお伝えいたします。
■花言葉の起源
花言葉がいつ、どのように生まれたのか、ということははっきりと分かっていません。一説には、美しい花々は世界各地の神話などで重要なアイテムとして登場することが多くあり、自然とその花が象徴する言葉が定着したと考えられています。
19世紀ごろのヨーロッパでは、貴族たちの間で恋人をはじめとする他者への想いを草花にたとえた詩をつづり、サロンで回覧することが流行っていました。
そうした流行の中、フランスのシャルロット・ラトゥールという女性が200以上もの花言葉をまとめた図鑑を刊行します。彼女はその図鑑の中で、花言葉がつけられた由来なども紹介しています。
これを契機として花言葉に関する多くの本が刊行されることとなり、花言葉という慣習が定着することとなりました。
日本に花言葉が入ってきたのは明治ごろだとされています。当初はヨーロッパで考案された花言葉がそのまま用いられていました。その後、花に対する習慣や考え方の違い、日本で栽培・自生している花の種類の違いなどから、独自の花言葉も多くつけられています。
また、現代では品種改良などで数多くの花が新しく生まれていますが、これらの花は開発者や輸入者、日本花普及センターが花言葉を決めているそうです。
■花言葉に込められた意味
古くから人々に親しまれていた花は、神話や伝承などをもとにして花言葉がつけられています。たとえばバラは、愛や美の象徴であるヴィーナスとともに生まれた花として「愛情」「美しさ」などの花言葉がつけられました。
また、美しい青色の花、ワスレナグサは恋人のために川面を流れるワスレナグサを取ろうと川へ飛び込み、命を落とした騎士が最後に叫んだ「私を忘れないで」という言葉がそのまま花言葉として使われました。
一方で、ネガティブな花言葉をもつ花も多くあります。たとえばダリアは「移り気」、黄色いバラには「嫉妬」という花言葉があります。
では贈りものに向かないのか、といわれるとそうでもありません。ダリアには「気品」「優雅」、黄色いバラには「友情」「何をしても可愛らしい」というポジティブな花言葉もあるからです。
1つの花には様々な花言葉がつけられています。その中にはネガティブな意味も、ポジティブな意味もあります。花を贈るときには、自分の気持ちを伝える際のアクセントとして取り入れるくらいの気持ちで贈るといいですね。
また、ネガティブな花言葉をもつ花を受け取ったときには、ほかにどんな花言葉があるのかを調べてみてもいいでしょう。あなたに伝えたい本当の気持ちに気づけるかもしれませんよ。