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花で彩るバレンタインデー
2月の大きなイベントといえばバレンタイン。近年は女性から男性へチョコを贈る以外にも、友達同士で、男性から女性へ、あるいは自分自身へ何かプレゼントを贈ることが増えています。
今回の花だよりでは、バレンタインについてお伝えします。
■バレンタインデーと花
バレンタインといえばチョコレートのイメージが強いですが、海外ではバレンタインといえば花。男性から女性へ、愛をこめて贈りものをする日とされています。
贈りものとして選ばれるのはカードやアクセサリーなど多岐にわたりますが、圧倒的な人気を誇るのが花。特に、アメリカやイギリスでは、バレンタインはお花屋さんがもっとも忙しくなる時期。バレンタインをテーマにしたロマンス映画やドラマでは、必ずといっていいほどお花屋さんが登場します。
バレンタインの定番ともいえる花は、真っ赤なバラ。今も昔も、愛を伝えるにはぴったりの花ですね。また、2月は春も近づき様々な花が出回るため、こだわりを持った方でもいろんな花を選ぶことができます。
ディナーなどに誘い直接手渡すほかにも、女性の職場にカードを添えて送ったり、女性が留守にしている間に家や庭を花で飾ったりなど、渡し方にも工夫が凝らされます。
海外でも日本でも共通な認識が、バレンタインは愛を伝える大切な日だということ。いつもは照れくさくて言えない言葉も、バレンタインにはきちんと伝えたいものですね。
■バレンタインデーの起源
なぜバレンタインが愛を伝える日となったのか、ということですが、聖ヴァレンティヌスというキリスト教の司祭にまつわる話が有名なのではないでしょうか。
ヴァレンティヌスが生きていた時代のローマ帝国では、若い兵士が結婚することは禁じられていました。家庭を持つと死を恐れてしまい、勇敢に戦うことができなくなるから、というのが禁止されていた理由のようです。
それでも結婚を望む若い兵士たちを憐れんだヴァレンティヌスは、ひそかに兵士と恋人をかくまい、結婚式をおこなっていました。このことがやがて皇帝や為政者に発覚し、さらに当時はキリスト教は迫害の対象であったため、ヴァレンティヌスは2/14に処刑されてしまいます。
その後、命を賭して若い男女の恋愛を支えたヴァレンティヌスの功績をたたえ、2/14がバレンタインとされました…と言いたいところですが、実はバレンタインの起こりにはもうひとつ理由があります。
ヴァレンティヌスが生きていた時代をふくむローマ帝国では、毎年2/14に未婚の女性たちの名前が書かれた紙を集め、翌日2/15に未婚の男性がその紙を引き、書かれていた名前の女性と付き合うルペルカーリア祭というお祭りがありました。
時がたち、キリスト教がローマ帝国の国教となると、このルペルカーリア祭は風紀が乱れるとして教皇によって禁止されました。しかし、ただ禁止しただけでは批判を招くため、ヴァレンティヌスの逸話を結びつけ、「バレンタインデー」というキリスト教のお祭りとして取り込みます。
こうして、2/14は恋人たちがお互いに愛を確認するために、カードや花をはじめとする贈りものを贈る日となりました。前身となったルペルカーリア祭が男女を結びつけるお祭りだったので、バレンタインは恋愛と強く関係するお祭りになったのですね。
■バレンタインデーの花贈り