花
秋におすすめの花【ケイトウ】の花言葉・育て方・特徴を紹介。ガーデニングを楽しもう
花は春のイメージがある方も多いかと思いますが、実は秋が旬の花も多くあります。
そこで今回は秋におすすめの花、ケイトウについてご紹介します。
ハロウィンに向けてガーデニングをされる方や、秋らしい雰囲気のお庭を作りたい方は、ケイトウの特徴や育て方をチェックしてみてください。
目次
ケイトウはどんな花?
まずはケイトウは、どんな花なのかをご紹介します。
「ケイトウ」という名前を知らない方も、花壇などで見たことがある花ではないかと思います。
他の花にはない特徴的な姿をしているため、見たことがあれば「あの花か!」と思い出すことができるはずです。
基本情報
ケイトウの基本情報はこちらになります。
- 学名:Celosia argentea・Celosia cristataなど
- 科・属:ヒユ科・ケイトウ属(セロシア属)
- 分類:一年草
- 開花時期:7月~11月
- 原産地:熱帯アジア・インド
- 花色:赤・黄色・オレンジ・ピンク・紫・グリーンなど
- ガーデニングのおすすめポイント:開花している期間が長い・初心者でも育てやすい
他の花にはないような、個性的な形が特徴的なケイトウ。
鮮やかな色合いと、その独特な形がケイトウの魅力で、夏から秋にかけて花壇や庭などを彩ってくれます。
お花屋さんだけではなく、公園や学校の花壇などでも見かけることも多いのでは。
ケイトウは比較的丈夫で、ガーデニング初心者の方でも気軽に育てることができます。
そのためケイトウは、これからガーデニングを始めたいと思っている方や、気軽に玄関や庭先に彩りを添えたいと思っている方にもおすすめです。
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特徴・名前の由来
先に紹介した通り、ケイトウの特徴は独特な花姿です。
ケイトウの品種によって花姿は異なりますが、その形はろうそくの炎のようだと言われたりニワトリのトサカのようと言われたり、珊瑚のような形と言われたりしています。
よくイラストで描く花のようにパッと開花した、ガーベラのような花の形とは全く異なります。
ちなみにケイトウの触ってみたくなるような質感は、フェルトやベルベット、毛糸のような質感と例えられています。
ケイトウと他の花を合わせてガーデニングをするときは、その唯一無二なケイトウの姿が全体のデザインに良いアクセントをもたらしてくれるでしょう。
ケイトウという花の名前は、赤いケイトウの花の様子が鶏のトサカに似ていたからと、いわれています。
ケイトウの花は漢字で「鶏頭」と書きます。
また学名の「Celosia(ケロシア)」は、ギリシャ語の「keleos(燃やした・燃焼)」に由来しているとされています。
赤いケイトウの花が、炎のように見えたことから付けられたのだそう。
花言葉
ケイトウの花言葉は、おしゃれ・個性・風変わり・気取り屋などがあります。
「個性的」や「風変り」という花言葉も名前の由来と同じように、ケイトウの花の見た目から付けられたことがわかるかと思います。
ちなみに「気取り屋」という花言葉は、赤いケイトウの花が胸を張って歩くニワトリのように見えたことから付けられたのだそう。
どうして秋におすすめ?
花束やフラワーアレンジメントで使われる切り花のケイトウは6月~11月頃までお花屋さんで置いてあることが多く、8月~9月は最もケイトウの流通が多いといわれています。
ケイトウは夏の終わり頃から、お花屋さんで見ることが多くなっていく花なのです。
そのため、秋の始まりを感じさせる花としても知られており、旬も秋になります。
そして、公園の花壇や庭先などで育てる鉢植えのケイトウの開花時期は、7月~11月頃。
10月~11月頃もきれいな姿を見せてくれるため、秋のガーデニングなどにも、よく活用されています。
ケイトウは、秋になると見かけることの多い花の一つかもしれません。
またケイトウの花色は秋らしいくすみカラーや深い色合いも多く、秋の落ち着いたおしゃれなデザインを表現できるのです。
ケイトウを花瓶に飾ったり自宅の花壇に植えたりすれば、ワイン色や彩度の低いオレンジなど、秋を感じられる彩りを添えてくれます。
加えてふわふわ・もこもことした温かな質感の花姿は、だんだんと肌寒さを覚えてくる秋の季節にぴったりなのです。
実は夏にも活躍している!
ケイトウは、夏から秋にかけて活躍する花です。
そのため秋におすすめの花としてケイトウの花を紹介してきましたが、実は、ケイトウは夏に花をプレゼントするときにもよく活用されています。
ケイトウは、夏の暑さにも丈夫な花の1つ。
寒さは苦手ですが、暑さには強いため先に紹介したように夏にも人気のある花なのです。
花束やフラワーアレンジメントなどで使われる切り花では、夏の誕生日ギフトや結婚記念日のプレゼントとして贈られることがあります。
ケイトウと、夏の花の代表であるひまわりを組み合わせることも少なくありません。
目を引く鮮やかな色合いが楽しめる、パワフルなギフトにすることもできます。
さらにケイトウはお祝いだけではなく、お盆のお供え(秋にはお彼岸の花)としてお墓参り用の花束や、仏壇に供える花束として活用されることも。
お祝いからお供えまで、幅広く活用されている花なのです。
またケイトウは切り花だけでなく、夏のガーデニングにも人気があります。
夏の暑さが厳しい時にも元気に美しく咲いてくれるケイトウは、夏の庭も彩っています。
ケイトウを夏に植えて、そのまま秋の花壇も彩ることもあるのだそう。
ケイトウは鮮やかで元気な印象の花色が夏を彩り、ふわふわとした温かな質感が秋らしさを演出してくれるでしょう。
ケイトウをどう楽しむ?
先にご紹介した通り、ケイトウは花束やフラワーアレンジメントで使う切り花としてだけではなく、鉢植えやガーデニング用のポット、種などでも流通しています。
切り花のケイトウを自宅の花瓶に飾り秋らしさを感じることはもちろん、ケイトウを庭に植えて秋にぴったりな温かな雰囲気を演出することもできるのです。
ケイトウだけを植えて統一感を出したり、他の花と組み合わせてガーデニングの表現を広げたりすることもできるでしょう。
ケイトウには60以上もの品種があるといわれており、花色や咲き方にたくさんの種類があります。
ケイトウを使って、自分の好きな表現を探してみてください。
ちなみに切り花のケイトウはお花屋さん以外にも、スーパーの切り花コーナーなどでも販売されています。
日ごろ花を飾らない方の中には、季節の花を楽しむことに対してハードルが高いように感じる方もいらっしゃるのでは。
しかし、実は思っている以上にケイトウを含んだ季節の花は、気軽に購入することができます。
お花屋さんに入りづらい方は、スーパーやネット通販から気になったときに購入してみてください。
ちなみにお花屋さんでは、1輪から購入できるところがほとんどです。
店内で気になった花に出会ったときは、1輪から気軽に花を購入し自宅で飾ってみてください。
また鉢植えのケイトウは、お花屋さん以外にホームセンターや園芸店などでよく販売しています。
いくつかのケイトウが寄せ植えになっている大きな鉢のタイプや、小さなポットに植わっていて持ち帰りやすいサイズのタイプなども流通しています。
販売されている鉢植えの中には、丸い鉢植えにろうそくのようにケイトウが植えられ、まるでケーキに見えるデザインも。
ケイトウは色や植え方によって、個性的で面白い表現をすることもできるのです。
鉢植えも切り花のように自分の植えたい場所や、飾りたい場所にあったものを選べそうです。
ケイトウの育て方
ここからは、ケイトウの育て方についてご紹介します。
初めにご紹介した通り、ケイトウの花は初心者の方でも育てやすく暑さに強い植物です。
これからガーデニングを始めたいという方でも、安心して育てることができるでしょう。
置き場・育てる場所
ケイトウは、日光が好きな植物です。
日当たりの良く風通しの良い場所で、育てるのがおすすめ。
原産地からもわかるように、ケイトウは暑さに強い植物です。
たっぷり太陽の光に、当ててあげてください。
水やりの頻度
鉢植えでケイトウを育てる時は、乾燥させないように注意しましょう。
土が乾いたら、水やりをするのがおすすめです。
特に夏は水が足りなくなることが多いので、水をあげるときはたっぷり水やりをするようにしましょう。
具体的な水の量は、鉢の底に開いている穴から水が出てくるくらいがおすすめ。
水の量が少ないと土の表面だけが濡れた状態になり、根から水が吸い上げられないこともあります。
土の中まで水が浸透するように、水の量は「たっぷり」を意識してみてください。
また根も呼吸をしていますが、土の表面が濡れていると土の中に空気が入りにくくなり、呼吸できないことも。
水を与えるときと、与えないときのメリハリがポイントです。
ちなみに種まきをした時や、ポットからプランターなどに植え付けを行った後は、特に根の乾燥に注意が必要です。
水不足を起こさないように、特に土の乾き具合をチェックすることがおすすめです。
暑い日は、朝と夜に1回ずつ(1日計2回)水やりをしても良いでしょう。
水やりは、気温が低いタイミングでするようにしてください。
気温が高い昼間などに水やりをすると、水がお湯になり、ケイトウの根が茹だり枯れてしまうこともあります。
肥料
ケイトウは、肥料を与えすぎると葉が大きくなりすぎてしまうこともあるので、注意しましょう。
庭などに地植えした場合は、特に肥料は必要ないといわれています。
鉢植えの場合は、植え付けをする際に緩効性肥料(ゆっくりと効くタイプの肥料)を、土に混ぜ込んでおくことがおすすめ。
それ以降は本葉3~4枚が出始めたことから、つぼみが出てくるまで1週間に1回程度液体肥料を与えるとよさそうです。
増やし方
ケイトウは、一年草です。
一年草は、1年で枯れてしまう植物のことです。
そのためケイトウは毎年、種をまけば花を楽しむことができます。
育てていたケイトウから、新しく種を取るのもよさそうです。
ただしケイトウは、一度ケイトウを育てた土を使うと、連作障害が出ることがあります。
ケイトウを育てていた場所(同じ土)にまた来年もケイトウを育てると、育ちが悪くなったり育たなくなることも。
庭の同じ場所にケイトウを植えるのは、2~3年ほど空けるようにすると良いでしょう。
花が終わったら?
花が咲き終わったものは、気が付いた時に摘み取るようにしましょう。
咲き終わった花のことを「花がら」と呼びます。
花がらを残しておくと、これから咲くつぼみや芽に栄養が届きにくくなります。
次に咲く花や、これから芽を伸ばす部分に栄養を行き渡せるようにしましょう。
花がらを摘み取ることで、見た目も美しくなります。
種を採集する場合は、花がらを残して種を作るようにするといいでしょう。
花が茶色く乾燥してきたら、種を取ることができます。
害虫・病気
ケイトウが被害にあいやすい害虫や、かかりやすい病気をご紹介します。
先に被害にあいやすいものを知って、注意するようにしましょう。
アブラムシ
ケイトウの栄養を吸い取ったり、栄養を吸い取る際にウイルスを感染させたりすることがあります。
アブラムシは繁殖力が高く、すぐに数が多くなることも。
見つけた時に対処するのが大切です。
小さいですが目に見えるサイズなので、数が少ない時はゴム手袋などをして、手で潰してしまうのがいいでしょう。
大量に見つかった時は、殺虫剤を使うことがおすすめです。
ハダニ
ハダニは、ケイトウの栄養を吸い取ってしまいます。
ハダニが多くなると葉が変色し、植物全体の元気がなくなっていきます。
特に、乾燥した暑い季節に感染することが多いです。
ハダニは湿気を嫌うため、水やりの時に葉の全体にまんべんなく水をかけるようにすると対策になります。
立枯病
立枯病は、ケイトウの根や土に近い茎の部分から感染します。
土壌感染する病気のため初めに根が感染することが多いです。
感染すると根から栄養が吸収できなくなり、だんだんとケイトウ全体の元気がなくなり萎れていきます。
症状が進むと、下の方に付いている葉から枯れていき、茎も茶色っぽく変色してしまいます。
風通しを良くし多湿を避けることで、立枯病を予防できます。
植え付けを行うときに、清潔な土を使うことも大切です。
連作障害
連作障害は先ほどご紹介したように、もともとケイトウを育てていた土を使って、またケイトウを育てることが原因で起きます。
連作障害になると、大きく成長しなかったり、芽が出なかったりします。
ケイトウを前と同じ場所に植えたい時は、2~3年間を空けるようにしましょう。
ケイトウの種類
ここからは、ケイトウの種類についてご紹介します。
ケイトウは60種類以上の品種があるといわれており、品種によって花の色や花の形・咲き方などが異なるのです。
たくさんのユニークな種類があるケイトウですが、ここでは主な4つの種類をご紹介します。
トサカケイトウ
トサカケイトウは、小さな花が集まって鶏のトサカのような形をしています。
「トサカ」といわれるように比較的、花姿は平たい形。
「鶏のトサカ」と聞くと、赤のイメージが強いかと思いますが、赤色以外にはピンクやグリーンなどの花色も楽しめます。
トサカケイトウの中には、鉢植え以外に切り花でも流通しているものもあり、花束などで使われているところを見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
切り花のケイトウを想像した時にイメージされる方が多いのが、トサカケイトウではないでしょうか。
トサカケイトウの品種は、デリーパール・ボンベイピーチフリル・ボンベイゴールド・ボンベイなどがあります。
久留米ケイトウ
久留米ケイトウは、トサカケイトウを切り花用に品種改良したものです。
丸みのある花姿が特徴。
先に紹介した、トサカ系統の花が球状になったようなイメージです。
その見た目は「サンゴのよう」といわれることも多い、久留米ケイトウ。
少しグロテスクに見えるという方は「脳のような花」と表現する方も。
こちらも切り花でよく流通しているため、ケイトウと聞いてイメージされる方が多い種類かもしれません。
花色は黄色や赤、オレンジなど鮮やかな色合いが多いようです。
久留米ケイトウの品種には、オレンジクイーン・ボルドークイーン・イエロークイーン・フィジーラブ・周防などがあります。
羽毛ケイトウ(フサゲイトウ)
羽毛ケイトウは、ふさふさとしたやわらかな花穂が特徴的です。
柔らかい花穂は円錐形をしていて「炎のような形」と、例えられることもあります。
鉢植えだけではなく、花束などで使われる切り花でも流通していて、フワフワしたボリュームがある品種が多いです。
羽毛ケイトウを見たら、つい触りたくなる方もいらっしゃるかもしれません。
羽毛ケイトウの品種は、クリスマスキャンドル・キモノ・キャッスルスカーレット・キャッスルオレンジなどがあります。
ノゲイトウ・セロシア
ノゲイトウ(別名:セロシア)は、植物全体に水分が少なく、ふわふわよりカサカサとした見た目をしている品種が多いです。
そのため、ドライフラワーに向いているともいわれています。
1つの茎から枝分かれして、複数の花穂を付けるのも特徴的です。
ノゲイトウは、アジアンガーデン・シャロン・ピア・キャンドルなどの品種があります。
江戸時代では、ケイトウを食べていた?
現代の日本では、ケイトウは観賞する花として知られていますが、江戸時代は野菜の1つとして栽培されていたようです。
ケイトウは古くから日本で育てられており、「韓藍(からあい)の花」という名前で「万葉集」にも登場しています。
日本には奈良時代に中国から伝わったとされており、食用・染料として活用されていたのだそう。
ちなみに、現在でも中国では花の部分を日干しにして、生薬として用いられているようです。
下血や下痢止めに効果があるとされています。
ケイトウの花で秋を楽しんで
今回は秋にぴったりなケイトウの花の特徴や育て方、種類についてご紹介しました。
冷暖房が管理された室内にいることが多くなると、季節を感じにくくなります。
1年を通して適温に設定されていると、外の気温の変化に気づくことが難しくなりますよね。
日本の素敵な四季を感じたいと思う方は、今回ご紹介したケイトウを自宅の花瓶に飾ったり、玄関先に鉢植えで飾ったりするのがおすすめです。
植物を見ることによって、季節の移ろいを感じてみてください。
もちろんケイトウは自宅用だけではなく、秋生まれの方の誕生日や秋にある結婚記念日の贈り物としてもおすすめ。
季節感のあるプレゼントを贈りたいと思う方は、花束やフラワーアレンジメントにケイトウを加えたり、鉢植えをプレゼントしたりしてみてください。
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