お手入れの基本
花粉の取り方:服にユリ・ひまわり・ポピーなどの花粉が付いたときの方法
暖かく過ごしやすい日が増えて、外出しやすい季節になりましたね。
感染症の対策を取りながら、花畑へ出かけたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
花畑に出かけた際、きれいなお花に夢中になって、気づかないうちに「服に花粉を付けてしまった」という経験をお持ちの方は多いのでは。
また、花畑に限らず、「自宅で飾っていた花の花粉が落ちていて、うっかり花粉が付いてしまった…」という方もいらっしゃると思います。
ユリやひまわり、ポピーなどは品種によって花粉が落ちやすく、服に付いてしまうことも多いですよね。
そこで今回は、服に付いた花粉の取り方をご紹介したいと思います。
花粉が付いた時にしてはいけないこと
花瓶の水を交換する際や、花畑を歩いているときなどに「あ…花粉が付いた」と思っても、絶対に手で払い落したり、すぐにティッシュでこすったりしてはいけません。
また、花粉を水で洗い落そうとしたり、ウエットティッシュなどで拭き取ろうとしたりするのもおすすめしません。
黄色やオレンジの花粉が、服に付いてしまうと意外と目立ってしまう時もありますが、焦って落とそうとしてはいけません。
花粉が付いてすぐにこすってしまうと、服の繊維の中に花粉が入り込んで取れなくなってしまう場合もあります。
まず、花粉が付いてしまったと思っても、慌てて拭き取ったり水で流したりしないようにしましょう。
簡単な花粉の落とし方
ひまわりやポピー、ユリなどの花の中には、種類や品種によって花粉が落ちやすいことも意外と多いもの。
そのためわざと付けようと思っていなくても、いつの間にかついてしまうこともしばしば。
ここからは、花粉の落とし方をご紹介します。
「ガムテープで取る」・「掃除機で取る」の方法を掲載しているので、試してみてください。
ガムテープで取る
(1)花粉を乾燥させる
先にご紹介したように、花粉が付いてしまった時はすぐにこすったり水で流したりしないようにしましょう。
まずは、花粉を乾燥させることが大切です。
ポピーの花粉はパウダー状のことが多いですが、ユリの花粉はベタベタしていることが多いです。
ユリの花粉の表面には花粉セメントと呼ばれる粘着力の強い物質で覆われていて、花粉を昆虫に付きやすくするためにベタベタしているのだそうです。
粘着力があることで、昆虫に花粉を付きやすくさせ、受粉しやすくしているのです。
指に花粉の色がついてしまいますが、どのくらいベタベタしているか知りたい方は触ってみてもいいかもしれません。
実際に触ってみると、ユリの花粉は特に粘着力があることがわかると思います。
ガムテープで花粉を取る際は、ベタベタが乾燥してから取ることがおすすめです。
花粉が乾いていないと、繊維の隙間に入り込んで取れなくなったり、取ろうとしていたところ以外にも花粉の跡を広げてしまったりします。
(2)ガムテープで花粉を取り除く
花粉が付いてしまったところに、ガムテープを貼って少し抑えてから剥がしていきます。
剥がすとガムテープの粘着面に花粉が付いているので、何度も同じテープを使わないように心がけましょう。
ガムテープを新しいものにしないで、何度も同じ部分を使い続けると、せっかく取れた花粉が服の他のところに付いてしまうこともあります。
ちなみに、ツルツルとした生地の服にポピーの花粉が付いてしまったときなど花粉の状態や服の生地によって、セロハンテープで落とすことができることもあります。
服の生地がガムテープで傷んでしまいそうなときは、セロハンテープなど、ガムテープよりも粘着力を少し落として試してみてもいいかもしれません。
掃除機で吸い取る
(1)花粉を乾燥させる
どんな方法で花粉を取るにしても、まずは焦らず花粉を乾燥させましょう。
(2)掃除機で吸い取る
掃除機の先端を外して、まずノズルの部分に布やストッキングなどを輪ゴムなどで止めます。
しっかり布・ストッキングが固定できたら花粉が付いてしまった部分に当てていきましょう。
吸引力は服の生地を傷めないように「弱」がおすすめです。
ガムテープでは取り切れない花粉に掃除機を試すのもいいかもしれません。
花粉の色素を服から落とす方法
ここからは、花粉の色素が服についてしまったときの対処方法をご紹介します。
「花粉は取れたけれど、服に黄色のしみができてしまった」という方は試してみてください。
ここでは「日光に当てる」・「アセトン(除光液)で落とす」の方法を掲載しています。
日光に当てる
「日光に当てるだけでシミが目立たなくなるの?」と疑問を持つ方もいらっしゃると思います。
実は太陽の光に含まれる紫外線は、色素を吸収する力があるのだそうです。
花粉を取り除き終わったあとに、服に黄色・オレンジ色のシミができてしまった時は、服を直射日光の当たる所に置いてみてください。
シミが少し薄くなるかもしれません。
直射日光に当てる時は、シミになった部分に日光が当たるように数時間置くと良いとされているようです。
ただ、服の生地によっては傷んでしまうものもあるので注意が必要。
日光で傷みやすい生地の場合は、他の方法を試してみてください。
アセトン(除光液)で落とす
アセトンとは、ネイルを落とすときに使う除光液や、無水エタノールに含まれている成分です。
除光液の裏面にある成分表を見てみると、「アセトン」という表示を見つけることができると思います。
特にユリやひまわりの花粉で付いてしまったシミを落とすときに、アセトンは効果的です。
ちなみに、無水エタノールは花粉のほかにも油性のシミを取るときに使われることがあるので、薬局などで簡単に購入することができます。
自宅に除光液がないときは、無水エタノールを購入してもいいかもしれませんね。
アセトンで花粉のシミを落とすやり方は以下の通りです。
(1)シミが付いてしまった部分の下に、タオルやティッシュを何枚か重ねて敷く
(2)乾いた布に、アセトン(除光液や無水エタノール)をしみ込ませてシミがある部分をトントンと優しくたたく
下に敷いたタオルなどに、シミを移すようなイメージで優しくたたくといいかもしれません。
注意したいことは、ゴシゴシこすってしまわないようにすることです。
また、服の生地によってはエタノールで傷んでしまうこともあるので、「エタノールで服が傷んでしまうか確認したい」というときは、服の見えにくいところでテストしてみるといいかもしれません。
少しエタノールを付けてみて、服が色落ちしているなどがあれば、使わない方が良いと思います。
せっかく花粉のシミが取れても、エタノールで色落ちしてしまうのは残念ですよね。
ちなみに、ご紹介した方法で花粉のシミが落ちなかったときは、クリーニング店に相談してみてください。
服の素材やシミの大きさで金額が異なることがあるので、どこのシミを落としたいかを店員さんに伝えてくださいね。
また、花粉でシミができてしまったことを伝えるといいかもしれません。
理由は、シミの種類によって、クリーニング方法も異なるためです。
クリーニング店に染み抜きを依頼する際は、花粉が付いてしまったことを伝え、適切な方法でクリーニングをしてもらうようにしましょう。
最後に
今回は、花粉が服に付いてしまったときの対処法をご紹介しました。
ユリは、お花屋さんで1年を通してみることができる花なので、季節を問わず自宅に飾っている方は多いと思います。
また、5月頃まではポピー畑、夏になればひまわり畑など花畑に出掛けることも暖かくなってくると多くなるのではないでしょうか。
うっかり花粉が付いてしまったときは、慌ててウエットティッシュなどでこすらずに、ご紹介した方法で取り除いてみてくださいね。