お手入れの基本, 花
花束のケイトウの長持ち方法。おすすめなお手入れとは?ドライフラワーにするコツも紹介
個性的な花姿が魅力的なケイトウ。
ケイトウは、夏から秋にかけてお花屋さんで多く流通している花です。
今回は花束などで使われている切り花のケイトウを、長持ちさせるお手入れのポイントと、ドライフラワーにするときのコツをご紹介します。
プレゼントでケイトウをもらったときや、自宅用として購入した際は、この記事をチェックしてみてください。
ケイトウの花はどんな花?基本情報
まずは、ケイトウがどんな花なのかをご紹介します。
他の花にはないような、個性的な花姿をしているケイトウ。
「ケイトウ」という名前を知らなかったとしても、お花屋さんで見かけたことや、もらった花束などで見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。
他の花とは違った花姿は、印象に残りやすいかと思います。
ケイトウがお花屋さんで多く販売されている時期は、8月~9月頃。
ケイトウは主に夏~秋にかけて流通しています。
そのため、夏や秋にある誕生日や結婚記念日のプレゼントとして贈られる花束や、フラワーアレンジメントに使われることも多いです。
加えて独特な花姿をしていることと、秋に多く流通していることからハロウィンをイメージしたデザインなどでは多く活用されているようです。
一方でケイトウはお祝いだけではなく、お供えの花としても選ばれています。
お盆や秋のお彼岸などでは、菊やトルコキキョウと合わせてお供えの花として贈られることもあるようです。
ケイトウの花言葉
ケイトウは、たくさんの花言葉を持っています。
- おしゃれ
- 個性
- 風変わり
- 気取り屋
ケイトウの名前の由来
ケイトウの名前の由来は、花姿からといわれています。
ケイトウは漢字で書くと「鶏頭」となります。
赤いケイトウの花を見た時に、鶏のトサカに似ているということで、名前が付いたとされています。
ちなみに、学名の「Celosia」もケイトウの花姿が由来になっています。
しかし、学名はトサカが由来ではありません。
気になった方は、こちらも併せてチェックしてみてください。
ケイトウの学名の由来を紹介しています。
ケイトウの学名の由来は? ケイトウの花が何に見えた?学名はケイトウの花姿から付けられました。 |
ケイトウは暑さに強い
ケイトウは、他の花よりも比較的暑さに強い花です。
そのため、先にご紹介したようにお盆の花としてもよく選ばれています。
ケイトウの花は残暑の時期である8月にも、プレゼントやお供えにおすすめです。
ケイトウは花びらがない。これが花持ちのいい理由?
ケイトウは、他の花に比べて比較的花持ちの良い花です。
花束でケイトウ以外の花がしおれてしまっても、ケイトウはまだきれいに咲いているということもあります。
ケイトウが花持ちの良い理由は、ケイトウの花のように見えるベロアのような素材のフサフサした部分は、実は茎が変形したものだからです。
花のように見える部分(鶏のトサカやサンゴ、炎のように見える部分)は「花序(かじょ)・花穂(かすい)」と呼ばれ、実際には花ではありません。
ケイトウの花は、サンゴのような部分の下にあります。
写真でわかるように、ケイトウの花には細かい毛のようなものが付いているだけで、花びらはありません。
花束などで使われている切り花は、花びらが傷んでしまうことが多いです。
そのため、花びらを持たないケイトウは比較的長持ちしやすいのです。
ケイトウの長持ち方法・おすすめのお手入れ
ここからは、ケイトウを長持ちさせる方法についてご紹介したいと思います。
自宅でケイトウを飾っているという方は、ぜひチェックしてみてください。
花瓶に飾る前に葉を取り除く
ケイトウの葉は傷みやすいため、花瓶に飾る前に取り除くことがおすすめです。
ケイトウの葉はお花屋さんで取り除かれていないと、意外とたくさん付いています。
特に葉がしんなりとして元気がなくなっているものは、飾る前に事前に取り除くと良さそうです。
またデザインなどに影響しないときは、茎に付いている葉を全て先に取ってしまいましょう。
飾る前に水揚げする
花束を花瓶に飾る前に、水の中でケイトウの茎をカットするのがおすすめです。
バケツや深い花瓶、洗面器などに溜めた水の中に、ケイトウの茎を入れて下から1~3センチくらいのところを、園芸ばさみやカッターでカットしましょう。
茎をカットする時は、斜めに刃を入れるようにできるとより良いです。
茎を斜めにカットすることで、水と触れる茎の断面が大きくなり水をより吸い上げることができます。
茎を水の中で切る理由は、茎の中に空気が入らないようにするため。
茎の中に空気が入ってしまうと、ケイトウの吸い上げる力が弱くなり、十分な水を花まで届けにくくなるのです。
ちなみに茎をカットする園芸ばさみやカッターは、切れ味が良いものを選んでください。
切れ味が悪いものを使うと、茎の中の水を運ぶ管が潰れて水を吸い上げにくくなってしまいます。
この水の中で茎をカットする方法は、ケイトウ以外にも使うことができます。
また、花瓶に飾る前だけではなく定期的にカットしたり、花の元気がなくなったときにカットしたりするのも効果的です。
Q1.お花を買った、いただいた。まず最初にすべきことは? A:水揚げして吸水力をアップさせよう。方法を解説! |
花瓶の水は浅くする
ケイトウを花瓶で飾るときは、水の量を少なくしてください。
浅水で飾るようにしましょう。
水に浸かっていると、茎が腐りやすくなります。
どの花でも水に浸かっていると、茎は腐りやすくなりますが、ケイトウは他の花に比べるとやや茎が腐りやすい傾向にあります。
茎が腐ると花まで水を吸い上げることが難しくなり、しおれる原因になることも。
花を花瓶に飾るときは水をたっぷり入れたくなりますが、切り花は少しの量でも水を吸い上げることができるので安心してください。
風通しの良い涼しいところで飾る
湿度が高い場所に置いておくと、ケイトウがカビてしまう可能性があります。
風通しがよく、涼しい場所に花瓶を置くようにしましょう。
比較的暑さに強いケイトウですが、涼しい場所の方がより長持ちします。
具体的には、玄関や冷房が効いているリビングなどがおすすめ。
ただしエアコンの風に直接当たる場所に置くと、花が乾燥しすぎてしまうため避けるようにしましょう。
また植物を育てるときは日の光が必要なため、窓際など直射日光が当たる場所に切り花を飾る方がいらっしゃいます。
しかし、切り花の場合は葉・花から水分が抜けてしまうことや、日の光で花瓶の水が温まってしまう可能性も。
花瓶を置くなら、直射日光の当たらない場所がおすすめです。
輪ゴムを取って花と花の間隔を空ける
花束はラッピングを取ると、輪ゴムや麻ひもなどでまとめられていることが多いかと思います。
自宅でケイトウを飾る際は、輪ゴムや麻ひもを取り除くのがおすすめです。
「きれいにデザインされている花束の輪ゴムを取りたくない」という方も、いらっしゃるかもしれません。
しかし輪ゴムをそのままにしておくと、輪ゴムで止まっている部分からケイトウの茎が腐ってしまうこともあります。
また輪ゴムを取り除くことで、花と花の間隔を広くすることができます。
花と花の間にスペースがあると風通しが良くなるため、より長持ちさせることができるのです。
花瓶の水は毎日取り換える
ケイトウの茎は、他の花に比べてやや腐りやすいため花瓶の水が汚れやすいことも。
そのため花瓶の水は、こまめに取り替えるようにしましょう。
特に夏など気温が高く暑い日は、毎日花瓶の水を取り替えられると良さそうです。
花瓶の水は、ケイトウなどの切り花が吸い上げる水。
水が汚れていると茎の中に汚れが詰まって、花まで十分に水が吸い上げられなくなることもあります。
花瓶の水を清潔に保つことによって、花持ちも変わってくるので、気が付いた時に水を交換するようにしましょう。
花瓶は洗剤で洗う
花瓶の水を取り替える時に、花瓶の中を洗剤で洗うようにするのがおすすめです。
水を取り替えても花瓶が汚れていると、すぐに水が汚れてしまいます。
洗わずに使い続けた花瓶の内側(水が入っていた側)を指で触ると、ヌルっとすることも……。
ぬめりをしっかりと取り除くように、洗剤を使って洗うのがおすすめです。
ブログ担当はケイトウを含めた切り花を花瓶で飾っていた際に、水を替えたり花瓶を洗ったりするのが面倒で、そのままにしていたことがありました。
8月初めのころでしたが、水を交換しないで3日が経ったとき(4日目)に水が濁っていることに気が付き、水を替える際に花瓶の内側を指で触ると、ぬめりを感じました……。
その後、食器用の洗剤を使って花瓶を洗い、花は水揚げをしました。個人的な体感ですが、他の花を飾っているときよりも水が汚れるのが早いように思いました。
※花瓶にはケイトウ以外も飾っていたため、すべてがケイトウの影響ではありません。水を交換したり花瓶を洗ったりするのは少し手間ですが、きれいな花を長持ちさせるためにお世話してあげてください。
毎回水を交換するのが難しいという方は、延命剤を水と一緒に入れるのもおすすめです。
延命剤の種類にもよりますが、水が濁ってきたと思うまで交換は不要です。
元気がないときは湯揚げする
花瓶で飾っている際にケイトウの元気がなくなった時は、熱湯を使って湯揚げするのがおすすめです。
湯揚げすることで、茎の中から空気を取り除き、細菌を少なくできます。
湯揚げの方法は、ケイトウの花まで覆うように新聞紙などで包み、茎の先端を1~3センチの深さがある80度以上のお湯に10秒~40秒ほど浸けます。
お湯に浸けていると、茎からブクブクと細かい泡が出てきます。
泡が止まるまでお湯に浸けておくようにするのが良いですが、浸けておく時間が長すぎると茎が傷んでしまうので注意してください。
湯揚げした後は、お湯に浸かっていた部分の茎をカットしてから、花瓶に戻すようにします。
ちなみに新聞紙で花を包むのは、湯気などで花を傷めないようにする効果があります。
ケイトウはドライフラワーにも向いている
ケイトウは生花として花瓶に飾るだけではなく、ドライフラワーにも向いている花の一つです。
ドライフラワーにするときのおすすめをまとめました。
- 色:濃い色(特に赤がおすすめ)
- 種類:久留米ケイトウ・トサカケイトウ
自宅でドライフラワー作りに挑戦したいという方は、比較的作りやすいケイトウやバラ、かすみ草、スターチスなどの花を選んでみてください。
ちなみにケイトウのドライフラワーを作りたいという方は、赤やピンク、オレンジなど濃い色を選ぶのがおすすめ。
理由はドライフラワーにする際に、水分と一緒に色が抜けてしまうことがあるため。
ケイトウらしいドライフラワーを作りたいときは、特にイメージの強い赤い色を選ぶとよさそうです。
またケイトウにはいくつかの種類がありますが、ドライフラワーにするなら久留米ケイトウやトサカケイトウが特におすすめです。
ケイトウの種類をもっと詳しく知りたいという方は、こちらを併せてご覧ください。
ケイトウの種類 トサカケイトウ・久留米ケイトウ・羽毛ケイトウ(フサゲイトウ)・ノゲイトウ(セロシア)についてご紹介します。 |
ドライフラワーにするときのポイント
ケイトウは花を下にした状態で吊るしておくだけで、ドライフラワーにすることができます。
簡単にドライフラワーにできますが、いくつかポイントがあるのでご紹介します。
ドライフラワーにする時は、すぐに吊るす
花瓶に飾り、元気がなくなってからドライフラワーにしようとする方がいらっしゃいます。
しかしドライフラワーは購入した時・もらった時すぐに乾燥を始める方が、きれいに仕上がります。
そのためドライフラワーを作りたいと思っている方は、自宅で花瓶に飾ってからではなく、すぐに乾燥させられるように吊るすのがおすすめです。
葉は先に取り除く
ドライフラワーでケイトウの葉を使わないとき(デザイン的に必要がないとき)は、先に取り除くことがおすすめです。
ドライフラワーにしている最中(乾燥させている間)に、葉がポロポロと落ちてしまうことがあります。
葉が落ちてしまうと、掃除をするのも大変なので事前に取っておくのが良いでしょう。
トサカ・サンゴのような下の部分(本当の花)は先に取り除く
先にご紹介したように、ケイトウの本当の花は、花のように見えている部分の下にあります。
細かな毛が生えている本当の花の部分は種がたくさんあり、乾燥させている間にポロポロと落ちてきてしまうことがあります。
そのため、先に取り除いておくことがおすすめです。
本当の花の部分を取り除いたとしても、ケイトウを象徴するようなサンゴ・トサカのような形(脳とも表現される)の部分は残るため、印象はそれほど変わりません。
茎に針で穴を開ける
やらなくてもいいのですが、何もしないよりも茎に針で穴を開ける方が、早く乾燥させることができます。
先にご紹介した通り早く乾燥させることによって、花が持っている色をより美しく保つことができます。
ケイトウの茎が太いときは、それだけ水分を多く含んでいます。
水を早く蒸発させられるように、茎に針で穴を開けるのも良いでしょう。
風通しが良いところに吊るす
できるだけ早く乾燥させた方が、きれいな色を残すことができます。
複数の本数を一気にドライフラワーにするときは、ケイトウの花と花が重ならないように吊るすことがおすすめです。
間隔をあけて乾燥させるのを、意識してください。
またケイトウの花を吊るす場所は、風通しがよい場所を選びましょう。
吊るす場所は、早く乾燥できる場所を意識するとよさそうです。
ちなみに湿度の低い秋~冬にかけては、ドライフラワーが作りやすい時期でもあります。
初めてドライフラワーに挑戦しようと思っている方は、湿度の低い時期に試してみてください。
直射日光が当たらないところに吊るす
直射日光に当たっていると、花の色が薄くなったり劣化が早くなってしまったりします。
太陽の光が当たる、窓際などで乾燥させるのは控えましょう。
吊るすときは床と垂直にする
ケイトウの花をどうやって吊るすのか、迷ってしまう方もいらっしゃるかと思います。
花の吊るし方は、いろいろあり、絶対的な正解はありません。
例えば、茎の先端を洗濯物を干す時に使っている、ピンチハンガーの洗濯バサミ部分で挟んでもOKです。
また茎の先端に麻紐を結び、そこにS字フックを取り付け、どこかに引っ掛けるようにしても問題ありません。
他には室内に紐をピンと張って、茎の先端と紐を洗濯バサミで固定するのもいいでしょう。
ブログ担当は、スズランテープでハンガーに茎の先端を括り付けていることもありました。
どんな吊るし方であっても、吊るすときのポイントは、茎を斜めに固定しないことです。
茎が斜めになっていると、ドライフラワーとして完成したときに茎が曲がっていることもあります。
茎が斜めになっていると花の重みで茎が曲がり、そのまま曲がった形で乾燥してしまうことがあるのです。
ドライフラワーになると、曲がった茎を直すことは難しいです。
花を吊るすときは、床と垂直になるように「まっすぐ」を意識して乾燥させてみてください。
鉢植えのケイトウの育て方
ここまで花束などで使われる切り花のケイトウについてご紹介してきましたが、ケイトウは鉢植えとしても流通しています。
寄せ植えになっていたり、花壇に植えるようにポットに植わっていたり、ケイトウはお花屋さんや園芸店、ホームセンターなどで購入できます。
ケイトウは比較的育てやすく、ガーデニング初心者の方でも安心して育てられる花です。
開花時期は7月~11月で、夏~秋にかけてケイトウの花を楽しむことができます。
鉢植えのケイトウを育てる時は、日当たりが良く風通しの良い場所で、たっぷりと水やりをするようにしましょう。
そして花が終われば種を取り、その種を使って来年もケイトウの花を楽しむこともできます。
もっとケイトウの育て方を知りたいという方は、こちらを併せてご覧ください。
ケイトウのかかりやすい病気や被害にあいやすい害虫について、さらに水やりの頻度なども掲載しています。
ケイトウの育て方 ケイトウの花は初心者の方でも育てやすく暑さに強い植物です。これからガーデニングを始めたいという方は、この記事をチェックしてみてください。 |
まとめ
今回は切り花のケイトウの長持ち方法と、ドライフラワーにするときのポイントをご紹介しました。
もともとケイトウは他の花に比べて、比較的長くきれいな姿を見せてくれる花ですが、お手入れをすることでより長く観賞することができます。
長持ちさせるときのポイント
- 飾る前に葉や輪ゴムは取り除く
- 花瓶の水は浅水で毎日取り替え、花瓶は洗剤で洗う
- 風通しがよく直射日光の当たらない場所に飾る
- 水揚げや湯揚げをして水を吸い上げやすくする
またケイトウはドライフラワーに向いている花で、初めてドライフラワーに挑戦する方にもおすすめです。
ドライフラワーにするときのポイント
- 新鮮な花をドライフラワーにする
- 葉や細かい毛が出ている部分(本当の花)は取り除く
- 風通しがよく直射日光の当たらない場所で作る
- 乾燥させるときに茎が曲がらないように注意する
ケイトウは個性的な花姿で、花束に使えばボリュームがあり、ゴージャスな雰囲気のデザインを作ることもできます。
炎を思わせるような形やサンゴのような形、もこもことした形など他の花にはない見た目が花束全体のアクセントになるでしょう。
そしてケイトウはひまわりのように、花の表と裏がはっきりわかる花ではありません。
そのためどこから見てもきれいな姿を楽しめ、テーブルの中心に飾るのもおすすめです。
ケイトウは、ブーケやオールラウンドのフラワーアレンジメントにもよく活用されています。
お花屋さんでケイトウの花を購入できるのは、夏~秋にかけてがメインです。
「季節の花を飾りたい」と思っている方は、ぜひケイトウの花を手に取ってみてください。
また夏生まれの方への誕生日プレゼントや、ハロウィンパーティーに持っていく手土産をお探しの方にもケイトウはおすすめ。
ビビッドなケイトウの色が夏にぴったりで、個性的な花姿と暖かそうなケイトウの質感がハロウィンの雰囲気にも合いそうです。