花
ヒヤシンスの水耕栽培での育て方を写真付きで紹介!花言葉や季節は?
今回は、水耕栽培に向いているヒヤシンスについてご紹介。
水耕栽培での育て方や花言葉、香りなどヒヤシンスについて詳しく掲載します。
ヒヤシンスはどんな花?
そもそも、ヒヤシンスはどのような花なのでしょうか。
基本情報
- 学名:Hyacinthus orientalis
- 和名:ヒヤシンス・ヒアシンス・風信子
- 科名:キジカクシ科(アスパラガス科)・ヒアシンス属
- 原産地:ギリシャ・シリアなど地中海沿岸
- 生産地:オランダなど
- 花の色:青・紫・白・赤・ピンク・黄色など
- 形態:多年草
- 園芸分類:球根
- 草丈:20~30センチ
ヒヤシンス(ヒアシンス)はチューリップなどと同じく、春らしい花壇を作る時に使われることの多い球根です。
公園の花壇などで、見たことがある方もいらっしゃるかと思います。
小さな花をいくつも咲かせるヒヤシンスは、とても華やか。
生花には珍しい、青や紫などのブルー系の色合いも楽しむことができます。
そんなヒヤシンスの花を見ると「春が近づいてきた」と感じる方も多いのではないでしょうか。
ヒヤシンスは花壇や鉢植えなど、一般的な植物のように土で育てることもできますが、水で育てる水耕栽培を行うことにも適した花です。
鉢植えや地植え(庭に植えるなど)と同じく、水耕栽培でも、専門的なお世話の必要はありません。
植物を育てるのが初心者の方でも、ヒヤシンスは簡単に安心して育てることができるでしょう。
水耕栽培する際は、水耕栽培用のヒヤシンスの球根を使うのがおすすめ。
お花屋さんや園芸店、ホームセンターなどでは、水耕栽培用のヒヤシンスの球根を購入することもできます。
鉢植えなどで育てる時とは違い、根が伸びる様子も観察できる水耕栽培は、花が咲く前から成長していることをより感じやすいかと思います。
ただヒヤシンスは多年草ですが、水耕栽培の場合は球根の養分を1度花を咲かせることで使い切ってしまうため、来年花を楽しむことはできません。
翌年も花を楽しみたい場合は、鉢植えや庭にヒヤシンスの球根を植えることがおすすめです。
ちなみにヒヤシンスのことを調べていると、ユリ科やヒヤシンス科と記載されている物も見たことがあるのではないでしょうか。
ヒヤシンスは、元々ユリ科の植物として扱われていました。
しかし、ユリ科が細分化されヒヤシンス科になり、後にヒヤシンス科がキジカクシ科に、キジカクシ科(アスパラガス科)に編入された経緯があります。
花が咲く季節
ヒヤシンスは、2月下旬~4月下旬頃まで花を咲かせます。
ちなみに、ヒヤシンスの球根は9月~11月頃の秋に流通することが多いです。
鉢植えに植えられた状態で販売されているのは、12月~2月頃が多いのだそう。
「ヒヤシンスを育ててみたい」という方は花が咲く時期ではなく、流通が増える時期にお花屋さんやホームセンターなどをチェックしてみてください。
ヒヤシンスの香り
ヒヤシンスは、香りの良い花としても有名です。
その香りは、甘く爽やかなイメージ。
ヒヤシンスの花が咲くと、春らしい花の蜜を連想させるような甘い香りを楽しませてくれます。
部屋の大きさにもよりますが、花の香りを楽しみたいという方にはヒヤシンスはとてもおすすめです。
ちなみにヒヤシンスは、香水に使われることも多いです。
ヒヤシンスの香りは、グリーンノートに分類されます。
グリーンノートは「若葉などのさわやかで清涼感のある香りが特徴」と、表現されることが多いです。
ただ、直接ヒヤシンスの花を嗅いだ時に感じる香りと、香水でヒヤシンスの香りを感じる時は雰囲気が異なるかもしれません。
気になった方は、ヒヤシンスの香水の香りと花の香りを比べてみてください。
ヒヤシンスの花言葉
ヒヤシンスには「悲しみを乗り越えた愛(悲しみを超えた愛)」「スポーツ」「ゲーム」「控えめな幸せ」などの花言葉があります。
「スポーツ」や「ゲーム」などの花言葉は、あまり花言葉らしくないと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このユニークな花言葉は、ギリシャ神話が由来になっていると言われています。
ちなみに、このギリシャ神話はヒヤシンスの名前の由来にもなっているとされています。
ヒヤシンスには、色別に花言葉が決められています。
色ごとの花言葉をチェックしましょう。
青いヒヤシンスの花言葉
青いヒヤシンスの花言葉は「不変」「変わらぬ愛」などがあります。
「変わらぬ愛」という花言葉は、恋人に贈るのもぴったり。
青いヒヤシンスの花言葉に気持ちを託して、彼女や彼氏にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
紫のヒヤシンスの花言葉
紫のヒヤシンスの花言葉は「悲しみ」「許してください」などがあります。
紫色のヒヤシンスは上品で人気がありますが、花言葉はネガティブなものが多いようです。
プレゼントする時にネガティブな花言葉が気になるという方は、プレゼントする理由を伝えるのがおすすめ。
「きれいな色だからプレゼントするね」や「あなたの好きな紫色を選んだよ」など花言葉で選んでいないことを伝えるのが良いでしょう。
また、ヒヤシンス全体の花言葉を伝えるのもおすすめです。
白いヒヤシンスの花言葉
白いヒヤシンスの花言葉は「静かな愛」「控えめな愛らしさ」などがあります。
かわいらしい花言葉は、白いヒヤシンスの可憐な姿を連想させるよう。
恋人へのプレゼントはもちろん、家族へ贈るのも喜ばれそうです。
赤いヒヤシンスの花言葉
赤いヒヤシンスの花言葉は「嫉妬」などがあります。
赤いヒヤシンスの「嫉妬」という花言葉は、ヒヤシンスの名前の由来にもなったギリシャ神話からつけられたと考えられています。
赤いヒヤシンスにはネガティブな花言葉が多いですが、情熱的で美しいためプレゼントとしても、自宅用としても人気があります。
プレゼントを贈る際にネガティブな花言葉が気になる方は、紫のヒヤシンスの花言葉でご紹介したように、プレゼントしたいと思った理由を伝えるのがおすすめです。
ピンクのヒヤシンスの花言葉
ピンクのヒヤシンスの花言葉には「スポーツ」「しとやかな可愛らしさ」「ゲーム」などがあります。
かわいらしいピンクのヒヤシンスは、花言葉と合わせて子供へのプレゼントとしてもおすすめです。
孫へのプレゼントとしても、喜ばれるでしょう。
黄色のヒヤシンスの花言葉
黄色のヒヤシンスの花言葉は「あなたとなら幸せ」「勝負」などがあります。
「あなたとなら幸せ」という花言葉は妻や夫、パートナーにプレゼントするのにおすすめです。
またプロポーズの際に、黄色のヒヤシンスの花言葉に気持ちを込めてプレゼントするのも喜ばれるでしょう。
プロポーズでプレゼントする際は、鉢植えではなく切り花を使った花束が多いかと思います。
ヒヤシンスの切り花は、12月~3月頃の流通が多いといわれています。
特に1月の初め頃はヒヤシンスを始め、春の花が多く流通するため季節を先取りする花束を作れそう。
一生の思い出にぴったりな花束を贈ることができそうです。
名前の由来
ヒヤシンスの名前は、「スポーツ」や「ゲーム」などの花言葉の由来になった、ギリシャ神話にルーツがあるといわれています。
ここでは、ヒヤシンスに関わるギリシャ神話を簡単にご紹介します。
ギリシャ神話に登場するヒュアキントスは、美少年でスポーツ万能でした。
ある日、ヒュアキントスが太陽神アポロンと円盤投げをして遊んでいました。
その様子を見た西風の神ゼピュロスが、二人の仲良く遊ぶ様子に嫉妬し風を起こしました。
それがきっかけになり円盤がヒュアキントスに当たり、大量に出血。
その後、ヒュアキントスは亡くなってしまいます。円盤が当たりヒュアキントスから流れた血から、咲いた花がヒヤシンスといわれています。
「ヒヤシンス」の名前はギリシャ神話に登場する「ヒュアキントス」から命名されました。
そして、花言葉はヒュアキントスが太陽神アポロンと円盤投げをしていた様子からつけられたといわれています。
楽しそうな花言葉に対し、悲しいギリシャ神話が由来とされているようです。
ヒヤシンスは青や白、紫など寒色系のイメージが強いという方もいらっしゃいますが、名前や花言葉のルーツになったのは赤色のヒヤシンスだったようですね。
ヒヤシンスの呼び方
ヒヤシンスは、国によって呼び方が異なります。
ここからは、和名・英名・フランス語の3つを紹介します。
ヒヤシンスの和名
ヒヤシンスの和名には「風信子(フウシンシ)」などがあります。
これはヒヤシンスの花の香りが、風に乗って運ばれてくることが由来になっているのだそう。
ヒヤシンスの英名
ヒヤシンスの英名は「Common hyacinth(コモン ハイアシンス)」や「hyacinth(ハイアシンス)」と呼ばれています。
フランス語でヒヤシンス
フランスでは「jacinthe(ジャサント)」と、ヒヤシンスは呼ばれています。
和名・英名はヒヤシンスに近い音でしたが、フランス語では「jacinthe(ジャサント)」になるようです。
ヒヤシンス?ヒアシンス?
日本では「ヒヤシンス」と呼ぶことが多いですが「ヒアシンス」と、呼ばれることもあります。
「ヒヤシンス」と「ヒアシンス」のどちらが正しいのか、迷ってしまう方もいらっしゃるかと思います。
実はどちらも正しく、ヒヤシンスの学名の「Hyacinthus orientalis」の「Hyacinthus」をどう読むかによって決まるのだそう。
ただ、「ヒヤシンス」で表記される方が多いようです。
水耕栽培の育て方
ここからは、ヒヤシンスの水耕栽培での育て方についてご紹介します。
「花を育ててみたいけれど、室内に土を入れるのはちょっと……」という方におすすめなのが水耕栽培です。
球根の選び方
まずは、ヒヤシンスの良い球根の見極め方についてご紹介します。
ポイントは以下の通りです。
- 重さ:ずっしりと重さがあるものがおすすめ
- 大きさ:大きくて太った球根の方が花数が多くなります
- 色や傷の有無:傷んでいる場所や黒ずみがあるものは避けましょう
大きくしっかりと重さがある球根は、栄養をたっぷりと蓄えていることが多いです。
球根を選ぶ時は手で持って重さを確認するのもおすすめです。
また球根の色が黒ずんでいたり、虫食いの跡があったりする時は、病気になってしまうこともあります。
球根の下の方にカビが生えていることもあるので、細かくチェックするのが良いでしょう。
しっかり見極めて、丈夫で育てやすい球根を選ぶことがおすすめです。
1:根が伸びるまで暗いところで管理
ヒヤシンスの水耕栽培は、気温が17°c以下になる10月~12月頃に始めるのが良いとされています。
根が出るまでは、暗いところに置いておくようにしましょう。
水は、球根の底に触れる程度が良いといわれています。
光の当たらない暗いところが自宅にない場合は、紙袋をかぶせて光を遮断するのも有効なのだそう。
段ボールなどでヒヤシンスを囲い、光が当たらないように壁を作るのも良さそうです。
寒いところに置いておくのは、かわいそうに思えるかもしれません。
しかし、ヒヤシンスは寒さを経験しないと花が咲きにくくなります。
そのため根が出てくるまでは、しっかりと気温の下がるところに置いておくようにしてください。
ちなみにヒヤシンスの球根は、肌の弱い方が触ると炎症を起こす場合があります。
これはヒヤシンスの球根に、シュウ酸という成分が含まれているためです。
ヒヤシンスの球根を扱う時は、軍手やゴム手袋などをつけておくのがおすすめです。
また球根を触った後は、手を洗うようにしましょう。
2:根が生えてきたら水の量を減らし明るいところへ移動
根が出てきた後は、明るい窓辺など日当たりの良い場所にヒヤシンスを移動させましょう。
具体的には、2月上旬頃から日の当たる場所に移動させると良いといわれています。
水の量は、根の先端が浸かる程度になるよう量を調節するのがおすすめ。
花瓶いっぱいに水は入れなくて良いそうです。
水が汚れると、球根にカビが生える原因になることもあります。
初めのうちは、1週間に1回程度の頻度で水を交換するのがおすすめです。
根がぐんぐん伸びていくため、注目しがちですが、少しずつ緑の芽も伸びてきます。
土に植えている時よりも、根や芽の成長を感じるのも水耕栽培の魅力です。
日々伸びていく根を見ていると「生きているな~」と、あらためて感じることができそう。
植物はペットなどの動物と比べると、命(成長)を感じにくいこともありますが、水耕栽培は目に見えて根が長くなっていくため、分かりやすいかと思います。
静かに成長している植物を見ると「頑張ってるな~。私も頑張ろう」と、感じることもできそう。
少し根が伸びてきた写真から、小さな芽が出てきた写真を撮ったのは約2週間後。
変化が分かりやすいことも、水耕栽培が楽しいポイントです。
根がある程度伸びてきたら、2週間に1回程度水を交換するようにしましょう。
根が長くなると、なかなか花瓶に入らないことも。
水を交換する時に、根を痛めないように注意してください。
ヒヤシンスは意外と簡単に、根がポキッと折れてしまいます。
根とともに葉も成長し、徐々に「根」以外も観察できるところが増えていきます。
3:2月下旬頃から花が咲く
2月下旬頃から、少しずつ花が咲いてきます。
葉に囲まれるように緑色のつぼみが出てくると、徐々に茎をのばしつぼみが多くなっていきます。
ヒヤシンスのつぼみは、下にあるものから咲いていきます。
お花屋さんで花束などに使う切り花を購入するときは、花がどの順番で咲いていくかはわからないことが多いです。
自宅で植物を育てているときは、順番に花を咲かせる様子も観察してみてください。
少しずつ茎も成長させながら、下から順番に花を咲かせていきます。
この写真を撮影した時には、ヒヤシンスの香りを感じることができました。
花の香りを長く楽しみたい方は、ヒヤシンスを育てるのがおすすめです。
すべての花が咲くと、かなり華やかな見た目になります。
花が増えることで、より香りも強く感じるようになっていきます。
4:枯れた花は取り除く
枯れた花がある時は、指でつまんで取り除くようにしましょう。
ハサミでカットすると、茎を傷つけそこから細菌が入ってしまうこともあります。
そのため、道具は使わずに指で取り除くことがおすすめです。
水耕栽培の花が終わったら…その後は?
ヒヤシンスは多年草ですが、水耕栽培の場合は球根に含まれている栄養を花を一度咲かせることで全て使ってしまいます。
そのため、来年も水耕栽培で育てることはできません。
しかし鉢植えや庭など土に水耕栽培をした後のヒヤシンスを植えることで、来年も花が楽しめる可能性があります。
1:茎ごとカット
まずは、ヒヤシンスの花が全て枯れたら茎ごとカットします。
葉を傷つけないように、かき分けるようにしてカットしました。
茎をカットすると、根元に新しいつぼみを発見できることも。
葉で見えていなかったところにも、花が咲いていました。
2:球根を土に植え付ける
鉢植えや庭などに、根と球根が収まるくらいの深さに土を掘ります。
そこに球根を置き、葉の根元がちょうど土から出るくらいまで球根に土をかぶせます。
ちなみに、ヒヤシンスの葉はカットしないのがおすすめです。
元気な葉は光合成を行い、球根を成長させるために必要になります。
3:水やりをする
ヒヤシンスの葉が黄色く枯れるまで、しっかりと水やりをします。
水は表面の土が乾いたら、たっぷりと与えるようにしましょう。
雨が降った日や土の表面が濡れている時は、水やりをする必要はありません。
植え付けをした翌年、ヒヤシンスの花を見ることができそうです。
ただ花の量は水耕栽培で見た時よりも、少なくなることが多いのだそう。
水耕栽培をした後は花を咲かせないこともあるようなので、「花が咲いたらいいな」くらいの気持ちで植え付けるのがおすすめです。
ヒヤシンスを飾ってみよう
今回は、ヒヤシンスについてご紹介しました。
ヒヤシンスは花束などに使う切り花や、鉢植え、水耕栽培などさまざまな方法で飾ることができます。
そのため、自分にあった飾り方を選ぶことができるのです。
たくさんの花を咲かせるヒヤシンスは、自宅に飾るだけで明るい雰囲気になります。
品種によりますが、香りが強くフローラルな香りを楽しむことができるのも魅力。
季節の花を飾りたいという方は、ヒヤシンスがおすすめです。