お供えの時のマナー, 花, 花贈りのマナー
お墓に供えてはいけない花がある?お墓参りの手順・マナー・タブー
7月~8月は、お盆ですね。また3月・9月にはお彼岸あります。
お盆・お彼岸の時期が近づくと、気になるのがお墓参りについてではないでしょうか。
お墓にお供えする花やマナー・タブーは、お墓参りに行く前に知っておきたいものです。
そこで、今回はお墓参りに行く際に疑問を持つことが多い、お供えする花の種類についてご紹介します。
またお墓参りの手順や、控えた方が良い(タブーとなる)ものなども、簡単にご紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。
目次
お墓に供えてはいけない花がある?
実は、お供えで絶対に供えてはいけないという花の種類はありません。
お墓には故人が好きだった花や、季節の花をお供えすることが多いかと思います。
ただ一般的に避けた方が良い花はあるので、まずはお墓にお供えしない方が良いとされている花の種類についてご紹介したいと思います。
▼知恩院の僧侶である大津様にお供えの花についてインタビューしました。
合わせてご覧ください。
仏花のルール・マナーQ&A 僧侶 兼 華道家の大津様からお花をお供えする際の基本的な知識をお伺いしました。 |
お墓に供えない方が良い花の種類
ここから、お墓にお供えするのを避けた方が良い花の種類についてご紹介します。
バラなどトゲのある花
トゲがあると怪我や死を連想するため、お墓をはじめお供えには控えた方が良いとされています。
トゲがある花と聞いて、初めに思い付くのは、バラかと思います。
他にトゲのある花は、アザミやイラクサなどがあります。
イラクサはお花屋さんで販売されているというよりは、ちょっとした茂みなどに生息している植物です。
お墓の花が寂しいからと言って、近くに生えていた植物をお供えする場合は、トゲがあるかどうかを確認すると良いかもしれませんね。
朝顔などつる性の花
つるで成長していく植物は、朝顔の他にクレマチスなどが有名です。
つる性の植物は、隣のお墓にツルが巻きついてしまうことがあるため、控えた方が良いとされています。
朝顔をイメージしていただくと分かりやすいですが、つる性の植物は何かに巻きつきながら成長していきます。
そのため、思っていなかった方向に成長してしまうことも……。
周りの方に迷惑にならないよう、つる性の花は避けた方がよさそうです。
椿など死を連想する花
お墓だけではなく、お供えする際は「死」を連想させる花は避けた方が良いとされています。
椿はきれいな花ですが、花が終わる時に花ごと落ちる姿が、首が落ちることを連想させるため縁起が悪いと言われることも。
きれいな花でも、縁起が悪いとされている花は避けた方がよさそうです。
彼岸花など毒がある花
毒がある花は、お墓に限らず仏壇など他のお供えも含めて、避けた方がいいと言われています。
先にご紹介した椿と同じく、毒があると「死」を連想させることから、お供えするのは控えた方がいいのだそうです。
彼岸花や水仙(スイセン)、すずらんにも実は毒があります。
キンモクセイ(金木犀)など香りが強い花
お墓には、様々な方がお参りに行ってくるもの。
花の香りが強すぎるキンモクセイなどは、お墓に供えるのは他の人のことも考えて避けた方が良いかもしれません。
香りが強すぎると、虫が多くよってきてしまうこともあります。
仏壇など、自宅でお供えする場合は特に問題にはならないようです。
ユリなど花粉で汚してしまう花
ユリなどお手入れをしないと、花粉が周りに落ちてしまう花はお墓にお供えするのは避けた方がいいと言われています。
これは、花粉が墓石について汚れてしまうことを避けるためです。
稲穂・麦・粟(アワ)など食べられる花
もともとお墓にお供えしようと思うことは少ないかもしれませんが、人が食べることのある花や植物はお供えしない方が良いと言われています。
稲穂・麦・粟以外にも、オクラの花も食べる場合があるので、控えた方が良いようです。
はじめにお伝えした通り、お墓にお供えする花については絶対的なルールはありません。
例えば、お供えするのを控えたほうがいい花としてご紹介したユリですが、故人が好きだった場合は花粉を取り除いて、ユリの花をお供えしても問題ないかと思います。
お墓参りに適した花の種類
ここからはお墓にお供えしたい、適した花の種類についてご紹介します。
菊(マム)
お供えの花として、最も有名な菊。
菊はお墓に限らず、仏壇などにもお供えされることがあります。
花持ちが良く定期的にお手入れをしなかったとしても、長くきれいな様子を楽しむことができるため、お墓にお供えするのに最適です。
菊の花言葉は「高貴」などがあります。
故人やご先祖様に尊敬の気持ちを表現できそうですね。
和風な菊もありますが、近年ではスプレーマムなどマムという名前で呼ばれる、洋菊もよく販売されています。
色もカラフルでかわいらしい見た目の種類もあるため、マムと呼ばれている菊にも注目してみてください。
カーネーション
母の日のイメージが強い、カーネーション。
母の日以外の誕生日などのお祝いでも活用されることがありますが、カーネーションはお墓などにお供えされる供花としてもよく選ばれています。
フリルのような見た目はかわいらしくもあり、品も合わせ持っているため、お供えの花束やフラワーアレンジメントに活用されているのです。
カーネーションは、1本あたりの値段が他の花に比べて手頃なこともあり、お供えの花に挿し色を加える時などにも選ばれています。
花持ちも良いため、カーネーションはお墓のお供えにもよく選ばれているようです。
リンドウ
紫や水色、青い花色が目を引くリンドウ。
お供え以外にも活用されることもありますが、特にリンドウはお盆や秋のお彼岸でよく活用されている花の1つです。
これはリンドウの開花時期が、7月~9月のためです。
リンドウはガーベラのように、1つの茎に1つの花を咲かせるのではなく、釣鐘形の花をいくつも楽しむことができます。
写真のように、リンドウの見た目は縦に長いイメージです。
そのためお墓にお供えする際、1本のリンドウを切り分けて丈を短くしても、カットした分だけ花を楽しむことができます。
またリンドウは茎が硬いため水の中で茎が傷みにくく、花持ちが良いこともお墓にお供えされることが多い理由になっています。
ただお盆やお彼岸の時期にリンドウがお供えされることが多いのは、季節の花であることと、青色の花が凛とした雰囲気を演出してくれるということだけではありません。
実はリンドウの花言葉は、「勝利・誠実」というものの他に、「悲しんでいるあなたを愛する・あなたの悲しみに寄り添う」という花言葉を持っています。
リンドウの花言葉は、ご先祖様や故人のことを考える機会が多くなるお盆や、お彼岸の時期にぴったりですよね。
蓮
蓮はお盆に欠かせない花と言っても、過言ではありません。
1つ目の理由は蓮の開花時期が、7月~8月のお盆とかぶっているということ。
季節の花をお供えしたいと思っている方は、蓮も選んでみても良いかもしれません。
また、蓮は仏教に深い関係があります。
蓮は、仏壇の台座としてよく使われています。
仏典に「蓮華(れんげ)」の名で蓮が登場しているためです。
お寺の中にある池で、蓮が育てられていることも多いですよね。
ミソハギ(禊萩)
お盆になると、盆棚にお供えされることが多いミソハギ。
実は、お盆の時期はお墓にミソハギをお供えすることもあるのだそうです。
ミソハギの開花時期が7月~8月で、お盆の時期と重なるため、季節の花としてお供えされることがあるのだそう。
さらにミソハギは、祭りの時などに身を清める役割として活用されていることもあります。
お墓にお供えするのにふさわしい、ミソハギは神聖な植物の1つなのです。
もっとミソハギについて知りたい方はこちらを合わせてご覧ください。
ミソハギの花言葉を紹介|お盆に飾るミソハギはどんな花?特徴・意味を解説 今回はそんなミソハギの特徴と花言葉、なぜお盆で供えられるようになったのかなどをご紹介したいと思います。 |
コウヤマキ(高野槇)
コウヤマキとは、庭木としても人気がある植物です。
花を楽しむのではなく、緑を楽しむものです。
針葉樹の仲間であり、先に庭木として人気ともお伝えしましたが、枝の部分は花束やフラワーアレンジメントとして使われる切り花としても出回っています。
生け花でもよく活用されているようです。
和歌山県の高野山に多くみられるので、コウヤマキ(高野槇)という名前になったのだそうです。
なぜお墓にお供えするのに適しているのかというと、花の代わりにお供えされたことがきっかけだったようです。
昔、和歌山県の高野山では「禁忌十則」という規制の中に「禁植有利竹木」という決まりがありました。
この「禁植有利竹木」は、果樹、花樹、竹、漆などを植えることを禁止していました。そこで1年を通して緑が美しく、自然の良い香りがするコウヤマキが花の代用とされたのだそうです。
ちなみにコウヤマキは日持ちが良く、傷みにくいため水も腐りにくいという理由もあり、現在でもたくさんの方々がお仏壇やお墓にお供えしております。
ご紹介したようにお供えしても花持ちが非常に良いため、お盆など夏場のお供えには特に重宝されているようです。
▼お盆について知恩院の僧侶である大津様に伺いました。
気になった方は合わせてご覧ください。
お盆・最新事情。精霊馬はブロッコリー、お花は自由?知恩院僧侶にインタビュー お盆の過ごし方などについて、知恩院の僧侶であり、華道家としてもご活躍されている大津憲優さんに教えていただきました。 |
お墓参りの手順を簡単に説明
ここで、お墓参りにあまり行ったことがないという方のために、簡単な手順をご紹介します。
宗派などによって、違いがあるのでご注意ください。
1、お墓の掃除
まずは、お墓の掃除から始めます。
落ち葉を掃いたり、目立つゴミを拾っておきます。
墓石は水をかけたり、布やスポンジで拭いたりこすったりして、汚れを落とします。
細かい部分や、汚れが落ちにくいところは歯ブラシで擦るといいかもしれませんね。
※お掃除の前に、花前で合掌することもあるようです。
2、花立に花をお供えする
花立が2つある時は、花が左右対称になるようにお供えします。
花立は、お墓に付いている花瓶のような部分です。
3、水鉢(水受け)をきれいな水を注ぐ
水鉢をきれいな水に注ぎます。
水鉢(水受け)は、故人・ご先祖様が飲む水を入れておく場所といわれています。
水鉢は、墓石のくぼみ部分のことです。
この時、食品などお供え物を持って来ている場合は、一緒にお供えしましょう。
4、線香をあげて、合掌
線香をあげて合掌します。
順番は、お墓に眠る故人と近い間柄の人からお参りをします。
ちなみに線香の火は息で吹き消さずに、手で扇いで消すようにします。
お墓参りでタブーになること
お墓参りで気を付けた方が良いことをまとめました。
服装
奇抜な格好は避けるようにしましょう。
故人に会いに行くため、きっちりスーツでないといけないわけではありません。
ただ、露出の多い服や奇抜な服装は避けるようにしましょう。
本堂の中に入る可能性がある場合は、裸足は失礼になるため控えるようにします。
サンダルで行くときは、靴下を持参するのがおすすめです。
ごみは片付ける
ゴミを片付けないで帰ることは、タブーと言われています。
掃除で集めたゴミなどはしっかり指定された場所に捨てるか、持ち帰るようにしましょう。
ジュースを墓石にかける
お酒やジュースなどを墓石にかけるのは、控えた方が良いでしょう。
お酒やジュースなどに入っている成分によっては、墓石にシミができてしまったり、変色してしまったりすることもあります。
また糖分が多いと虫が寄ってくる原因にもなりますので、控えた方が良いでしょう。
お供えは持ち帰る
お供え物で食品を持ってきた場合は、持ち帰るようにしましょう。
食品はカラスが荒らすことなどもあるため、お供えを残して帰ることによって墓が荒れてしまうこともあります。
またジュースの時と同じく、虫が多くなってしまったり、墓石が傷んでしまったりすることもあります。
そのため、お供えを残しておきたい気持ちもわかりますが、持ち帰るようにしましょう。
※花はそのままで問題ありません
お墓に最適な花を供えよう
今回は、お墓参りをする際に、役立つ情報を掲載しました。
絶対的なルールはありませんが、お墓にはお供えしない方が良い花の種類もありますのでご注意ください。
ちなみに花キューピットでは、お供えに適した花・お盆に最適な花をご用意しています。
気になった方は、サイトをチェックしてみてください。