お手入れの基本,

シクラメンの育て方・長持ちする株の選び方・おすすめ品種などを紹介

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シクラメンの花
冬になると、見かけることの多いシクラメン。
自分で購入する以外にも、お歳暮などの冬の贈り物でいただくことも多いのでは。
今回はシクラメンの花の特徴や花言葉、育て方、しおれてしまったときの対処方法を紹介します。
また、シクラメンの花が咲かないときの原因も掲載しています。
花を咲かせるように工夫できることも、まとめているのでチェックしてみてください。

シクラメンの基本情報

ピンクと白のシクラメン
まずは、シクラメンの基本情報から見ていきましょう。

  • 学名:Cyclamen persicum
  • 和名:カガリビバナ
  • 科名・属名:サクラソウ科・シクラメン属
  • 花の色:赤・ピンク・白・黄色・紫など
  • 原産地:北アフリカ~地中海沿岸地域
  • 開花時期:1月~3月・10月~12月

シクラメンはどんな花?特徴は?

カラフルなシクラメン
冬の庭や室内を明るく彩る、シクラメン。
寒くなり花が少なくなる時期に、かわいらしい、おしとやかな花を楽しませてくれます。
シクラメンを見ると冬を感じるように、クリスマスやお正月など冬をイメージしたデザインの花壇で活躍することが多いです。

シクラメンは初めに紹介した通り、赤やピンクなどの定番カラーの他に、黄色や紫など珍しい色の品種も多くあります。
シクラメンはカラーバリエーションが豊富なため、好きな色を室内や庭で楽しむことができるのです。

加えて、花の色だけではなく、咲き方もたくさんの種類があります。
花びらがフリルのようになっているものや、たくさんの花びらがついている八重咲きなど、品種が多く見ていても飽きません。

どんな品種があるのか知りたい方は、こちらをチェック。
かわいいシクラメンや、上品なシクラメン、珍しい色のシクラメンなど4つ紹介しています。
>>>シクラメンのおすすめの品種って?

シクラメンの花言葉

赤いシクラメンと、インクのシクラメン
シクラメンは、全体で「遠慮」・「内気」・「はにかみ」などの花言葉を持っています。
またシクラメンは、色ごとに花言葉がそれぞれ決められています。

白いシクラメンは「思いやり」ピンクのシクラメンには「憧れ」や「はにかみ」赤いシクラメンには「愛情」や「嫉妬」などの花言葉があります。

赤は、シクラメンの定番のカラーで高い人気があります。
しかし、プレゼントする時に「嫉妬」という花言葉が気になるという方もいらっしゃるのでは。
その際は、メッセージカードに選んだ理由を書き添えるといいでしょう。
決して花言葉に悪意を込めて、プレゼントしたわけではないことが伝わります。

また赤いシクラメンを直接渡す時も「冬らしくてかわいかったから」や「明るく部屋を彩って欲しくて」など、口頭で選んだ理由を伝えるのも良いでしょう。

花言葉の由来

シクラメンの「遠慮」・「内気」・「はにかみ」などの花言葉は、どれも控えめなイメージがあります。
この控えめな花言葉は、シクラメンの花が下向きに咲いている姿に由来しているといわれています。
シクラメンは、雨で花粉が濡れたり流れたりしないように、花を下に咲かせます。
その姿が、恥ずかしがっているように見えたことから、「遠慮」・「内気」・「はにかみ」などの花言葉が付けられたのだそう。

シクラメンは北アフリカや中近東、地中海沿岸などの地域が原産・生息地です。
この地域は、雨季と乾季があります。
雨が多いときが多いことから、花の形が対応するようになったとされています。

ちなみに赤いシクラメンの「嫉妬」という花言葉は、赤いシクラメンが炎のように見えたことが由来とされています。

シクラメンの選び方

シクラメン
美しく花が咲き、長持ちするシクラメンを選びたいと思っている方は、ぜひこちらをチェックしてみてください。
お花屋さんでシクラメンを購入する時に、意識したいポイントをまとめました。

葉がたくさんついているものを選ぶ

シクラメンは、葉1枚につき花一輪が咲きます。
つまり葉の枚数が多ければ、多いほど咲く花の数も多いということになります。
「葉の枚数」=「花の数」と覚えておくとよさそうです。

葉を指で軽く押すと、押し返してくる

葉が元気な時は、株も元気があることが多いです。
指で葉を軽く押したときに、押し返してくるくらい元気なシクラメンを選ぶのがおすすめ。
葉を見ると、株全体の健康状態を把握しやすいのです。

葉の大きさが、だいたい全て同じ

バランスの良い鉢を選ぶのが、おすすめです。
全体的に栄養がいきわたっているかや、弱っている部分がないかを葉で確認しましょう。

花の高さが、だいたい同じ

花が咲いている状態で購入する時は、花が咲いている位置(高さ)が、だいたい同じところにある株を選ぶと良いでしょう。
株の中で偏りがないものを選ぶために、葉の大きさと合わせて茎の高さ(花をつけている位置)も確認してみてください。

株がしっかりしていると、型崩れしにくくなるため長持ちする傾向があります。
シクラメンは、多年草です。
お世話をしっかりすれば、来年も花を楽しむことができます
強い株を選んで、来年も花を楽しめるようにしましょう。

シクラメンの育て方

ピンクのシクラメン
これからシクラメンを育てようと思っている方は、事前にチェックしておくのがおすすめです。

置き場・飾る場所

窓際に置かれるシクラメン
シクラメンは、日光が大好きな植物です。
しかし直射日光が当たっていると、葉焼けを起こす可能性があります。
そのためレースのカーテン越しに日を当てたり、直射日光のもとに3時間だけ置いて日光浴させたりするのもいいでしょう。

11月~4月頃は、窓際など日当たりの良い室内で、シクラメンを飾るようにするのがおすすめです。

5月以降は、屋外の涼しい日陰に置いておくのが良いでしょう。

室内で育てる時は、エアコンの風が直接当たらないように気を付けてください。
エアコンの風が直接当たっていると、葉や花の水分を蒸発させてしまうこともあります。

またシクラメンの適温は5度~20度とされており、育てる環境は暖かすぎても注意が必要です。
直射日光とエアコンの風が、直接当たるところは避けるようにしましょう。

水やり

シクラメンの鉢植え

<窓がついている場合(底面給水の鉢)>

シクラメンの鉢をよく見ると、下の方に窓(穴)が開いている場合があります。
この窓が付いている鉢植えは、底面給水用の鉢植えです。
室内で底面給水方式の鉢を使ってシクラメンを育てている場合は、通常の植物のように株元に水やりはしません。

窓から水を注いで、基本的に3分の2くらいまで水を入れるようにしておきます。
たまに水の量を確認して、足りないときは水を足すようにしましょう。
水やりのタイミングが分からない方は、底面給水方式の鉢を選ぶとよさそうです。

<窓がついてない場合(通常の鉢)>

土の表面が乾いたら、水をたっぷりと与えるようにしましょう。
土が乾いているか、見分けるポイントは土の色です。
土が白っぽくなっている時は、乾燥しています
その際は水やりをするようにしましょう。

「土がうまく見えなくてわからない」という時は、シクラメンの茎に注目するのがおすすめです。
水が多すぎたり、足りなすぎたりすると、シクラメンの茎や葉が徐々に倒れてきます
水分が適切な時は、まっすぐ茎が伸びているので、茎の傾きに注目するようにしましょう。

または、シクラメンの鉢植えを持ち上げて、重さで確認する方法もあります。
鉢植えの重さが軽くなっていたら、水が乾いていることになります。
鉢植えが軽いか重いかは、水分をしっかり含んだ時の重さを知らなければ比較できません。
そのため水をたっぷりあげた時の重さも、確認しておくことがおすすめです。

水やりをする際は、シクラメンの花や球根の上の部分に水がかからないよう、鉢のふちの部分から水を注ぐようにしてください。
葉をかき分けるようにすると、水やりがしやすくなります。
ジョウロを新しく購入するという方は、注ぎ口が細いジョウロを用意するのが良いでしょう。

ちなみに、シクラメンに水やりをした水が受け皿にたまっていると、根腐れしてしまう可能性があります。
少し面倒ですが、水やりの後に受け皿へ水が溜まっていた時は、受け皿の水を捨てるようにしましょう。

肥料

シクラメンは、肥料が好きな花です。
花が咲く時期は、たくさんの栄養を必要とします。
9月~5月頃は、液体肥料を週に1回与えるようにします。

花が咲き終わったら

猫とシクラメン
シクラメンは全ての花が一気に咲き、一気に枯れるわけではありません。
だいたいの花がきれいに咲いていても、咲き切った(枯れた)花があるときは、お手入れをするのがおすすめです。
お世話をしていれば、次々に新しい花を楽しめるため、長い期間きれいな花を継続して飾ることができるでしょう。

枯れた花はすぐに取り除く

花が咲き終わったら(枯れたら)、根元から花を取り除きます。
枯れた花の取り方は、簡単です。

花が繋がっている茎をたどって、根元に近いところから指でつまみ取ってください
意外と力を加えずに、ポロッと取ることができます。
取りにくい時は茎を指でつまみ、ねじるようにしながら引き抜くと、より簡単に取ることができます。

ハサミやカッターなどを使うことなく、お手入れができるので、他の花に比べて比較的簡単。
気が付いたときに、枯れた花は取り除くようにしてください。

変色した・枯れた葉は目元から摘み取る

枯れた花だけではなく、黄色などに変色した葉や、枯れて干からびている葉は、花と同じように、指でつまんで摘み取るようにしてください。
そのままにしておくと、見た目が悪くなるだけではなく、新しい花が咲かないことも多いです。

月に1回のお手入れ

たくさんのシクラメンの花
月に一度程度、シクラメンの株の中心に生えている葉を、外側に優しく引っ張るようにしてください。
この作業を「葉組み」といいます。
中心の葉を外側に引っ張ることで、中心部分にスペースを作ることができます。

スペースができることで、株の中心に太陽の光が当たり、新しいつぼみなどが成長しやすくなります
加えてスペースができると、風通しも良くなるため、病気や害虫などの被害を防ぐことも。

水やりをサボっていたら花がしおれてしまった

しおれたシクラメン
水やりを忘れて、気が付いた時には「花がしおれてしまった…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
茎がぐにゃっとして、上に物が置かれていたかのように、花が外側に倒れてしまっている状態の時は、こちらをお試しください。
元気がなくなってすぐの時は、復活させることができます。

まず、紐でシクラメンの茎の部分を束ね、倒れている花を上に向けるように固定します。
茎が株から取れないように注意しながら、茎を中心部分に集め紐で優しく括るようにします。

紐で束ねる際に茎が傷つかないよう、少し緩めに結ぶのも良いでしょう。
紐で結ぶのは、きつく茎を束ねることが目的ではなく、茎をまっすぐな状態(立たせた状態)に保つことが目的になります。

つぎに、日の当たらない涼しい場所に、シクラメンを移動します。
移動したらシクラメンに、20度前後のぬるま湯を鉢植えから溢れるほど、たっぷりと与えます。
水を与えた後数時間は、涼しく日の当たらない場所に置く(移動させた場所から動かさない)ようにしてください。

数時間後、花の様子を見て茎がまっすぐに伸びているようだったら、固定していた紐を解きます。
花までしっかりと水を吸い上げることができれば、茎が固くなり、まっすぐ茎を立たせることができるのです。

ちなみに、しおれてしまった花や変色した葉がある場合は、摘み取るようにしましょう。
咲き終わった花を取り除くことによって、今咲いている花に力を使うことができます。

シクラメンの花が咲かない!その理由は?

窓際のシクラメン
「シクラメンを飾っているけれど、花がなかなか咲かない」というときは、これから紹介することを確認してみてください。
気が付かないうちに、シクラメンの花が咲きにくい環境を作っていることもあります。

温度が5度~20度になっていない

シクラメンの適正温度は、5度~20度までです。
加えて、昼と夜の温度差がない方が良いとされています。

リビングの窓際にシクラメンを置いていると、冬場の夜は暖房を切って、窓からの冷気が伝わり、かなり気温が下がることがあります。
気が付かないうちに、昼と夜で温度差ができていることも。

その時は昼間は窓際に置き、夜間は窓から離れた場所に移動させるようにするのがおすすめです。
飾っている位置を時間帯で少し変えるだけで、温度差を少なくすることができます。

日光が不足している

日を浴びるシクラメン
シクラメンは、日光が好きな花です。
室内で育てることも多いシクラメンは、日光不足になる可能性も。
日の光が当たっていないと、つぼみができにくくなったり、花が咲かなかったりします。

葉焼けの原因になってしまうため、直射日光を当てるのは避けつつ、薄いレースのカーテン越しなどで、日光をたっぷり当てるように置き場を工夫してみてください。

水が不足している

シクラメンは、乾燥にも弱いですが加湿にも弱い植物です。
水やりは土が乾燥した時に、鉢底から水が溢れるくらいたっぷりの水を与えることがポイントです。

水の量が多すぎても、少なすぎても花を咲かせないことがあります。
1回の水やりで与える水の量が少ないと、根まで水が到達できないことも。
ただ土の表面を濡らしただけになってしまいます。
水を与える時はたっぷり、与えない時は与えないというメリハリが大切です。

肥料が不足している

白いシクラメンの花
シクラメンを水だけで育てていると、花が少なくなることも。
シクラメンは肥料が足りなくなると、新しいつぼみができなくなり、花の数が減ってしまったりします。

栄養が足りないと、花を咲かせることができないのです。
加えて葉色が、黄色っぽく変色してしまうことも。

9月~5月までは、シクラメンの育成期です。
特に育成期は、シクラメンの花を楽しむために、株へ肥料を与え、シクラメンの株全体に栄養を蓄えさせるようにしましょう。

シクラメンのおすすめ品種

シクラメンのかわいい品種をご紹介します。
どんなシクラメンにしようか迷ってしまったときは、参考にしてみてください。

レッドレブル

レッドレブル
大きな赤い花が印象的なシクラメン、レッドレブル。
大輪系のシクラメンの1つです。
レッドレブルは、シクラメン特有のおしとやかで、かわいらしい丸い花びらを楽しむことができます。
シクラメンの定番カラーを探している方には、特におすすめです。

濃い赤色と、葉のグリーンのコントラストが美しい、レッドレブル。
クリスマスやお正月を彩る情熱的な赤色が、お部屋を彩ります。
冬になると日の入りが早くなり、咲いているお花も少なくなり、寂しい雰囲気になることもありますが、温かな赤いシクラメン「レッドレブル」を飾れば、心も温かくなりそう。

 

ファルバラローズ

ファルバラローズ
フリルがかわいい、ロココ咲きでピンク色のシクラメンです。
ひらひらとした花びらは、まるでドレスのよう。
淡く優しいピンク色の花は、花それぞれで濃淡があり、おしゃれな雰囲気があります。

加えてファルバラローズは、名前に「ローズ」とついているように、バラのような良い香りを楽しむことができます。
シクラメンは香りがある品種もありますが、このファルバラローズは特によい香りがします。
シクラメンの香りは苦手という方にも、ぜひ1度試していただきたい品種です。
ちなみに、ファルバラローズの香りは夜よりも朝の方が強いように思います。

そんな香りまで華やかなファルバラローズは、フランス生まれのシクラメン
「香水といえばフランス」というように、フランスは香りを大切にしている国です。
香り文化が根付いているフランスだからこそ、誕生したシクラメンなのかもしれません。

優しいピンク色と素敵な香りは、恋人へのプレゼントにもおすすめ。
クリスマスのプレゼントや、誕生日のプレゼントにも喜ばれそうです。

セレナーディア アロマブルー

セレナーディア アロマブルー
珍しいブルー系のシクラメンです。
一重咲きの青紫色の花びらは上品で、美しい印象。
このセレナーディア アロマブルーは、青いカーネーション「ムーンダスト」を生み出した、サントリーフラワーズが作り出しました。

そんなセレナーディア アロマブルーは、爽やかな香りも楽しめます。
強すぎるわけではありませんが、遠くにいてもふんわりその香りを感じることができるかと思います。

凛としたセレナーディア アロマブルーは、目上の方や義両親へのプレゼントにも喜ばれそう。
いつもとは一味違った贈り物をしたいときや、特別な思いを伝えたいときに贈るのも特におすすめです。

 

ビクトリア

ビクトリア
花びらのふちに、小さめのフリルが付いている、高級感のあるシクラメンです。
この花びらのふち(トップ)にフリルが入っている姿から、王冠のように見えると表現させることも。

ひらひらした花びらのふちには、濃いピンク(ピンクに近い紫)の色が入っています。
白い花びらに、ピンクの色がポイントになりそう。
そんなビクトリアの花姿は、周りを明るく彩ってくれるでしょう。
繊細で優雅な姿はお姫様のようにも、バレリーナのようにも見えてきます。

大輪のビクトリアはプレゼントだけではなく、自宅用にも人気の品種です。
この美しい姿から、「イギリスの女王=ビクトリア」と名付けられたともいわれています。

冬はシクラメンを飾ろう

今回は花言葉などを含めた、シクラメンについての基本情報と、育て方、元気がなくなったときの復活方法などをご紹介しました。
冬はシクラメンが多く流通する時期です。
冬になって、花が少なくなり「少し寂しい」と感じたら、シクラメンを飾ってみてください。

品種で悩んだときは、今回掲載したシクラメンのおすすめ品種を参考にしても、お花屋さんで気に入った見た目を選んでもいいでしょう。
品種の名前を知らなかったとしても、「きれい」や「かわいい」と思ったものはぜひ、自宅用やプレゼントに選んでみてください。

ちなみに、花キューピットでも素敵なシクラメンを販売しています。
お花屋さんへ行く時間がない方は、オンラインストア(通販)で、シクラメンを購入するのもおすすめです。

 

 

 

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