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シクラメンを来年も咲かせる!休眠させる方法・夏越しとは
冬にシクラメンを購入した方も多いのでは。
寒い時期に色鮮やかで、かわいらしい花を咲かせるシクラメンは、冬の定番となっている花の一つです。
今回はそんなシクラメンの花を、来年も咲かせる方法をご紹介します。
せっかくシクラメンを飾っているなら、来年もきれいな花を楽しみましょう。
目次
シクラメンってどんな花?
シクラメンは赤やピンク、白、紫などカラフルな花色を楽しませてくれる花です。
「とても派手な見た目」というわけではありませんが、冬を上品に彩るのが魅力で、多くの方から愛されています。
冬を代表する花の一つであるシクラメンは、クリスマスやお正月シーズンに、特に花壇へ植えたり、室内に飾って楽しんだりすることも多いです。
デパートやホテルなどでも冬の装飾として、シクラメンが飾られていることも多いように思います。
冬を彩る花のため、お歳暮などでシクラメンの鉢植えを贈ることもあります。
シクラメンは、花束やフラワーアレンジメントなどで使われる切り花ではなく、鉢植えや寄せ植えの状態で販売されることが一般的です。
そのため、お花屋さんやホームセンターなどで販売されている以外に、公園や街道にある花壇などで見かけることができるかと思います。
花の名前を知らなくても、シクラメンの花を見たことがある方も多いかもしれません。
シクラメンの花言葉は、「遠慮」・「内気」・「はにかみ」など。
落ち着いた印象の花言葉が多いのは、シクラメンの花が雨に濡れないように下向きに咲いている様子から、付けられたという説があります。
一方で、シクラメンの赤い花色が、恥ずかしがって頬を染めているように見えたから、という説もあるようです。
シクラメンについて、もっと詳しく知りたいという方は、こちらを併せてご覧ください。
シクラメンをお花屋さんで購入する時にどこをチェックしたら良いかなど、長持ちするシクラメンを選ぶためのポイントや、シクラメンの水やりの方法など育て方についてもご紹介しています。
シクラメンの育て方・長持ちする株の選び方・おすすめ品種などを紹介 これからシクラメンを育てようと思っている方におすすめの内容です。基本的な育て方が知りたくなったらチェックしてください。 |
シクラメンは来年も花を咲かせる?
シクラメンは、多年草(たねんそう)です。
多年草とは、毎年花を咲かせる植物のことです。
そのため、シクラメンはしっかりお世話をすれば何度も花を楽しむことができるのです。
お世話をすれば基本的に3~5年の間と、長く花を楽しむことができます。
お世話次第で、シクラメンは来年も花を楽しめるのです。
ちなみに多年草の植物はシクラメンの他に、ラベンダーやクリスマスローズなどがあります。
反対に1年で花が咲き終わり、来年にはその株から花が咲かない植物を一年草(いちねんそう)といいます。
一年草の植物は、アサガオやひまわり、コスモスなどがあります。
一年草の植物はどんなにお世話をしたとしても、種から芽を出し花を咲かせ、その後また種を作ると枯れてしまうのです。
花を楽しむには夏がカギ!夏越しの方法
シクラメンの原産地は、北アフリカや地中海沿岸など。
雨季と乾季がある地域なのです。
そのため、もともとシクラメンは涼しい雨季に花を咲かせ、暑さが厳しい乾季に休眠するという性質があります。
日本で、来年もシクラメンが花を咲かせるかどうかは、冬に美しい姿を楽しんだ後である、夏の時期がポイントになります。
来年シクラメンの花を咲かせようと、ネットで調べていると「夏越し」という単語を目にすることが多いのは、そのためです。
ここで注意なのは、シクラメンにまた来年花を咲かせるためには、夏が本格化する前に夏越しの準備をする必要があるということ。
「夏になるまでは一旦放置」ということがないように、気を付けてください。
ここからは、簡単にシクラメンの夏越しの方法を2つご紹介します。
大きく分けて、球根のような塊茎(かいけい)のみにする休眠法(ドライタイプ)と、葉を残して管理する非休眠法(ウェットタイプ)があります。
休眠方法については、後ほど詳しく掲載しています。
休眠法(ドライタイプ)
6月に入って気温が少しずつ高くなってくると、シクラメンの元気がなくなってきます。
そのタイミングで葉をすべて取り除き、シクラメンを休眠させる方法です。
休眠中は水やりなどせずに、風通しのいい半日陰・日陰に置いておきます。
冬に花を咲かせられるように、9月頃から水やりを再開します。
非休眠法(ウェットタイプ)
非休眠法は、元気な葉は取り除かずに残しておく方法です。
梅雨が終わった頃から、シクラメンを涼しい半日陰に移動させます。
水やりは、土の表面が乾いたタイミングで与えます。
シクラメンを置く場所が変わるだけで、非休眠法は花が咲いていた時期と特に大きな育て方に変化はありません。
休眠とは
休眠とは、きちんと生育できる環境が整うまで、待っている状態です。
シクラメンの葉を全てカットして、水を与えずに休眠させることで、シクラメンの球根(塊茎)に花を咲かせるために必要なエネルギーを蓄えることができます。
休眠は来年花を咲かせるために、シクラメンを休ませるようなイメージなのです。
休眠させるメリット
- シクラメンを休ませ、エネルギーを蓄えることができる
- 5~9月(6月~9月)頃は水やり不要
- 5~9月(6月~9月)頃は肥料も不要
- 球根が腐りにくい
- 管理が簡単
- 来年もきれいな花を咲かせやすい
休眠法(ドライタイプ)は、シクラメンを育てるのが初心者の方にもおすすめされる方法です。
実は、休眠させている間はほとんどお世話が必要ないのです。
土が乾燥でカラカラになっていたとしても、水や肥料は与えません。
シクラメンを休眠させて、来年花を咲かせるための体力を蓄えてもらいましょう。
休眠させるデメリット
- 葉が生えてから花が咲くため、花の咲き始めが遅くなる
- 葉がなくなるため、枯れているのか不安になる
葉がなくなる分、見た目が寂しくなります。
水やりなどもないため「元気なのかな?枯れている?」と思ってしまうことも。
また休眠させない、非休眠法(ウェットタイプ)と比べると、葉が生い茂るまで時間がかかるため、花が咲くまでに時間がかかってしまいます。
咲くのが遅くなると、花を観賞できる期間が短くなってしまうこともあります。
シクラメンの休眠方法
ここからは休眠法(ドライタイプ)のやり方をご紹介します。
ステップ1:残っている葉をすべて取り除く
6月頃、残っている葉をすべて取り除きます。
6月になり、気温が徐々に高くなってくると、花が終わったり、葉が黄色く変色したりすることが増えてくるかと思います。
そのタイミングが、休眠させるのに適しています。
意図的に休眠させるときは、5月頃から葉を取り除きましょう。
休眠の準備として、緑色で元気そうな葉もすべて取り除きます。
葉を取り除く際は、手で行うのがおすすめ。
そして葉は根元から取り除くようにします。
葉だけを取り除くと、茎の部分に体力を使ってしまうため、なるべく根元から取ることを意識してください。
ハサミやカッターなどでカットすると、手でプチッと取るよりも茎の切り口の面積が大きくなってしまうことも。
切り口が大きいと、雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。
手で取り除くのは少しかわいそうな気がしますが、来年花を咲かせるために、頑張ってください。
ステップ2:球根(塊茎)を乾かす
葉をすべて取り除き終わったら、水やりをしないようにします。
シクラメンは、雨が当たらない、風通しの良い涼しい日陰に置くようにしましょう。
9月~10月頃まで水やり、肥料を与えることを中止します。
葉もなく、土も乾燥して見た目が寂しくかわいそうになるため、水やりをしたくなるかと思います。
しかし、休眠中は球根を乾かすイメージで、水やりをしないようにしてください。
土がカラカラになっているのが、良いとされています。
雨が当たってしまうと、球根が傷んだり腐ったりする可能性も。
室内に置いておくのもOKです。
ただ、室内に置いておく場合は、湿度が高すぎないように特に風通しに注意しましょう。
「何もしなくて大丈夫?」と不安になってしまうかと思いますが、休眠中(球根を乾燥させている間)は、特に水やりなどのお世話は必要ありません。
しかし、家族へ共有しておくのはおすすめです。
先ほどからお伝えしているように、葉や花がないため、休眠中のシクラメンは見た目が寂しくなります。
そのため休眠していることを知らずに、家族に枯れてしまったと思われてしまい、シクラメンを捨てられてしまうことも……。
家族に処分されないように、休眠中であることを共有しておくのがおすすめ。
鉢植えに「休眠中!水やり不要」などの張り紙をしておくのも良さそうです。
必要なら:植え替え
シクラメンが2年目以上の場合は、気温が下がった9月頃に、植え替えをします。
2~3年シクラメンを育てていると根が伸びて、鉢が小さくなっている可能性があります。
そのため、水やりを再開する前に植え替えをしてください。
植え替えをするときは、今植わっている鉢の一回り大きなサイズの鉢植えがおすすめです。
球根が2分の1~3分の1程度土の上に出ている状態に植え付けをします。
ステップ3:気温が下がったら水やり開始
9月中旬~10月頃から、水やりを再開します。
水やりを再開して、少ししてから白い根が出てきたら休眠は成功です!
徐々に葉が生えて、生い茂り、花が咲きます。
花が咲くのが12月~4月頃で、翌年になることもありますが、ゆっくり花を待ってあげてください。
来年もシクラメンを楽しもう!
休眠法(ドライタイプ)は、専門的で難しい作業はありません。
ハードルが高そうに見える休眠・夏越しですが、実は意外と簡単です。
見た目がかわいそうで水やりをしてしまうことを、我慢できればきっと来年も花を咲かせられるはずです。
特に休眠中はお世話することはありませんが、近年は夏の期間が高いため球根が蒸れてしまわないように注意してください。
風通しと気温を意識して、軒下や北側にあるお部屋に置いておくのがおすすめです。
毎日様子を見ながら、翌年咲いたシクラメンの花は、いつもよりきれいに見えるはず。
シクラメンをクリスマスのプレゼントでもらった方や、お歳暮でもらった方、お花屋さんで運命的な出会いでシクラメンをお迎えした方……。
それぞれのシクラメンに、思いがあるのでは。
切り花よりも長く花を咲かせ、水やりなどのお世話をすることもあるシクラメンは愛着がわきやすいかと思います。
ぜひ来年もシクラメンの花を楽しんでください。
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花キューピットでも、10月~12月中旬頃までシクラメンを販売しています。
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